


「ニャーン」
ネイチャーヘブンズを歩いていると大きな、とても大きな黒猫が1匹こちらにやってきた。
「ニャーン?」
尻尾には白くて大きな多弁の花が咲いており大型犬くらいの大きさをしている。
そういえばN2-Mにネイチャーヘブンズへ赴く際に『ペタルム』という猫が居ると言っていた気がする。とても好奇心旺盛だとかで、ときに瘴気へと突入してしまうこともあるとかなんとか……。
「ニャー」
ペタルムは一鳴きあげながら尻尾を立ててじーっと、じーっと見つめてくる。くりくりのつぶらな瞳に神人と精霊の顔が映り込む。
「……もしかして、遊んでほしいのかな」
「ニャーン♪」
神人の言葉が正解だとでも言いたげにペタルムは脚にスリスリと顔を押し付けてくる。大きな体でじゃれついてくる姿はなんとも愛くるしい。
「今は月幸石を探すのが大事だろう」
「でも、楽しかったり嬉しかったりすると解るんでしょう? もしかしたらこの子が持ってきてくれたりして」
今は月幸石を収集する任務の最中だろうと窘める精霊に、神人はペタルムと遊んでいるうちに見つけられるんじゃないだろうかと返しながらペタルムの喉をわしゃわしゃとくすぐりだす。
「フニャーン☆」
神人のゴールドフィンガー(?)にゴロゴロと喉を鳴らすペタルムは上機嫌にうねうねと首を揺らし始める。
ウィンクルムは好奇心旺盛な大きい黒猫としばし戯れてみることにした。


昼食代で300Jr消費します。
●目的
ペタルムと遊んで楽しんでみよう
現在『月幸石を収集する』任務の真っ最中なので、見つけられたら成功です。
場合によってはペタルムが持ってきてくれるかも?
●ネイチャーズヘブンズ
元はマシナリーファンタジアの施設に備えられていた農業区画です。
池があったり森があったりと自然豊か。
月と関係する施設なので、野生化していますがルーメン特有のちょっと変わった栽培種や家畜もいます。
●月幸石
普段は何の変哲もないただの石ですが神人の『楽しい、嬉しい』といった感情に反応して変質し
月の光を増幅する力を持つようになります。
変質前では月幸石は、ウィンクルム達では普通の石と区別がつきません。
トランク状の特殊な容器を本部から預かっているので見つけたら保管容器に入れてください。
●ペタルム
尻尾の代わりに白い大きな花を咲かせる大きな黒猫。
大型犬並みのサイズ、鳴き声や身体能力は普通の猫。
このペタルムは瘴気の影響は受けておらず、人懐こいようです。
どうやら一緒に遊んでほしいみたいです。
各ウィンクルムごとに1匹だけ現れます。
●その他
・描写は個別となります。
・装備品以外は所持していない扱いです。
・『肉』の1文字を文頭に入れるとアドリブを頑張ります
木乃です、イベントに出たいんじゃああああ!!
と色々考えた末にシンプルにしました。シンポゥ・イズ・ベスツ(イイ発音)
今回はネイチャーズヘブンズに棲む大きな黒猫ちゃん・ペタルムと遊んでください!
大きいですが普通のお猫様と中身は変わりません、苦手なことも変わらないと思ってください。
また、現地での遭遇となるので『装備アイテム以外は所持していない』扱いとなります。
ネイチャーズヘブンズは農園なので探せばペタルムの好きな食べ物などはあるかもしれません。
それでは皆様のご参加をお待ちしております。


◆アクション・プラン
咲祈(サフィニア)
|
肉 サフィニア、見てごらん。可愛らしい猫だね …ふむ。君が猫が怖いのは何となく(EP2) しかし、何故だい? こんなに可愛らしいのに…… …猫は不思議だね。にゃーにゃーと鳴くんだよ? 何故鳴くのだろうか…? 帰ったら調べなければ僕の気が済まない にゃーにゃー(真似 え、似ていない…? そうかい、ふむ…。 げふん。にゃー どうだい、今度こそ似ているだろう?(えっへん ゴロゴロいっている…? 一体、何故だい? それはともかく可愛いのだが サフィニアも怖いとか言わずに触ったらどうだ? この感情、どこへぶつければ… ああ、ペタルムにぶつければ良いのか(納得 (なでなでなでなで …ん? 月幸石だろうか、これは。…よいしょ(容器に入れ |
|
肉 これがペタルム、と挨拶代わりに撫でさせて貰って、 併し任務中であるので猫とは別れようとしたのですが。 如何やら、いばらが気に入った様子。 猫さんには暫しの間、我々のお相手をお願い致しましょう 尚、月幸石の保管容器は私が所持しています 石を見付けたら直ぐに収納します この猫も肉食でしょうか 流石に狩りを始める訳にもいかず、他に好物は……、 周囲をハーブが無いか石探しがてら見てみます。レモングラスやセージ等。 幼い頃に実家で猫を飼っていて 庭のハーブを猫達が齧っていた記憶があります 与えるのは猫と楽しそうに接しているいばらに任せます。 まだ私相手だと緊張するようで 万一石集めが叶わずとも彼の笑顔を見れたのは大きな収穫です |
●おおきな黒猫
「ニャーン」
ネイチャーヘブンズで『月幸石を収集する』という任務に就いている最中、一匹の大きな黒猫と遭遇した。
N2-Mからペタルムという生物が居ると事前に説明を聞いていたが実物を見てみるとやはり驚きを隠すことができない。
身の丈は通常の数倍……セントバーナードやレトリバー種のような大型犬くらいのサイズはあり、幼児なら騎乗することもできるかもしれない。
尻尾に生えた月下美人のような美しい多弁の白い花をゆらり、ゆらりと左右に揺らしながらこちらを見上げ好奇心旺盛な瞳を向ける姿は見た目通りの猫と変わりなく愛くるしさがある。
「ニャーン!」
ピンと尻尾を立てながらペタルムはひと鳴きする。『遊んでー』とねだるようにぐりぐりと頭をこすりつけながら足元をぐるぐると回り始める。
「ニャー♪……ゴロゴロゴロゴロ」
試しに喉元で指をわしゃわしゃと動かしてみると嬉しそうに喉を鳴らし、足に尻尾を巻きつけてくるのでなんとなくくすぐったい。ひとしきり喉元を弄って手を離すと……ペタルムはゴロリとお腹を見せる。
どうやらこの人懐こいペタルムに気に入られてしまったようだ、『もっと構ってよー』と甘えた視線を向けてくる。
●ねこのきもちについて追求してみた結果
「可愛らしい猫だね」
咲祈は人懐っこい仕草をみせるペタルムのお腹をゆっくり大きく撫でながら柔らかい猫毛の感触を楽しむ。ペタルムももしゃもしゃと撫でられて気持ちいいのか、毛並みの良い体をくにゃりくりゃりとよじりながら目を細める。
「ニャー」
「ほらサフィニア、見てごらん」
咲祈はすっかり心奪われたようで、甘えてくるペタルムの後ろに回り込み両前足をもちながらサフィニアの方へ向かせる。
「ひえっ!?」
しかしサフィニアはいつもの人懐っこい笑顔を浮かべる顔に不安そうな表情を浮かべており、ペタルムを向けてみるなり驚いて数歩下がって悪魔のような尻尾を所在なさげにゆらゆらと揺らし始める。
「……どうしてそんなに後ずさるんだ」
「いや……ペタルムでも、猫でしょ?」
「N2-Mが言うには、通常の猫に比べて特筆した点は大きさと尻尾の花以外にないって言っていたね」
ちょっとばかり前に起きてしまった猫とのいやーな記憶が呼び起こされるようで、サフィニアは目をそらして明後日の方へ視線を向ける。
(こんなに可愛らしいのに、何故サフィニアは嫌がるんだろう……)
サフィニアの対応に咲祈はやや不満を感じながらペタルムの両前足をぴょこぴょこと交互に上下させる。
「ニャゥ?」
ペタルムは不思議そうにとがった耳をぴこぴこと動かしながら背後に立つ咲祈の方を見ようと見上げる。咲祈はじーっとペタルムの大きな瞳を見つめながら唐突に呟いた。
「……猫は不思議だね」
「? どこが不思議なの」
離れた場所で見つめていたサフィニアは咲祈の言葉に首を傾げると、咲祈は真剣な面持ちを見せサフィニアに視線を向ける。
「猫はにゃーにゃーって鳴くんだよ? 何故にゃーにゃーと鳴くのだろうか?」
(……咲祈ちゃんの調べ癖に火が付いちゃったかな)
帰ったら調べなければ‥…謎の使命感に燃える咲祈の姿にサフィニアは小さく溜め息を吐いた。
(身体を壊さない程度に抑えてくれればいいんだけどさ)
自分が書物を与えたことで知識欲というか、探究心というか……生来持ち合わせていたらしい咲祈の旺盛すぎる好奇心をかきたててしまい熱中しすぎて食事を忘れてしまうこともあるのでサフィニアとしては程々に堪能するまでに留めて欲しいのが本音だ。
そんなサフィニアの心配を知る由もない咲祈はさっそく調べてみることにしようと思考を巡らせる。
(何故にゃーにゃー鳴くのか……猫の気持ちになってみたら解るかもしれない)
咲祈はまず猫の気持ちになってみようとゆっくりと口をひらく。
「にゃー、にゃー」
ペタルムの真似をして『にゃー』と口に出してみる、ペタルムは首を傾げサフィニアも咲祈が突然にゃーと言い出したことに目を白黒させた。
「え、今の鳴き真似……?」
「うん」
問いかけに頷いてみせる咲祈にサフィニアは申し訳なさそうに苦笑をこぼす。
「残念だけど、似てないよ咲祈」
「似てない……そうかい、ふむ……」
思った以上に鳴く真似は難しいのだね、と感想をこぼす咲祈はなんとか猫の鳴き声を似せてみようとにゃー、にゃーと続ける。
「にゃー」
「ニャーン?」
「にゃー」
「ニャーン」
咲祈の鳴き真似をまねるようにペタルムも一緒になって鳴き声をあげ始める、ひとしきり眺めていたサフィニアもそんな咲祈とペタルムのやりとりを微笑ましく感じる。
「げふん、にゃー」
「ニャーン♪」
あと一押しと感じた咲祈はひとつ咳払いしてもう一鳴き、ペタルムも上機嫌に一つ鳴くと尻尾の花をひらりと揺らす。
「どうだい、今度こそ似ているだろう?」
「あはは、だいぶ似てきたんじゃない?」
会心の出来だったと満足げに胸を張る咲祈の様子が面白くて思わずサフィニアは笑い声をあげる。
(こういうところが妙に子供っぽく感じるんだよなぁ)
猫と戯れる姿も然ることながら、思った通りに出来たと嬉しいことを報告してくる。褒めて欲しい訳ではないのだろうが小さい子供がとるような行動だとサフィニアは思う。
「ゴロゴロゴロゴロ……」
「またゴロゴロ言ってる……一体、何故だい?」
サフィニアの親心溢れる視線にも気づかない咲祈は喉を鳴らすペタルムに問いかける、と言っても人語を解せる可能性があっても話すことの出来ないペタルムには答えることが出来ない。
「可愛いの一言に尽きるな……サフィニアも怖いとか言わずに触ったらどうだ?」
ふよふよと目の前を過ぎる蝶々にペタルムの興味が向き、てしてしと猫パンチを始める様子に感嘆の息をこぼす咲祈。困らせるどころか和ませてくれる様子に咲祈はサフィニアに構ってみたらいいのにと提案してみた。
しかし、サフィニアは顔も身体も強ばらせて揺らしていた尻尾の動きも止まる。
「見るのは良いよ。……でも!」
でも、可愛い見た目に騙されてはいけない。経験則から見てペタルムは警戒対象……故にサフィニアは触らない、近づかない、たわむれない。
「触れないから俺の代わりに咲祈が存分に可愛がってあげて! ペタルムが参っちゃうくらい!」
「……」
鼻息も荒く力説するサフィニアに咲祈はなんとなく……なんとなーく、モヤモヤする。
「この感情、どこへぶつければ……」
湧き上がる感情が良いものではない、それだけは解る咲祈は溜まり込む前にスッキリさせようと思案する……すると、腰にてしてしと柔らかな感触。
「ニャーン」
蝶々を追いかけるのに飽きたらしく、ペタルムは咲祈の元まで戻ってきて肉球パンチで構ってサインを出してきていた。
(……ああ、ペタルムにぶつければ良いのか)
柔らかく暖かいものには癒しの効果があるとどこかで読んだ気がする、咲祈はがばっとペタルムに抱きつくと一心不乱に撫でくりまわし始める。
なでなでなでなで、わしゃわしゃわしゃわしゃ……
「ニャウ!? ニャー!」
「さ、咲祈ちゃ~ん? そんなに? そんなに可愛いの!?」
くすぐったそうに四本の足をばたつかせながらペタルムも咲祈に全身でじゃれつく、大型犬サイズということもあり咲祈はじゃれつかれた勢いでそのまま地面にごろり。
サフィニアは急にアグレッシブなふれあいをし始める咲祈に驚き、心配そうに見つめる。
(あーあー、お洋服が土だらけに……ん?)
これは洗濯が大変そうだなぁと思ったサフィニアは溜め息をつきながら視線を落とすと……ふと視界の端にと鈍く光るなにかが見えた。
「ん?」
サフィニアは茂みの下で淡い光を放つなにかに手を伸ばすと硬い感触が手のひらに当たり、拾い上げてみるとそれは石だった。
「月幸石……」
たしか、神人の『楽しい』とか『嬉しい』とかプラスの感情に反応すると職員さんは言っていた気がする。
「咲祈、あったよ!」
「……なにが」
「ちょ、いま月幸石探してるの忘れてたの!?」
こっちこっちとサフィニアの手招く方へ咲祈も近づいていき、淡い光を放つ月幸石を見つめる。
「これが、月幸石だろうか……よいしょ」
咲祈は任務用にと預かっていたアタッシュケース型保管容器に月幸石を詰め込み始める、サフィニアもしゃがみながら頬杖をついて詰め込む様子を眺めてみた。
「咲祈ってばそんなに楽しかったんだ?」
楽しかったんなら、それで良いんだけどね……と付け加えサフィニアはなんとか月幸石を見つけられたことにホッと一息。
「……にしても動物好きなんだ、咲祈?」
「さぁ……多分、好きなんだと思う」
サフィニアの言葉に自分のペタルムとの交流に対する感情を思い起こして咲祈は思考をぐるぐると巡らせて総合的に『好ましい』と感じていることまで理解できた……が。
「ただ」
「ただ?」
咲祈は背後からぽふっと乗りかかってくるペタルムの頭をわしわしと撫でながら呟く。
「サフィニアもペタルムと仲良くなってくれたら、もっと楽しかったかもしれない」
その言葉が単に戯れている姿を見たかった好奇心によるものなのか、独り遊びに飽いてしまったことによるものなのか……サフィニアに咲祈の言葉に含まれた真意を知る術はなかった。
●ペタルムと交流をとおしてみた結果
「これがペタルム、か」
ネイチャーヘブンズで遭遇した大きい黒猫のお腹を葵田 正身はよしよしと挨拶がわりに撫でてみた。毛の手触りは街中で見かける猫たちと大きな差異を感じられない。
「うわぁ……!」
傍らに立っていたいばらはきょとんと橙色の瞳を大きく見開かせて驚きの声を漏らしていた。
「どうした、いばら?」
「あ、いえ、その…‥ペタルムさん、想像より大きいのでちょっとびっくりしてしまいました」
ネコ科である豹やチーターに似ている訳でもなく、よく見る猫がそのまま大きくなった姿のペタルムに驚きを隠せなかった。
(なるほど、そういう見方もあるのですね)
月世界・ルーメンの影響も受けているようだし、と違和感なく納得していた面もあったので正身はいばらの感想に素直に感心した。
「でも、この子も瘴気の影響を受けている可能性が……」
「そうなると、任務に支障が出るかもしれないな」
「少し様子を見ましょう」
正身は手に持ったからのアタッシュケース型容器を開くと近くに月幸石がないかと足元に視線を巡らせ始める。いばらもおかしいところはないかと軽く頭を撫でてみる……
「ニャーン!」
「うわぁぁっ!?」
ペタルムがいばらに猫パンチをお見舞いして腰に飛びかかり、不意打ちされたいばらは驚いてそのまま地面に転倒してしまう。驚いた正身はすぐさま振り返ると……ペタルムはいばらに覆いかぶさってゴシゴシと顔を擦り付けていた。
(……どう見ても、甘えているようにしか見えませんね)
どうやらいばらはペタルムに気に入られてしまったようだ、正身は踵を返してペタルムに押し倒されているいばらの方へと足を向ける。
「す、すみません葵田さん! このペタルムさん、人懐っこいみたいで……」
「ニャーン♪」
『もっとなでてー! かまってー!』という猛烈にして熱烈なアピールをしかけるペタルムに気圧されてしまったいばらは手足をジタバタさせて大型犬サイズの猫のおねだりに慌てふためく、正身は顎に手を当てて逡巡するとすぐに口を開いた。
「猫さんには暫しの間、我々のお相手をお願い致しましょう」
「あ、ありがとうございます……ペタルムさん、ちょっとどいてもらえますか?」
「ニャッ」
どのみちその状態では動けないだろうと言って正身は少しの間ペタルムにネイチャーヘブンズ流のおもてなしをしてもらうことにした。と言っても、ペタルムから施しがある訳ではないので若干の語弊がある。
いばらにわしゃりわしゃりと喉元を撫でさすってもらいご満悦な様子のペタルムはようやくいばらの上から退いて、隣に座り込む。尻尾に咲く大きな花をゆっくりと左右に揺れ動かし、尻尾だけ見ると風に吹かれているようにも見える。
「む、むむ……」
いばらは姿勢を正すと地面に膝をついてペタルムと向き合う、ペタルムはキラキラと猫目を輝かせてなにをしてくれるのだろうかと期待のこもった無邪気な瞳で見つめてくる。いばらが恐る恐るペタルムの片前足を握って肉球をぐにぐに弄ってみると、てしてしと犬がお手をするように応えてくれた。
「ニャーン」
「……嫌がらないですね」
両耳をぴこぴこと上下させて周りをぐるぐると歩き回るペタルムにいばらは呆気にとられてしまった。人がしょっちゅう出入りする場所でもないのに怖気づいた様子もなく、気を許していると言っても良いほど落ち着いている。
「いばらは猫は好きではないのか?」
「いえ、そういう訳ではなくて……実は僕、動物と仲良くなるの苦手なんです。近付いても逃げられたり、時には噛まれたり……」
弟には兄貴の怯えを感じるんだよ、なんて言われますけど……そう言っていばらは苦笑いを浮かべた。
「確かに動物は人間の感情を感じ取っているような、見透かしているというか……強い感受性を持ち合わせているように見えることもあるな」
「そうですね、だからでしょうか……感動してしまいました」
ちょっと強引なところもあるけれど、それは一緒に遊んで欲しいという欲求が強いからだろう。いばらは吠える様子もなく、噛み付こうとする様子もなく、好奇心のままに交流を試みるペタルムがちょっとだけ羨ましく思う。
「……あ、でも、今任務中でしたよね」
いばらはすっかり月幸石のことを忘れていたと申し訳なさそうに眉を下げる。
(葵田さん、怒ってるかな……)
真面目そうな感じの方だし任務を忘れて遊んでいたら気を悪くしてしまうのではないだろうか、いばらは顔色を窺うように目線をあげる。
「ん?」
……見上げた先に優しげな青い瞳があり、視線がかち合う。
「なんだ、もっと遊んでいいんだぞ」
ペタルムはネイチャーヘブンズにしかいないからな、そう言って正身はペロペロと身体を舐めているペタルムに視線を向ける。視線に気付いたペタルムは座り直して「ニャー」とひと鳴き、まだ遊び足りないと催促されているようだ。
(……ちょっと、びっくりしてしまいました)
正身が任務を一旦置いておいていいと言うようなタイプだとは思わず、いばらは再び目をぱちくりさせてしまった。
「ところで、この猫も肉食なのでしょうか」
「ニャ?」
腹を空かせているかもしれないと思った正身の問いかけにペタルムは首をかしげてウロウロと周りを歩き始める。
「そういえばここの猫さん達はなにを食べているんでしょうね?」
「流石に狩りを始める訳にもいかないし、他に好物は……」
ネイチャーヘブンズにはオーガが出没していないこともあり、今日は軽装備で武器も持っていない。どうしたものかと思考を巡らせている内にふと正身は顔を上げた。
「そうだ、この辺りにハーブがないか探してみましょう」
「ハーブ、ですか?」
いばらは何故ハーブなのだろうかと不思議そうに首を傾げると正身はふむ、と一息。
「幼い頃に実家で猫を飼っていて、庭のハーブを猫達が齧っていた記憶がある」
ハーブ探しがてら、月幸石も一緒に見つけてしまえば問題ないだろう……そう言って正身は周囲に生えていないだろうかと茂みを探り始める。
「き、葵田さん! 僕も一緒に探します」
そのまま茂みの奥にずんずん進んでいく勢いの正身にいばらは慌てて後を追い、ペタルムもとことこと後ろについて行く。
「確かレモングラスだったような……」
「ルーメン特有の植物も自生しているせいか、似て異なるものもありそうですよ」
正身はレモングラスの特徴であるレモンの香りのする草はないかと摘んでは鼻を近づける。いばらも摘んでみた野草に鼻を近づけてみると、砂糖のようにふんわり甘い匂いを放っていた。
「ニャーン!」
ふと、いばらの摘んだ甘い香りの野草にペタルムが反応を示す。物欲しそうに目を輝かせながらウロウロと目の前を右往左往する姿はエサをおねだりしているようにも見える。
「葵田さん、これが好物みたいですよ」
「レモングラスならぬシュガーグラスと言ったところか」
試しにペタルムの鼻先にシュガーグラスを近づけてフリフリと軽く振ってみると、スンスンと鼻を鳴らして匂いを楽しんでじゃれるように前足でてしてしっと捕らえてから口に含みもしゃもしゃと咀嚼しはじめる。
「……えへへ」
機嫌良さそうにペタルムの尻尾の白い花がひらり。いばらはほにゃっと表情を緩めてペタルムの頭をぽふぽふと撫でた。
(いばらが楽しそうでなによりです)
楽しげな光景にうんうんと正身は満足げに小さく頷く、たびたび表情が強ばることが多いように感じていただけに笑顔を見られてひとまず安心だ。
「……ニャーン」
ふと、ペタルムが何処かへと歩き出す……数歩あるいた先でペタルムは確かめるように正身達に視線を向ける。
「どこに行くんでしょう?」
ペタルムの誘いに乗ったいばら達はそのまま後についていき、歩き始めて数分。
着いた場所には小川があり水のせせらぎが心地よく周囲に響く美しい川辺だった。
「ニャウ」
ペタルムは川辺に落ちていた石を前足で器用に転がすと正身の前に置いて、そんな行動を数回くり返してぺたりと座り込んだ。
「……?」
不思議に思った正身が置かれた石を拾い上げると石はぼんやりと薄鈍い輝きを発し始める。
「もしかして、月幸石でしょうか?」
いばらも輝きを発し始める月幸石に驚きの声をあげながら拾い上げてみる。
「ニャー」
同意するようにペタルムは鳴き声をあげ、目を細める表情は笑顔を浮かべているようにも見えた。



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | 木乃 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | ハートフル |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | 普通 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 2 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 10月03日 |
| 出発日 | 10月09日 00:00 |
| 予定納品日 | 10月19日 |


