


「精霊と親交がなかなか深められない?」
神人から相談を受けたA.R.O.A.職員が目を見開く。
「まぁ、男同士じゃ気恥ずかしさもあるだろうしな……休暇申請してやるから、
今の季節なら花見でも行ったらどうだ?これも新人ウィンクルムの為だ」
俺が協力するぜ?と、職員がとある場所を紹介してくれた。
タブロス市よりほどなく離れた場所に桜並木を名所とする街があった。
街の名前は『カミノデル・セレッソ』という街道沿いに発展した街で、
街の中心部を縦断するように桜並木があるのが特徴的だ。
桜が満開になると露店が立ち並び、露店にはたこ焼きや焼きそばなどの飲食、
飲み物も販売しているようなので街に着いてから花見の用意をすることもできるだろう。
ビールも販売しているが、必ず年齢確認をされるので未成年者は飲むことは不可能だろう。
桜並木の傍らには河川敷公園があり、そこから見る桜は圧巻だ。
ベンチから川の流れを聞きながらお弁当を食べ、花見というのも乙なものではないだろうか?
暖かくなってきたので、小川の浅瀬に入って遊ぶのも面白いかもしれない。
ただし派手に水の中へ入ってしまうとまだ寒い季節だ、加減は気をつけなければならない。
シートなどの持ち込みは許可されているので、用意して持っていくといいだろう。
また、毎年この時期になると喫茶店で桜のアイスや桜のクレープなどの、
桜やさくらんぼを用いたスイーツなども販売される。
この季節限定ということなので気になる者は喫茶店へ行ってみるといい。
「たまにはゆっくりしてこい、オーガ討伐のためには親密になることも大切だぜ?」
そう言って職員はニシシを笑みを浮かべた。
桜色に染まる街の中で、神人と精霊はどんな思い出を作るのだろうか?
一日だけの春色の休暇が始まる。


以下の場所に行くことができます。
ただし2ヶ所以上の描写はできませんので
かならず場所を選択してプランを設計して下さい。
例外として出店で購入した飲食物を持って公園で花見をするプランはOKです、
『公園での描写中心』となりますので公園内でのプランをお願いします。
◆桜並木の通り
市街地中心部です。
以下のモノを購入できます。
『食べ物』
・唐揚げ、フランクフルト、焼き鳥 各50Jr
・たこやき、おにぎり、サンドイッチ 各75Jr
・やきそば、お好み焼き、ピザ 各100Jr
『飲み物』
・ミネラルウォーター 50Jr
・ジュース類、コーヒー、紅茶(レモン、ミルク、ストレート) 75Jr(ホットかアイスかもご記入を)
・ビール 100Jr(未成年は購入不可のため描写全カット、外見年齢20歳以下も同様)
◆河川敷公園
街の端の方にあります。
公園といっても遊具はジャングルジムと滑り台くらいで、広場に近いです。
ベンチも置いてありますし、シートも持ち込むことができます。
河川は幅3m、深さ30~50cmの穏やかな水流の川です。
水も透き通っていて、花びらが時折流れていく様子が風流です。
◆喫茶店『セレッソ』
季節限定のスイーツを用意しているお店です。
レンガ造りのナチュラルテイストなお店で、店先から桜並木を眺めることが出来ます。
一階とガーデンスペースに客席を用意しています。
以下のモノを購入できます。
『食べ物』
・桜のアイス、桜のクレープ 60Jr
・チェリーパイ、桜のシフォンケーキ 85Jr
・桜のパフェ 120Jr
『飲み物』
・コーヒー、紅茶(レモン、ミルク、ストレート)50Jr
・抹茶、ハーブティー、さくらんぼのスムージー 70Jr
木乃です、ようやく暖かくなってきましたね!
男性PC初のハピネスをご用意いたしました。
今回は春らしいハピネスとなっております。
場所は3ヶ所となっておりますが、複数ヶ所は移動できませんので
一ヶ所にプランを集中していただいてOKです。
キャラクター口調やセリフを盛り込んで頂けると
反映しやすくなりますので、ぜひ盛り込んでみてください。
皆様のご参加、お待ちしております。


◆アクション・プラン
スウィン(イルド)
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喫茶店セレッソのガーデンスペース スウィン…桜のシフォンケーキ・さくらんぼのスムージー イルド…コーヒー・追加注文で桜のアイス 季節限定スイーツってきいたら食べたくなるわ どれにしようか迷うけど、おっさんはこれ! ケーキふわふわ♪スムージーも甘くて美味しいわ~♪ ほっぺた落ちちゃいそう!幸せ~♪(頬を押さえて) イルドはそれだけでいいの?おっさんのちょっとあげようか? (うんと言われたらケーキを「あ~ん」と差し出す気満々) あ、追加注文するの?それも美味しそうよね~ (からかえなくて少し残念)あとで一口頂戴ね 公園で花見もいいけど、ここからも見えるからいいわよね 桜綺麗ねぇ♪ 今度機会があったら花見にもいきましょ~ね! |
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…喫茶店がいい、かな (財布の中身と睨めっこ) 花が嫌いな訳じゃないから リュシィが見たいなら付き合うけど 実家の庭の桜、枝を落とした時に、ぼとっと(毛虫の塊が) …それでちょっと、樹の下だと落ち着かないだけだし (故に喫茶店でのんびりしたい) (メニューを見て暫く迷いに迷い) リュシィは何にしたのさ、うーん…違うのにしようかな チェリーパイとさくらんぼのスムージーにする 合わないかもとかあまり気にしない、来年また来れるかわからないし (来た品をつつきながらやっぱり他のにも目移りし) …リュシィ、半分こしよう 半分ずつ交換しよう、そうすればお互い2種類味わえてシアワセ、うん …桜、近くで見たいなら、帰りに見てく? |
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公園からの景色がすごいって聞いて レーゲンとお花見しに来た お昼は俺が作ったおにぎり(…でいいよね) 最初は普通に作ってたけど ふとこの中におかず入れれば手が汚れないし 面白いかもとあれこれも入れて握ってたら、 大きくなってしまった… で、でも味は大丈夫だから!(力説) 大きいから、二人で一口づつ交代で食べよう 唐揚とか卵焼とかそのうち出てくるから お昼食べたら桜見ようか あ、ジャングルジムもある いつも見上げてばかりだから たまにはレーゲンより目線高くなりたいと 一番上まで登ってみる てっぺんで桜見るのもきれいだけど うーん、やっぱりレーゲンも上がってきて。 一緒に見たほうが楽しいや …って、どさくさに何やってる!(じたばた) |
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店で買い物→河川敷公園 ビール×2、唐揚げ、焼きそばを購入 職員さんが紹介してくれたこの花見、いい機会だし色々ヒロハくんと話してみよう。 …やっぱり男二人で花見は恥ずかしいけど。 河川敷で、持ってきたシートを敷いて、食べ飲みしながらゆっくり話しをしたいな。 ヒロハくんがいつも何してるのかも聞いてみよう。…仕事してるようには見えないんだよなぁ。 この前の初依頼では緊張ほぐしてくれてありがとう、ってお礼も言わないと。 あ、俺の教え子も花見に来てるみたい。 …俺達の関係を聞かれたら?きっとこれから大事な友達になる人だ うーん、なんだか楽しいなぁ、お酒弱いの忘れてた。 川気持ちよさそうだし、飛び込んでみようかなぁ。 |
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購入:ビール、焼き鳥 持ち物:ナップザック、シート、手作りおにぎり8個、ウィンドブレーカー 露店で購入後、桜並木を歩くよ いやぁ、この年になっても桜が見られるなんて感動 ん?琥珀、どったの? でもビール飲むなら、やっぱりアレだ 夜桜見ながら飲まなきゃ 念の為、街の人に桜並木で夜桜のライトアップがあるか聞くよ あったら、ウィンドブレーカーを着て待機 なかったらまあいいや 今日一日、桜の木で毛虫でも探そう そんで腹減ったらシート広げて琥珀ちゃんとおにぎり (具:鮭・梅・昆布・鱈子・鰹・高菜・明太子・海老マヨ) 自分で作ったけど、形はダメだなぁ はたして美味いのか?コレ 琥珀、楽しかったかい? って帰り道、ちょっと聞いてみよっと。 |
◆『桜の道』
カミノデル・セレッソ。
意味は西欧の言葉で『桜の道』と言うそうだ。
街道沿いに植えられた桜の周りに発展していった街だから、という理由で
安直とも言えるし、名は体を表しているとも言える。
そんな桜色の街で休日を過ごすウィンクルム達の昼下がりをお届けしよう。
◆おにぎりのお弁当
信城いつきとレーゲンは河川敷公園にやってきた。
「すごい綺麗だな」
「そうだね、名所って言われるだけはあるよ」
いつきは対岸の河川にも沿うように立ち並ぶ満開の桜に目を輝かせる。
レーゲンもいつきの様子を微笑ましく思いながら桜並木を眺める。
そよ風が吹く度に舞い落ちる桜の花びらがのどかさを感じさせる。
「なぁ、レーゲン。今日は弁当作ってきたんだ」
一緒に食べようぜといつきが木製のベンチに腰掛ける。
レーゲンもいつきの手作り弁当に興味があるのか、心なしかワクワクしながら隣に座る。
「……それ、お弁当なの?」
レーゲンが目を点にしているのも無理はない。
いつきが取り出したのはバレーボールほどの大きさのおにぎりである。
「普通に作ってたんだけどさ……この中に入れれば手も汚れないし良いかなって」
おにぎりをよく見ると唐揚げや厚焼き卵がはみ出していた。
「面白いかもってあれこれ入れてたらこんな感じに……おかずは味見してるから大丈夫だぞ!」
力強く解説するいつきに思わずレーゲンは笑ってしまう。
「ふふっ……じゃあ一緒に食べようか?」
大きなおにぎりを交互に食べ始めるいつきとレーゲン。
「もぐもぐ……おにぎりの塩加減もちょうどいいしおかずも美味しいよ」
中から唐揚げを引き当てたレーゲンが嬉しそうに頬張る。
いつきもレーゲンの言葉に笑みがこぼれる。
巨大おにぎりは男二人で食べても十分な大きさだった。
いつきはレーゲンが食べてくれたことに、レーゲンはいつきの手作りお弁当(?)を食べて
充実したお弁当タイムを楽しんだ。
***
「おにぎりにチョコを入れるのはやめた方がイイよ……」
「へへ、チョコおにぎりはあんま美味しくなかったな」
お弁当を楽しんだいつきは腹ごなしに遊ぼうと提案する、軽く食事休憩をとって公園内を見て回っていた。
「どこ見ても桜が視界に入るってすごいね」
「そうだなぁ……ん?」
公園内を散歩しているといつきは申し訳程度に置かれていた遊具のジャングルジムが目に入る。
「こういうの見ると登りたくなるな!」
ジャングルジムにいつきが近寄るとそのままスルスルッとてっぺんまで登る。
いつきよりももっと幼い子どものための遊具とあって大した高さではなかったが、
それでもいつきにとっては十分だった。
「どうだっ、レーゲンより目線が高いぞ!」
一瞬レーゲンはきょとんとしながらいつきを見つめるが、いつきの目線の位置にすぐ合点が来た。
(ジャングルジムで目線の高さを上げたのか……よく思いつくなぁ)
レーゲンはいつきの自由な発想に微笑ましく感じながら見上げる。
いつきはすぐ近くの桜の木に向き直る。
「……うわぁ……」
視界一杯に広がる桜の花。淡い桜色の花びらがそよ風に吹かれて甘い香りを放つ光景は幻想的だった。
「レーゲンも登って来いよ!すっごい綺麗だぞ」
レーゲンも目を輝かせているいつきの見る景色が気になってジャングルジムに登る。
「凄いね、こんなに近くで花見ができるなんて」
レーゲンも手を伸ばせば届くほど近くに花開く桜に目を見開く。
「花びらに触れるかな……うわぁ!?」
「いつき!」
好奇心で桜の枝に手を伸ばそうと身を乗り出したいつきがバランスを崩す。見ていたレーゲンも助けようと手を伸ばす。
レーゲンはいつきの手を掴むと自分の方へ引き寄せる。
「……危なかった、大丈夫?」
「あ、ああ……」
驚いたいつきは目をパチパチさせていたが怪我はなく、レーゲンも安堵の息を吐く。
「また落ちたら危ないから、今日はずっと手を握ってるからね?」
「はぁ!?」
レーゲンの宣言にいつきの目が大きく見開かれる。
ジャングルジムを降りても手を離さないレーゲンにいつきは戸惑いながらも、
手の温もりが心地よくて離すことができないのであった。
◆中身が大事
「夜桜見物はできないのね」
鹿鳴館・リュウ・凛玖義出店で買った飲食物を片手にぼやいていた。
桜がライトアップされて夜桜が見れないか?と思い、住人に聞いてみたものの
『防犯の都合で夜桜はやっていない』とすげなく言われてしまったのだ。
「よざくら?」
凛玖義の反対の手は琥珀・アンブラーが握っていた。
「夜に桜でも見ようかなぁって思ってたんだけどね、やってないんだってさ」
「う、うん」
琥珀が内心、夜に出歩かなくて済んだことを安心したのは内緒である。
二人は通りを抜けて河川敷公園に入っていった。
しかし、公園に入っても凛玖義は足を止めずふらふらと歩き続けていた。
「りくぅ、なに探してるの?」
「ん~?ちょっとねぇ」
琥珀は首を傾げて凛玖義を見るが、凛玖義はにやにやしながらはぐらかすだけで
何を探しているか教えてくれない。
「む~」
琥珀が考えこんでいると『ぽてっ』と肩の上になにか落ちてきた。
「いたいた、やっぱりいるんだねぇ」
「へ?」
凛玖義は琥珀の肩に目を向けており琥珀は不思議そうに自分の方を見ると
そこには小さな毛虫が。
「うわあぁ!肩になんかいるぅ!りくぅ!とってとって~!?」
「はっはっは」
慌てふためく琥珀の様子に凛玖義は笑っているだけだった。
「うねうねだよぅ!かわいくない~!!」
じたばたと暴れている琥珀を見て、ひとしきり笑っていた凛玖義が琥珀の肩から毛虫を払いのける。
「琥珀ちゃんは怖がりだねぇ」
「こ、こわくないぃ~!びっくりしただけっ」
琥珀は頬をふくらませて凛玖義を見つめる、そのとき『ぐぅぅぅ~』と琥珀の腹の虫が鳴き始めた。
「腹ごなしにはいい時間かな、飯にしよう」
「うんっ!」
凛玖義は毛虫が落ちてこないように桜から少し離れた場所にシートを広げる。
先ほど買ってきた焼き鳥や焼きそば、ビールやミルクティーの他に凛玖義が手作りおにぎりを用意していたが……
「具は変なの入れてないからねぇ」
中身は明太子や梅干し、焼き鮭など無難だが、不器用なのかおにぎりの形はボコボコの物ばかりだった。
「おにぎり、イメージしてたのと違う」
「あっはは、焼きそばの方が美味そうだし食べなくても」
いいぞ、と言い続けようとする凛玖義の言葉が終わる前に琥珀は口に運んでいた。
「ん!美味しいっ!!」
口の周りにご飯粒をつけたまま琥珀は2個目に手を伸ばす。
「こ、琥珀ちゃーん?無理しなくていいんだぞ?」
「なんで?美味しいよっ」
凛玖義が困惑するのをよそに、こっちはシャケだーと無邪気に琥珀は食べ続ける。
「ほら、りくも一個食べよ?」
「……くっ、はっはっはっはっは!!」
自分でも美味しいのか?と疑問に思ってしまうような出来のおにぎりを無邪気に食べる琥珀に思わず笑いがこみ上げる。
琥珀は突然笑いだした凛玖義をきょとんと見つめる。
「まったく琥珀ちゃんは可愛いなぁ」
「ふえぇ~……りくぅ!やめてよ~!」
琥珀は凛玖義にわしゃわしゃと頭をなでくりまわされる。
ひとしきり撫でられた琥珀の髪はクシャクシャに乱れていた。
「今度はもうちょっと練習しておくよ、焼きそばも食べちゃいなさい」
「うんっ!」
凛玖義はビールを飲みながら美味しそうに食べる琥珀の姿を見つめる。
(美味しいって言ってもらえるのも、悪くはないねぇ……)
琥珀は凛玖義の視線に気づかずにミルクティーで喉を潤す。
「りくっ、またおにぎり作ってね!絶対食べるっ!」
「はいはい、機会があったらねぇ?」
満面の笑みを浮かべる琥珀に凛玖義もいつもと違う笑みを浮かべるのであった。
◆春は曙、酔ふ酔ふと。
ヒズカ・ストラトスとヒロハ・ゲイザーも河川敷公園にやってきていた。
「ヒズカが誘ってくるなんて意外だねぇ、研究は一段落したの?」
ヒロハはのほほんとした笑みを浮かべてヒズカの敷いたシートに座る。
「た、たまには気分転換もしないと息が詰まるからね」
最もらしいことを言いつつも、ヒズカの真意は違うところにあった。
(ヒロハくんと色々話してみたいけど……男二人で花見なんて、気持ち悪がられてないかなぁ)
ヒズカなりに思うところがあっての行動だが、事情は複雑なようだ。
「唐揚げも焼きそばも冷めちゃうよ?早く食べようよ」
そんなヒズカを余所に先ほど出店で買ってきた食べ物を取り出すヒロハ。
今日は特別にビール2本も買ってきた。
「昼間からお酒が飲めるって、なんか新鮮だね」
「今日だけだよ?花見の席なんだから無礼講ってだけ」
ヒロハはビールを手にとりヒズカにも手渡す。
販売されていたのは缶ビールだったが、サーバーで出したものだと移動中に泡が潰れてしまうので鮮度的にはよかっただろう。
キンキンに冷えた缶ビールを持ち、プルタブを引き上げる。
「じゃあ、花見にカンパーイ」
「うん、乾杯」
お互いの缶をぶつけ合うと、カコンッと鈍い音が響く。
***
「この間、ありがとう」
「ん?」
「初めての依頼で、緊張ほぐしてくれたでしょ?」
ヒズカはヒロハのおかげでリラックスして臨めたと礼を言うが、ヒロハは首をかしげた。
「ヒズカが怪我したらオレ悲しいもん、もっと気楽に構えなよ?」
ヒロハは唐揚げを頬張りながらニッコリ答える。
「……じゃあさ、色々聞いても……いい?」
「ふふっ、いいよ」
ヒズカは遠慮がちにヒロハに目を向けていたが、ヒロハは笑顔を浮かべるだけだった。
「……仕事、してるの?……好きなものは?戦うの嫌じゃない?」
ヒズカは饒舌に捲し立てていき、ヒロハの顔から苦笑いが零れる。
「もう、ヒズカったら……面接じゃないんだからもっとゆっくり、ね?」
「あ……ご、ごめん!?」
恥ずかしさでドギマギするヒズカは落ち着こうと飲み物をぐいっと飲む。
「好きなものは楽しいこととかキレイなものかなぁ……戦うのも嫌では」
ヒロハはそこまで話すとヒズカの様子がおかしいことに気づく。
「ヒズカ?」
「……なんらか、ふわふわ」
ヒロハはヒズカの顔が赤らんでいたのには気づいていたがそれは『照れているから』と思っていた。
しかし、ヒズカの様子は明らかに……
「酔ってる?」
「あはは、なんか楽ひくなってきたぁ……小川も気持ちよさそう」
呂律の回らないヒロハはふらふらと川に歩み寄っていく。
「ヒ、ヒズカ?」
これには流石に驚いたヒロハもヒズカを止めようと駆け寄っていく。
小川は穏やかな水流だが、深いところは50cmあり転んでしまえば溺死しかねない。
「ヒロハく~ん、きれーらよぉ……飛び込んでみよ」
「ヒズカ!」
焦ったヒロハが小川に落ちそうになるヒズカに手を伸ばす。
しかしヒズカは細身とは言え背が高い分類だ、背があれば体重もそれなりに増える。
『ザッパーン☆』
ヒロハはヒズカに引っ張られて一緒に川に落ちてしまった。
「……」
「あっはははは!!ヒロハくんびっしょびしょー!」
酔いの冷めないヒズカはヒロハの様子を見て腹を抱えて笑う、幸運にもメガネは無事だ。
「あっははは……っくしゅん!」
「……ぶっ」
春先の川に落ちてくしゃみをするヒズカに思わず吹き出してしまうヒロハ。
「ヒズカったら、そんなベタな……っははははは」
「ヒロハくんだって鼻に花びらが……くははっ」
お互いのベタな展開に思わず笑いが溢れる。
ヒズカの予想外の行動が、ヒロハとの距離を縮めてくれたようだ。
後日、ヒズカが風邪を引いて寝込んだのは言うまでもない。
◆Tiempo de la Cerezo Dulce
時刻は15時前。
ファウスト・アルジェントとリュシアン・シュヴァリエは喫茶店『セレッソ』にやってきた。
ヨーロピアン調のセレッソ店内も春らしいインテリアになっており、
壁には桜のリースや桜色のコットンで、桜の木を彷彿とさせるものが目白押し。
テーブルの上にも桜の花が付いた枝とヒバリの置物で装飾されていた。
「えーと、ファウストは桜が嫌いですか?」
リュシアンは先ほどまで財布とにらめっこしていて、
今度はメニューとにらめっこ中のファウストに声をかける。
「……昔、桜の木からボトッて。毛虫の塊が」
心なしかファウストの眉間の皺が深くなる、嫌な思い出が蘇ったようだ。
「それでちょっと、樹の下だと落ち着かないだけだし……リュシィも早く決めたら?」
ようやく決まったのかファウストはメニューをリュシアンに手渡す。
ある程度決めていたのか、リュシアンは流し読みするとすぐに給仕を呼び寄せる。
お目当ては期間限定メニューだ。
「リュシィは何にしたの?」
「ふふ、来てからのお楽しみです」
***
「お待たせしましたぁ」
給仕が注文された物をトレイに乗せて持ってきた。
「チェリーパイとさくらんぼのスムージー、桜のシフォンケーキとストレートティーになりますぅ」
ファウストが注文したチェリーパイは上にドレンチェリーを詰め込んでおり、生地との間にサワークリームが詰め込まれていた。
クリームの中にも細かく刻まれた桜桃が詰まっており見るからに食欲をそそる。
さくらんぼのスムージーはクラッシュアイスと苺をシェイクしたもので、薄紅色のドリンクの上にさくらんぼが置かれている。
シフォンは桜色のクリームと抹茶色に染まったスポンジケーキで、クリームの上に砂糖漬けされた花びらが。
「想像したのとちょっと違ったけど美味しそうだ……そっちも美味しそう」
春らしさをふんだんに取り入れたお菓子に思わず目移りしているファウスト。
「えーと、なぜさくらんぼのメニューを2つも」
「来年もまたこれるか解らないし、気になったのを選んだだけだけど?」
翌年も行っているかもしれないが、また来れるとは限らない。
そう言いたかったのだが、ファウストの関心は違うところだった。
「……意味深ですね」
「おいこら、意味深って何!?」
テーブルをバンバン叩いて抗議するファウストに生温い微笑みを向けるだけのリュシアンであった。
「……リュシィ、半分こしよ」
「ん?」
「半分ずつ交換すればお互い2種類味わえてシアワセ、だろ?」
その方がいいと言わんばかりのファウストにリュシアンはワンテンポ遅れて微笑む。
「美味しそうだから一口欲しいって仰ればいいですのに」
「そ、それはフェアじゃないだろ!?半分こったら半分こ!」
リュシアンはぷんぷん怒るファウストのチェリーパイを綺麗に取り分け、
開いたスペースにシフォンケーキを半分載せてファウストの前に戻す。
「抹茶のシフォンに桜のクリームか……ぱくっ」
ファウストは先にリュシアンのシフォンケーキを頬張る、抹茶のほろ苦さと桜の甘味が
お互いの味の邪魔をすることがなく口の中に広がり、その風味は和のお茶会を彷彿とさせた。
「大人の味……こっちは」
今度はチェリーパイを口に運ぶ。
砂糖漬けされたチェリーにサワークリームの酸っぱさが絶妙な相性で、
黄桃の果肉から溢れ出る桃の果汁がより味わいを引き立てた
「クリームとさくらんぼの相性……!」
幸せそうに味わうファウストを見て、リュシアンもケーキを食べ始める。
「……うん、美味しいですね」
同じ感動が共有できて嬉しさと照れでファウストは頬を赤らめるが、悟られないようにそっぽを向く。
リュシアンが気づいていたかは不明だが、ファウストと同じ感動を共有して
楽しい時間を過ごしたことは事実である。
◆Cerezo Atardecer
スウィンとイルドはセレッソのガーデンスペースに来ていた。
ガーデンスペースからは桜並木も臨むことができ、パンジーやチューリップなどの
春の花が植えられていたプランターが所狭しと置かれていた。
スウィンも桜のシフォンケーキとさくらんぼのスムージーを頼んでいたが、イルドはコーヒーだけである。
「う~ん、ケーキがふわっふわだねぇ」
シフォンケーキを頬張りながらさくらんぼのスムージーを飲み始める。
スムージーはさくらんぼの甘さと苺の甘酸っぱさで濃い甘さを感じさせ……
「隠し味にレモンかねぇ?甘ったるさに染み渡る爽やかさがいいねぇ♪」
ほっぺたがこぼれ落ちそうと言わんばかりに頬を抑えて喜びを表現するスウィン。
見た目は30代のおっさん予備軍である。
「お~お~、幸せそうに食ってんなぁおっさん」
イルドは頬杖をつきながらスウィンの食べる様子を眺めていた。
大の男二人でスイーツとか……と居心地悪そうにしていたが、
スウィンの食べっぷりを見ていたら気が緩んできたようだ。
「イルドはコーヒーだけ?しょーがねーのぅ……はい、あーん♪」
「……追加で頼んどく」
ノリノリでシフォンケーキを切り取って差し出すスウィンを尻目にイルドはメニューに手を伸ばす。
「ちぇ~、ひっでーの」
口を尖らせて残念そうにするスウィンは行き場を失ったフォークに載るシフォンケーキを頬張る。
「桜のアイスってやつにしようかな」
「それも美味しそうよね~、あとで一口頂戴ね?」
給仕に注文してみたものの桜のアイスが想像つかないイルドだったが、
スウィンの甘味レーダーには見事に捕捉されていたようだ。
「俺の分まで食う気かぁ?甘い物ばっか食ってると太るぞ」
「ま、まだ大丈夫だから……」
「おっさん、声震えてるじゃねーか。……その分、依頼受けて戦わねーとな!」
目を逸らすスウィンに冷静にツッコむイルドは働いて体を動かせばどうにかなると告げる。
「あらま~、おっさん危ないの嫌だわ~?ちゃんと守ってくれよ若者」
両手で体を抱きしめていやんとくねるスウィン、ちょうどそこにイルドの注文した桜のアイスが届く。
黒い漆塗りの器に入った桜色のアイスは、砂糖漬けされた桜が混ざっており
アイスの上にも桜の花びらが乗せられていて非常に上品な見た目だった。
「あらま、食べるのがもったいなくなっちゃうね」
「置いといても溶けちまうだろ……」
添え付けの木製スプーンで一口すくってイルドがアイスを頬張る。
桜のアイスはミルクの味が濃厚で砂糖漬けされた桜の花びらと独特の味わいを演出していた、イルドは濃厚な甘みを噛み締める。
「……すっげぇ甘いな」
「おっさんにもくれると嬉しいんだけどなぁ?」
おねだりアピールするスウィンにそのまま桜のアイスを渡す。
「あらま~、悪いねぇおねだりしちゃったみたいで……んー!濃厚なミルクの甘味と桜の甘味が堪んない!!」
「ははっ、食いもんだけでそんなに幸せになれるんならお手軽だなぁ、おっさん?」
またも歓喜の声をあげるスウィンの様子に、思わず笑みが溢れるイルドだった。
「公園の方も桜が綺麗だったけど、ここからも見えるのはいいわよね」
「……まあ、綺麗とは思うな」
食事を終えた二人は通り沿いの桜を眺めていた。
もうすぐ日が暮れる時間で夕焼けが桜を染めていた。
「今日は限定スイーツを堪能するのがメインになっちゃったからね、また機会があったら花見でもしましょ~ね!」
終始、満足気なスウィンだったがやはり花見は花見で堪能したかったところもあったのかもしれない。
「……おっさんが行きたいなら、一緒に行ってもいいけどな」
イルドはスウィンの呟きにボソリと返答するのだった。
◆休暇の終わり
こうして、ウィンクルム達の休暇は終了した。
パートナーと、時間を共有することでお互いの絆が深まったようだ。
明日から再び、オーガとの戦いが始まる。
今日という日のささやかな思い出が、ウィンクルム達の力となるように……。
| 名前:信城いつき 呼び名:いつき |
名前:レーゲン 呼び名:レーゲン |



エピソード情報 |
|
|---|---|
| マスター | 木乃 |
| エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
| 男性用or女性用 | 男性のみ |
| エピソードジャンル | ハートフル |
| エピソードタイプ | ショート |
| エピソードモード | ノーマル |
| シンパシー | 使用不可 |
| 難易度 | とても簡単 |
| 参加費 | 1,000ハートコイン |
| 参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
| 報酬 | なし |
| リリース日 | 03月26日 |
| 出発日 | 04月05日 00:00 |
| 予定納品日 | 04月15日 |

2014/04/04-17:50
挨拶忘れてた、ごめん。
ファウスト、宜しく。
喫茶店、かな…んんん…(財布の中身と睨めっこしつつ)
2014/04/03-16:50
遅れちゃったね、いつき君とファウスト君は初めてかな。
ヒズカ君とスウィン君は、この前どうもね。
僕は桜並木の通りを歩く予定だよ。
夜桜が気になってねぇ、寒いかもしれないんだけど、
当日ライトアップしてないか気になるんだ。
2014/04/03-14:46
おっさんはスウィン、相方はイルドよ。
公園で花見もいいな~って思ったけど、今回は喫茶店で季節限定のスイーツを食べる予定。
いい休日を♪
2014/04/02-22:35
俺たちも、公園でお花見だよ
もし会えたらよろしく。
おにぎり作って公園で食べるつもり
その後はどうしようかな。
川で遊ぶのもいいけど、実はジャングルジムも気になる
(だって、うちの精霊より目線が高くなれるチャンスが!(笑))
2014/04/01-20:18
ヒズカです、向こうで会うようなら宜しくね。
お互い良い休日にしましょう!
俺は出店で色々買って、河川敷公園でのんびりお酒でも飲もうかなぁと思ってます。
お酒強くないんだけどね、男二人で花見ってちょっと恥ずかしいし、お酒の力を借りようかななんて…。

