リザルトノベル
◆アクション・プラン
キアラ(アミルカレ・フランチェスコ)
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・昼のカルーセル
・乗る事はしない
乗る年齢でも柄でも無い為
他の神人と精霊が楽しんでるのを眺める
・精霊と話を
自身の事、神人と精霊の関係性
今までは警察のような仕事をしていた
今後はまだ決まっていない
「こんながさつなオバサン、雇ってくれる所があればいいんだけどね」
契約適正は運命というより偶然と思っている
「嫌でも一緒にいなきゃいけないのもあるが、この偶然を無駄にするのは勿体ないと思うのさ」
今後どういう関係になっていくかは、自分たちなりに決めていけばいい
(相棒路線フラグ)
「神人と精霊の関係にも、色々な形があるだろう…ああいう微笑ましいもの、甘ったるいもの、淡泊なもの。どれ間違いじゃないと思うよ」
・チョコ渡す
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リュミヌ・エヴァイエ(ヴィルト・テネレッツァ)
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夜のカルーセル希望。
馬を希望。できれば二人乗りで。
私が彼の後ろに乗って、ヴィー君の肩とかに手をかけながらバランスをとりつつ乗る方向で。
暗ければ…彼に前を見ていてもらえれば、互いの顔色や、どんな表情をしているか、見えないでしょう?
チョコのことは、さすがにちょっと緊張してるの。
最近のこととか、出会った時の互いの印象とか軽口叩きながら話をしつつ、カルーセルを楽しみましょう。
そうそう、チョコは降りる直前に、どさくさに紛れて彼のズボンのポケットか襟元に、勝手に突っ込んでおくことにするわ。
結局こういう可愛げない渡し方しかできないけど、今回のところは許してね。
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ニーナ・イグレシア(カイ・エルスター)
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昼のカルーセルさんは見るだけ
乗ってみたい気持ちもありますが、静かな場所が好きな彼は嫌がってしまいそうですし
ここは諦めて夜のカルーセルさんに誘います
夜の方であれば落ち着いた雰囲気で楽しむ事も出来る筈です
最初は彼は乗り気でないでしょうから私一人で馬さんに乗ります
馬さんを十分に楽しんでから、乗り変えられるのなら馬車さんの方に
最後にチョコレートを渡します
契約してくれた事の感謝とこれからもよろしくお願いしますという想いと共に
そしていつかカイさんと一緒に本物の馬に乗って夜ではなく太陽の下でいろんな所に行ってみたいです
あ、でも乗馬の仕方も知りたいですし彼に頼めば教えてくれるでしょうか?
とても楽しみですね
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マリアベル=マゼンダ(アーノルド=シュバルツ)
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アルさまとおさんぽをしておりましたら、すごくきれいなカルーセルが…
わたくしがそれをじっと見ていましたら、アルさまが『乗りますか?』ってたずねてくださいましたの
でも周りにたくさん人がいましたし、わたくしははずかしくて首をふりました
そうしたらアルさまが『あちらなら、誰も見てませんよ』って箱の中のカルーセルにつれて行ってくださいました
まるで、宝石箱の中のようで、とても、きれい
お星さまがキラキラしてて、きれいなお馬さんや馬車がやっぱりキラキラしていて…
馬車にのって、ずっと窓からお馬さんをながめていました
今日はアルさまに、チョコレートをお渡しするためのおさんぽだったのですわ
ここでならお渡しできそうですね
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●風が誘うメルヘンの世界
子供たちの歓声が公園に響く。
そよそよと穏やかな風が、公園の木々の葉を擦って、優しい音を奏でる。
風は葉擦れと共に、今日限りの回転木馬の音楽も、公園の外へと送り出している。
まるで往来の人々を、木馬に誘うように。
――あそぼうよ、あそぼうよ。ねえ、いっしょにあそぼうよ。
その声に誘われて、一組のウィンクルムが散歩の足を止めた。
「……乗りますか?」
じいっと食い入るようにメルヘンチックな光景に夢中な少女へ、ファータの青年が優しく尋ねる。
ハッと我に返り、恥ずかしそうにブルブルと首をふるマリアベル=マゼンダを、変わらぬ優しい笑顔で見下ろし、アーノルド=シュバルツは公園の中へとエスコートする。
「あちらなら、誰も見てませんよ」
恥ずかしがりやのマリアベルを、アーノルドはひと目の少ない『夜のカルーセル』へといざなった。
「…………!」
建物に一歩足を踏み入れるなり、まるで黒いビロードの上に宝石を散りばめたかのような世界に包まれた。マリアベルはあたりを見回し、感嘆のため息を漏らす。
そして闇の世界にぼうっと幻想のように現れる、カルーセル。
公園の青空の下にあったものと全く同じ、美しい金で縁取られ、優美な形を誇るそれ。
マリアベルはまるで魅入られたようにカルーセルへと足を進める。
そして、かぼちゃのようにまぁるい馬車の中へ、ふわふわの赤いビロードの床を踏んで、同じ布地で覆われた腰掛けへとよじ登る。
ぺたん、と窓枠に手をつき、小さな窓から見える、まるで水晶球の中のように屈折した木馬とイミテーションの星空を眺める。
恥ずかしがり屋で引っ込み思案な少女でも、子供特有の好奇心を掻き立てられて思わず乗ってしまう素晴らしいカルーセルに、アーノルドは感心しきりだ。
ゆっくりと、しかしマリアベルがつまずいたりしないように見守れる距離で彼女を追いかけ、窓の外に夢中なマリアベルの正面へと、アーノルドは腰を下ろす。
頬杖をついて、プラチナブロンドの髪を流し、精霊の青年は、己と契約した神人の少女を見つめた。
と、急にプルルルルと発車のベルが鳴り、がくんと馬車が動き出す。
「きゃっ」
小さく悲鳴をあげ、ほんのちょっぴり体勢を崩したマリアベル。だが、とっさに手を出したアーノルドの手は借りず、なんとか姿勢を戻す。
「も、申し訳ございません、アルさま」
泣きそうな顔で謝るマリアベルに、彼女を宥めるようにアーノルドは優しくかぶりを振る。
「いいえ、お気になさらず。マリー、大丈夫ですか?」
「は、はい……」
真っ赤な顔で、マリアベルは腰掛けに腰を下ろした。失態を見せてしまって、恥ずかしいと縮こまる。
優美なメヌエットに合わせ、ゆっくりゆっくり馬車が揺れる。
「ぁ、そうですわ」
マリアベルは今日の本当の目的を思い出し、いそいそとポシェットから包みを取り出した。
興味深そうにマリアベルの様子を眺めていたアーノルドに、マリアベルはその包みを差し出す。
「マリー、私にくれるのですか?」
「はい、その……えっと……」
勇気を出したものの、やっぱり挫けそうで、ぴんと伸ばした彼女の腕が折れかける。
その前に、アーノルドの美しい指が包みを受け取った。
「ありがとうございます、マリー。大事にいただきますね」
暗い夜の世界の僅かな光に照らされるファータの綺麗な笑顔を、マリアベルはぽぅっと見つめるのだった。
●ワルツと回れ木馬
「可愛いですね」
それは愛らしく動くカルーセルのことか、それともカルーセルにはしゃぐ子供のことか。
微笑むニーナ・イグレシアの言葉が、自分へ同意を求めているものなのか、独り事なのか、図りかねて、カイ・エルスターは冷めた表情のまま、ニーナを見つめていた。が、ニーナがカイに振り向く気配を察知して、彼はサッと木馬を囲う柵に背を預けた。
興味のなさそうなカイの様子に、ニーナは苦笑した。そういう人だとは分かっている。
とくに賑やかな場所は好まないようだ。この『昼のカルーセル』に誘うのは無理そうだ。
「あの、よかったら、あちらも見に行ってみませんか?」
ニーナは、箱のような建物を指してカイを誘う。
「わざわざ足を運んだんだ。中を見るのも一興だな」
無愛想にカイは言い、さっさと『夜のカルーセル』へと歩き出した。
ニーナは、微笑んだまま、はいと頷き、カイの後を追った。
ニーナ達が去ってからしばらくして、木馬は動きを止めた。柵の扉が開いて、わらわらと子供たちが戻ってくる。
親に楽しかったと口々に告げ、親も笑顔でそうかそうかと頷く。穏やかな昼下がり。
少し離れたベンチに座って、キアラはその様子を眺めていた。
「平和なもんだ」
天を仰げば、抜けるように蒼。その中を、ぱさぱさと軽い羽音とともに一羽の鳩が泳いで行く。
もっとウィンクルムが遊んでいると思ってやってきたが、どうも昼の木馬にそれらしき人は乗っていないようだ。皆、夜の方へ行ってしまったか。
「意外と面白いもんだな。ぐるぐる回るメリーゴーランドを見るのは」
キアラの隣で、マキナの青年アミルカレ・フランチェスコはまんざらでもない表情で、カルーセルを注視していたが、ようやく止まったことで視線をキアラに戻した。
「そうかい。楽しかったなら良かったよ。見て楽しむくらいなら、別にオバサンやオニーサンがやってても可笑しかないだろ」
多分、と口の中で付け足し、キアラはアミルカレへ顔を向ける。
「ああ、見る分にはタダだからね」
あまりジェールを使うことに積極的ではないアミルカレらしい言い分だ、とキアラは笑う。
木馬は次の回転のための準備を始めた。順番を待っていた子供たちが、馬をとりあう微笑ましい光景を、眺めながらキアラは、
「ちょいと話さないか」
と何でもないようにアミルカレに持ちかけた。
怪訝そうな精霊に、キアラはバツ悪気に苦笑する。
「ほら、会って間もないけど仲良くしたほうが良い関係だろ?」
キアラとアミルカレはこれからオーガと戦う運命を共にするウィンクルムだ。
ならば、親密になっておくことは決して損じゃない。
「……ま、仲良くなれって命令するもんでもないけど。仲良くなっても良いかも……くらいは思ってもらえたらと、ね」
「そこまで嫌がってないよ」
気にし過ぎだとアミルカレは、眉を寄せた。確かにまだ初対面に近く、決して親しい仲とはいえないが、忌み嫌うほどでもない。
「確かに、今までの生活が崩されるかもしれないと思っていた頃はあったけれど」
しかし、キアラは彼に合わせて自分の生活を変えてくれた。
「こんなオバサンのせいで行動縛っちまうなんて申し訳ないからね」
なんとなく申し訳無さそうなアミルカレに、キアラはカラカラ笑ってみせる。
彼女は自警団としての仕事をしていたが、ウィンクルムとなった時に辞めた。
今後のことは、まだ決まっていない。
「こんながさつなオバサン、雇ってくれる所があればいいんだけどね」
アミルカレは黙っている。安請け合いや社交辞令のでまかせをホイホイ口に出す性格ではないのだ。
ただ、内心、早く仕事を見つけないとこの浪費家はあっという間に破産か借金地獄だ。と危惧はしているので、キアラの就職活動が成功してほしいとは思っている。
どれだけ財布管理をアミルカレが完璧にこなしても、入ってこなけりゃいずれは行き詰まるのだから。
「なーに深刻な顔してんのさ。なんとかなるなる! はいっ」
キアラはアミルカレの仏頂面を笑い飛ばし、何やら箱を差し出した。
「……チョコレート?」
包装を見て、アミルカレが首をかしげる。
「お近づきのシルシってヤツさ」
本当にそれだけだから、とグイと差し出すチョコレートを、アミルカレはそっと受け取る。
「どうも。ちゃんとお返しはするよ」
キアラの精霊は、締まり屋ではあるが、礼儀はある。アミルカレは丁寧な手つきでチョコレートを鞄に収めた。
●メヌエットできらめけ光
「子供くさい。乗るなら一人で乗るんだね」
ニーナにカルーセルに一緒に乗るように誘われたカイは、カルーセルの台座には立ったものの、優美な女性や花の描かれた支柱に背を預け、腕を組んで動かなくなった。
「じゃあ、私は馬さんに乗りますね」
ここで挫けていては何も進まないので、ニーナはカイの目の前の茶色い馬によじ登り――足掛けから足を踏み外す。
がくんっと下がった体は、ニーナが悲鳴を上げる前に、落下を止めた。
「カ、カイさん……?」
「あぶなっかしい。やはりお前は抜けてるところがある」
ぶすっとまるで研究成果を発表するかのように言い、カイはニーナを馬の上に上げると、また支柱の定位置に戻る。
「ありがとうございます。何分、馬に乗ったことがないので……」
「遊具だぞ、それは」
本物とはぜんぜん違うんだ、とカイが眉を寄せる。
「あ、本当の馬さんをご存知なんですか? いつかカイさんと一緒に本物の馬に乗って夜ではなく太陽の下でいろんな所に行ってみたいです。乗馬の仕方、教えてください」
にこにことニーナが言うも、カイは呆れたように肩をすくめるだけだった。
発車のベルのあと、馬が上下に動き出し、ゆっくり台座ごとカルーセルが回る。
しばし馬を楽しんで、ニーナもようやくカルーセルに馴染んできた。
もともと子供の遊具だ、楽しくないわけがない。
落ち着けば周囲を見る余裕も生まれてきた。
「星空、綺麗ですね」
ニーナが外側の闇に浮かぶ無数の明かりを見て、呟く。
「電球が光っているだけだが、お前にとっては綺麗なのか」
感情は不要と考えるカイには、綺麗という感動もよくわからないらしい。
しげしげと、彼女が綺麗だと言った暗い壁や天井に色とりどりの電球が散りばめられた光景を、カイはまるで研究するかのような視線を端々に送って、見ている。
「なるほど」
ふと、得心したかのように深く頷いた彼にも、ニーナの感動が伝わっただろうか。
ニーナはいつの間にか、自分もカイを観察していたことに気づいて、少し頬を染めた。
カイはニーナの視線には気づいていなかったようだが、これでは熱っぽく視線を送っているのと同じではないか――。
気恥ずかしさをごまかすように、ニーナはカイに声をかけた。
「馬車に乗りませんか? 空いているようですし」
奇跡的に上手に動く木馬から降りられたニーナは、揺れる馬車のそばに立ってカイを呼ぶ。
カイも棒立ちはつまらなかったのか、素直に馬車にやってきた。
ニーナが先に乗り込むと、なんとカイはニーナの横に座ってきた。
「ええ?! カイさん?」
正面に座るものだと思っていたニーナが驚くも、カイは平然と、
「観察をするのであれば近くがいい」
と言ってのける。
感情に乏しいカイにとって、表情豊かで見ていて飽きないニーナは観察対象なのだ。
近すぎる距離にどうしてもドキドキしてしまうニーナは、十分カイの観察欲求を満たしたようだ。
カルーセルが動きを止め、降車した時、どことなしにカイの機嫌がよさそうであった。
今だ、とニーナがチョコレートを渡す。
「あの、これ。契約してくれてありがとうございます。あ、あと、これからもよろしくお願いします!」
「……なんだそれ……」
呆れつつも、カイはチョコレートを受け取った。
「……どうも。返礼は必ず」
●夜の中を駆けよ木馬
時間も深まり、カルーセルの客は潮が引くように減っていった。
そして、最後の運転時間。『夜のカルーセル』にはたった二人の乗客しかいなかった。
リュミヌ・エヴァイエとヴィルト・テネレッツァ。
「貸切か。……で? オヒメサマは何に乗りたいのさ。馬車? それとも馬?」
面倒そうにヴィルトは、つるつるした黒馬の鼻面を撫でながら、リュミヌに尋ねる。
「馬よ」
にこにことした笑顔の仮面のまま、リュミヌは、黄金と青玉があしらわれた馬具をつけた白馬のポールに手をかけた。
「……ああ、そう」
と頷いて、ヴィルトはさっさと自分が先ほどまで撫でていた黒馬に乗ろうとするも。
「待ってヴィー君」
神人に止められ、億劫げに彼女を見やる。
「何」
「一・緒・に、乗りましょう」
「はぁ?!」
二人乗りを要求され、ヴィルトは盛大に顔を歪めてみせた。
「いいでしょう。他に誰もいないんだし」
「……めんどっくさ…………ああもうわかったよ!」
ここで抵抗するともっと面倒になる。ヴィルトは黒馬から離れ、リュミヌが掴んでいる白馬へと歩み寄った。
「ヴィー君が前ね?」
これ以上の問答は無用とばかりに、無言でヴィルトが馬に乗る。
(エスコート……までは高望みね)
そこまで思い通りにはいくまい。リュミヌはあっさりとエスコートは諦め、ヴィルトの後ろにまたがった。
ベルが鳴り、メヌエットと共に、本日最後の回転木馬が動き出す。
「なにか話してよ」
「なにか」
面倒くさがりの彼に話題提供を求めるのは酷だったようだ。
「……そうね、じゃあ、最近の情勢の話とか。最近温かいわね」
リュミヌは、すぐに自分から世間話を持ちかける。
「情勢って天候のこと……?」
彼女の話にツッコミをしようと、ヴィルトが振り向きかけた時、ぐいと頭を押されて止められた。
「何するのさ?!」
「……振り返らないで」
静かな制止に、ヴィルトは素直に顔を前へ戻す。
(初めて一緒に出掛けるのに、こういうシチュエーションを選んだ理由、少しでいいから察して頂戴)
察して、くれたのだろうか?
リュミヌは、また口調を陽気に戻して他愛もない話を続けた。
カルーセルが、止まるまで。
そして、箱の夜を脱出して本当の夜に包まれた公園を歩いて帰路につくべく、二人は馬を降りる。
二人の間に会話は不思議とない。作り物の白馬の上での会話が嘘のように。
まだ初対面に近い二人、ずっと一緒の時間が続くと、互いにどうしていいのかわからなくなる。
リュミヌは、迷っていた。
今日は、チョコレートを渡すために、カルーセルに彼を誘ったのだ。だが、まだチョコレートは彼女の荷物のままだ。
このまま、自宅に戻るわけには行かない。
意を決して、リュミヌはカルーセルの台座から降りる瞬間に、前を歩くヴィルトの上着のポケットに、チョコレートを滑りこませた。
片側がわずかに重くなったことに気づいて、ヴィルトはポケットに手を突っ込む。
そして正体を察したようだが、ただ無言で歩き続けた。
(それで十分よ)
リュミヌはほっと息を吐いた。緊張が解けて、足から崩れそうな気分だ。
受け取ってくれればそれだけでいい。突っ返されたらどうしようと、ずっと不安だった。
普段からあまり素直ではない彼だから、照れ隠しに突拍子もない行動をとられたらどうしようと、今日一日ずっと気をもんでいたのだ。
馬に二人乗りしようというのも、振り返るなというのも、チョコレートを素直に受け取れというのも、どれも無茶ぶりだったかもしれない。
でも、どれもヴィルトは受け入れてくれた。
今日はもう、それで十分目的は果たせたといえるだろう。
箱のような『夜のカルーセル』の建物を出た彼女は、今日一日を思い返しながら、ふと天を仰ぐ。
可愛げのない自分を今は許せと、心のなかで呟く。
彼女の青い瞳には明るいルーメンが輝いていた。
そして、そっぽを向くヴィルトの紫の目には、暗いテネブラが宿っていた。
依頼結果:成功
MVP:なし