【バレンタイン】植物園でゆったりデート(わかまつ白月 マスター)

プロローグ


 ここ最近、天気がいい日が続いています。
 気温も外出向きで、外を歩いてみるのも悪くないと思いませんか?

 タブロス市郊外にある植物園に、お散歩コースがあります。
 有名な場所で、休日は多くの人が訪れます。
 賑やかな場所ですが、十分に広いのでカップルで出かけても自分たちのプライベートな時間を楽しめます。
 バレンタインのこの時期なら、チョコを渡す場所としてもオススメです!

 散歩コースからはバラ科のカンボケ、ウメやツバキ科のカメリアやツバキ、ミカン科のタチバナなど色とりどりの花や実を見ることができます。
 お散歩コースは地面にしっかりと木の板が張ってあり、どんな靴でも大丈夫。
 お洒落なアナタのコーディネートを阻害しないように散歩コースは整備されています。
 散歩コースは長く、すべて回るのに2時間ほどかかります。

 園内の大きな池の前は休憩スペースがあって、芝生の広場になっています。
 ここでお弁当を食べることが出来ます。
 料理に自信があるアナタなら、彼の好感度アップ間違いなしです!
 料理が苦手なアナタでも安心。
 露店が出ていて軽食が販売されています。
 軽く食事をとりながら、ゆったりとした二人の時間を楽しみましょう!
 軽食は50ジェールで販売を行っています。

 芝生の広場はかなり広く、ちょっとした遊びが出来ます。
 ボール遊びなどいかがでしょうか?
 スポーツが得意なアナタにオススメです!
 自分で遊ぶ道具を持ってこなくても、植物園で無料で貸し出してくれているフリスビーを楽しむことが出来ます。
 スポーツが苦手でもフリスビーなら大丈夫。
 お互いのペースで楽しめます。

 池には古代魚(通称:コダくん)がいて、近くの売店で売っている餌(10ジェール)をやると寄ってきます。
 この古代魚は縁結びの伝説があり、カップルで一緒に餌をあげて古代魚を見ると結ばれるといわれています。

 植物園は10時から18時まで営業しています。

 植物園の近隣の木にはイルミネーションが施されていて18時から点灯するようになっています。
 周辺を散策して楽しむこともできます。

 近くに大きな窓のついたお洒落なカフェもあります。
 そこからみるイルミネーションは別格だと聞きます。
 このカフェは、コーヒーだけではなくデザートもおいしいことで有名な店で人気があります。
 コーヒーとデザートセットで80ジェールです。

 夜景も綺麗な植物園周辺ならムードもばっちり!
 彼にチョコをプレゼントしちゃいましょう。
 彼と今まで以上に仲良くなれるかも!?

 パートナーと癒やしのひとときをお楽しみください。
 自然の開放感で、ちょっと大胆になれるかも!?

解説

 植物園でお散歩デートなんていかがでしょうか?
 ゆったりと時間を過ごすだけの広さがある植物園です。
 暖かい日差しの中を彼と歩くのも楽しいと思いますよ?
 せっかくのデートですから彼にチョコをプレゼントしちゃいましょう!
 植物園でも、夜景を背景にでもムードはバッチリです!

ゲームマスターより

 こんにちは、ゲームマスターのわかまつ白月です。
 植物園のお散歩なんていかがでしょう?
 芝生でくつろぐのもいいですね。
 夜景を楽しむのも素敵だと思います。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

リーリア=エスペリット(ジャスティ=カレック)

  植物園があると聞いた。
ジャスティは植物を育てるのが好だし、少しでも仲良くなれるきっかけになれたらと思い、誘ってみる。

着いたら、散歩コースに向かう。
彼ならいろいろ知っているだろう。
自分は薬になる植物や食べられる物以外は詳しくないので色々話を聞いてみたいと思った

教えてくれたら、それを心の中にしっかり刻み込む。
カメリアが一番熱心だったので、きっとカメリアが好きなのだろう。
このことも覚えておこう。

バレンタインの時期なので、一応用意はしておいた。
ビターチョコレート。
彼の瞳と同じ色のリボンをつけてある。

「これ、よかったら…。今日一緒に来てくれたお礼よ。」

照れつつ、「お礼」を強調して渡す。



リリコ・ゲインズブール(イーヴォ・ルミヤルヴィ)
  せっかくのお休みだから、いーくんを誘って植物園に行くことにしたの。

午前中の爽やかな空気の中散歩コースをゆっくりと巡る。
色とりどりの花はきれいで、とてもいい匂い。
だけど彼ったら、植物を見ては熱心にメモを取ったり参考書と見比べて相槌を打ったりと、これじゃ遊びに来てるのか勉強に来てるのか分かんない。
でもそこが彼らしいといえばらしいんだけどね。

一通り回ったら、芝生広場でお昼を。
お弁当、作ってきたの。

そして、夜景を眺めながら彼にチョコを。
チョコにはね、疲れた心身を癒す効果があるんだって。
お勉強もいいけど、あまり無理しないでね。
あなた自身が倒れちゃったら、私の方が心配だもの。
これからもよろしくね。



甘椎 さやか(ヴィルトガンス)
  こんないい天気に外に出ないなんて、もったいないよね?
そーだ、植物園に行こうよ!(手作りチョコを渡すチャンス!)」

運動が好きなヴィルトガンスにフリスビーを一緒にやろうと提案。
でもヴィルトガンスが投げて自分が持ってくるという図に。しかもゲラゲラと笑ってるし。
「ちょっと!私、犬じゃないんだけど!」

夜になるまで、そこらへんをぶらぶら~と散歩。
コダ君を見つけ「あ、コダ君」「古代魚のコダ君だよ」「・・・バカなの?(ため息)」

チョコは夜になったら渡す予定。
チョコを渡すとき「(がんばれ私!)・・・はい、これ。」と
「チョコだよ!チョコ、わかるでしょ、普通」



●植物園に行こう
『甘椎 さやか』は天気に恵まれた今日この日は、精霊にチョコを渡す絶好の機会だと思ったのだ。
『ヴィルトガンス』をなんとしてもデートに誘いたい。
「こんなにいい天気に外に出ないなんて、もったいないよね? そーだ、植物園に行こうよ!」
 さやかは持ち前の元気な性格で、思い切ってヴィルドガンスをデートに誘うのだった。
「デートォだぁ? はぁ? なんでオレが、テメーと行かなきゃならねぇんだ」
 ヴィルドガンスは渋る。ヴィルドガンスは基本に面倒くさがりなのだ。それでも、体を動かすのは好きなので、このいい天気に部屋にいるのも彼の性に合わない。
「行く道がたまたま一緒なだけだ。付いてくんな」と照れ隠しをしながらも、2人は植物園に行くことになった。
『リリコ・ゲインズブール』は『イーヴォ・ミルヤルヴィ』を植物園デートに誘った。勤めている屋敷の主人から「せっかくの機会だから、神人と精霊の親睦を深めておいで」と勧められたことが大きい。
『リーリア=エスペリット』は植物好きの『ジャスティ=カレック』と植物園に行けば仲良くなれるのではないかと思った。
「植物園があるみたいなの。行ってみない?」
 自然に誘えたと思う。
「楽しそうですね、植物の観察は勉強になります」
 こうして3組が植物園でデートを行うことになったのだ。

●散歩コース
 植物園の近くにある、目印になる場所で待ち合わせしていたリリコとイーヴォ。
「いーくん、おまたせ」
 リリコはピンクのハットにブラウンのレザージャケット、オレンジのフリルスカートでお洒落をしてきた。ソーダ色のハイカットスニーカーの下はぬくもりソックスをはいている。まだ寒いので雪だるま手袋をつけている。
 スレンダーなリリコのシルエットはとても魅力的だ。
「リリコさん、……その、似合ってますね」  イーヴォはリリコの普段と違う、お洒落な服装にドキドキしていた。奥手なのもあるが、リリコがいつもと印象が違って緊張する。
 イーヴォの方は、シックなブルーのワイシャツに、すらっとチノパンで、ブルーに統一してきている。メロン色のハイカットスニーカーの下にはブルーのソックスをはいていた。リリコとおそろいの雪だるま手袋を身につけている。季節的に寒さもあるが、せっかくのデートなのでおそろいにしたいという気持ちもあったのだ。
「待った?」
 リーリアはジャスティと植物園の前で待ち合わせしていた。
 リーリアはブラウンのレザージャケットの下にシックなワイシャツを着ていた。ブラウンのすらっとチノパンが決まっている。歩きやすいように、ソーダ色のハイカットスニーカーを履いてきた。下にはぬくもりソックスを履いている。
「いえ、僕も来たばかりです」
 ジャスティはシックなブルーのワイシャツに、ブルーのすらっとチノパンをはいている。全体的にブルーで合わせてきている。ソックスもブルーだ。
メロン色のハイカットスニーカーがアクセントになっている。銀髪の細身のジャスティは肌の白さも相まって、壊れてしまいそうな危うさを感じさせる魅力がある。
 リリコとイーヴォは一緒に植物園の散歩コースをゆっくりと巡る。季節の花の香りや、華やかさが目を楽しませる。自然と楽しい気持ちになってくるのだ。
 植物に囲まれているとそれだけで森林浴の効果が得られて、体がリラックスする。
 イーヴォは植物を楽しむというより、観察がメインで、熱心にメモを取ったり参考書と見比べて相づちを打ったりしている。
 ゆったりとした2人だけの時間が楽しい。オーガと戦うためのパートナーといえど、戦うだけではお互いのことが全然わからない。こういう親睦を深める機会は大事にしたいとリリコは思った。
 イーヴォは「古今東西のいろいろな植物があって興味深いです。特に薬草やハーブはこれからの医学、薬学の知識に繋がって勉強になりますね」と、熱心にお勉強モードだ。
 遊びに来ているのか、勉強に来ているのかわからない感じを受けるリリコ。それでも、イーヴォらしいと思った。
 こういう勉強熱心なイーヴォを見るのも好きなのだ。散歩コースは長いので、たっぷり時間はある。2人の時間を楽しもうと思ったのだった。
 リーリアとジャスティは植物園の散歩コースを歩いている。リーリアは実際の所あまり植物には詳しくない。一つひとつの解説を読んで巡っていては時間がいくらあっても足りないし、ジャスティとの会話の時間が減ってしまう。
 一方、ジャスティは普段から植物に興味を持っているので、純粋に丁寧に育成されて手入れの行き届いている園内の植物に感心していた。
「ねえ、ジャスティ、私に植物教えてくれないかな?」
 リーリアは話のきっかけにもなるし、ジャスティの興味のあることを知りたかった。ジャスティは自分の得意分野を質問されて嬉しそうな顔をしている。
「できれば、わかりやすく教えて欲しいな……」
 専門用語が飛んでくる前にそういった。
 ジャスティは誰にでもわかるように、かみ砕いて知識をリーリアに話す。ゆっくり歩きながらそれぞれの植物について説明してくれるのだ。
 ガイドのようなわかりやすい説明を聞いて、本当に植物が好きなのだなとリーリアは思った。 バラや椿を見るとジャスティは足を止めて熱心に語る。植物の生態の説明だけではなく、歴史や由来についても話してくれた。
 特にカメリアについては説明が長いと感じるほど熱心に話す。ジャスティの表情はとても生き生きとしていて、きっとカメリアが好きなのだろうなと思った。
 リーリアは、ジャスティはカメリアが好きだというコトを、ちゃんと覚えておくことにする。

●芝生広場
芝生広場まで来ると昼食の時間だった。
 リリコはこの日のために早起きをして手作りのお弁当を用意してきていた。
「いーくん、ご飯にしようよ」
「そうですね」
「お弁当を用意してきたんだよ」
 リリコは少し照れて言う。腕には自信があった。イーヴォの健康を考えて、見た目だけではなく、栄養バランスにも気をつかったのだ。
 柔らかな芝生の上に座ると気持ちよかった。自然の香りがする。
 リリコがお弁当を広げる。イーヴォはリリコの作ったお弁当に、とても沢山の手間がかけられていることを見抜いた。健康に無頓着な自分のために、栄養を考えたメニューにしてくれているとわかり感動する。
「……すみません。僕ったら、せっかくのお休みだというのに、リリコさんを心配させてしまって」
 心底申し訳なさそうなイーヴォ。リリコは笑顔で返した
。 「いーくんがおいしく食べてくれたら、うれしいな」
「はい、ありがたくいただきますね」
 リリコとイーヴォは仲良くお弁当を食べたのだった。
 一方で、さやかとヴィルドガンスはフリスビーで遊び始めた。
「ここ広いよ、フリスビー借りられるんだって! 遊ぼうよ」
 さやかの提案で2人はフリスビーで遊び始めた。ヴィルドガンスは体を動かすのが好きなので、この提案にはかなり乗り気だ。
「えい!」
 さやかは綺麗なフォームでヴィルドガンスにフリスビーを投げる。緩やかな放物線を描いて、ゆっくりとヴィルドガンスの胸の高さに飛んでいく。
 キャッチしやすい高さにきたフリスビーを片手でキャッチするヴィルドガンス。
「遠くに投げるぞ!」
 ヴィルドガンスはフリスビーを力一杯投げた。乱暴な性格も相まって、加減をあまり意識していない。さやかの時よりずっと速い速度で飛んでいくフリスビー。
 さやかの遙か頭上を越えて、ぐんぐんと飛距離を伸ばしていく。お互いに投げてキャッチするというルールを一切気にしないところはヴィルドガンスらしい。
「ほら、さっさと取ってこい。もっと遊ぼうぜ!」
 ヴィルドガンスはフリスビーを投げることに夢中で、さやかがフリスビーを拾いに行く労力に全く気がついた様子はない。
 さやかは、自分勝手なヴィルドガンスに振り回されながらも、2人らしい時間を過ごすのだった。
 フリスビーを返したあと、池を覗く。すると古代魚のコダ君がゆったりと泳いでいるのが見える。
 さやかはヴィルドガンスを呼ぶ。
「あ、コダ君だよ」
「コダ君?」
 ヴィルドガンスは興味ないことにつては面倒くさがりなので、興味をほとんど示していない。
「古代魚のコダ君だよ」
「コダイギョ? じゃあコイツ何歳なんだ?」
 斜め上の返事にさやかは思わず口にする。
「……バカなの?」
 興味ないことには本当に無関心だなと、溜息が出た。

●散歩の終わり
 ゆっくりと散歩コースを楽しみ、植物に夢中になっていたリーリアとジャスティ。夕日が深緑の葉を赤く染める。花々も朱く燃えるように美しかった。
 普通に歩けば2時間のコースだった。植物についてジャスティから説明を聞き、ときにはたわいもない話をして巡ったので、本来の時間よりずっと時間をつかって出口まで来た。
 普通に歩けば短い時間で終わってしまったはずの散歩も、こうして話をして巡ると、楽しく長い時間を楽しめる。
 ジャスティの植物についての知識に尊敬の念を抱きながらも、2人は夕日に照らされた植物園の花々に目を向けた。
 それは幻想的な美しさだった。人工的に植えられた植物でも、自然光の元では生命の息吹を漲らせている。
 日頃のオーガとの戦いで疲れた心も癒やされるというモノだ。戦いは殺伐としていることが多い。そういう生活の中ではお互いを知る機会はなかなか得られない。
 こうして、休日をジャスティと一緒に過ごせてよかったと思う。
 ジャスティの趣味について理解が深まったように感じる。少なくとも今までよりは仲良くなれたことを実感している。親近感のようなモノを感じるのだ。
 この気持ちが今後どのように変化していくかはまだわからない。それでも、今この瞬間はジャスティと一緒にいられて楽しいと感じている。
 それはジャスティも同じ様子で、リーリアに親近感を覚えた様子。植物が好きという趣味は理解する人としない人で別れる傾向がある。興味がない人にとっては取るに足らないと思われがち。そんな中、リーリアはまじめにジャスティを理解しようとした。
 ジャスティはリーリアの優しい態度に惹かれる何かを感じ取っていた。今のジャスティにはそれが何かはわからない。ただ、温かい気持ちだった。
 リーリアは、ジャスティの瞳と同じ色の、紫リボンを付けたチョコを取り出す。ビターチョコレートだ。
「これ、よかったら……。今日一緒に来てくれた『お礼』だよ」
 恥ずかしさから思わず、お礼という言葉を強調するリーリア。
 ジャスティは、植物がある場所でデートが出来ただけで充分に嬉しかった。デートに誘ってもらえると思っていなかったので、今日の一日がまるで夢のような時間だったのだ。
 それなのにお礼までもらってしまっては悪いと思った。そんなジャスティだったが、今がバレンタインの季節だと気がついた。急に気恥ずかしい気持ちになるジャスティ。
「ありがとうございます。大事に食べますね」
 ジャスティはチョコを受け取ると丁寧にお礼をいうのだった。
 2人を夕日が照らし、顔が赤くなっているのか、夕日で赤く染まっているのか判断は付かなかった。

●夜のイルミネーションの中で
 夜の植物園の周りはイルミネーションでライトアップされていた。まるで光の植物のようで見ていて美しい。
 星もきらめき、月も出ていて、夜だというのに暗すぎるということはない。
 近くならお互いの顔は充分に見える。
 さやかとヴィルドガンスはなんだかんだで夜まで一緒にデートを楽しんでいた。ヴィルドガンスが外が好きなのが一番の要因だろう。
 普段はヴィルドガンスの世話を焼こうとしては口げんかになってしまっているので、こういうシチュエーションは新鮮だった。
 さやかはそろそろ用意していたチョコレートを渡そうと、タイミングを見計らっていた。幻想的なこのムードなら渡すチャンスは充分にある。
 チョコレートを渡すために今日のデートに誘ったのだから、渡せなかったら本末転倒だ。
 渡そうと思うたびに、胸の鼓動がうるさいほどに高鳴る。緊張しているのだ。
 いまはゆっくりと帰路に向かい始めている。
 このままでは、渡せずじまいになってしまうと、焦るのだった。
(がんばれ、私!)
 さやかは自分を励まして、思い切ってチョコレートをヴィルドガンスにさしだした。
「……はい、これ」
 自分でもわかるが、ぶっきらぼうな言い方になってしまったと思った。これではちゃんと伝わらなかったかも知れないと、さやかは内心ひやひやする。
「なんだコレ? 何入ってんだ?」
 案の定、ヴィルドガンスは全く状況も、何も理解できていない。ムードは抜群にいいのになぜわかってくれないのかと、さやかは悲しくなる。
「チョコだよ! チョコ、わかるでしょ、普通」
 思ったより大きい声が出てしまう。さやかは恥ずかしさに顔を赤く染める。チョコを渡すために計画したデートだというのに、このまま受け取ってもらえなかったら悲しすぎると感じたのだ。
「毒盛ってねえだろうな?」
 ヴィルドガンスの声が裏返っていた。ヴィルドガンスはチョコをひったくるようにして受け取る。
 ヴィルドガンスを見ると彼もまた、緊張していた。さすがにバレンタインチョコをもらえるとは思っていなかったようで、どうしていいかわからない様子。
 ヴィルドガンスの狼狽をみていると不思議とおかしい気持ちになってくるさやか。思わず笑みがこぼれた。
「さっさと帰って寝るぞ」
 ヴィルドガンスは照れ隠しをしながら歩き出した。
 さやかは今日のデートの成功を嬉しく思いながら、ヴィルドガンスを追いかけるのだった。
 リリコとイーヴォは日が沈むと、イルミネーションがみられると聞いていたので、一緒に光に包まれた夜景を眺めていた。
 イーヴォは光に包まれた植物に視線を奪われていた。植物が好きな彼は、イルミネーションで飾られたものにも強く感動を覚えている様子。
 そんなイーヴォを見ているとリリコも自然と表情が柔らかくなる。リリコはイーヴォと一緒にいると穏やかな気持ちになるのを感じていた。
 それは今までに感じたことがある感情とは異なり、自分の中でどういうものなのか判断は付かない。ただ、嬉しい気持ちに似ていると思った。
 イーヴォもリリコと一緒にいると、普段の勉強ばかりに興味が惹かれているときとは、別の感情を覚えていた。
 世間慣れしていないイーヴォに、ここまで付き合ってくれる相手は多くはなかった。それでもイーヴォは根っからのまじめさと優しさで多くの人たちの役に立ってきた。
 誰かと一緒に1日過ごすのなんて、久しぶりだとイーヴォは思っていた。今日一日を振り返るだけで、楽しい気持ちになれる。
 勉強の知識とはまた異なる感情、知識がイーヴォを刺激して、自然と胸が高鳴るのを感じていた。
 リリコは2人だけで夜景を眺めるというシチュエーションに心拍数が上がっていくのを感じる。オーガと戦うときとはまた別の種類の緊張だ。
 戦闘とは違う緊張にリリコは戸惑っていた。自然体でチョコを渡せると思っていたが、思いの外、心は簡単ではない。
 自然と体の動きが硬くなるのを感じた。それでもリリコはイーヴォに対する、今の素直な気持ちからチョコを渡したいと思ったのだ。
 リリコの心の中に力が漲ってくる。
 リリコはイーヴォにチョコをさしだした。
「チョコにはね、疲れた心身を癒やす効果があるんだって。お勉強もいいけど、あまり無理しないでね」
 素直な気持ちが言えたと思う。イーヴォはバレンタインのチョコをもらえると期待していたわけではなかったので、少し驚いた顔をしている。
 イーヴォの表情は自然と柔らかいものになり、
「このチョコ、僕にですか? ありがとうございます」
 嬉しそうに受け取るのだった。
 イーヴォは自分に気をつかってくれるリリコに惹かれているのを感じる。いまはまだ形に出来る感情ではないが、心の中で着実に何かが芽生え始めているのを感じた。
「あなた自身が倒れちゃったら、私の方が心配だもの。これからもよろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
 2人はしばらくの間、美しい夜景をそのまま楽しむのだった。
  



依頼結果:成功
MVP
名前:リーリア=エスペリット
呼び名:リーリア
  名前:ジャスティ=カレック
呼び名:ジャスティ

 


名前:リリコ・ゲインズブール
呼び名:リリコさん
  名前:イーヴォ・ルミヤルヴィ
呼び名:いーくん

 


名前:甘椎 さやか
呼び名:未設定
  名前:ヴィルトガンス
呼び名:未設定

 

エピソード情報

マスター わかまつ白月
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月16日
出発日 02月23日 00:00
納品日 03月05日

 

参加者

会議室

  • [3]甘椎 さやか

    2014/02/21-21:01

    遅れちゃった。
    はじめまして!甘椎さやかです。

    私も園内ぐるぐるぶらぶら予定~
    よろしくお願いしまーす!

  • はじめまして。リリコです。
    散歩コースで植物をゆっくり見ていると思います。
    よろしくお願いしますね。

  • 初めまして、かな。
    散歩コースを歩いていると思うわ。
    よろしくね。


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