フェスティバルイベント『侵略の悪鬼羅刹、新たな絶望の影』


ヘッダー画像

5月エピソード『侵略の悪鬼羅刹』はこちら
フェスティバルイベント『侵略の悪鬼羅刹、新たな絶望の影』はこちら

◆エピローグ◆


女性PC側エピローグはこちら


●シンパシー・リバレイト
 シンパシー・リバレイトまで職員の誘導に成功したウィンクルムは、起動までの時間、周囲を注意深く警戒する。
 いつ、オーガたちが襲ってくるか分からない状況だ。
 臨戦態勢を取り、A.R.O.A.職員2人が起動準備に入る。
 起動までの時間は、およそ30分。
 何かあっても、それまでを凌ぎ切ればいい。
 シンパシー・リバレイトの起動装置を、端末で操作しているらしく、かたかたとキーを打つ音が響く。
 静寂に包まれていた。
 けれど、それは長くは続かない。
 下級オーガたちが、ウィンクルムたちの愛の力を感じ取り、シンパシー・リバレイトの前に姿を現した。
「次から次へと飽きぬものだな」
 モル・グルーミーがオーガの群れにぽつりと呟いて、ミラーデーモンを設置する。
「オーガのお祭りより、ホラーのお祭りなら私も楽しめましたが」
 エリー・アッシェンが弓を引く。
 一斉に押し寄せるオーガの群れを目掛けて矢を放ち、牽制する。
 その牽制を抜けて迫るオーガが、ミラーデーモンに映し出されると鏡の中のオーガが反撃し、モルへの攻撃を阻む。
「エッカートさん、早くエリーさんたちと合流しましょう」
 駆け付けたレベッカ・ヴェスターとトレイス・エッカートが、オーガたちの背後から斬り込んで薙ぎ払っていく。
「この群れをかき分けて行くのは骨だ。しばらくは挟み撃ちで対応したほうが安全だな」
 無理に突破するよりも、機会を窺って安全に抜けたほうがいい。
 トレイスが前に出て立ち回りながら、レベッカがトレイスの背後を守る。
 それぞれが、目の前の道を拓くため、無尽蔵とも思えるオーガを斬り伏せる。
 倒しても、倒しても終わりは見えないが、頼もしい仲間と共に、シンパシー・リバレイトの起動を待つ。
 1体、また1体とオーガを凌ぎ始め、全員が肩で大きく息をし始めた頃。
「起動、成功しました」
 職員が声を発した。
「いつでも発射できます」
 その言葉に、作戦の成功と勝利を確信する。
 職員が信号拳銃を空へと撃ち放ち、各所で健闘するウィンクルムたちへと通達した。


●悪鬼羅刹
 つ、と赤い雫が流れる。
 ゼノアール・ジ・アートの一撃を食らったエミリオ・シュトルツが、体勢を立て直して素早くゼノアールに斬り込む。
 だが。
「動きが鈍ってきたんじゃねぇのか、ウィンクルムよぉ!」
 ゼノアールが攻撃を受け止めると、切り返し、エミリオもろとも投げ飛ばす。
「ぐっ……!」
 投げ飛ばされた先で待ち構えていたミーシャ・レミレスが、エミリオを目掛けて剣を振り上げる。
「すぐに楽にしてさしあげます」
 即座に態勢を立て直すが、ミーシャが振り下ろす一撃の方が速かった。
 ――まずい、ね……。
 直撃に備えたエミリオの前に、月成 羽純が立ち塞がりその一撃を受け止める。
「……っく……」
 シャイニングアローIIで攻撃を阻んでも、振り下ろされたミーシャの剣は、容赦なく羽純の身体を裂く。
「ぐ、ああっ……!」
 攻撃の直後を狙ってエミリオがミーシャへと一撃を斬り込み、即座に離れる。
「羽純!」
 勢いに圧された羽純を、エミリオが支える。
 その瞬間を突いて、羽純がシャインスパークでミーシャの目を眩ませると、二人は距離を取った。
「助かった……、けど、無茶しすぎじゃない?」
 泣きそうな顔でこちらを見ている桜倉 歌菜に、エミリオがちらりと視線を向ける。
「エミリオが怪我をしたら、ミサが同じ顔をするんだ。どっちだって同じだ」
 ゼノアールとミーシャへと幾度と立ち向かう精霊2人は、満身創痍と言ってもいいほど傷を負っている。
 重なる傷に、2人の神人が時折目を向けてはいるが、加勢に来ることはできなかった。
 なぜなら――。
「こんなところでウィンクルムを殺せるなんて、夢のようです……!」
 ラウナ・テクニカがミサ・フルールを狙った。
「殺されたりなんてしない……」
 距離を詰めるラウナ・テクニカに、歌菜のウィップ「ローズ・オブ・マッハ」が絡みつき、動きを止める。
「そんなこと、させません。私達は絶対に負けません!」
 ミサが、動きを封じられたラウナ・テクニカへとバニッシュメント・ボウを撃ち込んだ。
 ゼノアールやミーシャより劣るとはいえ、それでもやはり強敵だ。
 戦えてはいるが、ほとんど後がない状態にまで追い込まれている。
 そろそろ限界だろうか。
 そう思い始めた頃。
 シンパシー・リバレイトの起動成功を告げる信号拳銃が空へと放たれた。
 その知らせに、ウィンクルムたちはその場から身を引く。
「はっ、粋がってたくせに逃げんのか? かかって来いよ!」
 ゼノアールは後退するウィンクルムをなおも追う。
 ミーシャも追いかけようとするが、これまで攻めの姿勢を崩さなかったウィンクルムたちが突如引いたのだ。
(これは……なにかありそうですね……)
 訝って、訝って、グノーシス・ヤルダバオートの元へと身を引く。の元へと身を引く。
 グノーシスが眼鏡を押し上げる。
「……これは――シンパシー・リバレイトですか。予定よりも随分と速い開発速度ですね」
 グノーシスは、その異変をいち早く察した。
 シンパシー・リバレイトの存在に気付くと、ゆっくりとその場から離れる。
「グノーシス……」
「ミーシャ」
 後を追おうとしたミーシャを、グノーシスは一瞥する。
「付いてこなくていいですよ」
「は……?」
 意味が分からないと言った様子のミーシャに、グノーシスは言葉を継ぐ。
「あなたたちまで付いてきたら、シンパシー・リバレイトを受けたデミ・ギルティの情報が得られないでしょう」
 その言葉に、ゼノアールも攻撃の手を止め、グノーシスに詰め寄る。
「てめぇ、どういうことだ!?」
「私達を見捨てるつもりですか……!?」
 グノーシスですら、存在に気付き撤退するほどなのだ。
 A.R.O.A.が開発を進めてきたシンパシー・リバレイトは、ギルティですら危機を感じるほどの威力だと言うことだ。
 デミ・ギルティである二人が耐えきれるはずがない。
 けれど、グノーシスは笑顔を張りつけて言った。
「あなたたちを改造してデミ・ギルティにまで導いたのはボクです。ボクにとって二人は子供みたいなものだと思っていますよ」
 だから。
「ボクの研究のために死ねるなら、本望ではありませんか?」
 と。
 崩れることのない笑顔を向ける。
「貴、様あぁぁぁ!」
「許さない……!」
 ゼノアールとミーシャが同時にグノーシスへと飛びかかる。
 武器を振り上げ、下ろそうとした、その瞬間。
「ぐっ……!?」
「な……っ」
 ぴたりと動きが止まった。
 否――。
「子供が親に逆らえるはずがないでしょう」
 動きを止められたのだ。
「ボクに危害を加えようなんて、随分と偉くなりましたね」
 グノーシスははるか昔から、様々なオーガに改造を繰り返し施してきた。
 その過程で、グノーシスへと危害を加えようとした場合は身体の自由を全て奪うように改造を加えていたのだ。
 今の、ゼノアールとミーシャのように。
 デミ・ギルティの動きが止まるのとほぼ同時に、轟音と共に目が眩むほどの光が放たれた。
 街に蔓延るオーガを、街を巻き込んで壊しながら一掃し、グノーシスへと迫る。
 動きを止められたゼノアールとミーシャは、図らずもグノーシスの盾として、その場で立ち尽くす。
「シンパシー・リバレイトの威力、見せていただきましょう」
 光線が、ふたつのデミ・ギルティへと直撃する。
 見る間にその身体が破壊されて行く。
「なるほど」
 その様を見つめながら、グノーシスはポケットからスイッチを取り出した。
 デミ・ギルティではやはり、露ほども耐えられない。
「相当な威力の兵器ですね。ですが、やはりまだ試作段階、といったところでしょうか」
 成果を得たと見たグノーシスは、スイッチのボタンを押し込む。
 刹那、今まで盾となっていたゼノアールとミーシャの身体が爆発し、シンパシー・リバレイトの光線の軌道を変えた。

 *

 退避し、爆発から難を逃れたミサとエミリオ、そして歌菜と羽純は顔を見合わせ無言に頷くと、その場を離れた。
 ことの一部始終を報告しなくてはならない。
 シンパシー・リバレイトの元へと急ぐ4人が街を駆け抜けている、その最中。
 グノーシスが引き連れてやってきたオーガたちが爆発し、街もろともを巻き込んで破壊している光景が視界に飛び込んだ。
 思わず足を止めそうになるのを堪え、シンパシー・リバレイトへと急ぐ。
「皆さんご無事ですか?」
 レベッカが4人の姿を認め、声をかけた。
「激闘だったようだな」
 モルが今にも倒れ込みそうなエミリオと羽純に目を向ける。
 2人ともが神人に支えられているのだ。無理もない。
「もう少し落ち着くまで頑張ってね、羽純くん」
「ああ、ここまで来て倒れたりはしない」
 気遣わし気な歌菜に、羽純は精一杯に笑いかける。
「エミリオさんもひどい傷ですね」
 エリーが、平気そうな顔をしているエミリオを見てそんなことを言った。
「ああ……まあ、ね」
「エミリオの傷はあとでちゃんと回復しよう。ね?」
 平気そうな顔をしているだけで、相当な傷を負っていることをミサには隠しきれるはずもない。
 エミリオは、曖昧に頷くだけに留めた。
「とにかく、みんな無事でなによりだな」
 トレイスが全員を見回す。
 それぞれの無事を確認し終えると、ふっと冷えた気配を感じた。
「あなたたちウィンクルムと人間の意地、見せていただきましたよ」
 声が、高くから落ちてくる。
 その声を探し、それぞれが周囲を確認する。
「あそこだ」
 街の一番高い建物に、グノーシスの姿を認めると一気に緊張が張り詰める。
「なかなか面白いものが見られました。何より……」
 グノーシスが視線をちらりと落とす。その視線の先には、脇に抱えられた一人の精霊の姿があった。
「検体も手に入りました」
 その言葉にエリーとモルが武器を構える。
 同時に、ミサ、エミリオ、歌菜、羽純、レベッカ、トレイスの6人もグノーシスを追いかけようと身構えた。
 けれど。
「またお会いできることを楽しみにしていますよ――」
 グノーシスが再びスイッチを取り出し、ボタンを押した。
 すると、周囲にいたオーガたちが再び一斉に爆発する。
 オーガ自体に爆弾を仕込んでいたらしい。
 足下が爆破で崩れ、暗闇が口を開けると、吸い込まれるように奈落へと飲み込まれた。


●城塞都市
 暗闇に飲み込まれ、ようやく足下に地の感触がつくと、ウィンクルムたちは辺りをぐるりと見渡した。
 そこには、『古代ビスチオ王国』時代に建造された『城塞都市』の遺跡が広がっていた――。

男性PC側エピローグはこちら


●シンパシー・リバレイト
 シンパシー・リバレイトまで職員の誘導に成功したウィンクルムは、起動までの時間、周囲を注意深く警戒する。
 いつ、オーガたちが襲ってくるか分からない状況だ。
 臨戦態勢を取り、A.R.O.A.職員2人が起動準備に入る。
 起動までの時間は、およそ30分。
 何かあっても、それまでを凌ぎ切ればいい。
 シンパシー・リバレイトの起動装置を、端末で操作しているらしく、かたかたとキーを打つ音が響く。
 静寂に包まれていた。
 けれど、それは長くは続かない。
 下級オーガたちが、ウィンクルムたちの愛の力を感じ取り、シンパシー・リバレイトの前に姿を現した。
「こんな時に……!」
 あと少しだと言うのに。
 カイン・モーントズィッヒェルが盾を構え、オーガの群れへと突っ込んだ。
「カイン、そのまま進んでください。道は、私が切り開きます」
 それを援護するのはイェルク・グリューンだ。狙いすまして弾丸を撃ち込み、カインの道を拓く。
 オーガが多く群れる場所を狙って、ラセルタ=ブラドッツがグレネード・ショットで一帯のオーガを一掃する。
「隙は作ってやったぞ、千代」
「分かってる」
 羽瀬川 千代が足を狙って斬りかかる。
 その隙を狙ってカインがオーガを仕留める。
 前に出た千代とカインが、何とも言わず背を合せて死角を補う。
「あんまり無茶し過ぎんなよ」
「それはお互い様だよ」
 それぞれが、連携を取り合って無尽蔵とも思えるオーガを斬り伏せる。
 倒しても、倒しても終わりは見えないが、頼もしい仲間と共に、シンパシー・リバレイトの起動を待つ。
 1体、また1体とオーガを凌ぎ始め、全員が肩で大きく息をし始めた頃。
「起動、成功しました」
 職員が声を発した。
「いつでも発射できます」
 その言葉に、作戦の成功と勝利を確信する。
 サイバースノーヘッドを通じ、それぞれの部隊へと情報の伝達が行われる。


●悪鬼羅刹
「そんなもんかよ、ウィンクルムってのはよ!」
 ゼノアール・ジ・アートが腕を振り下ろして一帯を破壊するような一撃を繰り出す。
 ラキア・ジェイドバインからシャインスパークを受けたセイリュー・グラシアがぎりぎりでかわすが、完全な回避はできない。
 ダメージを可能な限り抑えるので精いっぱいだ。
「オマエらこそ、そんな程度かよ」
 足下に赤く血が滴り落ちた。
「あぁ!? んだと、てめぇ……本気で殺されたいのか!?」
 やってみろと言わんばかりに、セイリューが挑発をする。
「セイジ、もう少しだけ頑張って」
「ああ……分かってるよ。いつまでも寝ているわけにはいかないからな」
 深手を負ったアキ・セイジの傷を癒し、ラキアが声を掛ける。
「まとめてあの世へと送ってさしあげます」
 ミーシャ・レミレスが素早い動きで距離を詰める。
 セイジは再び剣を取ると、向かってくるミーシャへと一撃を振り上げる。
「セイジ、踏ん張れ!」
 魔法攻撃で、ヴェルトール・ランスがセイジを援護する。
 だが、高火力魔法を撃ち込んだばかりのランスは、両膝に手をついて、肩で大きく息をしている。
 戦えてはいるが、ほとんど後がない状態にまで追い込まれている。
 そろそろ限界だろうか。
 そう思い始めた頃。
 シンパシー・リバレイトの起動成功を告げる通信が仲間から入った。
 その知らせに、ウィンクルムたちはその場から身を引く。
「はっ、粋がってたくせに逃げんのか? かかって来いよ!」
 ゼノアールは後退するウィンクルムをなおも追う。
 ミーシャも追いかけようとするが、これまで攻めの姿勢を崩さなかったウィンクルムたちが突如引いた。
(これは……なにかありそうですね……)
 訝って、グノーシス・ヤルダバオートの元へと身を引く。
 グノーシスが眼鏡を押し上げる。
「……これは――シンパシー・リバレイトですか。予定よりも随分と速い開発速度ですね」
 グノーシスは、その異変をいち早く察した。
 シンパシー・リバレイトの存在に気付くと、ゆっくりとその場から離れる。
「グノーシス……」
「ミーシャ」
 後を追おうとしたミーシャを、グノーシスは一瞥する。
「付いてこなくていいですよ」
「は……?」
 意味が分からないと言った様子のミーシャに、グノーシスは言葉を継ぐ。
「あなたたちまで付いてきたら、シンパシー・リバレイトを受けたデミ・ギルティの情報が得られないでしょう」
 その言葉に、ゼノアールも攻撃の手を止め、グノーシスに詰め寄る。
「てめぇ、どういうことだ!?」
「私達を見捨てるつもりですか……!?」
 グノーシスですら、存在に気付き撤退するほどなのだ。
 A.R.O.A.が開発を進めてきたシンパシー・リバレイトは、ギルティですら危機を感じるほどの威力だと言うことだ。
 デミ・ギルティである二人が耐えきれるはずがない。
 けれど、グノーシスは笑顔を張りつけて言った。
「あなたたちを改造してデミ・ギルティにまで導いたのはボクです。ボクにとって二人は子供みたいなものだと思っていますよ」
 だから。
「ボクの研究のために死ねるなら、本望ではありませんか?」
 と。
 崩れることのない笑顔を向ける。
「貴、様あぁぁぁ!」
「許さない……!」
 ゼノアールとミーシャが同時にグノーシスへと飛びかかる。
 武器を振り上げ、下ろそうとした、その瞬間。
「ぐっ……!?」
「な……っ」
 ぴたりと動きが止まった。
 否――。
「子供が親に逆らえるはずがないでしょう」
 動きを止められたのだ。
「ボクに危害を加えようなんて、随分と偉くなりましたね」
 グノーシスははるか昔から、様々なオーガに改造を繰り返し施してきた。
 その過程で、グノーシスへと危害を加えようとした場合は身体の自由を全て奪うように改造を加えていたのだ。
 今の、ゼノアールとミーシャのように。
 デミ・ギルティの動きが止まるのとほぼ同時に、轟音と共に目が眩むほどの光が放たれた。
 街に蔓延るオーガを、街を壊しながら一掃し、グノーシスへと迫る。
 動きを止められたゼノアールとミーシャは、図らずもグノーシスの盾として、その場で立ち尽くす。
「シンパシー・リバレイトの威力、見せていただきましょう」
 光線が、ふたつのデミ・ギルティへと直撃する。
 見る間にその身体は破壊されて行く。
「なるほど」
 その様を見つめながら、グノーシスはポケットからスイッチを取り出した。
 デミ・ギルティではやはり、露ほども耐えられない。
「相当な威力の兵器ですね。ですが、やはりまだ試作段階、といったところでしょうか」
 成果を得たと見たグノーシスは、スイッチのボタンを押し込む。
 刹那、今まで盾となっていたゼノアールとミーシャの身体が爆発し、シンパシー・リバレイトの光線の軌道を変えた。

 *

 退避し、爆発から難を逃れたセイジとランス、そしてセイリューとラキアは無言に頷き、その場を離れた。
 ことの一部始終を報告しなくてはならない。
 シンパシー・リバレイトの元へと急ぐ4人が街を駆け抜けている、その最中。
 グノーシスが引き連れてやってきたオーガたちが爆発し、街もろともを巻き込んで破壊している光景が視界に飛び込んだ。
 思わず足を止めそうになるのを堪え、シンパシー・リバレイトへと急ぐ。
「お前ら、大丈夫か?」
 カインとイェルクが駆け寄り、それに千代とラセルタが続く。
「こっちは何とか」
「俺はもう、完全にガス欠だけどな」
 セイジとランスが言う。
「セイリューさんはあまり無事ではなさそうですけど……」
「ああ、派手にやっちまったぜ」
 イェルクの言葉にセイリューが苦笑いを浮かべる。
「ふたりは大丈夫?」
 ラキアが千代とラセルタを見遣る。
「こっちも何とか、ってところかな」
「俺様の敵ではなかったがな」
 それぞれの無事を確認し終えると、ふっと冷えた気配を感じた。
「あなたたちウィンクルムと人間の意地、見せていただきましたよ」
 声が、高くから落ちてくる。
 その声を探し、それぞれが周囲を確認する。
「あそこだ」
 街の一番高い建物に、グノーシスの姿を認めると一気に緊張が張り詰める。
「なかなか面白いものが見られました。何より……」
 グノーシスが視線をちらりと落とす。その視線の先には、脇に抱えられた一人の精霊の姿があった。
「検体も手に入りました」
 その言葉にランス、イェルク、ラセルタが一斉に武器を構える。
 同時に、セイジ、セイリュー、ラキア、カイン、千代の5人もグノーシスを追いかけようと身構えた。
 けれど。
「またお会いできることを楽しみにしていますよ――」
 グノーシスが再びスイッチを取り出し、ボタンを押した。
 すると、周囲にいたオーガたちが再び一斉に爆発する。
 オーガ自体に爆弾を仕込んでいたらしい。
 足下が爆破で崩れ、暗闇が口を開けると、吸い込まれるように奈落へと飲み込まれた。


●城塞都市
 暗闇に飲み込まれ、ようやく足下に地の感触がつくと、ウィンクルムたちは辺りをぐるりと見渡した。
 そこには、『古代ビスチオ王国』時代に建造された『城塞都市』の遺跡が広がっていた――。

(エピローグ執筆:杜御田菱真 GM

◆フェスティバルイベントMVP◆



大規模な戦闘を繰り広げたウィンクルムの皆様、お疲れ様でした。
皆様のご活躍により、街の被害は半壊に留まり、
演習に参加された民間の方々やA.R.O.A.職員に一人の死傷者も出ませんでした。

ご活躍されたウィンクルムの中から数ペアとなってしまいますが、
戦功を称える勲章を授与させていただきます。

女性PC側MVPはこちら


A.R.O.A.名誉勲章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ HP+20 MP+20 力+2 速+1 防+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、大変大きな戦果を出したウィンクルムに授与される誇り高き勲章。この勲章を持つ者は人々から尊敬の眼差しを受け、ヒーローとして讃えられることだろう。

ミサ・フルール   エミリオ・シュトルツ   桜倉 歌菜   月成 羽純



A.R.O.A.特別戦功章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ HP+15 MP+5 攻+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、大きな戦果を出したウィンクルムに授与される誇り高き勲章。この勲章を持つ者は人々からの、熱い感謝の気持ちを受けることになるだろう。

エリー・アッシェン   モル・グルーミー



A.R.O.A.戦功章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ MP+10 回+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、戦果を出した者に授与される誇り高き勲章。この勲章を持つということは、一人前の戦士として認められたという証だ。

レベッカ・ヴェスター   トレイス・エッカート




男性PC側MVPはこちら


A.R.O.A.名誉勲章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ HP+20 MP+20 力+2 速+1 防+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、大変大きな戦果を出したウィンクルムに授与される誇り高き勲章。この勲章を持つ者は人々から尊敬の眼差しを受け、ヒーローとして讃えられることだろう。

アキ・セイジ   ヴェルトール・ランス   セイリュー・グラシア   ラキア・ジェイドバイン



A.R.O.A.特別戦功章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ HP+15 MP+5 攻+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、大きな戦果を出したウィンクルムに授与される誇り高き勲章。この勲章を持つ者は人々からの、熱い感謝の気持ちを受けることになるだろう。

羽瀬川 千代   ラセルタ=ブラドッツ



A.R.O.A.戦功章【貴重品】(冒険携帯品) 共通 100%
必要Lv1~ MP+10 回+10
旧タブロス市街での死闘を潜り抜け、戦果を出した者に授与される誇り高き勲章。この勲章を持つということは、一人前の戦士として認められたという証だ。

カイン・モーントズィッヒェル   イェルク・グリューン




>>フェスティバルイベント トップ




PAGE TOP