プロローグ
ついに切って落とされた、オーガ達との最終決戦――。もしかしたら、世界は滅び、ウィンクルムも命を落としてしまうかもしれません。
命を落としてしまう前に、悔いのないように。
A.R.O.A.はウィンクルムの正式な結婚を認める運びとなりました!
そして、ウィンクルム達がお互いの気持ちを、本心を曝け出す場を用意しようと、
A.R.O.A.がウィンクルム達に少しの休暇と、リゾート地を提供しました!
プロポーズの場としても、デートの場としても利用可能です!
人々は、ウィンクルム達が向かう最終決戦に向けて、少しでも手助けになればと、快くリゾート地などの開放を行ってくれました。
最終決戦であることもあり、これまで助力をしてくれたスポットは提供をしてくださっています!
行きたかったけど行けなかった、という場所に行くのも、同じ場所に行くのも、良いかもしれません!
リゾート地は、すべてウィンクルム達の貸切!(一部リゾートホテルなどはスタッフがいらっしゃいます)。
ウィンクルム達のゴールイン・ひと時は、一体どのようなものになるのでしょうか!
プラン
アクションプラン
アオイ (一太) |
|
自宅(和風の一軒家)で過ごします。 台所の片づけをします。 冷蔵庫に、作り置きがまだ残ってますねえ。お昼、それでいいですか? どうしたんですか、入口に立って。 怒ってます? 死に支度に見えるって……まさか。 嫌ですよ。まだクッキーの成功作、食べてないですし。 ええ、一太が昨日焼いてこがしてた、クマ型のあれです。 掃除はやめて、あのクッキーでおやつにしましょうか。 炭化しているわけじゃないから、食べられますよ。 座卓に座布団、緑茶とクッキーでお茶にします。 なんでクッキー、焼こうと思ったんですか? いままで作ったことないですよね。 食べたかったって……まあたしかに、僕は洋菓子作りませんけど。 クッキー、かちかちですね。 歯が丈夫で良かったです。 今度は、僕にも手伝わせてくださいね。 失敗するなんて思っていません。 一緒に台所に立つの、楽しそうじゃないですか。 僕が、あなたがいる「当たり前」を手放すわけないでしょう? |
リザルトノベル
アオイと一太の二人が暮らすのは、和風の一軒家。
豪邸というような広さもなく、しかしアパートの一室のような手狭さでもない。
それぞれの部屋を確保して、台所と茶の間が分かれていて、二人で暮らすには、少し、広く感じる家。
そんな家の台所から、先程から水が流れる音が聞こえたり止まったりしているのを、一太は聞いていた。
きゅ、と水道の蛇口が捻られる度、ぴくりと一太の兎耳が揺れる。
そしてその度に、耳の下にある表情の温度が下がっていく。
「ふぅ、こんなものでしょうね」
一つ大きな息をついて、アオイがくるりと台所を見渡した。
食器棚の隙間からシンクの隅まで、ピカピカだ。確かめて、満足げに頷いてから冷蔵庫を開ける。
「作り置きがまだ残ってますねえ。お昼、それでいいですか?」
冷蔵庫の中を覗きながら尋ねる声に、返事はない。
気配はするのに、返事がない。
不思議そうに顔を上げて振り返ると、台所の入り口で仁王立ちしている一太と目が合った。
「どうしたんですか、入口に立って」
というか、居るなら返事してくださいよ、と苦笑しても、一太は無言のまま。
それどころか、アオイを睨むように見ている。
じっとそれを見つめて、アオイは首を傾げる。
「怒ってます?」
何を、かはわからないけれど。何かに、一太は怒っているように見えた。
だから、真っ直ぐに尋ねたのだ。そうすれば、一太は瞳を細め、眉を寄せて一度苦しそうな顔をしてから、言葉を吐き出す。
「掃除、やめろよ」
率直な台詞に、きょとんとしているアオイに、一太は更に言う。
死に支度をしているように見えるから。
続けられた二言目は、小さな声だった。そして、苛立たしげであると同時に、悲しげな声だった。
朝から部屋の掃除をしているアオイに、一太はずっと心がざわついていたのだ。
普段だってそんな汚いわけではないのに、急に掃除をし始めるなんて、と。
それは、もしかしたら『普段』だったら、気に留めていなかったかも知れない。何か手伝ったほうが良いかな、と自分なりに考えるだけだっただろう。
だけど今は、事情が違う。
今は、大事な戦いを控えている時なのだ。そんな時に、部屋を綺麗にするなんて。
まるで、最終決戦で帰ってこれなくなるとでも思っているかのようで……。
「――まさか」
一太の嫌な想像を掻き消すように、アオイが小さく苦笑した。
そんな事考えてたんですかと、言うように。
――考えさせてしまっていたのかと、言うように。
「嫌ですよ。まだクッキーの成功作、食べてないですし」
つぃ、と、アオイの視線が逸れる。その先には、やはりタッパーに詰められた何かがあった。
同じ物を見た一太は、怪訝そうに眉を寄せた。
「クッキーって……」
「ええ、一太が昨日焼いてこがしてた、クマ型のあれです。失敗したままでおしまいなんて、言わないでしょう?」
一太はそんな気まぐれをするような者ではないと、そんな確信がアオイにはあった。
次、は、きっと成功したクッキーを食べさせてくれるだろうと、明確な期待があった。
そんなアオイの胸中が垣間見えて、一太はぼつり、零した。
「クッキーは、わざと焦がしたんだよ」
「……わざと?」
首を傾げるアオイの視線から逃れるように顔を背けて、一太は続ける。
「レシピにオーブンの設定書いてあったから、その通りにやれば、こんなに焦げるはずないだろ」
まぁ、確かに。アオイも見たことのあるレシピ集は、きちんとオーブンの設定まで書いてある。温度設定や焼き時間を適当にしない限り、あんな黒焦げの代物が生まれるのはおかしな話だ。
冷静に考えればそうだけれど、誰にでも見落としや勘違いはあるものだと勝手に納得してしまっていた事に気がつく。
それと同時に、何故そんなことをと疑問が湧いて。ゆっくりと首を傾げて尋ねた。
「だって、アオイはきっと失敗しても食べてくれるし、次は頑張ってって言ってくれる」
だから、と。一度言い淀んでから、一太は告げる。
「だからあえて、次を作ったっていうか」
ぽつり、と。吐き出された台詞に、アオイの中にすとんと納得が降りてきた。
(……あぁ……)
それと同時に、言いようのない愛おしさがこみ上げてきて、ふうわり、優しい笑顔を浮かべていた。
「掃除はやめて、あのクッキーでおやつにしましょうか」
「え……?」
「炭化しているわけじゃないから、食べられますよ」
そうと決まればお茶を淹れましょう、と手を打って、アオイは食器棚から湯呑と皿を取り出してくる。
差し出された皿とクッキーの入った容器を受け取れば、さぁさぁと急かされるように茶の間へと追いやられる一太。
急に機嫌よくお茶の準備をしだしたアオイを怪訝な顔で振り返るも、素直にクッキーを皿に移して待つ。
程なくして、お待たせしましたと二人分の緑茶を淹れてきたアオイと共に、座卓に座布団を並べておやつタイム。
蒸し暑い日も増えてきたが、日陰の中にいるとなんとなく肌寒いような気がする時期だ。温かな緑茶が美味しい。
ホッと一息ついたところで、アオイは改めてクッキーと一太とを見比べて、首を傾げた。
「なんでクッキー、焼こうと思ったんですか? いままで作ったことないですよね」
アオイが作る料理が好きだから任せているだけで、料理が出来ないわけではないのだろうとは思っていた。
それでも、それこそ思いつきで作ったことのないものに挑戦するようにもあまり思えなくて。
何故、と改めて問えば、一太は何でもないことのように、食べたかったからとだけ返した。
「食べたかったって……まあたしかに、僕は洋菓子作りませんけど」
言ってくれれば一緒に作ったのに。あぁ、それじゃ意味がないのか、と小さく笑う。
次、また、頑張らなくちゃいけませんもんね。と。
そんなアオイを見て、いつもどおりだ、と一太は思う。
いつもどおりマイペースで、穏やかで、優しい。
突然始めたと思った掃除も、たまたま気になっていた所を片付けられる時間が空いただけで、それ以上でも以下でもなかったのだと、理解する。
そういえば、最終決戦の話を聞いた時にも、アオイは深刻そうな顔はしていなかった。
(気にしてるのは俺か)
痛感してしまった。ウィンクルムとしての責任も、命を落とすかも知れないという危険も、重く重く受け止めて不安になってしまっているのは、自分の方だと。
今、こうしてアオイと居る『当たり前』が壊れてしまったらどうしようと、怯えているのだ。
アオイは、そんな事はちっとも考えていないと言うのに。
「クッキー、かちかちですね。歯が丈夫でよかったです」
ん、とか、む、とか苦戦しながらクッキーを食べるアオイは、随分滑稽な姿に見えた。
そうさせたのは己で、そうなってでもアオイは食べてくれるのだと信じていたために、可笑しさよりも嬉しさのほうがこみ上げるのだけど。
「ってホントに硬いな、このクッキー」
アオイに倣うようにしてクッキーに歯を立てるも、想像していたよりもずっと硬い歯ごたえと、笑みがこぼれそうで緩む頬のせいで、一太は悪戦苦闘していた。
バリバリ、ボリボリ。香ばしすぎるクッキーを二人でゆっくりと味わって、顎が疲れてきました、なんて笑い合って。
いつもと変わらない、ちょっぴり特別な日常を、満喫する。
ゆっくりと、噛みしめる。
「今度は、僕にも手伝わせてくださいね」
湯呑の中身が空になった頃に、アオイが何気ない調子で告げる。
その申し出に、ぱちりと瞳を瞬かせた一太は、少し拗ねた様子でアオイを見た。
「流石に今度は失敗しないぞ」
「失敗するなんて思っていません」
表情と同じくすねた口ぶりの一太にくすりと笑んで、アオイは言う。
「一緒に台所に立つの、楽しそうじゃないですか」
そう思いません? と尋ねるように小首を傾げるアオイを見て、一太は瞳を丸くした。
一緒に台所。
それは、一太が思い描いていた日常の一幕。
共に過ごすことの、一つの形。
「アオイ、もしかしたら俺の考えてること、わかってるのか?」
「うん?」
何のことだろう、と顔に書いてある。
だけれど、その表情からにじむ優しさは、今までとは少し違って、今までよりも確かな意思を感じた。
「僕が、あなたがいる『当たり前』を手放すわけないでしょう?」
そう思いません? また、尋ねるように小首を傾げる所作に、一太は今まで燻っていた不安や焦りや、それ以外の色んな毒気が抜け出るのを感じた。
(相変わらず、考えてること読めない奴だな)
全部見透かしているようで、何も考えていないようで、アオイの心の内側はどうにも見えにくい。
だけど、それは一太を不安にさせる要員には、ならなくて。
(だから、もっと一緒にいたくなるんだけど)
同意を返すのは、とびきり晴れやかな笑顔だった。
豪邸というような広さもなく、しかしアパートの一室のような手狭さでもない。
それぞれの部屋を確保して、台所と茶の間が分かれていて、二人で暮らすには、少し、広く感じる家。
そんな家の台所から、先程から水が流れる音が聞こえたり止まったりしているのを、一太は聞いていた。
きゅ、と水道の蛇口が捻られる度、ぴくりと一太の兎耳が揺れる。
そしてその度に、耳の下にある表情の温度が下がっていく。
「ふぅ、こんなものでしょうね」
一つ大きな息をついて、アオイがくるりと台所を見渡した。
食器棚の隙間からシンクの隅まで、ピカピカだ。確かめて、満足げに頷いてから冷蔵庫を開ける。
「作り置きがまだ残ってますねえ。お昼、それでいいですか?」
冷蔵庫の中を覗きながら尋ねる声に、返事はない。
気配はするのに、返事がない。
不思議そうに顔を上げて振り返ると、台所の入り口で仁王立ちしている一太と目が合った。
「どうしたんですか、入口に立って」
というか、居るなら返事してくださいよ、と苦笑しても、一太は無言のまま。
それどころか、アオイを睨むように見ている。
じっとそれを見つめて、アオイは首を傾げる。
「怒ってます?」
何を、かはわからないけれど。何かに、一太は怒っているように見えた。
だから、真っ直ぐに尋ねたのだ。そうすれば、一太は瞳を細め、眉を寄せて一度苦しそうな顔をしてから、言葉を吐き出す。
「掃除、やめろよ」
率直な台詞に、きょとんとしているアオイに、一太は更に言う。
死に支度をしているように見えるから。
続けられた二言目は、小さな声だった。そして、苛立たしげであると同時に、悲しげな声だった。
朝から部屋の掃除をしているアオイに、一太はずっと心がざわついていたのだ。
普段だってそんな汚いわけではないのに、急に掃除をし始めるなんて、と。
それは、もしかしたら『普段』だったら、気に留めていなかったかも知れない。何か手伝ったほうが良いかな、と自分なりに考えるだけだっただろう。
だけど今は、事情が違う。
今は、大事な戦いを控えている時なのだ。そんな時に、部屋を綺麗にするなんて。
まるで、最終決戦で帰ってこれなくなるとでも思っているかのようで……。
「――まさか」
一太の嫌な想像を掻き消すように、アオイが小さく苦笑した。
そんな事考えてたんですかと、言うように。
――考えさせてしまっていたのかと、言うように。
「嫌ですよ。まだクッキーの成功作、食べてないですし」
つぃ、と、アオイの視線が逸れる。その先には、やはりタッパーに詰められた何かがあった。
同じ物を見た一太は、怪訝そうに眉を寄せた。
「クッキーって……」
「ええ、一太が昨日焼いてこがしてた、クマ型のあれです。失敗したままでおしまいなんて、言わないでしょう?」
一太はそんな気まぐれをするような者ではないと、そんな確信がアオイにはあった。
次、は、きっと成功したクッキーを食べさせてくれるだろうと、明確な期待があった。
そんなアオイの胸中が垣間見えて、一太はぼつり、零した。
「クッキーは、わざと焦がしたんだよ」
「……わざと?」
首を傾げるアオイの視線から逃れるように顔を背けて、一太は続ける。
「レシピにオーブンの設定書いてあったから、その通りにやれば、こんなに焦げるはずないだろ」
まぁ、確かに。アオイも見たことのあるレシピ集は、きちんとオーブンの設定まで書いてある。温度設定や焼き時間を適当にしない限り、あんな黒焦げの代物が生まれるのはおかしな話だ。
冷静に考えればそうだけれど、誰にでも見落としや勘違いはあるものだと勝手に納得してしまっていた事に気がつく。
それと同時に、何故そんなことをと疑問が湧いて。ゆっくりと首を傾げて尋ねた。
「だって、アオイはきっと失敗しても食べてくれるし、次は頑張ってって言ってくれる」
だから、と。一度言い淀んでから、一太は告げる。
「だからあえて、次を作ったっていうか」
ぽつり、と。吐き出された台詞に、アオイの中にすとんと納得が降りてきた。
(……あぁ……)
それと同時に、言いようのない愛おしさがこみ上げてきて、ふうわり、優しい笑顔を浮かべていた。
「掃除はやめて、あのクッキーでおやつにしましょうか」
「え……?」
「炭化しているわけじゃないから、食べられますよ」
そうと決まればお茶を淹れましょう、と手を打って、アオイは食器棚から湯呑と皿を取り出してくる。
差し出された皿とクッキーの入った容器を受け取れば、さぁさぁと急かされるように茶の間へと追いやられる一太。
急に機嫌よくお茶の準備をしだしたアオイを怪訝な顔で振り返るも、素直にクッキーを皿に移して待つ。
程なくして、お待たせしましたと二人分の緑茶を淹れてきたアオイと共に、座卓に座布団を並べておやつタイム。
蒸し暑い日も増えてきたが、日陰の中にいるとなんとなく肌寒いような気がする時期だ。温かな緑茶が美味しい。
ホッと一息ついたところで、アオイは改めてクッキーと一太とを見比べて、首を傾げた。
「なんでクッキー、焼こうと思ったんですか? いままで作ったことないですよね」
アオイが作る料理が好きだから任せているだけで、料理が出来ないわけではないのだろうとは思っていた。
それでも、それこそ思いつきで作ったことのないものに挑戦するようにもあまり思えなくて。
何故、と改めて問えば、一太は何でもないことのように、食べたかったからとだけ返した。
「食べたかったって……まあたしかに、僕は洋菓子作りませんけど」
言ってくれれば一緒に作ったのに。あぁ、それじゃ意味がないのか、と小さく笑う。
次、また、頑張らなくちゃいけませんもんね。と。
そんなアオイを見て、いつもどおりだ、と一太は思う。
いつもどおりマイペースで、穏やかで、優しい。
突然始めたと思った掃除も、たまたま気になっていた所を片付けられる時間が空いただけで、それ以上でも以下でもなかったのだと、理解する。
そういえば、最終決戦の話を聞いた時にも、アオイは深刻そうな顔はしていなかった。
(気にしてるのは俺か)
痛感してしまった。ウィンクルムとしての責任も、命を落とすかも知れないという危険も、重く重く受け止めて不安になってしまっているのは、自分の方だと。
今、こうしてアオイと居る『当たり前』が壊れてしまったらどうしようと、怯えているのだ。
アオイは、そんな事はちっとも考えていないと言うのに。
「クッキー、かちかちですね。歯が丈夫でよかったです」
ん、とか、む、とか苦戦しながらクッキーを食べるアオイは、随分滑稽な姿に見えた。
そうさせたのは己で、そうなってでもアオイは食べてくれるのだと信じていたために、可笑しさよりも嬉しさのほうがこみ上げるのだけど。
「ってホントに硬いな、このクッキー」
アオイに倣うようにしてクッキーに歯を立てるも、想像していたよりもずっと硬い歯ごたえと、笑みがこぼれそうで緩む頬のせいで、一太は悪戦苦闘していた。
バリバリ、ボリボリ。香ばしすぎるクッキーを二人でゆっくりと味わって、顎が疲れてきました、なんて笑い合って。
いつもと変わらない、ちょっぴり特別な日常を、満喫する。
ゆっくりと、噛みしめる。
「今度は、僕にも手伝わせてくださいね」
湯呑の中身が空になった頃に、アオイが何気ない調子で告げる。
その申し出に、ぱちりと瞳を瞬かせた一太は、少し拗ねた様子でアオイを見た。
「流石に今度は失敗しないぞ」
「失敗するなんて思っていません」
表情と同じくすねた口ぶりの一太にくすりと笑んで、アオイは言う。
「一緒に台所に立つの、楽しそうじゃないですか」
そう思いません? と尋ねるように小首を傾げるアオイを見て、一太は瞳を丸くした。
一緒に台所。
それは、一太が思い描いていた日常の一幕。
共に過ごすことの、一つの形。
「アオイ、もしかしたら俺の考えてること、わかってるのか?」
「うん?」
何のことだろう、と顔に書いてある。
だけれど、その表情からにじむ優しさは、今までとは少し違って、今までよりも確かな意思を感じた。
「僕が、あなたがいる『当たり前』を手放すわけないでしょう?」
そう思いません? また、尋ねるように小首を傾げる所作に、一太は今まで燻っていた不安や焦りや、それ以外の色んな毒気が抜け出るのを感じた。
(相変わらず、考えてること読めない奴だな)
全部見透かしているようで、何も考えていないようで、アオイの心の内側はどうにも見えにくい。
だけど、それは一太を不安にさせる要員には、ならなくて。
(だから、もっと一緒にいたくなるんだけど)
同意を返すのは、とびきり晴れやかな笑顔だった。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
リザルト筆記GM | 錘里 GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
|
エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2018年5月26日 |