明智珠樹のウィンクルム達のゴールイン!
桂木京介 GM

プロローグ

 ついに切って落とされた、オーガ達との最終決戦――。
 もしかしたら、世界は滅び、ウィンクルムも命を落としてしまうかもしれません。

 命を落としてしまう前に、悔いのないように。
 A.R.O.A.はウィンクルムの正式な結婚を認める運びとなりました!

 そして、ウィンクルム達がお互いの気持ちを、本心を曝け出す場を用意しようと、
 A.R.O.A.がウィンクルム達に少しの休暇と、リゾート地を提供しました!
 プロポーズの場としても、デートの場としても利用可能です!

 人々は、ウィンクルム達が向かう最終決戦に向けて、少しでも手助けになればと、快くリゾート地などの開放を行ってくれました。
 最終決戦であることもあり、これまで助力をしてくれたスポットは提供をしてくださっています!
 行きたかったけど行けなかった、という場所に行くのも、同じ場所に行くのも、良いかもしれません!

 リゾート地は、すべてウィンクルム達の貸切!(一部リゾートホテルなどはスタッフがいらっしゃいます)。

 ウィンクルム達のゴールイン・ひと時は、一体どのようなものになるのでしょうか!


プラン

アクションプラン

明智珠樹
(千亞)
26
BARでお酒を嗜む

●酒
「あぁ…!まさかこうして千亞さんにお誘いいただけるとは思いませんでした…!
今日は記念日ですね、ふふ。いくらでもお持ち帰りして良いのですよ…!」
相変わらずなことを言いながら。
酒を飲む千亞を楽しそうに見ながら、己もバーボンを嗜む(酒は強い)

千亞の言葉に
「…千亞さん、酔ってます?私、信じちゃますよ?」
ヒートアップする千亞にも嬉しそうな表情で。
「…ふ、ふふ。千亞さんの想いは解っているつもりでしたが、改めて口にしていただけるのは嬉しいものですね」

「今までも、これからも。私は千亞さんを愛しております」

眠る千亞を優しく撫で
「千亞さんからプロポーズしていただけるとは思いませんでした」
己の懐から指輪を取り出し。
「渡しそびれてしまいましたね、ふふ」
そっと、千亞の左手の薬指に嵌め。
「マスター、もう少しだけ飲んでいても良いでしょうか?
 婚約者の寝顔で酒を嗜めるなんて最高ですね、ふふ…!」

リザルトノベル

 耳障りにならぬ程度にジャズが流れている。
 よく聴けばそれは、オールディーズ・ポップスをアレンジしたものだ。馴染みのメロディ、心をとらえるフック、ウッドベースのまろやかな響き。
 よく磨かれたオーク樫のカウンターに敷かれたコースター、その上に音もなく、ショートカクテルのグラスが置かれる。
 雪兎色のカクテル、バラライカ。
 強い酒だ。きりりとした辛口でもある。
 でもそれでいい。だからこそ、いい。
 今夜はアルコールの力を借りたかった。
 こういう店、苦手じゃなかったらいいけど――ふと気になって千亞は彼を見た。
「あぁ……! まさかこうして千亞さんにお誘いいただけるとは思いませんでした……! しかもこんな素敵なお店に……ふ、ふふ……!」
 杞憂だったようだ。
 明智珠樹は感極まったように両手を合わせて、目にいっぱい星屑を浮かべている。
「なにを隠そうこの私、かつては『流しのバーテンダー明智にゃん』と呼ばれていたことがありましてね。人手不足のバーに疾風のようにあらわれ、疾風のように去っていく……おっと、話しすぎましたか。昔の話です……!」
 本っ当に、杞憂だったようだ。
「またいつもの経歴詐称してる……」
「ふふ、歴史改変と言ってください」
「余計悪いよっ」
 ここで珠樹の前にグラスが置かれた。バーボンのロック、それもダブルだ。
「では乾杯と参りましょう」
「ああ」
 気のない振りをして、千亞はグラスを軽く持ち上げる。それだけにしてテーブルに戻した。あまり長く持っていると、緊張が表に出てしまうかもしれないから。
 千亞が珠樹と酒を飲むのは、実をいえばこれが初めてだ。千亞も二十歳は超えているのだが、幸か不幸かこれまで珠樹と杯を交わす機会はなかった。だから千亞は珠樹の酒量というのを知らない。もっとも、飲みつけない自分の適量も知らなかったりするのだけれど。
 カラン、と氷が鳴った。珠樹がグラスを呷ったのだった。
「……ふ、ふふ、実に美味しい。お店の雰囲気もさることながら、美人さんの隣だからでしょうかね」
「なに調子のいいこと言って……」
 ここで千亞はぎょっとした。珠樹の杯には氷しか残っていなかった。
「マスター、同じものをお願いします……ふふ」
 つうっと二本の指で珠樹はロックグラスの側面をなぞる。
 早い。酒には強いらしい。
 しかもほどなくして、珠樹は二杯目も干してしまった。まるで水みたいに。
「そんなにガンガンいって大丈夫なのか?」
「失礼、ちょっと浮かれてしまったようです。ここからはペースを落としましょう……」
「浮かれてるって、何にさ?」
「今日は記念日ですから」
「記念日? 祝い事でもあったっけ?」
 このとき珠樹の目がキラリと輝いた。
「ええ、『千亞さんが初めてお酒に誘ってくれましたヨ! ハッピー☆』記念日です……!」
「……訊くんじゃなかった」
「記念日ですから、いくらでも私をお持ち帰りしてくれて良いのですよ……ふふ!」
 もう、と白いカクテルを一口して、千亞は熱い息を吐く。
「持ち帰るも何も、帰るのは同じ家じゃないか……」
 レモンの甘苦い味が舌に残る。ぎゅっと密度の高いアルコールといったテイスト。でも気に入った。
 他愛もない話をしながら千亞はグラスを空け、もう少し刺激が欲しくなってギムレットを注文する。
 ライム・ジュースとジンをシェイクした透明感ある緑のカクテル、分量的にはジンをライムで割ったというより、ライムをジンで割った具合になる。グラスの縁を飾るのも、緑鮮やかなライムの輪切りだ。
「おや、続けてまた強いお酒になさる……?」
「勝手だろ、僕が何を飲もうと」
 そっちだってもうバーボン四杯目じゃないか、と言いかけて千亞は顎に手をやる。いや、五杯目だっけ……?
 当てつけのようにギムレットを手早く流し込んだせいだろうか、千亞は頬が火照ってくるのに気がついた。ほろ酔いになってきたらしい。
 よし――千亞は肚をくくった。マスターに合図してマンハッタンをもらう。
 本当はもう、酒ならなんでもよかった。マンハッタンを頼んだのも、たまたまリストの上方にあったからにすぎない。しかしコースターの上に乗ったショートグラスを見て、今の気分にぴったりだと千亞は思った。
 マンハッタンは、カクテルの女王と称されるという。なるほど確かに言い得て妙だ。どこか気怠くも滴るような魅力があり、しかも内側に情熱を秘めているから。ライ・ウイスキーとベルモットが2対1の割合、そこに苦みのあるアンゴスチュラ・ビターズを数滴加える。シェイクしてグラスに注ぎ、砂糖漬けのチェリーをひとつ沈めればできあがりだ。
「……あのさ、珠樹」
 すぐには手を付けず、琥珀色のカクテルを見つめながら千亞は言った。
「僕と、結婚してほしい」
 えっ!? というような声が珠樹の喉から漏れたように思う。
 おちゃらけているようで安定のマイペース、じたばたしているようで少々のことでは動じぬ珠樹から、この反応を引き出せただけでなんだか嬉しかった。
「……千亞さん、酔ってます? 私、信じちゃいますよ?」
 言いながらくねくねっと珠樹が動いたのも、千亞の目からは動揺の現れに見えた。
「酔ってないっ、僕は本気で言ってるんだ、茶化すなよ」
 やや座ってきた目で告げグラスを取ると、なんと千亞はこれを一息で干した。
「言っておくが、戦いが近いから言ってるんじゃないんだぞ?」
 すとんとグラスを置く。おかわり、と言う。なんだか西部劇のアウトローみたいだ、とぼんやり思った。まあ西部劇のバーには、ショートカクテルグラスはなかろうが。
 新たなグラスが置かれると、これを半分飲んで千亞はスツールを回した。珠樹のほうを向く。
 ええい、ままよ! そんな気持ちで声を上げた。
「僕は、おまえが好きだ! どんなにド変態でも、それでも僕を気遣う心に偽りはないって、僕は勝手に思ってるっ」
 言ってしまった。
 でも、やっと胸のつかえが下りた気もした。
 さすがに珠樹も驚きを隠せない様子だ。手にしていた付け合わせのオリーブを皿に戻した。自分もスツールを回して千亞と向き合う。
「……ふ、ふふ」
 あの珠樹が頬を染めているではないか。アルコールのせいだけではないと千亞は信じたい。
「千亞さんの想いは解っているつもりでしたが、改めて口にしていただけるのは嬉しいものですね……」
「そうじゃなくて」
 ぐいと千亞は顔を突きだして言う。
「返事はどうなんだっ?」
 けれど威勢がいいのはここまでだった。一拍おいたのち千亞は視線を膝に落とし、道に迷った少女のように言った。
「……おまえは、僕の家族になるのは……嫌か?」
 くす、と珠樹は微笑した。
 いつものミステリアスな含み笑いではなく、小動物のような微笑みだ。
 そして珠樹は左胸に手を当て、宣誓するように告げたのだった。

「今までも、これからも。私は千亞さんを愛しております」

 あはっ、と珠樹向けのレパートリーにはない声が出てしまったが気付かない。安堵と嬉しさと、ちょっぴりの誇りで高揚し千亞は目を細めた。
「嬉しい……ありがと、珠樹」
 口笛でも吹きたい気分でスツールをくるりとやり、珠樹の肩に頭を預ける。ついでに、体のほうも。
 瞼が重いな、と千亞は思った。
 安心したからか酒が回ったからか力が抜けたからか、それとも、それら全部からか。
「おや、千亞さん? そんなところで寝ると、お持ち帰りのビッグチャンス到来ということになってしまいますよ……ふ、ふふ……」
 などと珠樹は艶めかしく言ってみるが、千亞の返事はなかった。
 かわりに、静かな寝息が聞こえてきたのだった。
「千亞さんからプロポーズしていただけるとは思いませんでした……サプラーイズ、というやつでしたよ……」
 珠樹は片手で千亞を支えつつ、もう片方の手でその頭を優しく撫でた。
 そして自分の懐を探る。あった、と小さく声を上げ銀色の指輪を取り出す。
「渡しそびれてしまいましたね……ふふ」
 千亞を起こさぬよう注意しながら、珠樹は指輪を、千亞の左手薬指に嵌めるのだった。
「起きてみたらサプラーイズ、ですね……」
 さて、と珠樹はオリーブを口に運び、カウンターの向こうに手を挙げた。
「マスター、もう少しだけ飲んでいても良いでしょうか?」
 喜んで、と答えてマスターは濡れたグラスを手に取った。
「婚約者の寝顔で酒を嗜めるなんて最高ですね、ふふ……!」
「おめでとうございます」
 マスターは五十代後半くらいだろうか、細身で、綺麗に撫でつけられたロマンスグレーの髪がよく似合う。
「同じものでよろしいですか?」
「そうですね……いえ今度は、桜リキュールベースのお酒をいただくとしましょう……季節外れかもしれませんが」
 ふふ……と笑みをこぼして珠樹は言ったのである。
「私にもとうとう春が来たようですので……!」




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 桂木京介 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:明智珠樹
精霊:千亞
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2018年5月26日

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