(イラスト:楠なわて IL


セイリュー・グラシアのウィンクルム達のゴールイン!
桂木京介 GM

プロローグ

 ついに切って落とされた、オーガ達との最終決戦――。
 もしかしたら、世界は滅び、ウィンクルムも命を落としてしまうかもしれません。

 命を落としてしまう前に、悔いのないように。
 A.R.O.A.はウィンクルムの正式な結婚を認める運びとなりました!

 そして、ウィンクルム達がお互いの気持ちを、本心を曝け出す場を用意しようと、
 A.R.O.A.がウィンクルム達に少しの休暇と、リゾート地を提供しました!
 プロポーズの場としても、デートの場としても利用可能です!

 人々は、ウィンクルム達が向かう最終決戦に向けて、少しでも手助けになればと、快くリゾート地などの開放を行ってくれました。
 最終決戦であることもあり、これまで助力をしてくれたスポットは提供をしてくださっています!
 行きたかったけど行けなかった、という場所に行くのも、同じ場所に行くのも、良いかもしれません!

 リゾート地は、すべてウィンクルム達の貸切!(一部リゾートホテルなどはスタッフがいらっしゃいます)。

 ウィンクルム達のゴールイン・ひと時は、一体どのようなものになるのでしょうか!


プラン

アクションプラン

セイリュー・グラシア
(ラキア・ジェイドバイン)
スポット:10~11

ラキアと一緒にたぶろすパークに行くぜ。
動物園は朝から夜まで色々と楽しめる魅惑の場所だもんな!
どんな動物だって見てて飽きないじゃん?
一緒に色々な動物を見る。
ん?みられているのはオレ達の方もか?
動物達だって檻の中で退屈じゃん。
よし、オレ達の仲良し具合を存分に眺めるがいい!(得意げ

お昼はフードコートで食べよう。
動物園っぽいメニューも面白いだろ。

ラキアはどんな動物が好き?
オレは大きい系の動物が好きかな。
ライオンとかユキヒョウとか。カッコイイ。
キリンやサイ・ゾウも好きだ。ガセルとか。足早いよな!
大きな体見てると大自然のデカさも実感できるじゃん。
というか、人間ってちっちぇー、とか。
何か考えごちゃごちゃっとしてる時も、こんな悩みちっちぇー、とか。
心がすっきりするじゃん?
色々な動物を見て回って元気とキアイを貰うのだ。
世界は生き物でいっぱい。賑やかで退屈してるヒマねーぞ、って感じじゃん!

リザルトノベル

 異世界に足を踏み入れる方法はさまざまにある。
 しかしこの方法は、そのもっとも容易な手段の一つではないか。
 ゲートを一歩くぐれば、もうそこは異世界なのだから!
 魅惑の異世界、その名は、動物園『たぶろすパーク!』だ。
「動物園は朝から夜まで色々と楽しめる魅惑の場所だもんな!」
 やっと来れた、とセイリュー・グラシアは両腕を空に上げた。
「なかなか予定が合わなかったからね」
 ラキア・ジェイドバインの口元からも笑みがこぼれている。
 行こうと思えばすぐに行ける距離にあるというのに、仕事やセイリューの実家からの呼び出し、天候不良などもあいまって、来園予定はベルトコンベアで運ばれるがごとく、延ばし延ばしになっていたのだった。よってこの日の動物園デートには、『念願の』という言葉を冠したい。
 水色した空、風は涼しく、暑すぎず寒すぎずちょうどいいコンディションと言えた。まるでこの特別の一日のために、天気のほうがふたりに都合してくれたかのように。
「思っていた以上に広いんだね。園内モノレールまで走ってる」
 買ったばかりのパンフレットをめくりつつラキアが言う。
「今日、セイリューのお目当ての動物は?」
 そうだなあ、としばしセイリューはアメジスト色の瞳をさまよわせていたものの、ひとつに絞れないのか、
「全部!」
 と笑った。口にしてみれば、これ以外の回答はないという気がした。
「どんな動物だって見てて飽きないじゃん?」
 ごもっともとラキアはうなずく。
「セイリューって動物好きだものね」
 最初に足を向けたのは鳥のエリアだった。真っ先に見えたのはフラミンゴの池、長く細い脚をもつ紅色の鳥たちが、思慮深げに片足立つ姿は壮観だ。空の青さもあいまって、熱帯から届いた絵葉書を見ている気になる。
 クジャクにツル、キジと見物し、フクロウ用の屋内施設に入った。さまざまなフクロウやミミズクを興味深く眺めたセイリューは、檻の脇にある説明文も熟読する。
「知らなかった。すべてのフクロウがホーホーって鳴くんじゃないんだな。ピイピイと鳴く種類や、まったく鳴かない種類もいるんだって」
「さすがセイリュー、看板をちゃんとじっくり読むんだね」
「まあ、細かい分類や名前は覚えられないけどな。なんていうか、知らなかったことが書いてあって面白いじゃん」
 セイリューの目は少年のように輝いている。
「言えてる。好奇心は大切だと思うよ」
 そんな彼に刺激されたように、ラキアも興味深く解説に見入るのだ。すべて解説は飼育員がしたためたものだという。面白く、わかりやすく書いてあるところから、その熱意が伝わってくるようだ。
 ひょいとセイリューは手を挙げた。
「オレのこと、気になるか?」
 プラスティックの檻のむこう、まん丸な目をしたコノハズクの子どもが、まばたきもせず自分を見ていると気がついたのだ。セイリューの様子を見て、「うん」とでも言うようにコノハズクはぱたっと一度、左右の翼を持ち上げた。
「挨拶を返してきた? さすがセイリュー、距離感の縮め方が上手というか」
「動物たちだって檻の中で退屈じゃん。……ん? そうすると、見られているのはオレたちの方も、ってことになるのか?」
 するとにわかにセイリューは、ラキアの肩に腕を回し得意げに言った。
「よし、オレたちの仲良し具合を存分に眺めるがいい!」
 ラキアは吹きだしてしまう。そんな楽しさが伝わったのかもしれない。コノハズクはセイリューとラキアを見て、今度はぱたたと勢いよく羽ばたいたのだった。
 そこから羊、カンガルー、アルパカなど草食動物のパークをめぐった。このゾーンの動物は放し飼いになっている。エサやりも可能なので、ラキアはいささかおっかなびっくり、セイリューはノリノリでドライフードを配った。
「人に慣れているんだね。よく食べるね」
「そうだ、食べると言えば」
「言えば?」
「……ハラ減らないか?」
 夢中でエサやりしているうちに、とうに昼時を越えていた。

 園内のフードコートに入った。さすが大きな動物園だけあってラインナップも豊富だ。ちょっとした有名レストランの出店まである。
 けれどもセイリューは迷わなかった。トレーの上の皿を嬉しそうに見せる。
「入ってすぐ目にとまったんだよなあ、これ」
 名物『パンダちゃんカレー』だという。カレーの上に、ご飯で作ったパンダがニコニコと笑っている。目鼻口、手足は海苔で丁寧にデコレーションされていた。背景の笹林も、アスパラで作っているという気合いの入れようだ。
「動物園っぽいメニューで面白いだろ?」
 と言うも、少し考えてセイリューは付け加えた。
「……もしかして、子どもっぽいかな」
 まさか、とラキアは笑った。そうして自分のトレーを見せたのだ。
 体は玉子、角はナゲット、グリンピースの目でおすまし顔をした『キリンさんオムライス』がそこにあった。

 実際のキリンはオムライスほど黄色くはない。けれど長い睫毛と、しゃなりしゃなりとした歩きぶりは負けず劣らずのチャーミングさだ。
 ふたりは大型草食動物のゾーンを訪れている。
「ラキアはどんな動物が好き? オレは大きい系の動物が好きかな」
 のっしのっしと歩いていたサイだが、くたびれたのかドタっと足を折り曲げてうずくまった。ふわーっとあくびをする。
「サイとかキリンとか?」
「そうそう。それにゾウもな!」
 セイリューは指さした。ちょうど隣がゾウ舎なのだった。
 長い鼻をぶらぶらさせながらゾウが歩むと、ズシンズシンと地響きが立つような気がした。
「大型動物というと、ライオンやトラも入るのかな」
「もちろん! カッコイイよな。ユキヒョウもいい。なんか、大きな体見てると大自然のデカさも実感できるじゃん」
「かなわないな、って感じ?」
「そうそう! 大きい動物見てると、人間ってちっちぇー、とか思えてくるし。何か考えごちゃごちゃっとしてるときでも、こんな悩みちっちぇー、とかいう気になるんだ。心がすっきりするじゃん?」
 ラキアは驚いたようにセイリューを見返した。
 ほんの一瞬だがセイリューを通して、自然の雄大さが胸に迫ってきたように感じたのだ。解放されたような気持ちも。
「どうかしたか?」
 急にラキアが黙ったので、セイリューは小首をかしげた。
「いや、何でも」
 取り繕うにように紅の髪をかきあげて「ただ」とラキアは言い足す。
「いいこと言うなあ……って思って」
「えっ? どのあたりが?」
「なんというか、すべてが、かな」
 そりゃ大袈裟だろ、とセイリューは笑い飛ばしたしラキアも笑ったものの、間違いなく本心だった。
 セイリューの心は大きい。
 ゾウやキリンだって、セイリューの心は包んでしまうだろう。
 そんな気がした――。
「それでラキアは? 好きな動物?」
 と声をかけられラキアは我に返る。
「好きな動物ね……オレは鹿系の動物とか」
「ガゼルとかか。足早いよな!」
「うん。しなやかな走りにあこがれるよ」
 話しつつ進むと、ちょうど鹿やガゼルの放し飼いされている場所になる。立派な角をしたトナカイや、愛くるしい子鹿に会えるだろうか。
「あとは小動物とか、森で暮らす動物が好き。さっき巡って改めて思ったけど、鳥もイイよね。歌声で色々な事教えてくれるし」
 もし都会を離れることになったとしたら森に住んでみたい、そんなことをふとラキアは考えた。

 モンキー館でさまざまな種類の猿を見て、パンダを見てペンギンやシロクマと親しみ、陽が落ちる前にモノレールに乗りフードコートに戻った。
 簡単な軽食を済ませると、家の猫たちへのお土産として動物のぬいぐるみを買う。セイリューはライオン、ラキアはペンギンのぬいぐるみを選んだ。
「喜んでくれるといいな」
「ふふ、取り合いにならなければいいけど」
 さあ陽が落ちた。夕暮れどきは猫科肉食獣を見て帰ろう。
「ヒョウとかジャガーとか基本的に夜行性だから、最後がいいと思ってな」
「わかるよ。猫科といえばヤマネコもイイよね」
 それにしても、とセイリューはここまでを振り返る。
 今日はたくさんの動物を見た。本当に、たくさん。しかもここからさらに、ライオンやチーターが待っているのだ。
 でも、と彼は言った。
「一日巡って疲れたはずなのに、なんかずっと元気なんだよな、今日」
「セイリューもそう思う?」
 ラキアはうなずいた。同じ気持ちだ。
「なぜだろうね」
 というラキアの問いに、オレの考えでは、とセイリューは返した。
「動物たちに元気とキアイをもらったからかな。世界は生き物でいっぱい。賑やかで退屈してるヒマねーぞ、って感じじゃん!」
 セイリューに出逢えてよかった、ウィンクルムを組めてよかった――ラキアはしみじみとそう思う。彼といたら、いつも気持ちが明るくなるから。
「君のその考え方、ホント、大好きだよ」




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 桂木京介 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:セイリュー・グラシア
精霊:ラキア・ジェイドバイン
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2018年5月26日

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