プラン
アクションプラン
レオ・スタッド (ルードヴィッヒ) |
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5 ラムコークを注文 こないだの、私らなんもしてなくない? はぁ!? そりゃあんたのほうでしょ! (ムッカつくわー…! えーこういう場所はオンナノコと来るモンでしょー(ぶー なんであんたと二人っきりで… (スケートやら温泉やら想像 わかった!わかったから!私が悪うございました! (真顔で言うから冗談かも解んないんだけどっ は?全部(酔 偉そうだし傲慢だし上から目線! おまけに弁護士で金もってそうなのに隣に住んでる所もムカつくー嫌味かよー(ぐびー ワイン飲んで気取っちゃってさー通ぶってんじゃないわよぉ んー?(受取)……甘い …じゃあオレもこれ飲む、マスターおんなじのちょーだい やだ、ルードが好きなもの知りたいし…あ(ハッ テメェのそういうトコが一番ムカつく! 馬鹿にするクセに甘やかしてくるトコ! どうって…嫌じゃねーけど、どういうつもりなんだろ?って ……バカじゃねーの(ぷいっ (それってなんか…オレの気ぃ引きたいみたいじゃん |
リザルトノベル
白馬岳にあるBAR『スノードロップ』にて、ラムコークを注文するとレオ・スタッドは窓から夜景を一望できる席に座ってはぁとため息をついた。
外に広がるのは、空には美しい星々、眼下にはイルミネーションの灯りに彩られたキラキラ輝く雪景色。
「こないだの、私らなんもしてなくない?」
ここが貸切になったのは、そういえば街を救ってくれたウィンクルムの為に、という事だった気がする。
ウィンクルムへの労いの為に開催規模を拡大した『大聖夜祭』だが、その恩恵をタダで受けてる気がしたレオはラムコークのグラスにゆっくりと口を付けながらそうぼやいた。
「醜態を晒したかったか?」
「は?」
グラスを握る手に力が増す。ふっと笑みを深めてルードヴィッヒが付け足した。
「スタッド、お前の護衛は重労働なんだ。少しは俺を労われ」
「はぁ!? そりゃあんたのほうでしょ!」
ムッカつくわー……! とグラスをテーブルへ置くと、レオはフンとそっぽを向いた。
「それにここは外より気兼ねせず煙草も吸えるだろう」
煙草へ火をつけてその唇へ運んだレオを見てルードヴィッヒはそう告げる。レオはむーっとむくれた顔で口を尖らせると、反論する。
「えー? こういう場所はオンナノコと来るモンでしょー」
素晴らしい美しさを誇る雪景色と夜景。こんなオッサンとじゃなくって、可愛い女の子と来たかったわー、あー、何してんの私―、とぶつくさ言っているレオをルードヴィッヒはじっと見つめる。
かち合った視線に、再度レオがぼやいた。
「なんであんたと二人っきりで……」
「ふむ、俺とスケートやスキーをしたかったと」
確かにA.R.O.A.から提案されたデートスポットにはそんなところもあった。
「そういえばリゾートホテルもあったか、予約しておけば……」
真顔でそう言い放つルードヴィッヒ。レオは美しくライトアップされたスケートリンクで手を取り合ってウフフアハハとスケートを楽しむ自分たちや、温泉宿で部屋についた露天風呂に二人で入る様、キングサイズのベッドで何処に寝るかを迷う己を想像し、ぶんぶんと首を振った。ヴァーッ、有り得ない。ヤメテー。
「わかった! わかったから! 私が悪うございました!」
真顔で言っているからもしかすると冗談かもしれない、が、この男の事だからわりと本気かもしれない。レオは色々振り払うように言って、半ば自棄な謝罪をする。
ルードヴィッヒはわからん、と言った顔でため息をついた。
「全く、お前という男は俺のどこが気に入らないんだ」
「は? 全部」
だいぶ酔いが回ってきている顔でレオは答える。
「偉そうだし傲慢だし上から目線!」
びしり、と人差し指を突き付けて。
「ほう」
「おまけに弁護士で金もってそうなのに隣に住んでる所もムカつくー。嫌味かよー」
ほんとならもっと良いお家に住めますでしょ~! と言いながら、
ぐいっとグラスの中のアルコールをあおると、
レオはふんっと鼻を鳴らしてルードヴィッヒがもつワイングラスの中のゆらゆら揺れる赤色を指さして吐き捨てるように言った。
「ワイン飲んで気取っちゃってさー、通ぶってんじゃないわよぉ」
ワイングラス持ってる自分がお好きなんでしょ~、と言いたげなレオの視線に、はぁ、とルードヴィッヒのため息が深いものに変わる。
「……お前がほとんど上辺で判断していることだけはよく解った。大うつけめ」
「あ?」
ぁんですって? と言いだしそうなレオに、ワインのグラスを押し付ける。
「まず通ぶっていると言うなら、同じモノを飲んでから言え」
「んー?」
何よぉ、と言いながらレオはグラスに唇をつける。
「……甘い」
ふんわりとした芳香が口の中に広がる。ルードヴィッヒが飲んでいたのは甘口の赤ワインだったのだ。
(意外と美味しいじゃない……)
「ワインは通が好むと言っている奴は、印象だけで毛嫌いして体の良い言い訳をしているだけだ」
「ぐ」
モッツァレラチーズを口に運んでルードヴィッヒは美味しそうに嚥下する。
ちょっと悔しかった。
「本当に好きな奴は自分好みの一杯を知っているものだぞ」
「……じゃあオレもこれ飲む、マスターおんなじのちょーだい」
確かにチーズに合ってるし、美味しいもんな、と認めざるを得なくて。
レオはカウンターの店主へと空のワイングラスを掲げるのだった。
「別に俺に合わせなくて良いが」
好きなものを飲めばいいだろう、ルードヴィッヒがそう言うと、レオはむすっとした顔で切り返す。
「やだ、ルードが好きなもの知りたいし」
「む?」
「……あ」
ハッとしたときにはもう遅い。知りたいだなんて、ずいぶんと大胆な事を言ってしまったものだ。私はあなたにとっても興味があります、と言ってしまったようなものだ。
にたり、とルードヴィッヒが唇を三日月に歪めたのが解った。
「寝上戸だと思ったが、甘え上戸だったか」
いつだったか飲んだときは寝てしまったのにな、と付け足した。
やだ、と言う26歳188㎝の男性にしてはやたらと可愛い口調に対し、くつくつと喉を鳴らして笑うルードヴィッヒへ、レオはぐぬぬと唸る。
「テメェのそういうトコが一番ムカつく!」
感情に任せて噛みつくように言った言葉に、ルードヴィッヒは片眉を上げた。
「ほう、どういうところだ」
「馬鹿にするクセに甘やかしてくるトコ!」
あっ、と思った時にはもう遅かった。
甘やかされるのが嬉しいと言っているようなものではないか、これは。レオはどこまでもこの男には敵わないのだという事を思い知らされたようで歯噛みするばかり。
「……具体的にはどう思っている?」
酔いに軽く染まった頬のまま、レオは視線を泳がせた。そして、もごもごと打ち明ける。
「どうって……嫌じゃねーけど、どういうつもりなんだろ? って」
嫌じゃない。
それを告げてしまったことに、彼は気付いているのだろうか。
ルードヴィッヒはどこまでもこの男は面白いと、そう思った。
嫌じゃないなら、――どうだと言うんだ? わかりきったこと。
「甘やかしたいから、では答えにならんか」
さらり、そう告げてルードヴィッヒは再度ワインを口へと運ぶ。
「……ッ」
バッと顔を上げ、レオは口をぽかんと開けた。
(なにそれ、なにそれ……なにそれ!?)
「……バカじゃねーの」
そう告げることしか、できなかった。というか、他に何を言えばいいかわからなくて。ゆら、とグラスの中のワインが揺れる。ぷいとそっぽを向いたはいいが、そのあとどうすればいいかわからなくて。窓に映るルードヴィッヒと、目が合ってしまう。気まずくて、視線を下へ落とす。
「……」
くつくつ、と聞きなれた笑い声が静かに響いた。レオは己の耳が熱くなっていくのを感じる。
(それってなんか……オレの気ぃ引きたいみたいじゃん)
甘やかして、どうするつもりなのさ。
甘やかして、それは、何が狙いなの?
――問うことなどできるはずもなく、レオは照れ隠しに一気にワインを喉へと流し込む。
(こいつの『バカ』と『ムカつく』は照れ隠しだな)
付き合いも長くなってきた。そのくらいの事はわかる。もともと洞察力のあるルードヴィッヒならなおのこと。
ふ、と口元を緩めると、ルードヴィッヒも同じようにワインを飲み干した。
(可愛いものだ)
声には出さず、艶っぽい瞳で――否、まるで獲物を見つめるかのような瞳でレオを見遣る。
「っ……んだよ」
「……別に?」
すっかり酔いが回りきって赤くなった目尻のまま、レオは悔しげなため息をつく。
――ああ、どうしてこんなやつがこんなに気になってしまうのか。
これではルードヴィッヒの思うつぼである。
仕掛けられたのは、あちらか、こちらか。
ルードヴィッヒの思惑がわからぬまま、レオはゆっくりと更けてゆく夜にまたもう一杯、ワインを注文するのであった。
外に広がるのは、空には美しい星々、眼下にはイルミネーションの灯りに彩られたキラキラ輝く雪景色。
「こないだの、私らなんもしてなくない?」
ここが貸切になったのは、そういえば街を救ってくれたウィンクルムの為に、という事だった気がする。
ウィンクルムへの労いの為に開催規模を拡大した『大聖夜祭』だが、その恩恵をタダで受けてる気がしたレオはラムコークのグラスにゆっくりと口を付けながらそうぼやいた。
「醜態を晒したかったか?」
「は?」
グラスを握る手に力が増す。ふっと笑みを深めてルードヴィッヒが付け足した。
「スタッド、お前の護衛は重労働なんだ。少しは俺を労われ」
「はぁ!? そりゃあんたのほうでしょ!」
ムッカつくわー……! とグラスをテーブルへ置くと、レオはフンとそっぽを向いた。
「それにここは外より気兼ねせず煙草も吸えるだろう」
煙草へ火をつけてその唇へ運んだレオを見てルードヴィッヒはそう告げる。レオはむーっとむくれた顔で口を尖らせると、反論する。
「えー? こういう場所はオンナノコと来るモンでしょー」
素晴らしい美しさを誇る雪景色と夜景。こんなオッサンとじゃなくって、可愛い女の子と来たかったわー、あー、何してんの私―、とぶつくさ言っているレオをルードヴィッヒはじっと見つめる。
かち合った視線に、再度レオがぼやいた。
「なんであんたと二人っきりで……」
「ふむ、俺とスケートやスキーをしたかったと」
確かにA.R.O.A.から提案されたデートスポットにはそんなところもあった。
「そういえばリゾートホテルもあったか、予約しておけば……」
真顔でそう言い放つルードヴィッヒ。レオは美しくライトアップされたスケートリンクで手を取り合ってウフフアハハとスケートを楽しむ自分たちや、温泉宿で部屋についた露天風呂に二人で入る様、キングサイズのベッドで何処に寝るかを迷う己を想像し、ぶんぶんと首を振った。ヴァーッ、有り得ない。ヤメテー。
「わかった! わかったから! 私が悪うございました!」
真顔で言っているからもしかすると冗談かもしれない、が、この男の事だからわりと本気かもしれない。レオは色々振り払うように言って、半ば自棄な謝罪をする。
ルードヴィッヒはわからん、と言った顔でため息をついた。
「全く、お前という男は俺のどこが気に入らないんだ」
「は? 全部」
だいぶ酔いが回ってきている顔でレオは答える。
「偉そうだし傲慢だし上から目線!」
びしり、と人差し指を突き付けて。
「ほう」
「おまけに弁護士で金もってそうなのに隣に住んでる所もムカつくー。嫌味かよー」
ほんとならもっと良いお家に住めますでしょ~! と言いながら、
ぐいっとグラスの中のアルコールをあおると、
レオはふんっと鼻を鳴らしてルードヴィッヒがもつワイングラスの中のゆらゆら揺れる赤色を指さして吐き捨てるように言った。
「ワイン飲んで気取っちゃってさー、通ぶってんじゃないわよぉ」
ワイングラス持ってる自分がお好きなんでしょ~、と言いたげなレオの視線に、はぁ、とルードヴィッヒのため息が深いものに変わる。
「……お前がほとんど上辺で判断していることだけはよく解った。大うつけめ」
「あ?」
ぁんですって? と言いだしそうなレオに、ワインのグラスを押し付ける。
「まず通ぶっていると言うなら、同じモノを飲んでから言え」
「んー?」
何よぉ、と言いながらレオはグラスに唇をつける。
「……甘い」
ふんわりとした芳香が口の中に広がる。ルードヴィッヒが飲んでいたのは甘口の赤ワインだったのだ。
(意外と美味しいじゃない……)
「ワインは通が好むと言っている奴は、印象だけで毛嫌いして体の良い言い訳をしているだけだ」
「ぐ」
モッツァレラチーズを口に運んでルードヴィッヒは美味しそうに嚥下する。
ちょっと悔しかった。
「本当に好きな奴は自分好みの一杯を知っているものだぞ」
「……じゃあオレもこれ飲む、マスターおんなじのちょーだい」
確かにチーズに合ってるし、美味しいもんな、と認めざるを得なくて。
レオはカウンターの店主へと空のワイングラスを掲げるのだった。
「別に俺に合わせなくて良いが」
好きなものを飲めばいいだろう、ルードヴィッヒがそう言うと、レオはむすっとした顔で切り返す。
「やだ、ルードが好きなもの知りたいし」
「む?」
「……あ」
ハッとしたときにはもう遅い。知りたいだなんて、ずいぶんと大胆な事を言ってしまったものだ。私はあなたにとっても興味があります、と言ってしまったようなものだ。
にたり、とルードヴィッヒが唇を三日月に歪めたのが解った。
「寝上戸だと思ったが、甘え上戸だったか」
いつだったか飲んだときは寝てしまったのにな、と付け足した。
やだ、と言う26歳188㎝の男性にしてはやたらと可愛い口調に対し、くつくつと喉を鳴らして笑うルードヴィッヒへ、レオはぐぬぬと唸る。
「テメェのそういうトコが一番ムカつく!」
感情に任せて噛みつくように言った言葉に、ルードヴィッヒは片眉を上げた。
「ほう、どういうところだ」
「馬鹿にするクセに甘やかしてくるトコ!」
あっ、と思った時にはもう遅かった。
甘やかされるのが嬉しいと言っているようなものではないか、これは。レオはどこまでもこの男には敵わないのだという事を思い知らされたようで歯噛みするばかり。
「……具体的にはどう思っている?」
酔いに軽く染まった頬のまま、レオは視線を泳がせた。そして、もごもごと打ち明ける。
「どうって……嫌じゃねーけど、どういうつもりなんだろ? って」
嫌じゃない。
それを告げてしまったことに、彼は気付いているのだろうか。
ルードヴィッヒはどこまでもこの男は面白いと、そう思った。
嫌じゃないなら、――どうだと言うんだ? わかりきったこと。
「甘やかしたいから、では答えにならんか」
さらり、そう告げてルードヴィッヒは再度ワインを口へと運ぶ。
「……ッ」
バッと顔を上げ、レオは口をぽかんと開けた。
(なにそれ、なにそれ……なにそれ!?)
「……バカじゃねーの」
そう告げることしか、できなかった。というか、他に何を言えばいいかわからなくて。ゆら、とグラスの中のワインが揺れる。ぷいとそっぽを向いたはいいが、そのあとどうすればいいかわからなくて。窓に映るルードヴィッヒと、目が合ってしまう。気まずくて、視線を下へ落とす。
「……」
くつくつ、と聞きなれた笑い声が静かに響いた。レオは己の耳が熱くなっていくのを感じる。
(それってなんか……オレの気ぃ引きたいみたいじゃん)
甘やかして、どうするつもりなのさ。
甘やかして、それは、何が狙いなの?
――問うことなどできるはずもなく、レオは照れ隠しに一気にワインを喉へと流し込む。
(こいつの『バカ』と『ムカつく』は照れ隠しだな)
付き合いも長くなってきた。そのくらいの事はわかる。もともと洞察力のあるルードヴィッヒならなおのこと。
ふ、と口元を緩めると、ルードヴィッヒも同じようにワインを飲み干した。
(可愛いものだ)
声には出さず、艶っぽい瞳で――否、まるで獲物を見つめるかのような瞳でレオを見遣る。
「っ……んだよ」
「……別に?」
すっかり酔いが回りきって赤くなった目尻のまま、レオは悔しげなため息をつく。
――ああ、どうしてこんなやつがこんなに気になってしまうのか。
これではルードヴィッヒの思うつぼである。
仕掛けられたのは、あちらか、こちらか。
ルードヴィッヒの思惑がわからぬまま、レオはゆっくりと更けてゆく夜にまたもう一杯、ワインを注文するのであった。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 寿ゆかり GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |