プラン
アクションプラン
アンジェリカ・リリーホワイト (真神) |
|
【4】 白い息を吐きながら、夜景を見入ります 「あの、雪さま」 どんなウィンクルムになりたいか、まだわかりませんけど… どの様なことになっても、雪さまとずっと、一緒に居たいと、思います わたしも、雪さまの事は…好き…ですから 選んでくれたからとかじゃ、なくてこれからも末永く、お願いしたい、ですから… でも、あぁいう風にはならないと思いますけど… ユウキさんみたいになったりしたら、止めて、くださいね マフラーで恥ずかしさから、口元を隠しながら言います 「その…寝れない夜も、雪さまが一緒なら、寝れる、気がして」 だから、この後、ホテルの一緒のお部屋で、休みませんか? 【7】 お部屋でご飯をいただいて、お風呂入って、一緒のベッドで休みます あ、ぉ、同じベッドで休むといっても、特に何もないですから! ち、ちんくりんってなんですかー!?(がーん うぅ、雪さまのばかー(隅っこで寝る 翌朝、目が覚めて抱き着かれてる事に気が付いて混乱する |
リザルトノベル
山頂は一層空気が冷たく澄んでおり、吐く息の白さも、麓でのものより際立っているように感じる。
アンジェリカ・リリーホワイトは時折ふかふかの手袋をはめた手を鼻先に当て温めながら、展望台から見えるホワイト・ヒルの美しい夜景を眺めた。
隣には、アンジェリカの精霊、真神がいる。
2人で過ごす初めてのクリスマス。
少し緊張しながらも、夜景を堪能する。
ひとしきり、夜景の美しさについて語り合ったあと。
「あの、雪さま」
表情を引き締めて、アンジェリカが口を開く。
真神は目線だけでアンジェリカの話の先を促した。
「雪さまは先日、私にどんなウィンクルムになりたいかと訊きましたよね」
「うむ……」
真神はその際にアンジェリカに想いを打ち明けたことを思い出し、少し照れてしまったのか、ぽり、と頰を掻く。
「どんなウィンクルムになりたいか、まだわかりませんけど……」
アンジェリカは天青石の瞳で真神を見上げた。
「どの様なことになっても、雪さまとずっと、一緒に居たいと、思います」
真神は僅かに目を瞠った。
アンジェリカは少し目を伏せ、次の言葉を口に出そうかどうしようかと躊躇う。
この白馬岳の展望台では、夜景を見ながら告白すると、気持ちが深く伝わるという。
そんな話が、アンジェリカの背中を押した。
「わたしも、雪さまの事は……好き……ですから」
アンジェリカの頰に赤みが差しているのは、寒気のせいだけではないだろう。
「選んでくれたからとかじゃ、なくて。これからも末永く、お願いしたい、ですから……」
真神はふっと微笑むと、
「そうか」
と一言だけ、返す。
アンジェリカは、自分の気持ちを言えたことに、安堵の息を漏らす。
「でも、あぁいう風にはならないと思いますけど……」
アンジェリカが言葉を濁し、真神は怪訝そうに眉根を寄せた。
「ユウキさんみたいになったりしたら、止めて、くださいね」
先の大きな戦いで対峙した相手の名が、アンジェリカの口から出た。
ユウキの存在は、アンジェリカにとって衝撃的なものであったのだろう。
しかし真神は、なんだそんなことかと言わんばかりに表情を和らげ、ひとつ息をついた。
「汝があの様になる訳がなかろうに」
びしりとデコピンをお見舞いしながら真神は言った。
「汝が戦う理由は、見た。あのような理由があるのであれば、あの様になるまい」
先日、大輪の園で真神は、アンジェリカの記憶を夢に見た。そこで、アンジェリカがウィンクルムとして戦う理由を知ったのだ。
「汝は汝の道を歩くが良い。我は、その道に付いて行こう。道を違えそうになったらはっ倒してくれるわ」
真神はそう言い切って、からからと笑った。
デコピンされた額を押さえていたアンジェリカも、ほっとしたような顔になる。
「あの、雪さま……?」
「なんだ?」
アンジェリカはマフラーを鼻の付近まで引き上げると、恥じらうように上目遣いで真神を見つめる。そして。
「その…寝れない夜も、雪さまが一緒なら、寝れる、気がして」
「?」
アンジェリカが夢にうなされることがあるのを、真神は知っている。だが。
「だから、この後、ホテルの一緒のお部屋で、休みませんか?」
何故そうなる?
真神は思いもかけない言葉に驚きのあまり、若干尻尾の毛が逆立った。
白馬岳頂上にある和風リゾートホテル『そらのにわ』は、聞きしに勝る良宿だった。
「お食事、美味しかったですね」
和食の豪華な部屋食は、真神の好みにもよく合った。
「露天のお風呂も気持ち良かったです」
アンジェリカの頰は、まだ風呂の熱気でほんのり赤い。
真神はアンジェリカの言葉にうんうんと頷く。
そう、確かに。
食事はとても美味であった。
風呂も、とても良い湯であった。
(不満があるとしたら)
真神はちらりと部屋の中央に視線を走らせる。
(閨がでかいの一つきりであることか)
そこには、大きく豪華なベッドが、ひとつだけ。
「そろそろ、休みましょうか」
無邪気にそう言うアンジェリカ。
(……あれか、据え膳という奴か。そうなのか)
思わずアンジェリカをじっと見つめる真神。
その視線と沈黙に、アンジェリカも何かを察したらしい。
「あ、ぉ、同じベッドで休むといっても、特に何もないですから!」
「はっ。いや、な、汝にその様なことは思っておらぬぞ!」
2人で赤くなりわたわたと慌てる。
「ちんちくりんの汝なんぞに欲情なんぞするものか!!」
「ち、ちんくりんってなんですかー!?」
幼い見た目を揶揄されたアンジェリカはショックでがーんと口を開けた後、両手で拳を握り抗議する。
しかし真神はアンジェリカの抗議の声など聞こえぬふりで、
「我は、寝るからな!」
と、1人でさっさと布団に潜り込んでしまった。
ご丁寧に耳までぺたんと下げているのは、これ以上話は聞かぬという意思表示だろうか。
「うぅ、雪さまのばかー」
涙目で頰を膨らませ、アンジェリカもごそごそとベッドの隅っこに入り込む。
もちろんその音は聞こえていただろうが、真神は身動ぎもしなかった。
アンジェリカは布団の端をきゅっと引っ張り身体に巻きつけると、真神に背を向け丸まった。
(雪さまのばか……)
でも。
後ろに真神の気配を感じると、なんだか安心する。
今日はゆっくり眠れそう……。
アンジェリカは瞳を閉じると、微睡み始めた。
さて、心穏やかではないのは真神であった。
薄闇の中でぱちりと目は開いたまま。
(……好いた女子と共寝をするというのはどうも緊張する)
先程はあんなことを言ったが、本心を誤魔化すための出まかせである。
本当は、ちんちくりんだなんて思ってはいない。
(寝るとは言ったが寝れない……さて如何した物か)
耳をそばだてれば、普通にアンジェリカの寝息が聞こえる。
(……緊張とかしないのかこの娘は)
少し、腹立たしい気持ちになった。
自分はこんなにも心乱されているというのに。
しかも。
アンジェリカが寝る際に布団を引っ張った時に、実は真神の側には布団とベッドの間に隙間ができてしまっていたので、ちょっと寒い。
その時に言えば良かったのだろうが、そんなことを言い出しにくい状況だったので我慢してしまったのだ。
真神に、むくむくと悪戯心が湧き上がった。
(……よし、寒いし抱き着いてやる)
なんと大胆な悪戯だろうか。
今夜が特別な夜だから、つい大胆になってしまったのかもしれない。
この時点では、アンジェリカがすぐに驚いて起きるだろうと真神は思っていた。
そっとアンジェリカに近づいて、背中から手を回す。
アンジェリカの反応を想像してにんまりしながら。
しかし。
規則正しく上下する肩は、全く乱れる様子がない。
まさかの熟睡。
(なんと……)
警戒されるような何かをするつもりもなかったが、ここまで安心されると、それもそれで寂しいような。
むう、と唇を尖らせる。
そうだ、朝までこのままでいてやろう。
(翌朝驚け!)
真神はまたにんまり笑むと目を閉じた。
(それにしても、あんじぇは温かいな)
真神の笑みが、悪戯小僧の笑みから、安らぎの笑みに変わっていった。
アンジェリカは温かい。それは、今腕に感じているアンジェリカの体温に限ったことではなかった。
雪之丞という名は、アンジェリカが付けてくれたもの。アンジェリカが真神を「雪さま」と呼ぶ度に、真神が胸に温かさを感じていることを、アンジェリカは知っているだろうか。
規則正しい寝息は、いつしか二重奏になっていた。
その夜、アンジェリカが夢にうなされることはなかった。
「う……ん」
窓から入り込むカーテン越しの柔らかい朝日。聴こえてくる小鳥たちの囀り。
いつのまにか、朝だ。
こんなにすっきりした気持ちで目覚めるなんて、久し振りだ。
うーん、と体を伸ばそうとして、アンジェリカは自分の体に真神の腕が回されているのに気づく。
慌てて、ばっと振り返れば、直ぐそこに真神の寝顔。
(え?雪さまこんな近くに!?というかこの腕っ!?あれ、これって、私今、雪さまに抱きつかれてます……!?)
混乱するアンジェリカ。それとは対照的に、のんびりと目覚める真神。
呑気にふわぁと欠伸をすると、
「よく眠れたか?」
なんて聴いてくる。
「よく眠れましたけど……」
だけど。
真神がにやりと笑い、アンジェリカの拳がわなわなと震える。
「雪さまのばかーーーっ!」
アンジェリカ・リリーホワイトは時折ふかふかの手袋をはめた手を鼻先に当て温めながら、展望台から見えるホワイト・ヒルの美しい夜景を眺めた。
隣には、アンジェリカの精霊、真神がいる。
2人で過ごす初めてのクリスマス。
少し緊張しながらも、夜景を堪能する。
ひとしきり、夜景の美しさについて語り合ったあと。
「あの、雪さま」
表情を引き締めて、アンジェリカが口を開く。
真神は目線だけでアンジェリカの話の先を促した。
「雪さまは先日、私にどんなウィンクルムになりたいかと訊きましたよね」
「うむ……」
真神はその際にアンジェリカに想いを打ち明けたことを思い出し、少し照れてしまったのか、ぽり、と頰を掻く。
「どんなウィンクルムになりたいか、まだわかりませんけど……」
アンジェリカは天青石の瞳で真神を見上げた。
「どの様なことになっても、雪さまとずっと、一緒に居たいと、思います」
真神は僅かに目を瞠った。
アンジェリカは少し目を伏せ、次の言葉を口に出そうかどうしようかと躊躇う。
この白馬岳の展望台では、夜景を見ながら告白すると、気持ちが深く伝わるという。
そんな話が、アンジェリカの背中を押した。
「わたしも、雪さまの事は……好き……ですから」
アンジェリカの頰に赤みが差しているのは、寒気のせいだけではないだろう。
「選んでくれたからとかじゃ、なくて。これからも末永く、お願いしたい、ですから……」
真神はふっと微笑むと、
「そうか」
と一言だけ、返す。
アンジェリカは、自分の気持ちを言えたことに、安堵の息を漏らす。
「でも、あぁいう風にはならないと思いますけど……」
アンジェリカが言葉を濁し、真神は怪訝そうに眉根を寄せた。
「ユウキさんみたいになったりしたら、止めて、くださいね」
先の大きな戦いで対峙した相手の名が、アンジェリカの口から出た。
ユウキの存在は、アンジェリカにとって衝撃的なものであったのだろう。
しかし真神は、なんだそんなことかと言わんばかりに表情を和らげ、ひとつ息をついた。
「汝があの様になる訳がなかろうに」
びしりとデコピンをお見舞いしながら真神は言った。
「汝が戦う理由は、見た。あのような理由があるのであれば、あの様になるまい」
先日、大輪の園で真神は、アンジェリカの記憶を夢に見た。そこで、アンジェリカがウィンクルムとして戦う理由を知ったのだ。
「汝は汝の道を歩くが良い。我は、その道に付いて行こう。道を違えそうになったらはっ倒してくれるわ」
真神はそう言い切って、からからと笑った。
デコピンされた額を押さえていたアンジェリカも、ほっとしたような顔になる。
「あの、雪さま……?」
「なんだ?」
アンジェリカはマフラーを鼻の付近まで引き上げると、恥じらうように上目遣いで真神を見つめる。そして。
「その…寝れない夜も、雪さまが一緒なら、寝れる、気がして」
「?」
アンジェリカが夢にうなされることがあるのを、真神は知っている。だが。
「だから、この後、ホテルの一緒のお部屋で、休みませんか?」
何故そうなる?
真神は思いもかけない言葉に驚きのあまり、若干尻尾の毛が逆立った。
白馬岳頂上にある和風リゾートホテル『そらのにわ』は、聞きしに勝る良宿だった。
「お食事、美味しかったですね」
和食の豪華な部屋食は、真神の好みにもよく合った。
「露天のお風呂も気持ち良かったです」
アンジェリカの頰は、まだ風呂の熱気でほんのり赤い。
真神はアンジェリカの言葉にうんうんと頷く。
そう、確かに。
食事はとても美味であった。
風呂も、とても良い湯であった。
(不満があるとしたら)
真神はちらりと部屋の中央に視線を走らせる。
(閨がでかいの一つきりであることか)
そこには、大きく豪華なベッドが、ひとつだけ。
「そろそろ、休みましょうか」
無邪気にそう言うアンジェリカ。
(……あれか、据え膳という奴か。そうなのか)
思わずアンジェリカをじっと見つめる真神。
その視線と沈黙に、アンジェリカも何かを察したらしい。
「あ、ぉ、同じベッドで休むといっても、特に何もないですから!」
「はっ。いや、な、汝にその様なことは思っておらぬぞ!」
2人で赤くなりわたわたと慌てる。
「ちんちくりんの汝なんぞに欲情なんぞするものか!!」
「ち、ちんくりんってなんですかー!?」
幼い見た目を揶揄されたアンジェリカはショックでがーんと口を開けた後、両手で拳を握り抗議する。
しかし真神はアンジェリカの抗議の声など聞こえぬふりで、
「我は、寝るからな!」
と、1人でさっさと布団に潜り込んでしまった。
ご丁寧に耳までぺたんと下げているのは、これ以上話は聞かぬという意思表示だろうか。
「うぅ、雪さまのばかー」
涙目で頰を膨らませ、アンジェリカもごそごそとベッドの隅っこに入り込む。
もちろんその音は聞こえていただろうが、真神は身動ぎもしなかった。
アンジェリカは布団の端をきゅっと引っ張り身体に巻きつけると、真神に背を向け丸まった。
(雪さまのばか……)
でも。
後ろに真神の気配を感じると、なんだか安心する。
今日はゆっくり眠れそう……。
アンジェリカは瞳を閉じると、微睡み始めた。
さて、心穏やかではないのは真神であった。
薄闇の中でぱちりと目は開いたまま。
(……好いた女子と共寝をするというのはどうも緊張する)
先程はあんなことを言ったが、本心を誤魔化すための出まかせである。
本当は、ちんちくりんだなんて思ってはいない。
(寝るとは言ったが寝れない……さて如何した物か)
耳をそばだてれば、普通にアンジェリカの寝息が聞こえる。
(……緊張とかしないのかこの娘は)
少し、腹立たしい気持ちになった。
自分はこんなにも心乱されているというのに。
しかも。
アンジェリカが寝る際に布団を引っ張った時に、実は真神の側には布団とベッドの間に隙間ができてしまっていたので、ちょっと寒い。
その時に言えば良かったのだろうが、そんなことを言い出しにくい状況だったので我慢してしまったのだ。
真神に、むくむくと悪戯心が湧き上がった。
(……よし、寒いし抱き着いてやる)
なんと大胆な悪戯だろうか。
今夜が特別な夜だから、つい大胆になってしまったのかもしれない。
この時点では、アンジェリカがすぐに驚いて起きるだろうと真神は思っていた。
そっとアンジェリカに近づいて、背中から手を回す。
アンジェリカの反応を想像してにんまりしながら。
しかし。
規則正しく上下する肩は、全く乱れる様子がない。
まさかの熟睡。
(なんと……)
警戒されるような何かをするつもりもなかったが、ここまで安心されると、それもそれで寂しいような。
むう、と唇を尖らせる。
そうだ、朝までこのままでいてやろう。
(翌朝驚け!)
真神はまたにんまり笑むと目を閉じた。
(それにしても、あんじぇは温かいな)
真神の笑みが、悪戯小僧の笑みから、安らぎの笑みに変わっていった。
アンジェリカは温かい。それは、今腕に感じているアンジェリカの体温に限ったことではなかった。
雪之丞という名は、アンジェリカが付けてくれたもの。アンジェリカが真神を「雪さま」と呼ぶ度に、真神が胸に温かさを感じていることを、アンジェリカは知っているだろうか。
規則正しい寝息は、いつしか二重奏になっていた。
その夜、アンジェリカが夢にうなされることはなかった。
「う……ん」
窓から入り込むカーテン越しの柔らかい朝日。聴こえてくる小鳥たちの囀り。
いつのまにか、朝だ。
こんなにすっきりした気持ちで目覚めるなんて、久し振りだ。
うーん、と体を伸ばそうとして、アンジェリカは自分の体に真神の腕が回されているのに気づく。
慌てて、ばっと振り返れば、直ぐそこに真神の寝顔。
(え?雪さまこんな近くに!?というかこの腕っ!?あれ、これって、私今、雪さまに抱きつかれてます……!?)
混乱するアンジェリカ。それとは対照的に、のんびりと目覚める真神。
呑気にふわぁと欠伸をすると、
「よく眠れたか?」
なんて聴いてくる。
「よく眠れましたけど……」
だけど。
真神がにやりと笑い、アンジェリカの拳がわなわなと震える。
「雪さまのばかーーーっ!」
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 木口アキノ GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |