プラン
アクションプラン
アラノア (ガルヴァン・ヴァールンガルド) |
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1 わぁ… 幻想的だね …ガルヴァンさん? …勉強熱心なんだね ううん、ただ…らしいなって思って 4 すっごい景色…! 誰もいないここなら… …あの、ね ガルヴァンさん これ…クリスマスプレゼント 赤緑白のクリスマスカラーで編んでみたんだけど… うぐっ…(グサッ 確かに妥協してしまった所もあるので言い返せず …ご、めん…こんな粗悪品渡して… 取り戻そうと手を伸ばす は、初めて作ったから…ある程度、覚悟、してたし… ガルヴァンさん… …ううん、そういう人だって分かってるから…いいよ え…? うん… あのね…それには ガルヴァンさんとこの先切れない絆で結ばれますように …って願いを込めてみたんだ ミサンガが切れる頃にはもう 私達はきっと切れない絆で結ばれてるって事だよ 言ってて照れ臭くなりはにかむ …?ガルヴァンさん? 何か一人で納得してる気が…? 言い終わると同時に抱き寄せられ ?! そ、そうだね… もう少しこのまま景色を見るかと言われるも景色どころじゃ… |
リザルトノベル
「わぁ……」
アラノアは、色とりどりに彩られた木々を見上げて感嘆のため息を漏らした。傍らのガルヴァン・ヴァールンガルドも、しばし言葉を忘れてその光に魅入っている。
「これは……」
(青や白の色の調和……キャンドルの炎の配置……)
ガルヴァンはじっくりとライトの位置、そしてそのライトが照らし出す木々の影、全て計算しつくされた美しい魅せ方を観察する。自然の美しさと、それを生かす為に力を注いだ人々の技術。それが合わさって最高の景色を生み出している事に、感動せざるを得ない。
「美しいものをより美しく……良い眺めだ」
いつか自分の店を持つことを目標に宝石店で働く彼は、自らの成長の糧になるその光景に釘付けだ。
「幻想的だね」
アラノアの声も一時的に聞こえなくなるほどの没頭っぷり。アラノアはあれ? と思ってガルヴァンの顔をそっと覗き込む。
「……ガルヴァンさん?」
「……む」
「……勉強熱心なんだね」
ふ、と微笑んだアラノアに、ガルヴァンはバツが悪そうに答えた。
「すまん、気に障ったか?」
折角一緒に来ているのにアラノアの声を聞き逃すなんて、配慮に欠けたか、と反省するガルヴァン。けれど、アラノアはゆっくりと首を横に振った。
「ううん、ただ……らしいなって思って」
「らしい……か」
ふとガルヴァンの表情も緩んだ。彼女は、良く自分の事を理解してくれている。女性だったらこのような所に来て自分の声を聞いてくれない相手のことを残念に思ったり叱責するのが普通だろう。それでも、アラノアは。だからこそ、ガルヴァンは挽回とばかりに手を差し伸べた。
「すまなかった。……せめて、展望台まではエスコートしよう」
二人がたどり着いた白馬岳の展望台は、遥か遥か眼下に先刻まで二人がいたホワイト・ヒルのイルミネーションを臨む絶景。
「すっごい景色……!」
「見事な夜景だな」
まるで、いつか見せてもらったガルヴァンの宝石箱の中のような煌めき。アラノアはほうっと白い息を吐き出す。冬ならではの透き通った冷たい空気がひやりと頬を撫でて行く。
――誰もいないここなら……。
アラノアは緊張にわずかに震える拳を握りしめ、意を決したように切り出した。
「……あの、ね、ガルヴァンさん」
「どうした?」
次はすぐに振り向いてくれたガルヴァン。アラノアはそっと綺麗にラッピングした包みを取り出して差し出す。
「これ……クリスマスプレゼント」
優しく受け取ると、ガルヴァンは視線で開けても良いか問うた。アラノアはその視線の意図をすぐに察して頷く。
「これは……」
ラッピングを崩さぬように綺麗に丁寧に袋を開いたガルヴァンが見つけたのは、深い赤と緑と白のクリスマスカラーで編まれたミサンガ。
「……ミサンガか」
「赤緑白のクリスマスカラーで編んでみたんだけど……」
「お前が作ったのか」
ガルヴァンは嬉しそうに微笑む。そしてミサンガを手に取ると、プロの顔つきで観察を始めた。ふと、編み目が緩んでいる箇所を見つける。
「……編み方が甘いな」
小さな声で呟いた。ガルヴァンの端正な指先がミサンガの編み目をなぞる。
「ここも少しよれている……やや絡まっている所もあるな」
「うぐっ……」
ぐさり。
アラノアの心に突き刺さる言葉。
確かに、今日に間に合わせるために多少妥協してしまったところもあるので言い返す言葉もない。さぁっと血の気が引いていく心地にたまらなくなり、アラノアはミサンガを取り戻そうと手を伸ばした。
「……ご、めん……こんな粗悪品渡して……」
「……? 粗悪品なんて一言も言っていないが……?」
返すつもりはないとばかりに、ガルヴァンはアラノアの指先からミサンガを守るようにサッと避けた。
「うぅ……」
「正当な評価をしたつもりだったが……」
「う……うん……は、初めて作ったから……ある程度、覚悟、してたし……」
落ち込んでいるアラノアの顔を見てようやく気付く。
「ああ……やってしまったか」
後悔の滲む顔で、ガルヴァンは眉を寄せた。申し訳なさそうな顔でアラノアの手を取り、その顔を覗き込み謝罪する。
「……す、まん……」
「ガルヴァンさん……」
彼の心からの謝罪に、アラノアはようやっと顔を上げた。
「こういうのを見ると、自然と技術方面に目が行ってしまいがちになるんだ」
正直に打ち明けると、アラノアは知っていたという顔でゆるりと首を横に振る。
「……ううん、そういう人だって分かってるから……いいよ」
それは決してガルヴァンの人柄を否定する言葉ではなく、その審美眼の高さや夢への真剣さを理解しての事。彼がお世辞を言えない性格なのもよくわかっている。
「……お前がどんな気持ちで編んだか考えもせずに」
きゅっと優しくミサンガをその手に包み込んでガルヴァンは呟いた。
「え……?」
「アラノア……これ、付けてもいいか?」
返事をする前に、ガルヴァンはもうミサンガを手首に当てている。アラノアは少し照れくさそうに頷いた。
「うん……」
「俺のために編んでくれた物だろう?」
俺のために。
――俺だけのために。そう思うと、急にそのミサンガがいとおしく思えてくる。
「あのね……」
おずおずとアラノアが口を開いた。
「それには、ガルヴァンさんとこの先切れない絆で結ばれますように……って願いを込めてみたんだ」
手首にしっかりと巻き付けたミサンガにそっと触れながら、ガルヴァンは顔を上げる。そして、アラノアと視線を合わせ、静かに頷いた。
「そう、か……」
「ミサンガが切れる頃には、もう私達はきっと切れない絆で結ばれてるって事だよ」
ミサンガ、その糸が切れるときは編んだときに込めた祈りが届くとき。
アラノアは言っていてなんだか照れ臭くなり、はにかむ。
そのとき、ガルヴァンの胸にも何か温かいものが広がった。それは、彼女が込めてくれた祈りへの嬉しさ。
「想いを込める……か」
「うん……」
仄かに染まった彼女の頬が、妙に愛らしく見える。
「成程……伝える事に重点を置き過ぎていたから上手くいかなかったのか……」
こんなところが、不思議と不器用なのだとガルヴァンは自分の性格にやっと気づく。
「……? ガルヴァンさん?」
なにやら呟いて納得したような表情をしているガルヴァンに、アラノアは小鳥のように首をかしげた。
(何か一人で納得してる気が……?)
「……何でもない」
ふとガルヴァンの笑みが深まった。
「うん?」
「アラノア」
「?」
名を呼ばれ、ガルヴァンを見上げる。しっかりとその瞳を見つめ、ガルヴァンはゆっくりと告げた。
――願いを込めるように。
「ありがとう……アラノア」
「!?」
礼を告げてその名を優しく呼んだ後、ガルヴァンはそっとアラノアを抱き寄せる。何も告げることが出来ず、アラノアは口をぱくぱくさせる。無理もない。想い人に抱き寄せられ、平常心でいる方が難しい。
「温かいな……」
すっぽりと後ろから抱え込むようにアラノアを抱いて、その耳に囁く。無意識にしているのだろうか、それもアラノアの胸の鼓動を跳ねあがらせる要因の一つとなって。
「そ、そうだね……」
そう答えるのが精いっぱいで、振り返ることなどできるわけもなく、ただ目前に広がる美しい夜景を見つめる。どうか、この胸の高鳴りがガルヴァンさんに聞こえませんように。キュッと胸のあたりで拳を握るとアラノアは小さく息を吐いた。
「もう少しこのまま景色を見るか」
静かに、静かに耳へと落ちてくるガルヴァンの声。アラノアは小さく頷くのでいっぱいいっぱいだ。
――だって、この状態で……。景色どころじゃない。
頭の中はガルヴァンでいっぱいだ。けれど、もう少し。もう少しだけこのままで。
緊張する体を、そっとガルヴァンに預けて、アラノアはキラキラと煌めく眼下の灯りを愛おしげに見つめるのだった。
アラノアは、色とりどりに彩られた木々を見上げて感嘆のため息を漏らした。傍らのガルヴァン・ヴァールンガルドも、しばし言葉を忘れてその光に魅入っている。
「これは……」
(青や白の色の調和……キャンドルの炎の配置……)
ガルヴァンはじっくりとライトの位置、そしてそのライトが照らし出す木々の影、全て計算しつくされた美しい魅せ方を観察する。自然の美しさと、それを生かす為に力を注いだ人々の技術。それが合わさって最高の景色を生み出している事に、感動せざるを得ない。
「美しいものをより美しく……良い眺めだ」
いつか自分の店を持つことを目標に宝石店で働く彼は、自らの成長の糧になるその光景に釘付けだ。
「幻想的だね」
アラノアの声も一時的に聞こえなくなるほどの没頭っぷり。アラノアはあれ? と思ってガルヴァンの顔をそっと覗き込む。
「……ガルヴァンさん?」
「……む」
「……勉強熱心なんだね」
ふ、と微笑んだアラノアに、ガルヴァンはバツが悪そうに答えた。
「すまん、気に障ったか?」
折角一緒に来ているのにアラノアの声を聞き逃すなんて、配慮に欠けたか、と反省するガルヴァン。けれど、アラノアはゆっくりと首を横に振った。
「ううん、ただ……らしいなって思って」
「らしい……か」
ふとガルヴァンの表情も緩んだ。彼女は、良く自分の事を理解してくれている。女性だったらこのような所に来て自分の声を聞いてくれない相手のことを残念に思ったり叱責するのが普通だろう。それでも、アラノアは。だからこそ、ガルヴァンは挽回とばかりに手を差し伸べた。
「すまなかった。……せめて、展望台まではエスコートしよう」
二人がたどり着いた白馬岳の展望台は、遥か遥か眼下に先刻まで二人がいたホワイト・ヒルのイルミネーションを臨む絶景。
「すっごい景色……!」
「見事な夜景だな」
まるで、いつか見せてもらったガルヴァンの宝石箱の中のような煌めき。アラノアはほうっと白い息を吐き出す。冬ならではの透き通った冷たい空気がひやりと頬を撫でて行く。
――誰もいないここなら……。
アラノアは緊張にわずかに震える拳を握りしめ、意を決したように切り出した。
「……あの、ね、ガルヴァンさん」
「どうした?」
次はすぐに振り向いてくれたガルヴァン。アラノアはそっと綺麗にラッピングした包みを取り出して差し出す。
「これ……クリスマスプレゼント」
優しく受け取ると、ガルヴァンは視線で開けても良いか問うた。アラノアはその視線の意図をすぐに察して頷く。
「これは……」
ラッピングを崩さぬように綺麗に丁寧に袋を開いたガルヴァンが見つけたのは、深い赤と緑と白のクリスマスカラーで編まれたミサンガ。
「……ミサンガか」
「赤緑白のクリスマスカラーで編んでみたんだけど……」
「お前が作ったのか」
ガルヴァンは嬉しそうに微笑む。そしてミサンガを手に取ると、プロの顔つきで観察を始めた。ふと、編み目が緩んでいる箇所を見つける。
「……編み方が甘いな」
小さな声で呟いた。ガルヴァンの端正な指先がミサンガの編み目をなぞる。
「ここも少しよれている……やや絡まっている所もあるな」
「うぐっ……」
ぐさり。
アラノアの心に突き刺さる言葉。
確かに、今日に間に合わせるために多少妥協してしまったところもあるので言い返す言葉もない。さぁっと血の気が引いていく心地にたまらなくなり、アラノアはミサンガを取り戻そうと手を伸ばした。
「……ご、めん……こんな粗悪品渡して……」
「……? 粗悪品なんて一言も言っていないが……?」
返すつもりはないとばかりに、ガルヴァンはアラノアの指先からミサンガを守るようにサッと避けた。
「うぅ……」
「正当な評価をしたつもりだったが……」
「う……うん……は、初めて作ったから……ある程度、覚悟、してたし……」
落ち込んでいるアラノアの顔を見てようやく気付く。
「ああ……やってしまったか」
後悔の滲む顔で、ガルヴァンは眉を寄せた。申し訳なさそうな顔でアラノアの手を取り、その顔を覗き込み謝罪する。
「……す、まん……」
「ガルヴァンさん……」
彼の心からの謝罪に、アラノアはようやっと顔を上げた。
「こういうのを見ると、自然と技術方面に目が行ってしまいがちになるんだ」
正直に打ち明けると、アラノアは知っていたという顔でゆるりと首を横に振る。
「……ううん、そういう人だって分かってるから……いいよ」
それは決してガルヴァンの人柄を否定する言葉ではなく、その審美眼の高さや夢への真剣さを理解しての事。彼がお世辞を言えない性格なのもよくわかっている。
「……お前がどんな気持ちで編んだか考えもせずに」
きゅっと優しくミサンガをその手に包み込んでガルヴァンは呟いた。
「え……?」
「アラノア……これ、付けてもいいか?」
返事をする前に、ガルヴァンはもうミサンガを手首に当てている。アラノアは少し照れくさそうに頷いた。
「うん……」
「俺のために編んでくれた物だろう?」
俺のために。
――俺だけのために。そう思うと、急にそのミサンガがいとおしく思えてくる。
「あのね……」
おずおずとアラノアが口を開いた。
「それには、ガルヴァンさんとこの先切れない絆で結ばれますように……って願いを込めてみたんだ」
手首にしっかりと巻き付けたミサンガにそっと触れながら、ガルヴァンは顔を上げる。そして、アラノアと視線を合わせ、静かに頷いた。
「そう、か……」
「ミサンガが切れる頃には、もう私達はきっと切れない絆で結ばれてるって事だよ」
ミサンガ、その糸が切れるときは編んだときに込めた祈りが届くとき。
アラノアは言っていてなんだか照れ臭くなり、はにかむ。
そのとき、ガルヴァンの胸にも何か温かいものが広がった。それは、彼女が込めてくれた祈りへの嬉しさ。
「想いを込める……か」
「うん……」
仄かに染まった彼女の頬が、妙に愛らしく見える。
「成程……伝える事に重点を置き過ぎていたから上手くいかなかったのか……」
こんなところが、不思議と不器用なのだとガルヴァンは自分の性格にやっと気づく。
「……? ガルヴァンさん?」
なにやら呟いて納得したような表情をしているガルヴァンに、アラノアは小鳥のように首をかしげた。
(何か一人で納得してる気が……?)
「……何でもない」
ふとガルヴァンの笑みが深まった。
「うん?」
「アラノア」
「?」
名を呼ばれ、ガルヴァンを見上げる。しっかりとその瞳を見つめ、ガルヴァンはゆっくりと告げた。
――願いを込めるように。
「ありがとう……アラノア」
「!?」
礼を告げてその名を優しく呼んだ後、ガルヴァンはそっとアラノアを抱き寄せる。何も告げることが出来ず、アラノアは口をぱくぱくさせる。無理もない。想い人に抱き寄せられ、平常心でいる方が難しい。
「温かいな……」
すっぽりと後ろから抱え込むようにアラノアを抱いて、その耳に囁く。無意識にしているのだろうか、それもアラノアの胸の鼓動を跳ねあがらせる要因の一つとなって。
「そ、そうだね……」
そう答えるのが精いっぱいで、振り返ることなどできるわけもなく、ただ目前に広がる美しい夜景を見つめる。どうか、この胸の高鳴りがガルヴァンさんに聞こえませんように。キュッと胸のあたりで拳を握るとアラノアは小さく息を吐いた。
「もう少しこのまま景色を見るか」
静かに、静かに耳へと落ちてくるガルヴァンの声。アラノアは小さく頷くのでいっぱいいっぱいだ。
――だって、この状態で……。景色どころじゃない。
頭の中はガルヴァンでいっぱいだ。けれど、もう少し。もう少しだけこのままで。
緊張する体を、そっとガルヴァンに預けて、アラノアはキラキラと煌めく眼下の灯りを愛おしげに見つめるのだった。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 寿ゆかり GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |