(イラスト:TARO IL)


瑪瑙 瑠璃の『聖なる夜に恋の魔法を!』
(森静流 GM)

プラン

アクションプラン

瑪瑙 瑠璃
(瑪瑙 珊瑚)
朝からスノーウェアにフルセットで着替え、スノーウッドヒョウスイの初級者コースへ向かう。
スノーボード片手に、珊瑚に姿勢から滑り方まで教え込んだ。
「こういう所でスノーボードが出来るとは思わなかったからな」
スキー場を辺り一面見回しながら、笑みを浮かべる。

「今日は1日滑るべ」
珊瑚に手本を見せるように、グーフィースタンスで助走をつけ、銀世界を滑った。

「休憩しよう」
昼はロッジで、ヒョウスイ味噌生姜ラーメンを食べ、珊瑚とスノボーの話で盛り上がる。
それもあってか、食後は、中級者コースに行きたがる様子に振り回された。

「おだつから、こうなったんだべさ」
そう言いながら珊瑚を手当てした後は、再びロッジで喋りながら休憩していた。

スキー場が夜になると、営業時間ギリギリまでナイタースキーをする事にした。
リフトを乗り継ぎながら、移動中はホワイト・ヒルの夜景を眺める。
「行くぞ」

※スノーボード滑走時は、随時スポーツスキル使用

リザルトノベル

●
 瑪瑙 瑠璃は精霊の瑪瑙 珊瑚とともに、スキー場『スノーウッドヒョウスイ』に来ています。
 抜けるような青空の下に真っ白なゲレンデが広がっています。雪質はサラサラのパウダースノー。雪の匂いがするひんやりとした空気は体を引き締める心地よさで、寒いのに体はかっかとしてくるような、素晴らしい天気でした。
『オベリスク・ギルティ』での戦いを終えた二人には、同じ冬景色とはいえ、こんなにも違うのかと思うような圧巻の景色でした。あの瘴気の集まった氷の塔とて、冬の世界だったのには違わないのです。
 ですが、目の前に広がるどこまでも透明な青と、目映いばかりの白銀の世界には、抜けるような開放感と明るさだけが満ちていました。
 瑠璃と珊瑚は顔を見合わせ、次の瞬間、申し合わせたようにハイタッチを決めていました。
「「楽しんで行こうな!!」」
 ロッジの更衣室で、瑠璃と珊瑚はスノーウェアのフルセットに着替えます。
「プロテクターが面倒やさ!」
 珊瑚はスノーボードは初心者で、今回のためにウェアの一式もスポーツ店で買い込んだのでした。
 瑠璃の方は珊瑚にプロテクターをつけてあげながら、いつにない笑顔でゲレンデの方に早足で向かいます。スノーウッドヒョウスイの初級者コースの方角です。
 やはり北国育ちのためか、瑠璃はこういった場所では元気に振る舞うようです。
(瑠璃ぬテンションについていけねぇ……)
 珊瑚は慣れないスノーボードブーツで瑠璃の後をついて行きます。
 瑠璃はスノーボードを片手に、珊瑚に姿勢から滑り方まで懇切丁寧に教え込みました。
 本当に細かいところまでしっかりと。転んでは大変ですからね。
「姿勢から滑り方なんていいから、滑走しようぜ! 滑走! それに! なんで教える気満々なんやさ!?」
 それに対して思わず叫んでしまう珊瑚でした。
「こういう所でスノーボードが出来るとは思わなかったからな」
 瑠璃はスキー場をあたり一面見回しながら、いい笑顔を浮かべています。
 二人は初級者コースをリフトで上っていき、スノーボードを構えます。
「今日は1日滑るべ」
 瑠璃は珊瑚に手本を見せるように、グーフィースタンスで助走をつけ、銀世界を滑っていきます。
 パウダースノーを蹴散らして、踊るように走って行く瑠璃。
「あぁ! 待たに!」
 珊瑚はグーフィーではなく、レギュラースタンスで助走をつけて、瑠璃の後を追いかけました。
「瑠璃! やべぇ! これ、面白ぇ!」
 雪の上を滑るごとに、珊瑚はテンションが上がっていきます。
 流石にスポーツが得意な二人は、あっという間にゲレンデになじみ、白銀の雪の上を滑走してはジャンプを決めていきました。
 珊瑚は、初級者コースはもう楽勝だと思ってしまいました。
 本当に楽しいのです。
 やがて、青空を太陽が中天まで渡っていき、正午を過ぎました。
「休憩しよう」
「昼やさ!」
 昼はロッジで食事です。ロッジでは簡単な料理を食べて雪で冷えた体を温める事が出来るのでした。
「オレ、豚骨ラーメンで!」
「自分はヒョウスイ味噌生姜ラーメン」
 注文を受けに来た店員には当然のようにラーメンを頼みます。やがて届けられたあつあつのラーメンを二人は勢いよく食べました。何しろ、運動したのでお腹が空いていたのです。特に、味噌生姜ラーメンは生姜がたっぷり入っていて、思わず瑠璃は汗だくです。
「食べ終わったら、中級者コースな!」
 珊瑚は満面の笑みで勢いよく言います。
「え、お前はもう少し……」
「中級者コース!」
 瑠璃は珊瑚の勢いに振り回されてしまいました。
 それで食後は早速、中級者コースに進むため、そちらのリフトに進みました。
 移動した珊瑚は、得意げにスノーボードで滑り出して……数分足らずで珊瑚は木に激突。
 急勾配のコースでバランスを崩して、尻餅をつき、そのままズザザザーっと何メートルも滑っていきました。
 瑠璃はため息をつき、スノーボードで彼に接近していって回収し、ロッジで手当をすることにしました。
「……おだつから、こうなったんだべさ」
「あがー!」
 叩くように貼った湿布がとても痛かったのでした。
 そう言いながらも、瑠璃は珊瑚の手当をした後も、彼を放置したりはせず、再びロッジで喋りながら休憩していました。
「雪と言えば、かまくらでジンギスカンを食べた事があったなあ」
 ふと、瑠璃はそんな話をしました。
「ああー」
 楽しい思い出の事について、珊瑚も思わず笑顔を見せます。
「珊瑚はかまくらの思い出なんて、あれぐらいか?」
「……そうだな。わんは南国育ちだから。瑠璃と、かまくらで鍋を出来たのは、本当に貴重な思い出だ」
 珊瑚は昔の事を振り返る表情でそう言いました。
「後は、雪の思い出は……?」
 スキー場は、抜けるような晴天でしたが、天気雪とでも言うのでしょうか、ちらちらと粉雪が舞い踊っているのです。
「…………」
 珊瑚は歯を見せてにかーっと笑いながら瑠璃の方を見ていました。
「ん? 何?」
 瑠璃はちょっと戸惑って珊瑚に問い直しました。
「こういう風花の思い出だったら、俺は、鴻鵠館だなあ、瑠璃。お前は違うのか?」
「…………」
 瑠璃はちょっと目を見開いてしまいました。

--「本当に……触れてもいいんだな?」
--「けどさー 、オレ、よく考えたら古傷なんてなかったな」
--「あの時の答えを今ここで言う。おれも……珊瑚の傍にいたい」

 そんな会話のあった一夜の事を、まるで昨日のように思い出します。あのときのちらちらと舞っていた雪の事を、珊瑚はずっと覚えていたのでしょうか。
「瑠璃は嘘をつかなかった。ずっと、俺のそばにいてくれた。もうそれだけで、俺は胸いっぱいだ」
 てらいのない笑顔で珊瑚はそう言いました。
「…………」
 瑠璃は、なんと言っていいのか分からない感情に襲われました。人に触られる事を忌避していた珊瑚。家族の記憶を封じ込めていた珊瑚。その珊瑚が、今、何の陰りも感じさせない笑顔で、自分にそう言葉をかけている、そう思うと、何故か目の奥がじんと熱くなるのでした。
「……うん」
 なんと言っていいのか分からなかったので、瑠璃はただ単純に頷いて答えを返したのでした。 
 その後は他愛ない会話をして、時間が過ぎていきました。
 スキー場が夜になると、営業時間ギリギリまでナイタースキーをする事にしました。
 リフトを乗り継ぎながら、移動する間、ホワイト・ヒルの夜景を眺めます。
 人工のナイターの灯りがホワイト・ヒルの遠くの民家の灯りまで一望させてくれました。ゲレンデに点る白からオレンジのきらびやかな光の群れは、人々の活力そのものを思わせます。光の群れの中を自分達が駆け下りるのかと思うと、胸にいつにない高揚感が生まれました。
「すげぇ! ホワイト・ヒル最高!」
 単純な言葉で賛辞を述べる珊瑚の頬は紅潮し、瞳はキラキラ輝いています。
 やがて無理のないコースに着いて、二人はスノーボードで滑り出す事にしました。
「行くぞ」
「おう!」
 冬の闇と輝きの中を、瑠璃と珊瑚はスノーボードで滑走していきます。滑らかな動きで雪の上を飛ぶ瑠璃のすぐ後を、荒削りなボードの操り方でパウダースノーを蹴散らしていく珊瑚。
 瓜二つでいながら全く違う個性を持つ二人は、対照的なのに互いの個性を際立たせる見事な動きで雪の上を飛び、雪に美しい曲線を残していきました。
--「お前を……精霊という存在以上に、好きになってしまう、かもしれない……」
 冷えて感覚のなくなった耳の中、珊瑚にはその言葉が聞こえています。
--「……わんもおんなじくらい、瑠璃を……神人でもなんでもない、瑠璃自身を。今よりもっと、好きになるから」
 同じく、瑠璃の耳には、洞窟湖での珊瑚の声が、はっきりと聞こえていたのでした。
 その時の事を思い出しながら、瑠璃はスノーボードで高く高くジャンプします。闇の中、ゲレンデの光に照らし出されながら。
 瓜二つであり、同じ名字を持ち、閉ざされた記憶を持つ二人には、この先どんな光と闇が訪れる事か分かりません。
 ですが、そのどんな時も--どんな心の寒さを耐え忍ばなければならない時も、二人の重ね合った思い出が、二人を未来へと連れて行く事でしょう。
 瑠璃も珊瑚も、そんな確信めいた予感を持って、夜の雪の中を駆け抜けていったのでした。
 

 




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 森静流 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:瑪瑙 瑠璃
精霊:瑪瑙 珊瑚
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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