(イラスト:岬 IL


八神 伊万里の『聖なる夜に恋の魔法を!』
白羽瀬 理宇 GM

プラン

アクションプラン

八神 伊万里
(アスカ・ベルウィレッジ)
(蒼龍・シンフェーア)
11
そーちゃんがアスカ君も一緒に誘うなんて意外…いつの間に仲良くなったんだろう?
でも打ち解けてくれたみたいで嬉しいな

しっかり防寒して行く(冷え性
寒い…けど空が澄んでて綺麗
冬の大三角って確か…あ、見つけた!
ほらっアスカ君も見てみて
引っ張ってそーちゃんの近くへ

ひとしきり天体観測を楽しんだ後
そういえば、二人ともいつの間に仲良くなったの?
夏頃はあんなに険悪だったのに

二人がお互いを認め合う様子に顔をほころばせる
そうか…「三人で頑張りたい」って私の気持ちをちゃんと考えてくれたんだ
すごく嬉しい
二人ともありがとう、来年もよろしくね

…やっぱり結局こうなるのね…
でもその方が二人らしい、かも?
あ、ねえ、仲良くなった記念に、帰ったら三人でパーティーをしない?
去年はそーちゃんを呼べなかったし、今年は皆でやりたいな
アスカ君の料理も美味しいよ

歩きかけてふと振り向く
…そーちゃん?どうしたの?もう少し見ていく?

リザルトノベル

●冬の森
「今日は僕プロデュースで二人を星の世界にご案内ー」
 先を歩く蒼龍・シンフェーアと、そのあとに続く八神 伊万里とアスカ・ベルウィレッジ 。
 二人をこの場所に連れ出した蒼龍は、どこか機嫌が良さそうだ。
 この場所は『古代の森』
 その名の通り、樹齢の高そうな木々が並ぶ森は暗く、静かだ。
 けれども不思議とおどろおどろしい感じはなく、むしろ神殿か何かのような静謐さに包まれている。
 きっと都市部などに比べて空気そのものが澄んでいるのだろうと伊万里は思った。
(それにしても、そーちゃんがアスカ君も一緒に誘うなんて意外……いつの間に仲良くなったんだろう?)
 その答えを知るのはアスカだ。
 実はアスカは、何日か前に蒼龍から今日のことについての打診を受けていたのである。
「二人で伊万里を楽しませよう」
 そう言って、古代の森での天体観測に誘ってきた蒼龍。
 伊万里が喜ぶのなら、特に断る理由もない。
 すぐに承諾したアスカに蒼龍は言った。
「取り合いの喧嘩はなし、そのかわり抜け駆け禁止!」
 そんな訳だから、今日はアスカには蒼龍と張り合う理由はなく、蒼龍が誘うままに出てきたのである。
 伊万里には内緒の打ち合わせ。
 アスカと蒼龍の間で締結された協定を知らぬ伊万里は
(打ち解けてくれたみたいで嬉しいな)
 ただ自然に伊万里はそう思っていた。

●冬の星座
「寒い……けど空が澄んでて綺麗」
 手袋に包まれた指先を胸の前で組みながら満天の星空を見上げている伊万里。
 元々冷え性の伊万里は、しっかりと着込んで防寒対策をしている。
 それゆえに、いつもよりもはるかに丸みを帯びたシルエットになっているのだが
 そんな伊万里の姿もまた可愛らしくて良いものだと思いつつ、蒼龍は星空を指差す。
「あそこに見えるのがオリオン座、ベルトのところの三連星が有名だよね」
 伊万里はすぐに南天に輝く三連星を見つけたようだ。
 興味深げに星空を見上げている様子を確認し、蒼龍はさらに別の星を指す。
「見て、あれが冬の大三角」
 きっと学校の理科の授業などで習ったことがあったのだろう、伊万里はすぐにこちらも見つけたようだ。
「冬の大三角って確か……あ、見つけた!」
 冬の風物詩を夜空に見つけたことが嬉しかったのだろう。
 伊万里は微笑みながら、少し離れたところに立っていたアスカの腕を引っ張る。
「ほらっアスカ君も見てみて!」
 なされるがままに蒼龍のそばまで連れていかれ、アスカは伊万里の指す夜空を見上げた。
 黒いビロウドにダイヤモンドの粒を撒いたかのような星空。
 こういった光景を人は美しいと呼ぶのだろう。
 が、綺麗だというのは分かってもアスカにはどの星が何なのかが分からない。
 星座の話や冬の大三角の話をされても、全く分からない。
 アスカの戸惑いの気配を感じたのだろう、星を順に指差しながら蒼龍が言った。
「オリオンの肩のところのリゲルと、おおいぬ座のシリウス、それからこいぬ座のプロキオン」
 星座の名前は分からないままだが、言われてみればなるほど、
 蒼龍の指差す先にはひときわ輝く星があり、順に示された3つの星が綺麗な三角形を描いている。
 これが冬の大三角形かと納得し、かつその予想以上の大きさに圧倒されながらアスカは言った。
「へえ……アンタ詳しいんだな」
「天文学専攻だからね」
 蒼龍の答えに、アスカは改めて星空を見上げる。
 天体の位置や運動を研究するという天文学。
 アスカ自身はあまり興味をもってこなかった分野だが、それを学問とし研究する者がすぐ隣にいる。
 同じような場所に立っているのに、視線を注ぐ先はそれぞれに違うのだ。
「じっくり星を見る機会なんてあんまりなかったから、たまにはこういうのも新鮮でいいな」
 まるでそこに蒼龍という名の異世界への扉があるように感じられて、とても面白かった。
 せっかくの機会だから、もう少しその世界を覗いてみたくてアスカは星空を見上げた。
「なあ、あっちの星は何て言うんだ?」
 オリオン座の斜め上に輝く、赤みを帯びた星。
「あれはおうし座のアルデバランだね」
「じゃあ、あっちは?」
「ああ、あれは……」
 まるでモノの名前を覚えはじめた子供のように、次々と星を指しては問うアスカ。
 蒼龍も自分の専攻に関する内容なためか、まるで教えるのが楽しいといった様子で次々と答えていく。
 そうしているうちに、アスカはふと気がついた。
 日頃から蒼龍に対して感じていた敵愾心のようなものが、不思議と今はなくなっているのだ。
 こうして話をしていると、まるで普通の友人と一緒に普通に話している時のようだった。
(うん、意外と楽しいな)
 蒼龍とこうやって笑って過ごすのも、気の持ちようによっては不可能ではないのかもしれない。
 そしてそれは、きっと意外と楽しいのかもしれない。
 アスカの中にこれまでとは全く違う蒼龍に対する気持ちが生まれていた。


●冬の大三角形
 アスカと蒼龍のやりとりを、自らも星を探しつつ聞いていた伊万里。
 ひとしきり天体観測を楽しむと、伊万里は二人の精霊に向かって問いかけた。
「そういえば、二人ともいつの間に仲良くなったの? 夏頃はあんなに険悪だったのに」
 伊万里をめぐって、何かと張り合っていたアスカと蒼龍。
 相手に勝つことばかりに気持ちが行き、伊万里の気持ちを完全に無視してしまったこともあった。
 それがいつの頃からか険悪さが和らぎ、今日に至ってはついに穏やかに話を交わしているではないか。
 問いかけられ、一旦伊万里へと視線をやった蒼龍が再び空の星を指差す。
「見て、あの冬の大三角。正三角形に近い形でバランスよく並んでるでしょ」
 正三角形のようなバランスのいい三角形を描いていたからこそ、
 冬の大三角形の存在は、ここまでたくさんの人々に広がっていったのだろう。
「どっちのパートナーも蔑ろにしたくないイマちゃんの気持ちってあんな感じなのかなって思って」
 バランスの良さは調和であり、美しさであり、強さでもある。
 夜空に輝く雄大な三角形のように、伊万里の望むものがバランスならば、蒼龍はそれを叶えたいのだ。
「だからね、少しずつ歩み寄ることにしたんだ」

 どうして歩み寄ることにしたのかと問う伊万里。
「きっかけは、そうだなぁ……」
 蒼龍は伊万里の顔とアスカの顔を交互に眺め、しばらくしてから口を開いた。
「オベリスク・ギルティでの彼の戦いっぷりを聞くに、結構頼りになるとこもあるし
まあちょっとは認めてやらなくもないかなって」
 伊万里から仲良くしてと頼まれたのも大きいという蒼龍。
 とはいえ伊万里はずっと前から仲良くして欲しいと口にしていたのだから、
 やはりアスカの戦いっぷりを認めたというのが大きいのだろう。
 頼りになると言われ、まんざらでもない様子で耳を揺らすアスカ。
「それに……」
「それに?」
 続けかけた言葉を、ふと途切れさせる蒼龍。
 どうしたのかと伊万里が伺えば、蒼龍は「うーん、何でもない!」と首を振った。
 本当に何でもなさそうな微笑み。
 こんな顔をするということは蒼龍には話す気はないのだろうと判断し、伊万里はアスカに視線を移した。
 蒼龍に認められたことで少し顔を紅くしているアスカ。
 伊万里の問う視線を受けて、アスカは蒼龍を見る。
「俺もさ、アンタの戦ってる時の様子とか聞いてちょっと見直した」
 アスカの言葉に、蒼龍が少し意外そうに眉を上げた。
「結構やるじゃんっていうか、戦闘任務に出しても大丈夫って思えるようになった」
 歳はアスカのほうが蒼龍よりも下だが、ウィンクルムとしての戦闘経験はアスカの方が多い。
 己のほうが経験があると自負するアスカが蒼龍を認めたというのは、とても大きな変化だった。
 蒼龍とアスカが互いを認め合う様子に、ほっとした表情で顔を綻ばせる伊万里。
 蒼龍にも笑顔を向けられ、アスカは照れたようにそっぽを向く。
「ち、ちょっとだけだからな!」
 その様子に伊万里と蒼龍がクスッと笑った。

 もう一度、改めて冬の大三角形を見上げながら伊万里が言う。
「『三人で頑張りたい』って私の気持ちをちゃんと考えてくれたんだ。すごく嬉しい」
 冬の大三角形のように、バランスの取れた3人でありたいという伊万里の願い。
 そしてそれを実現しようと、少しずつ歩み寄りはじめてくれたアスカと蒼龍。
 この古代の森では、星座の意味になぞらえながら告白をすると、その気持がより深く伝わるのだという。
「二人ともありがとう、来年もよろしくね」
 愛の告白ではないが、ここで口にする言葉には、きっと古代の森の神秘が宿ることだろう。
 星空を見上げる伊万里の表情を満足げに眺め、蒼龍がアスカに向かって言う。
「そういうわけなんで今後ともよろしく、黒猫君」
 黒猫と呼ばれ、耳をピンと立てるアスカ。
「……アスカでいい」
 確かに猫のテイルスではあるが、ちゃんとアスカという名前があるのだ。
 互いを認めるなら、名前で呼んでもらいたい。
「こちらこそ、よろしく。……蒼龍」
「よろしくね、アスカ君」
 微笑み合うアスカと蒼龍。
 今度こそ、伊万里の心労も解消されたかと思ったのだが……。
「あ、もちろんイマちゃんの恋人の座は諦めないけどね!」
 ニヤッと笑った蒼龍の一言にアスカが面白いように毛を逆立てる。
「あ!そこは俺だって譲らないからな!まあ今日は一日休戦だけど……」
 やっぱり結局こうなるのね……と伊万里はため息をついた。
 でもその方が二人らしい、かも? しれない。

◆冬の心
「あ、ねえ、仲良くなった記念に、帰ったら三人でパーティーをしない?」
 伊万里からの提案に、アスカと蒼龍がぱっと顔を輝かせる。
「いいなパーティー」
 アスカの言葉に「でしょう?」と答えて伊万里は言う。
「去年はそーちゃんを呼べなかったし、今年は皆でやりたいな」
 頷くアスカ。
「じゃあお近づきの印ということで俺が料理作ってやるよ」
 アスカが料理をすると聞き、蒼龍が少し意外そうに眉を上げる。
 そんな蒼龍に向かって伊万里はにっこりと笑いながら言った。
「アスカ君の料理も美味しいよ」
「へえ……」
 恋敵のアスカが、実はすでに伊万里の胃袋を握っていたと知って少しだけ動揺する蒼龍。
 伊万里から褒められ、ちょっと得意そうにアスカが言う。
「もちろんアンタさえよければだけど」
 伊万里が美味しいというのなら、その実力を知るためにもアスカの料理を食べねばなるまい。
 というのは一旦脇に置いておくとして、やはり誰かが自分のために料理をしてくれるというのは嬉しいものだ。
「パーティー期待してるよ」
 帰るために歩き出す3人。
 3人一緒のパーティーは、きっと楽しいものになるだろう。
 蒼龍はふと足を止めて、心躍る様子の伊万里とアスカを見つめた。
(彼なら僕のストッパーになってくれるかもしれない)
 蒼龍の中に潜む伊万里への強い独占欲。
 それが暴走してしまったとき、一体自分は伊万里に何をしてしまうのだろう。
 いつの間にか足を止めた蒼龍を、伊万里が不思議そうに振り返る。
「……そーちゃん? どうしたの? もう少し見ていく?」
 けれどもそこにアスカが居れば……
 オベリスク・ギルティで見事な戦いぶりを見せたアスカならば、自分のストッパーになってくれるかもしれない。
 先を歩いていたアスカが振り返って叫んだ。
「おーい、二人とも置いてくぞー?」
 今行くよと答えて、蒼龍は歩き出す。
 伊万里とアスカが待つ方向へ。




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 白羽瀬 理宇 GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:八神 伊万里
精霊:アスカ・ベルウィレッジ
精霊:蒼龍・シンフェーア
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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