プラン
アクションプラン
日向 悠夜 (降矢 弓弦) |
|
7 部屋食有 今回は2人でゆっくりと過ごしたいな 露天風呂から見る星空が綺麗なんだって 良い時間になるまで先ずは御馳走に舌鼓を打とう! う~~ん美味しい、幸せだねぇ ふふ…弓弦さんと一緒に食べるからこんなに美味しいんだろうね 食後にお茶でゆっくり 少しの照れるけれど、一緒に露天風呂に入っちゃおっか?って言ってみたいな 駄目でも、冗談だよって誤魔化せば…えっ? 慌てる弓弦さんが少し可笑しくって …うん、入ろっか タオルを巻いてちょっと深呼吸をしてお風呂へ …お背中お流ししましょうかー? 一緒に湯舟に浸かって星空を見る 弓弦さんの星座についての説明を聞きつつそっと弓弦さんの横顔を見る 視線が合ったら笑って、綺麗だねって言うよ 風呂上がりの弓弦さんに耳かきを提案するね ベッドに座って膝をぽんぽんとして呼ぶ 癖のある髪を撫でつつ優しく耳掃除 弓弦さん大丈夫だよこのまま寝ても 弓弦さんが安心してくれていると思うと嬉しいんだ おやすみ、良い夢を |
リザルトノベル
「素敵な和室だね」
案内された部屋を見渡して、日向 悠夜が微笑んだ。
「畳の良い香りがするね」
降矢 弓弦も、鼻孔を擽る香りに笑みを浮かべて、ゆっくりと部屋の中を見回す。
畳敷きの和室はかなりの広さで、木製の座卓と座椅子も落ち着いた佇まい。
その向こうには、檜の露天風呂が見えた。
湯船にとうとうと温泉が注がれている様子は、何とも贅沢で風情がある。
そして、和室の奥に、ダブルベッドがある寝室が控えていた。
弓弦は無意識に胸に手を当てる。
(二人でゆっくり出来る空間は良いけれど、今回、心臓は持つだろうか……)
「露天風呂から見る星空が綺麗なんだって」
悠夜が楽しそうにベランダへと歩み寄った。
「星空を望む露天風呂か……素敵だね」
弓弦も悠夜の隣に並ぶと、彼女と一緒に外の景色を見上げる。今はまだ夕暮れ空が広がっていた。
「食事が終わってから入ってみようか」
「そうだね」
二人が顔を見合って微笑んだ時、部屋に食事が運ばれて来た。
華のある盛りつけがされた料理に、悠夜は頬を緩める。
「凄い……! ご馳走だね、弓弦さん」
「うん、早速頂こうか」
二人は座卓を囲み、湯呑のお茶で乾杯をした。
「う~~ん美味しい!」
松茸の揚げびたしを口に運んで、悠夜は満面の笑みを浮かべる。甘く酸っぱいタレが染みていて、松茸の香りと実に合っていた。
「この甘鯛味噌漬けも、とても美味しいよ」
弓弦も甘鯛の上品な身とほんのりと甘い味、そして香りをじっくり味わう。
「本当だ。甘くて美味しいね!」
悠夜が鯛の身を箸に取った。弓弦も松茸を一切れ口に入れる。
「この松茸も凄く良い風味だ」
二人は互いに食べたものの感想を言い合い、箸を進めていく。
「幸せだねぇ」
しみじみと悠夜は呟き、笑った。
「ふふ……弓弦さんと一緒に食べるからこんなに美味しいんだろうね」
弓弦は思わず手を止めて悠夜を見つめる。彼女の幸せそうな笑顔が眩しい。
「僕も悠夜さんと一緒でとても美味しく感じるよ」
彼女の耳元を飾る月の形のイヤリングと、小指のピンキーリング。
己の贈ったプレゼントが柔らかく光っていて、その事も弓弦の胸に言いようのない幸福感を与えてくれる。
二人は笑顔の華を咲かせ、料理に舌鼓を打った。
食後にお茶を一杯。
ワインボトルのようなガラス製のボトルに入った緑茶である。
ワイングラスに入れて飲むお茶は、驚く程美味しい。
「こんな楽しみ方をする緑茶もあるんだね」
弓弦はボトルのラベルを見て、この緑茶の製法に思いを馳せる。
グラスの中のエメラルドグリーンを見つめ、悠夜は微笑んだ。
グラスを手にガラス窓の外を見れば、星空が広がっている。
悠夜は熱心にボトルのラベルを見ている弓弦を見て、飲み干したグラスを座卓に置いた。
(少し照れるけど……)
すぅと息を吸って、悠夜は口を開く。
「一緒に露天風呂に入っちゃおっか?」
ボトッと音がした。
弓弦が畳の上に落としたボトルを慌てて拾っている。
(驚かせちゃった、かな? 駄目でも、冗談だよって誤魔化せば……)
悠夜は固唾を飲んで弓弦の様子を窺った。
「……うん、入ろう」
「……えっ?」
予想していたものと異なる言葉が聞こえて、悠夜は大きく瞬きする。
「……一緒に星空を楽しみたいんだ」
ボトルを座卓に丁寧に置き、弓弦は悠夜を見ていた。少し照れたような優しい表情で。
「ああっ、勿論タオルは巻くよ!」
ハッと我に返った様子で、勢いよくそう付け加える弓弦に、悠夜はクスクスと笑った。
彼の様子が少し可笑しくて、愛おしくて。
「……うん、入ろっか」
瞳を細める悠夜に、弓弦は僅か染まる目元で頷く。
「そ、それじゃ先に行っているよ」
そう言うと、弓弦はそそくさとその場を離れベランダへと向かったのだった。
「はぁ……」
檜の露天風呂に浸かり、弓弦は大きく息を吐き出した。
漂う木の香りと、温泉が流れる音は心地良いが、今はそれらが頭に入って来ない。
(僕はなんて事を言ってしまったんだろう……)
悠夜の誘いは本当に嬉しかった。彼女と星空を一緒に見たいと思った。
けれども、露天風呂に一緒に入るだなんて……もしかして、悠夜は冗談のつもりで言ったかもしれないのに、それをあんな風に返事をしてしまって……。
今、正に悠夜を困らせているのではないか。
優しい彼女だから、あの場はああ返事をしたのかも。
弓弦の中を、羞恥心からの反省が次々と湧き上がってくる。
「ふう……」
一方、悠夜は露天風呂へ続く扉の前で、裸の体にしっかりタオルを巻き付けて、深呼吸をしていた。
タオルを巻いているとはいえ、やはり緊張する。
でも、それはきっと弓弦も……。
それでも一緒に入ろうと言ってくれた彼に、再び嬉しさが湧き上がってくる。
よしと頷いて、悠夜は露天風呂へと足を踏み入れた。
「お待たせ、弓弦さん」
湯気の中、弓弦は檜の露天風呂に浸かっていた。
こちらを振り返って、慌てて視線を逸らしている。
「お湯加減はどう?」
「う、うん。丁度良い温度だ」
「お背中お流ししましょうかー?」
緊張した声の弓弦に、悠夜はわざと明るい口調で言った。
バシャンとお湯が揺れる。
「あっああ、先に体は洗ってしまったんだ」
慌て首を振る弓弦を見て、悠夜はふふっと笑みを零す。
「それじゃ、私も身体を洗ってしまうね」
「ああ、僕は向こうを向いているから……」
カチコチな動作で背を向ける弓弦に微笑んで、悠夜は備え付けのシャワーを使って手早く身体を洗う事にした。
泡を流してタオルをしっかり巻き直し、洗い髪をアップに結い上げてから、悠夜は露天風呂に向かう。
「弓弦さん、入るね」
「あ、ああ」
鼻孔を擽る石鹸の香り。そしてその声に肩を揺らし、振り返って弓弦は息を飲んだ。
文字通り、目のやり場に困る光景がそこにはあった。
水滴が伝わる肌は、女性特有の柔らかなライン。結い上げた髪、覗く項が艶めかしい。
露天風呂の控えめな照明と、星明りに照らされた悠夜は、唯々美しかった。
とても直視できず、弓弦は視線をぎこちなく外す。
「わあ……星、本当に綺麗だね」
言葉を失くしていた弓弦は、悠夜のその言葉で我に返った。
悠夜と共に見上げた空には、冬の星々が輝いている。
「冬は一年の中で、最も星空が綺麗な季節なんだ」
弓弦はゆっくりと口を開いた。
「理由は色々あるんだけど……まずは、冬の星に明るい一等星が多い点だね。後、肉眼でも見える星雲や星団があるし、色んな色の星が見える事も要因かな」
「そう言われてみれば、冬の星空って何だか賑やかな気がするね」
「上空の空気の流れが強いから、星が瞬く。だからより星の印象が強く見えるんだろうね」
「星の瞬きって、空気と関係があるんだ?」
「大気中の空気の流れによって、地上に伝わる星の光の屈折にずれ生じるんだ。屈折のずれで光の強さや色が変わる……それで、星が瞬いて見えるんだ」
「へえ……」
悠夜は弓弦の話に相槌を打ちながら、そっとその横顔を盗み見る。
弓弦の瞳は少年のように輝いて星を見ていた。
悠夜はこんな時の弓弦の瞳が、表情がとても好きだ。
ふとこちらを見て来た弓弦と目が合った。
弓弦の満月の様な金の瞳が、少し見開かれる。
「綺麗だね」
悠夜は微笑んだ。星明りに光る彼の瞳を見ながら。
「……とても、綺麗だ」
弓弦も微笑む。星空の下、隣で輝く女性の微笑みに目を奪われながら。
「あれ、おかしいな……」
露天風呂から出て、浴衣に着替えて。
弓弦は右耳の違和感に首を捻った。
「水でも入ったかな……」
悠夜はその様子に、持参していた耳かきを手にベッドの上に座るとトントンと自らの膝を叩く。
「弓弦さん、耳かきしよっか」
「えっ?」
たちまち耳を赤くさせた弓弦だが、悠夜が笑顔で手招きすると、申し訳なさそうにその隣に腰掛けた。
「申し訳ないけど……お願いするよ」
「じゃあ、ここに寝転がってね」
ポンポンと膝を叩く悠夜に、弓弦は戸惑いながらもゆっくりと彼女に身を任せる。
頭が膝に触れると、その柔らかな感触に少し弓弦の肩が強張った。
「動かないでね」
優しい手が癖のある弓弦の髪を撫でて、耳かきが耳の入り口にそっと入る。
円を描くように耳の中をなぞる動き。
その優しい手つきと心地良さに、どんどんと弓弦の瞼が重くなってくる。
「弓弦さん、眠い?」
うとうとし始める弓弦に、悠夜は優しく問い掛けた。
「ごめんよ……どうも、睡魔が……」
瞼を擦る仕草に微笑んで、悠夜は弓弦の髪を撫でる。
「弓弦さん、大丈夫だよ。このまま寝ても。
弓弦さんが安心してくれていると思うと嬉しいんだ」
「そう、か……」
弓弦はその言葉に、瞳を閉じた。
「君と一緒に居ると、僕は何時も安心しているさ……」
そのまま彼の身体から力が抜けて行くのに、悠夜は微笑む。
「おやすみ、良い夢を」
安らかな彼の寝顔に、悠夜はそっと唇を落としたのだった。
案内された部屋を見渡して、日向 悠夜が微笑んだ。
「畳の良い香りがするね」
降矢 弓弦も、鼻孔を擽る香りに笑みを浮かべて、ゆっくりと部屋の中を見回す。
畳敷きの和室はかなりの広さで、木製の座卓と座椅子も落ち着いた佇まい。
その向こうには、檜の露天風呂が見えた。
湯船にとうとうと温泉が注がれている様子は、何とも贅沢で風情がある。
そして、和室の奥に、ダブルベッドがある寝室が控えていた。
弓弦は無意識に胸に手を当てる。
(二人でゆっくり出来る空間は良いけれど、今回、心臓は持つだろうか……)
「露天風呂から見る星空が綺麗なんだって」
悠夜が楽しそうにベランダへと歩み寄った。
「星空を望む露天風呂か……素敵だね」
弓弦も悠夜の隣に並ぶと、彼女と一緒に外の景色を見上げる。今はまだ夕暮れ空が広がっていた。
「食事が終わってから入ってみようか」
「そうだね」
二人が顔を見合って微笑んだ時、部屋に食事が運ばれて来た。
華のある盛りつけがされた料理に、悠夜は頬を緩める。
「凄い……! ご馳走だね、弓弦さん」
「うん、早速頂こうか」
二人は座卓を囲み、湯呑のお茶で乾杯をした。
「う~~ん美味しい!」
松茸の揚げびたしを口に運んで、悠夜は満面の笑みを浮かべる。甘く酸っぱいタレが染みていて、松茸の香りと実に合っていた。
「この甘鯛味噌漬けも、とても美味しいよ」
弓弦も甘鯛の上品な身とほんのりと甘い味、そして香りをじっくり味わう。
「本当だ。甘くて美味しいね!」
悠夜が鯛の身を箸に取った。弓弦も松茸を一切れ口に入れる。
「この松茸も凄く良い風味だ」
二人は互いに食べたものの感想を言い合い、箸を進めていく。
「幸せだねぇ」
しみじみと悠夜は呟き、笑った。
「ふふ……弓弦さんと一緒に食べるからこんなに美味しいんだろうね」
弓弦は思わず手を止めて悠夜を見つめる。彼女の幸せそうな笑顔が眩しい。
「僕も悠夜さんと一緒でとても美味しく感じるよ」
彼女の耳元を飾る月の形のイヤリングと、小指のピンキーリング。
己の贈ったプレゼントが柔らかく光っていて、その事も弓弦の胸に言いようのない幸福感を与えてくれる。
二人は笑顔の華を咲かせ、料理に舌鼓を打った。
食後にお茶を一杯。
ワインボトルのようなガラス製のボトルに入った緑茶である。
ワイングラスに入れて飲むお茶は、驚く程美味しい。
「こんな楽しみ方をする緑茶もあるんだね」
弓弦はボトルのラベルを見て、この緑茶の製法に思いを馳せる。
グラスの中のエメラルドグリーンを見つめ、悠夜は微笑んだ。
グラスを手にガラス窓の外を見れば、星空が広がっている。
悠夜は熱心にボトルのラベルを見ている弓弦を見て、飲み干したグラスを座卓に置いた。
(少し照れるけど……)
すぅと息を吸って、悠夜は口を開く。
「一緒に露天風呂に入っちゃおっか?」
ボトッと音がした。
弓弦が畳の上に落としたボトルを慌てて拾っている。
(驚かせちゃった、かな? 駄目でも、冗談だよって誤魔化せば……)
悠夜は固唾を飲んで弓弦の様子を窺った。
「……うん、入ろう」
「……えっ?」
予想していたものと異なる言葉が聞こえて、悠夜は大きく瞬きする。
「……一緒に星空を楽しみたいんだ」
ボトルを座卓に丁寧に置き、弓弦は悠夜を見ていた。少し照れたような優しい表情で。
「ああっ、勿論タオルは巻くよ!」
ハッと我に返った様子で、勢いよくそう付け加える弓弦に、悠夜はクスクスと笑った。
彼の様子が少し可笑しくて、愛おしくて。
「……うん、入ろっか」
瞳を細める悠夜に、弓弦は僅か染まる目元で頷く。
「そ、それじゃ先に行っているよ」
そう言うと、弓弦はそそくさとその場を離れベランダへと向かったのだった。
「はぁ……」
檜の露天風呂に浸かり、弓弦は大きく息を吐き出した。
漂う木の香りと、温泉が流れる音は心地良いが、今はそれらが頭に入って来ない。
(僕はなんて事を言ってしまったんだろう……)
悠夜の誘いは本当に嬉しかった。彼女と星空を一緒に見たいと思った。
けれども、露天風呂に一緒に入るだなんて……もしかして、悠夜は冗談のつもりで言ったかもしれないのに、それをあんな風に返事をしてしまって……。
今、正に悠夜を困らせているのではないか。
優しい彼女だから、あの場はああ返事をしたのかも。
弓弦の中を、羞恥心からの反省が次々と湧き上がってくる。
「ふう……」
一方、悠夜は露天風呂へ続く扉の前で、裸の体にしっかりタオルを巻き付けて、深呼吸をしていた。
タオルを巻いているとはいえ、やはり緊張する。
でも、それはきっと弓弦も……。
それでも一緒に入ろうと言ってくれた彼に、再び嬉しさが湧き上がってくる。
よしと頷いて、悠夜は露天風呂へと足を踏み入れた。
「お待たせ、弓弦さん」
湯気の中、弓弦は檜の露天風呂に浸かっていた。
こちらを振り返って、慌てて視線を逸らしている。
「お湯加減はどう?」
「う、うん。丁度良い温度だ」
「お背中お流ししましょうかー?」
緊張した声の弓弦に、悠夜はわざと明るい口調で言った。
バシャンとお湯が揺れる。
「あっああ、先に体は洗ってしまったんだ」
慌て首を振る弓弦を見て、悠夜はふふっと笑みを零す。
「それじゃ、私も身体を洗ってしまうね」
「ああ、僕は向こうを向いているから……」
カチコチな動作で背を向ける弓弦に微笑んで、悠夜は備え付けのシャワーを使って手早く身体を洗う事にした。
泡を流してタオルをしっかり巻き直し、洗い髪をアップに結い上げてから、悠夜は露天風呂に向かう。
「弓弦さん、入るね」
「あ、ああ」
鼻孔を擽る石鹸の香り。そしてその声に肩を揺らし、振り返って弓弦は息を飲んだ。
文字通り、目のやり場に困る光景がそこにはあった。
水滴が伝わる肌は、女性特有の柔らかなライン。結い上げた髪、覗く項が艶めかしい。
露天風呂の控えめな照明と、星明りに照らされた悠夜は、唯々美しかった。
とても直視できず、弓弦は視線をぎこちなく外す。
「わあ……星、本当に綺麗だね」
言葉を失くしていた弓弦は、悠夜のその言葉で我に返った。
悠夜と共に見上げた空には、冬の星々が輝いている。
「冬は一年の中で、最も星空が綺麗な季節なんだ」
弓弦はゆっくりと口を開いた。
「理由は色々あるんだけど……まずは、冬の星に明るい一等星が多い点だね。後、肉眼でも見える星雲や星団があるし、色んな色の星が見える事も要因かな」
「そう言われてみれば、冬の星空って何だか賑やかな気がするね」
「上空の空気の流れが強いから、星が瞬く。だからより星の印象が強く見えるんだろうね」
「星の瞬きって、空気と関係があるんだ?」
「大気中の空気の流れによって、地上に伝わる星の光の屈折にずれ生じるんだ。屈折のずれで光の強さや色が変わる……それで、星が瞬いて見えるんだ」
「へえ……」
悠夜は弓弦の話に相槌を打ちながら、そっとその横顔を盗み見る。
弓弦の瞳は少年のように輝いて星を見ていた。
悠夜はこんな時の弓弦の瞳が、表情がとても好きだ。
ふとこちらを見て来た弓弦と目が合った。
弓弦の満月の様な金の瞳が、少し見開かれる。
「綺麗だね」
悠夜は微笑んだ。星明りに光る彼の瞳を見ながら。
「……とても、綺麗だ」
弓弦も微笑む。星空の下、隣で輝く女性の微笑みに目を奪われながら。
「あれ、おかしいな……」
露天風呂から出て、浴衣に着替えて。
弓弦は右耳の違和感に首を捻った。
「水でも入ったかな……」
悠夜はその様子に、持参していた耳かきを手にベッドの上に座るとトントンと自らの膝を叩く。
「弓弦さん、耳かきしよっか」
「えっ?」
たちまち耳を赤くさせた弓弦だが、悠夜が笑顔で手招きすると、申し訳なさそうにその隣に腰掛けた。
「申し訳ないけど……お願いするよ」
「じゃあ、ここに寝転がってね」
ポンポンと膝を叩く悠夜に、弓弦は戸惑いながらもゆっくりと彼女に身を任せる。
頭が膝に触れると、その柔らかな感触に少し弓弦の肩が強張った。
「動かないでね」
優しい手が癖のある弓弦の髪を撫でて、耳かきが耳の入り口にそっと入る。
円を描くように耳の中をなぞる動き。
その優しい手つきと心地良さに、どんどんと弓弦の瞼が重くなってくる。
「弓弦さん、眠い?」
うとうとし始める弓弦に、悠夜は優しく問い掛けた。
「ごめんよ……どうも、睡魔が……」
瞼を擦る仕草に微笑んで、悠夜は弓弦の髪を撫でる。
「弓弦さん、大丈夫だよ。このまま寝ても。
弓弦さんが安心してくれていると思うと嬉しいんだ」
「そう、か……」
弓弦はその言葉に、瞳を閉じた。
「君と一緒に居ると、僕は何時も安心しているさ……」
そのまま彼の身体から力が抜けて行くのに、悠夜は微笑む。
「おやすみ、良い夢を」
安らかな彼の寝顔に、悠夜はそっと唇を落としたのだった。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 雪花菜 凛 GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |