プラン
アクションプラン
ひろの (ルシエロ=ザガン) |
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ん。(頷く 「いつも、合わせてくれるから」 それに「人が多い場所、苦手だし」 他も気になるけど。「あったかいとこで、ゆっくりがいい」 そうだ。「ルシェ」(荷物から箱を取り、ルシェに差し出す 「クリスマスプレゼント」(カシミヤ100%、シックなツートンカラーマフラー 「去年、貰ったから」 ぅ、(触れられた場所を押さえ、頬を染める え、「ありがとう」 「開けていい?」 何か書いてある。(単語のニュアンスでなんとなく理解 貰ってばっかりだ。(嬉しくも少し後ろめたい 食後: (首を横に振る 「……びっくりした」(脱衣所で胸に手を当てる お風呂は無理だけど。 ……ルシェと見たかった、かも。(湯船から星空を見上げる ベッド大きい。(中央近くに座り、待つ 就寝: 一緒のベッドで寝るの、初めてだ。 「……こういうとこ来るの、私とでよかったの?」 「うん。……一緒に居れるの、嬉しい」ありがとう。(小声 どきどきするけど、落ち着く。そういえば、前から。 |
リザルトノベル
●プレゼント・フォー・ユー
「他は良かったのか」
和風リゾートホテル『そらのにわ』は、『白馬岳』の頂上に位置している。窓から覗く絶景に見入っていたひろのは、ルシエロ=ザガンの端的な問いを受けて振り返ると、「ん」と小さく頷いた。
「いつも、合わせてくれるから」
それに、と、ひろのは訥々と音を紡ぐ。
「人が多い場所、苦手だし」
そうは言うものの、実は、他の場所も気になるひろのである。『大聖夜祭』の為に開放された場所は多く、そこでしかできない経験もまた多い。けれどひろのは、
「あったかいとこで、ゆっくりがいい」
と、敢えてホテルで、ルシエロと2人きり、ゆるりと時間を過ごすことを選んだのだった。ひろのが話し終えたのを確かめ、ルシエロは、そうか、と応じてタンジャリンオレンジの双眸を和らげる。言い訳めいて言葉を重ねるひろのの様子はいじらしく、そして、愛おしかった。
「なら、ゆっくり過ごすとしようか」
言って、その言葉を体現するかのように、ルシエロは優雅に、けれどゆったりとソファへと腰を下ろした。ひろのは、その流れるような所作を半ば見惚れるようにして目で追っていたが、
(……そうだ)
と、自身の荷物から、落ち着いた雰囲気のラッピングが施された箱をせっせと取り出す。それを見留めて目を眇めるルシエロの傍らへと並んで座り、
「ルシェ」
名を呼んで、ひろのはその箱をルシエロへと差し出した。
「どうした」
「クリスマスプレゼント」
短い会話。顎に手を宛がい、ふむ、と唸って。ルシエロは、ひろのの手からその箱――ひろの曰くのクリスマスプレゼントを受け取った。
「開けるぞ」
確かめるように言葉を零せば、こくり、返る頷き。綺麗にラッピングを解いたならば、現れたのは、シックなツートンカラーのマフラーだった。
「この手触りは……カシミヤか」
「うん。100パーセント、って書いてあった」
「ああ、だろうな」
「その……去年、貰ったから」
言葉の後ろの方は、部屋の温かな空気の中に雪の如くに溶け消えそうなもの。ルシエロの方を遠慮がちに見遣る焦げ茶の瞳は、どこか不安げな色を帯びている。そんなひろのが安心するようにと、ルシエロは、ふっと口の端を上げてみせた。
「ありがとう。大事に使わせて貰う」
柔らかな声音で紡いで、傍らの人のルシエロからすれば小さな身体を、軽く腕の中に抱き込む。黒髪にそっと口付けを落として、ルシエロはひろのから離れた。
(……ぅ)
唇が触れた場所を押さえて、ひろのが頬をほんのりと朱に染める。その様子に緩やかに笑んで、
「では、オレからもだ」
と、ルシエロはひろのの手を取った。手のひらの上に乗る重みは、センスの良さが窺える、贈り物らしき小箱。
「え……」
「Merry Christmas、ヒロノ」
優美に整った、けれどその中にあたたかさを纏った笑顔がルシエロのかんばせを益々華やがせる。
「ありがとう」
と応じた後で、ひろのはおずおずとして尋ねた。
「開けていい?」
「勿論だ」
中身は――ブレスレットだった。
(何か書いてある)
ひろのが間もなくして気付いた通り、ブレスレットにあしらわれた上品な金色のプレートには『Heart to Heart』と、一行、刻印されている。それが示す意味を単語のニュアンスから何となく理解して、
(貰ってばっかりだ)
と、ひろのは嬉しさの中に、仄かに後ろめたさのようなものも混じるのを感じた。ルシエロの指が、ブレスレットに触れる。繊細な手つきでブレスレットを手に取るルシエロ。じきにルシエロの手によって、ブレスレットはひろのの左手首を静かに彩る物となった。くすぐったいような心地で左腕を目線の高さまで動かせば、チャリ、と金具が鳴る。
「よく似合う」
満足げに、ルシエロが口元に弧を描いた。窓の向こうから夕陽が射し込んで、ひろのの黒髪を茶に染め上げる。夕餉の時間が、近づいてきていた。
●見上げた星に想うは、
「夕飯、すごかった」
「緊張していたのはそのせいか、ヒロノ」
部屋まで運ばれてきた夕食は、どこまでも品がありながらも格別に豪華なものだった。感嘆の中に幾らかの疲れの色も覗かせるひろのへと、ルシエロはくつと喉を鳴らして笑い掛ける。
「風呂へ入るのはどうだ。星が綺麗だろう。緊張も解れる」
「うん。じゃあ……」
「――何なら、二人で入るか?」
先に入ってもいいか、というふうなことを尋ね掛けて、けれどそれは、ひろのからしてみればあまりにも衝撃的すぎる問いに遮られた。ふるふると首を横に振るのを返事にして、そのまま、小動物が逃げ出すように脱衣所へととび込むひろの。その姿を見送って、ルシエロは密やかに笑みを零す。
(全く、愛らしくて困る)
自分の理性がどこまでもつものか、心配になるほどだ。先の言葉は、からかい半分。ならば、残りの半分は――。
「……びっくりした」
一方のひろのは、脱衣所の扉を閉めるや、胸に手を当てて息を整えようと試みていた。成果は――あまり芳しくない。心臓がばくばくと騒いで、ひろのの言うことをちっとも聞いてくれないのだ。頬が火照っているのが、自分でも確かに感じられた。
「……お風呂、入ろ」
自身に言い聞かせるように呟いて、ひろのは露天風呂へ。冬の厳しい寒さを感じたのは、一瞬のこと。湯船に浸かれば、心の強張りさえ溶け出すような温もりが、ひろのの身体を芯から温めていく。
(お風呂は無理だけど……)
ひろのは、夜空を見上げた。とりどりの宝石をばらまいたような星空にともすれば吸い込まれてしまいそう、そんな気さえする。
(……ルシェと見たかった、かも)
ふわり、胸に湧いたのはそんな想いで、逆上せるような心地がしたのは湯のせいか、否か。
(――ヒロノが好きそうだ)
ひろのと入れ替わりに湯に浸かって、見上げた星の煌めきに、ルシエロが先ず思ったのはそんなこと。募る想いは、深々と降る雪のようにルシエロの心の底に降り積もる。
(名残惜しいような景色だが……早く、ヒロノの所へ)
脱衣所へ向かう直前の出来事が思い出された。包み込むようにふかふかの、けれど、ひとりで使うにはあまりに大きすぎる立派なキングサイズのダブルベッド。その真ん中辺りにぺたりと座り込んでいたひろのは、ベッド大きい、なんて呟いていた。
(いつまでも待たせておくのは気が咎める、か)
己の絆され具合に苦く優しく微笑して、ルシエロはしっとりと濡れたワインレッドの髪を撫でつけた。
●あなたの温度を子守唄に
(一緒のベッドで寝るの、初めてだ)
夜は、まるで終わりを知らないように深く深くなっていく。就寝の準備を終えて、ひろのはベッドの中へと――ルシエロの隣へと潜り込んだ。
「もっと此方だ」
ごく自然に、大きな手の温もりがひろのを抱き寄せる。されるがままにルシエロの抱き枕になりながら、ひろのはぽつりと呟いた。
「……こういうとこ来るの、私とでよかったの?」
「オマエとが良い。それに、願っていた共にクリスマスを過ごせただろう?」
「うん。……一緒に居れるの、嬉しい」
ありがとう、と、ひろのはごくごく小さな声で囁き零す。微笑んで、ルシエロはひろのの髪を、指で掬うように撫でた。くすぐったさに、身動ぎするひろの。
(やはり愛らしいな。共寝だけなのが惜しいが……)
ひろのが痛がらないよう細心の注意を払いながら、ルシエロはその身体を、更にぎゅうと抱き込んだ。
(一晩、腕に抱え込めるまでになった。今はそれで良い)
そんなことを思うルシエロの腕の中で、ひろのは、自分の心臓がまたどきどきとしているのを感じていて。けれど同時に、その温もりの中、安堵するひろのもまた、いるのだった。
(そういえば、前から……)
心地良い温度に誘われるように、ひろのは、そのままうとうとと眠りの底に落ちていく。
(もう眠ったか。……あたたかいな)
すぅと寝入ったひろのの額に口付けをして、ルシエロもまた目を瞑った。2人の夜は、ゆるりとして静かに、やすらぎと共に過ぎていく。
「他は良かったのか」
和風リゾートホテル『そらのにわ』は、『白馬岳』の頂上に位置している。窓から覗く絶景に見入っていたひろのは、ルシエロ=ザガンの端的な問いを受けて振り返ると、「ん」と小さく頷いた。
「いつも、合わせてくれるから」
それに、と、ひろのは訥々と音を紡ぐ。
「人が多い場所、苦手だし」
そうは言うものの、実は、他の場所も気になるひろのである。『大聖夜祭』の為に開放された場所は多く、そこでしかできない経験もまた多い。けれどひろのは、
「あったかいとこで、ゆっくりがいい」
と、敢えてホテルで、ルシエロと2人きり、ゆるりと時間を過ごすことを選んだのだった。ひろのが話し終えたのを確かめ、ルシエロは、そうか、と応じてタンジャリンオレンジの双眸を和らげる。言い訳めいて言葉を重ねるひろのの様子はいじらしく、そして、愛おしかった。
「なら、ゆっくり過ごすとしようか」
言って、その言葉を体現するかのように、ルシエロは優雅に、けれどゆったりとソファへと腰を下ろした。ひろのは、その流れるような所作を半ば見惚れるようにして目で追っていたが、
(……そうだ)
と、自身の荷物から、落ち着いた雰囲気のラッピングが施された箱をせっせと取り出す。それを見留めて目を眇めるルシエロの傍らへと並んで座り、
「ルシェ」
名を呼んで、ひろのはその箱をルシエロへと差し出した。
「どうした」
「クリスマスプレゼント」
短い会話。顎に手を宛がい、ふむ、と唸って。ルシエロは、ひろのの手からその箱――ひろの曰くのクリスマスプレゼントを受け取った。
「開けるぞ」
確かめるように言葉を零せば、こくり、返る頷き。綺麗にラッピングを解いたならば、現れたのは、シックなツートンカラーのマフラーだった。
「この手触りは……カシミヤか」
「うん。100パーセント、って書いてあった」
「ああ、だろうな」
「その……去年、貰ったから」
言葉の後ろの方は、部屋の温かな空気の中に雪の如くに溶け消えそうなもの。ルシエロの方を遠慮がちに見遣る焦げ茶の瞳は、どこか不安げな色を帯びている。そんなひろのが安心するようにと、ルシエロは、ふっと口の端を上げてみせた。
「ありがとう。大事に使わせて貰う」
柔らかな声音で紡いで、傍らの人のルシエロからすれば小さな身体を、軽く腕の中に抱き込む。黒髪にそっと口付けを落として、ルシエロはひろのから離れた。
(……ぅ)
唇が触れた場所を押さえて、ひろのが頬をほんのりと朱に染める。その様子に緩やかに笑んで、
「では、オレからもだ」
と、ルシエロはひろのの手を取った。手のひらの上に乗る重みは、センスの良さが窺える、贈り物らしき小箱。
「え……」
「Merry Christmas、ヒロノ」
優美に整った、けれどその中にあたたかさを纏った笑顔がルシエロのかんばせを益々華やがせる。
「ありがとう」
と応じた後で、ひろのはおずおずとして尋ねた。
「開けていい?」
「勿論だ」
中身は――ブレスレットだった。
(何か書いてある)
ひろのが間もなくして気付いた通り、ブレスレットにあしらわれた上品な金色のプレートには『Heart to Heart』と、一行、刻印されている。それが示す意味を単語のニュアンスから何となく理解して、
(貰ってばっかりだ)
と、ひろのは嬉しさの中に、仄かに後ろめたさのようなものも混じるのを感じた。ルシエロの指が、ブレスレットに触れる。繊細な手つきでブレスレットを手に取るルシエロ。じきにルシエロの手によって、ブレスレットはひろのの左手首を静かに彩る物となった。くすぐったいような心地で左腕を目線の高さまで動かせば、チャリ、と金具が鳴る。
「よく似合う」
満足げに、ルシエロが口元に弧を描いた。窓の向こうから夕陽が射し込んで、ひろのの黒髪を茶に染め上げる。夕餉の時間が、近づいてきていた。
●見上げた星に想うは、
「夕飯、すごかった」
「緊張していたのはそのせいか、ヒロノ」
部屋まで運ばれてきた夕食は、どこまでも品がありながらも格別に豪華なものだった。感嘆の中に幾らかの疲れの色も覗かせるひろのへと、ルシエロはくつと喉を鳴らして笑い掛ける。
「風呂へ入るのはどうだ。星が綺麗だろう。緊張も解れる」
「うん。じゃあ……」
「――何なら、二人で入るか?」
先に入ってもいいか、というふうなことを尋ね掛けて、けれどそれは、ひろのからしてみればあまりにも衝撃的すぎる問いに遮られた。ふるふると首を横に振るのを返事にして、そのまま、小動物が逃げ出すように脱衣所へととび込むひろの。その姿を見送って、ルシエロは密やかに笑みを零す。
(全く、愛らしくて困る)
自分の理性がどこまでもつものか、心配になるほどだ。先の言葉は、からかい半分。ならば、残りの半分は――。
「……びっくりした」
一方のひろのは、脱衣所の扉を閉めるや、胸に手を当てて息を整えようと試みていた。成果は――あまり芳しくない。心臓がばくばくと騒いで、ひろのの言うことをちっとも聞いてくれないのだ。頬が火照っているのが、自分でも確かに感じられた。
「……お風呂、入ろ」
自身に言い聞かせるように呟いて、ひろのは露天風呂へ。冬の厳しい寒さを感じたのは、一瞬のこと。湯船に浸かれば、心の強張りさえ溶け出すような温もりが、ひろのの身体を芯から温めていく。
(お風呂は無理だけど……)
ひろのは、夜空を見上げた。とりどりの宝石をばらまいたような星空にともすれば吸い込まれてしまいそう、そんな気さえする。
(……ルシェと見たかった、かも)
ふわり、胸に湧いたのはそんな想いで、逆上せるような心地がしたのは湯のせいか、否か。
(――ヒロノが好きそうだ)
ひろのと入れ替わりに湯に浸かって、見上げた星の煌めきに、ルシエロが先ず思ったのはそんなこと。募る想いは、深々と降る雪のようにルシエロの心の底に降り積もる。
(名残惜しいような景色だが……早く、ヒロノの所へ)
脱衣所へ向かう直前の出来事が思い出された。包み込むようにふかふかの、けれど、ひとりで使うにはあまりに大きすぎる立派なキングサイズのダブルベッド。その真ん中辺りにぺたりと座り込んでいたひろのは、ベッド大きい、なんて呟いていた。
(いつまでも待たせておくのは気が咎める、か)
己の絆され具合に苦く優しく微笑して、ルシエロはしっとりと濡れたワインレッドの髪を撫でつけた。
●あなたの温度を子守唄に
(一緒のベッドで寝るの、初めてだ)
夜は、まるで終わりを知らないように深く深くなっていく。就寝の準備を終えて、ひろのはベッドの中へと――ルシエロの隣へと潜り込んだ。
「もっと此方だ」
ごく自然に、大きな手の温もりがひろのを抱き寄せる。されるがままにルシエロの抱き枕になりながら、ひろのはぽつりと呟いた。
「……こういうとこ来るの、私とでよかったの?」
「オマエとが良い。それに、願っていた共にクリスマスを過ごせただろう?」
「うん。……一緒に居れるの、嬉しい」
ありがとう、と、ひろのはごくごく小さな声で囁き零す。微笑んで、ルシエロはひろのの髪を、指で掬うように撫でた。くすぐったさに、身動ぎするひろの。
(やはり愛らしいな。共寝だけなのが惜しいが……)
ひろのが痛がらないよう細心の注意を払いながら、ルシエロはその身体を、更にぎゅうと抱き込んだ。
(一晩、腕に抱え込めるまでになった。今はそれで良い)
そんなことを思うルシエロの腕の中で、ひろのは、自分の心臓がまたどきどきとしているのを感じていて。けれど同時に、その温もりの中、安堵するひろのもまた、いるのだった。
(そういえば、前から……)
心地良い温度に誘われるように、ひろのは、そのままうとうとと眠りの底に落ちていく。
(もう眠ったか。……あたたかいな)
すぅと寝入ったひろのの額に口付けをして、ルシエロもまた目を瞑った。2人の夜は、ゆるりとして静かに、やすらぎと共に過ぎていく。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 巴めろ GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |