プラン
アクションプラン
出石 香奈 (レムレース・エーヴィヒカイト) |
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10 オーナメントはリボン リボンには『永遠に結ばれる』っていう意味があるんですって レムのは守りの誓いかぁ… ならあたしは、このリボンのように二人が固く結びついて離れないよう願いを込めるわ 一緒にキャンドル・グランツでもらった手紙を飾る どうせなら高い位置につけたいわ…おっと 背伸びしたらバランスを崩しかける …ありがとう、レム そうね、二人のを並べて飾りましょう あの…嬉しいけど、他の人も飾りつけたいんじゃないかしら… とはいいつつ自分からも離れない 13 (あれば)座敷席の個室で懐石料理 食事中レムの所作の美しさに感心 姿勢がよくてマナーがしっかりしてて、見てて気持ちいいというか こっちも背筋が伸びる思いね …あたし、釣り合ってるかしら… 本当?レムのコーチなら安心ね、厳しそうだけど 突然の告白に微笑んでレムの隣へ移動、もたれかかる あら、さっきあなたが言ったのよ 今は俺しか見てない、って だからもう少しこのまま…いいでしょ? |
リザルトノベル
古代の森にあるメリーツリーには、願いを託して飾られた様々なオーナメントが花を添え、この聖なる日に、より彩りを増している。
そこに宿る意味を思案し、出石 香奈とレムレース・エーヴィヒカイトも、いつかつながる想いに、自らの願いを重ねてオーナメントを手に取った。
「リボンには『永遠に結ばれる』っていう意味があるんですって」
オーナメントを手にした香奈がそこに込められる意味を言葉にする。
永遠を願う気持ちは、いつでも、誰にでも存在するもの。
香奈が今、抱いている永遠への願いはもちろん他の誰でもなくレムレースと続く永遠。
二人でつないできた道の、今のその先だ。
両手で大切そうにオーナメントを包み込む香奈の横顔を眩しそうに見つめて、レムレースはオーナメントに手を伸ばした。
白い、キャンディケイン。
「こういうものには疎いから調べてきたのだが、『硬い信条』を表すらしい」
「守りの誓いかぁ……」
手の中のオーナメントを握り締めるようにレムレースが自身の手に力を込める。
「改めて香奈を守る誓いとしよう」
それは、変わらぬ決意。
けれど口にすることでより強く願われる。
香奈はその言葉に柔らかな笑みを浮かべてレムレースを見つめたあと、そっと手の中のオーナメントへと視線を移した。
「ならあたしは、このリボンのように二人が硬く結びついて離れないよう願いを込めるわ」
しっかりと結ばれたリボンは、二人そのもののようにも思えた。
はじめから一つ。
近づいて、交わって、結びついた想い。
「それと……」
香奈は白い封筒を取り出し、受け取った時と同じように大切に胸元で抱く。
そこに綴られた言葉を脳裏に呼び起こすだけで、ほんのりと上気するのを感じる。
頬も。
身体も。
心も。
優しく温かな想いに満たされていくように、熱を持つ。
それは、キャンドル・グランツでレムレースからもらった、彼が込めた香奈への真っ直ぐな心。
「これも。飾っていいかしら?」
「ああ、もちろん」
ふわりと微笑む香奈に、レムレースははにかんで笑みを返した。
「どうせなら高い位置につけたいわ」
メリーツリーを見上げ、空いた高い場所を探して足場の踏み台をのぼり、香奈は少しでも高くへと手を伸ばす。
「……おっと」
背伸びをしてバランスを崩しかけた香奈を強い腕が支えた。
「大丈夫か?」
「……ありがとう、レム」
「俺が支えているからこのまま飾りつけてくれ」
しっかりとレムレースに支えられ、オーナメントと手紙が高い位置へと飾られていく。
「俺の分も一緒に頼む」
レムレースが選んだキャンディケインを香奈の手に渡すと、香奈はそのオーナメントを見つめて、頷く。
「そうね、二人のを並べて飾りましょう」
香奈の願いの傍に、そっと寄り添うように飾られたレムレースの意志。
「これでいいわね」
オーナメントを飾り終えた香奈は、下りるために支えてくれているレムレースに目を向ける。
けれどレムレースは知ってか知らずか、香奈の身体を抱き留めたまま離そうとしなかった。
「あの……嬉しいけど、他の人も飾り付けたいんじゃないかしら」
そうは言いながらも、香奈もレムレースから自ら離れようとはしない。
彼がそうしたままの理由が、なんとなく分かる。
離れがたいのだ。
そのぬくもりから。
その指先から。
引き合うように、結びあうように、二人の間にできる隙間がもどかしいほどに。
けれど、少ししてレムレースは支えていた手を離し、香奈へ下りるようになにともなく促した。
それでも、指先が離れることはなく、二人の温度を繋ぐ。
絡む視線に互いが笑みを返すと、レムレースは願いとは別に、胸に決意を秘める。
『永遠に結ばれる』という香奈の願いは俺が叶えてみせる――。
*
ホワイト・ヒル『ゆきのおと』へ場所を移した二人が案内されたのは、個室の座敷席。
部屋の外には雪が彩り、辺りの音を吸い込むように、凛とした静寂をもたらしている。
「クリスマスに和食というのもいいものだな」
目の前に並ぶ懐石料理に、レムレースが頷く。
「雰囲気もいいしゆっくりできそうだ」
「そうね。雪が降ると、きっともっと素敵ね」
外へと投げた香奈の視線を追うようにレムレースも窓の向こう側へと目を向けた。
景色を彩る積雪はあっても、ちらつく雪が見えないのは、少し惜しいだろうか。
そんなことを思いながら、レムレースが目の前に並ぶ食事へと手を伸ばす。
何気ない仕草だった。
ぴんと伸びた背筋。
箸に添えられる指先。
料理を取って、受け皿へと運ぶ仕草。
それは、彼にとって普通なのかもしれない。
けれど香奈はレムレースの所作の美しさに目を奪われた。
「……綺麗ね」
ぽつりと漏れた言葉に、レムレースが手を止めた。
「綺麗?」
「レムの――」
香奈がレムレースを一度見つめたあと、そっと視線を流すように外した。
「レムの食事中の所作が」
「そうか?」
所作を美しいと思ったのは事実だが、それと同時に――。
わずか、香奈が沈黙したことには気づいていないようで、レムレースが意外そうに自分の手元へと目を向けた。
「姿勢が良くて、マナーがしっかりしてて、見てて気持ちいいというか」
「まあ、幼少から厳しく躾けられてきたからな」
身に染みついた、というのはまさにこのことだ。
「こっちも背筋が伸びる思いね」
香奈も、レムレースに倣って背筋を伸ばした。
「……あたし、釣り合ってるかしら……」
所作ひとつ。
けれど、その完璧ともいえる彼の所作に、香奈は一抹の不安を禁じ得なかった。
「心配しなくても、マナーくらい俺が教えるし、香奈ならすぐにできるようになる」
そんな香奈の不安を、レムレースの一言が払拭していく。
「本当?」
「ああ」
「レムのコーチなら安心ね。厳しそうだけど」
そういうと、レムレースは曖昧な笑みを浮かべた。
「今は俺しか見ていないんだ。変にかしこまったりしなくても誰も笑ったりしない」
「ふふ……、そうね。ありがとう、レム」
安堵したように柔らかな笑みを浮かべた香奈は、料理へと箸を伸ばす。
「それに……俺はありのままの香奈を好いているのだから」
香奈の手が止まった。
レムレースへと目を向ければ、白々しいほどわざとらしく咳払いをして、視線を逸らしている。
自分で言ったはずの言葉に、彼が照れているのは明白だった。
「み、見ろ。夜景が綺麗……」
そんなレムレースに微笑んで、香奈は彼の隣へと移動すると、そっともたれかかった。
「うわっ!?」
「ふふっ」
「香奈、こんなところで……」
「あら、さっきあなたが言ったのよ。今は俺しか見てない、って」
悪戯っぽく反芻するように先ほどの言葉を口にする。
「だからもう少しこのまま……いいでしょ?」
「ああ……」
そっと香奈の肩を抱いたレムレースは、狂おしいほど甘く囁くように吐息を零す。
「時間の許す限りこうしていよう」
――今日が終わっても、またこのぬくもりに触れることはできるのだから。
メリーツリーの下ではやむを得ず離した身体は、再び寄り添ってぬくもりを分け合う。
指先が絡み、胸の内側までをも温めるような愛しい人の体温。
見つめ合えば、言葉はいらなかった。
凛とした、心地良い静寂が辺りを包む。
「レム、見て。雪が降ってきたわ」
その静寂の中、香奈の静かな声がゆっくりと波紋を広げるように落ちた。
「綺麗……」
雪景色の中を舞い始めた雪に目を向ける香奈を、レムレースはそっと引き寄せる。
「雪に嫉妬をしてしまいそうだ」
このぬくもりが、雪に取られてしまいそうで。
そんな声にならなかった声を察したのか、香奈は穏やかに笑みを浮かべる。
照れくさそうに笑みを返すと、レムレースは香奈の身体を、壊れ物を扱うようにそっと、優しく抱き締めた。
包む静寂に伸びる影がゆっくりと重なり、交わっていく。
そこに宿る意味を思案し、出石 香奈とレムレース・エーヴィヒカイトも、いつかつながる想いに、自らの願いを重ねてオーナメントを手に取った。
「リボンには『永遠に結ばれる』っていう意味があるんですって」
オーナメントを手にした香奈がそこに込められる意味を言葉にする。
永遠を願う気持ちは、いつでも、誰にでも存在するもの。
香奈が今、抱いている永遠への願いはもちろん他の誰でもなくレムレースと続く永遠。
二人でつないできた道の、今のその先だ。
両手で大切そうにオーナメントを包み込む香奈の横顔を眩しそうに見つめて、レムレースはオーナメントに手を伸ばした。
白い、キャンディケイン。
「こういうものには疎いから調べてきたのだが、『硬い信条』を表すらしい」
「守りの誓いかぁ……」
手の中のオーナメントを握り締めるようにレムレースが自身の手に力を込める。
「改めて香奈を守る誓いとしよう」
それは、変わらぬ決意。
けれど口にすることでより強く願われる。
香奈はその言葉に柔らかな笑みを浮かべてレムレースを見つめたあと、そっと手の中のオーナメントへと視線を移した。
「ならあたしは、このリボンのように二人が硬く結びついて離れないよう願いを込めるわ」
しっかりと結ばれたリボンは、二人そのもののようにも思えた。
はじめから一つ。
近づいて、交わって、結びついた想い。
「それと……」
香奈は白い封筒を取り出し、受け取った時と同じように大切に胸元で抱く。
そこに綴られた言葉を脳裏に呼び起こすだけで、ほんのりと上気するのを感じる。
頬も。
身体も。
心も。
優しく温かな想いに満たされていくように、熱を持つ。
それは、キャンドル・グランツでレムレースからもらった、彼が込めた香奈への真っ直ぐな心。
「これも。飾っていいかしら?」
「ああ、もちろん」
ふわりと微笑む香奈に、レムレースははにかんで笑みを返した。
「どうせなら高い位置につけたいわ」
メリーツリーを見上げ、空いた高い場所を探して足場の踏み台をのぼり、香奈は少しでも高くへと手を伸ばす。
「……おっと」
背伸びをしてバランスを崩しかけた香奈を強い腕が支えた。
「大丈夫か?」
「……ありがとう、レム」
「俺が支えているからこのまま飾りつけてくれ」
しっかりとレムレースに支えられ、オーナメントと手紙が高い位置へと飾られていく。
「俺の分も一緒に頼む」
レムレースが選んだキャンディケインを香奈の手に渡すと、香奈はそのオーナメントを見つめて、頷く。
「そうね、二人のを並べて飾りましょう」
香奈の願いの傍に、そっと寄り添うように飾られたレムレースの意志。
「これでいいわね」
オーナメントを飾り終えた香奈は、下りるために支えてくれているレムレースに目を向ける。
けれどレムレースは知ってか知らずか、香奈の身体を抱き留めたまま離そうとしなかった。
「あの……嬉しいけど、他の人も飾り付けたいんじゃないかしら」
そうは言いながらも、香奈もレムレースから自ら離れようとはしない。
彼がそうしたままの理由が、なんとなく分かる。
離れがたいのだ。
そのぬくもりから。
その指先から。
引き合うように、結びあうように、二人の間にできる隙間がもどかしいほどに。
けれど、少ししてレムレースは支えていた手を離し、香奈へ下りるようになにともなく促した。
それでも、指先が離れることはなく、二人の温度を繋ぐ。
絡む視線に互いが笑みを返すと、レムレースは願いとは別に、胸に決意を秘める。
『永遠に結ばれる』という香奈の願いは俺が叶えてみせる――。
*
ホワイト・ヒル『ゆきのおと』へ場所を移した二人が案内されたのは、個室の座敷席。
部屋の外には雪が彩り、辺りの音を吸い込むように、凛とした静寂をもたらしている。
「クリスマスに和食というのもいいものだな」
目の前に並ぶ懐石料理に、レムレースが頷く。
「雰囲気もいいしゆっくりできそうだ」
「そうね。雪が降ると、きっともっと素敵ね」
外へと投げた香奈の視線を追うようにレムレースも窓の向こう側へと目を向けた。
景色を彩る積雪はあっても、ちらつく雪が見えないのは、少し惜しいだろうか。
そんなことを思いながら、レムレースが目の前に並ぶ食事へと手を伸ばす。
何気ない仕草だった。
ぴんと伸びた背筋。
箸に添えられる指先。
料理を取って、受け皿へと運ぶ仕草。
それは、彼にとって普通なのかもしれない。
けれど香奈はレムレースの所作の美しさに目を奪われた。
「……綺麗ね」
ぽつりと漏れた言葉に、レムレースが手を止めた。
「綺麗?」
「レムの――」
香奈がレムレースを一度見つめたあと、そっと視線を流すように外した。
「レムの食事中の所作が」
「そうか?」
所作を美しいと思ったのは事実だが、それと同時に――。
わずか、香奈が沈黙したことには気づいていないようで、レムレースが意外そうに自分の手元へと目を向けた。
「姿勢が良くて、マナーがしっかりしてて、見てて気持ちいいというか」
「まあ、幼少から厳しく躾けられてきたからな」
身に染みついた、というのはまさにこのことだ。
「こっちも背筋が伸びる思いね」
香奈も、レムレースに倣って背筋を伸ばした。
「……あたし、釣り合ってるかしら……」
所作ひとつ。
けれど、その完璧ともいえる彼の所作に、香奈は一抹の不安を禁じ得なかった。
「心配しなくても、マナーくらい俺が教えるし、香奈ならすぐにできるようになる」
そんな香奈の不安を、レムレースの一言が払拭していく。
「本当?」
「ああ」
「レムのコーチなら安心ね。厳しそうだけど」
そういうと、レムレースは曖昧な笑みを浮かべた。
「今は俺しか見ていないんだ。変にかしこまったりしなくても誰も笑ったりしない」
「ふふ……、そうね。ありがとう、レム」
安堵したように柔らかな笑みを浮かべた香奈は、料理へと箸を伸ばす。
「それに……俺はありのままの香奈を好いているのだから」
香奈の手が止まった。
レムレースへと目を向ければ、白々しいほどわざとらしく咳払いをして、視線を逸らしている。
自分で言ったはずの言葉に、彼が照れているのは明白だった。
「み、見ろ。夜景が綺麗……」
そんなレムレースに微笑んで、香奈は彼の隣へと移動すると、そっともたれかかった。
「うわっ!?」
「ふふっ」
「香奈、こんなところで……」
「あら、さっきあなたが言ったのよ。今は俺しか見てない、って」
悪戯っぽく反芻するように先ほどの言葉を口にする。
「だからもう少しこのまま……いいでしょ?」
「ああ……」
そっと香奈の肩を抱いたレムレースは、狂おしいほど甘く囁くように吐息を零す。
「時間の許す限りこうしていよう」
――今日が終わっても、またこのぬくもりに触れることはできるのだから。
メリーツリーの下ではやむを得ず離した身体は、再び寄り添ってぬくもりを分け合う。
指先が絡み、胸の内側までをも温めるような愛しい人の体温。
見つめ合えば、言葉はいらなかった。
凛とした、心地良い静寂が辺りを包む。
「レム、見て。雪が降ってきたわ」
その静寂の中、香奈の静かな声がゆっくりと波紋を広げるように落ちた。
「綺麗……」
雪景色の中を舞い始めた雪に目を向ける香奈を、レムレースはそっと引き寄せる。
「雪に嫉妬をしてしまいそうだ」
このぬくもりが、雪に取られてしまいそうで。
そんな声にならなかった声を察したのか、香奈は穏やかに笑みを浮かべる。
照れくさそうに笑みを返すと、レムレースは香奈の身体を、壊れ物を扱うようにそっと、優しく抱き締めた。
包む静寂に伸びる影がゆっくりと重なり、交わっていく。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 真崎 華凪 GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2016年12月18日 |