【夏祭り・鎮守の不知火】疾風迅雷(青ネコ マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

 速く。激しく。
 そう、風よりも速く、雷よりも激しく。
 ひたすらに速く、激しく。


 隣にあった荷物が、ドガンッと音を立て、空の彼方へ蹴り飛ばされる。
 持ち主は一瞬の出来事にぽかんと遠ざかる自分の荷物を見守った。
 だってこんな、いきなり蹴り飛ばされるなんて、そんな馬鹿な。
「ざまぁみろ人間がぁ!!」
 信じられないけれど、紛れも無い現実。それを裏付けるかのように蹴り飛ばした者がゲラゲラと笑う。
 そしてようやく我に返った持ち主が、怒りも露わに「ふざけるな!!」と怒鳴れば。
 蹴り飛ばした者は一瞬にして消え去る。
 鎮守の森へと疾風の如く。
 微かに捉えたその姿は、毛むくじゃらの大きな猿のような妖怪。
 その妖怪の名は、異獣。

「あんな奴じゃなかったんですけど」
 妖狐が苦々しくA.R.O.A.職員に告げる。
 祭り会場のいたるところで、異獣による被害が出ている。
 異獣とはそもそも人にも特に害のない妖怪だった。
 山の中へ人が紛れ込んだ時、人の食べ物を物欲しそうに見つめ、人がそれを異獣に与えれば、異獣は恩返しとばかりに人の荷物を里まで運ぶ。そうして人が礼を言う隙も与えず疾風の如く山へと帰る。
 そんな妖怪だ。
 むしろ人とは穏やかな縁の妖怪だ。
 穏やかな縁の妖怪、だった。
「この数十年、人が荷物を下ろした隙に蹴り飛ばしたり投げ飛ばしたり、とても取りにいけないほど遠くへ捨ててしまうんです」
 何があったのかと、逃げる前の一瞬、妖狐が問えば。

『毒を与える人間など、最早信用できぬ。視界に入れたくない。消えればいい』

 そう言って鎮守の森へと消えていった。
「あいつに何があったか知りません。けど、ここまで祭りを邪魔されたらもう放っておけない」
 捨てきれない疑問と抑えられない怒りで妖狐は拳を握り締める。
「お願いです、あいつを止めてください。止められないなら……いっそ」
 今は歪んでしまった鎮守の森の深く、一番高い木の上に異獣はいるという。
 ウィンクルムがトランスすれば時空の歪んだ鎮守の森には入れる。勿論、祭り会場でわざと荷物を置いて誘い出すのも手だろう。
 手段は問わない。
 祭りの成功の為に、これ以上被害が出ない為に、一刻も早く異獣の蛮行を止めてほしい。


 速く。激しく。
 そう、風よりも速く、雷よりも激しく。
 ひたすらに速く、激しく。
『ごめんね、もうお前と会うことは出来ないの』
 せせら笑え。自分に毒を盛った人間のように。
『化け物め、これであの娘は解放される、私のものになる!』
 全て捨てろ。裏切られた悲しみも、それでも尽きぬ愛しさも。
 ひたすらに速く、激しく。
 この憎しみをぶつけて壊せ。
 次に蹴り飛ばすのは、投げ飛ばすのは、荷物ではなく―――。

解説

●目的と成功条件
・異獣の蛮行を止める
 手段も生死も問わず、とにかく蛮行をやめさせればいい

●異獣
・本来は食べ物を与えてくれた者の荷物を運び、運び終えると風のように消える妖怪
・今は人の荷物を取りにいけないほど遠くへ捨てている(取りにいけたとしても壊れてる)
・毛むくじゃらの大きな猿のような姿で、言葉による意思の疎通は取れる
・脚力と腕力が強く、逃げられたら追う事は出来ないし、殴られたり蹴られたら骨を折るどころか吹き飛ばされる
・住処としているのは鎮守の森の奥にある、一番高い木の上
・昔、人間に毒を盛られたらしい
・被害に遭っているの、は身なりのいい高価そうな荷物を持った男が多いとか……?


ゲームマスターより

夏祭りです。
平和で楽しい祭りを続けるためにも、一刻も早く異獣の蛮行を止めてください。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

初瀬=秀(イグニス=アルデバラン)

  手分けして数十年前の事件の調査
娘との関係や毒を盛られた件について調べ
説得の際の参考に

異獣に対しては説得して穏便に蛮行を止めさせる方向

いい身なりで祭会場を歩き気を惹き外れた場所で荷を下ろす
荷物を蹴り飛ばされても怒らずに平然と
お前が異獣か?随分頑張って運んでくれたな

逃走したらトランスして鎮守の森の住処まで追いかけ

見つけたら再び声掛け
よう、探したぞ?
聞いた話じゃ食べ物の礼に荷物運んでくれるんだろう?
前後になっちまったが……
(荷物から包みを取出し)
うちで出してるフレンチトーストだ。味は保障するぞ
……話、聞かせてもらってる
俺も料理人だ、てめえの料理に毒入れるような真似は
プライドにかけてやらん
飯、食おうぜ



羽瀬川 千代(ラセルタ=ブラドッツ)
  ただ異獣を止めるだけじゃ、きっと遺恨が残るだろうね
俺たちの知らない事、異獣も知らないかもしれない事
全部調べて、伝えてみよう

異獣に対する評判と実際に何が起きたのか調査し、事実を伝える

妖狐さんに様子が変わる前の異獣と関わりのあった人物・場所が無いか尋ねる
情報を元に関連のありそうな村里へ向かい、お年寄りを中心に聞き込み
「荷物を運ぶ、猿のような妖怪について何かご存じですか?」
異獣豹変の事情を知る人が居れば事の詳細を尋ねる

他のウィンクルムと合流後に情報共有
祭り会場で誘き出す旨を妖狐さんに伝え、人払いをお願いする
囮役から距離を取りつつ後ろから付いて行き周囲を警戒
戦闘になってしまった時はすぐに後退する


信城いつき(レーゲン)
  前準備:妖狐に数十年前行っていた場所や人について聞き、手分で情報収集
※同時に過去異獣襲われた人がいないかも調べてもらう
知人の娘さんに話をして当時の事情や伝言(また当時の持ち物など)を預かる

祭り開始前に集合し情報交換

(異獣に襲われた人がいない事を確認前提で)あえて囮荷物のすぐそばに立つ
まだ人を嫌いになりきれてないなら、俺をかわし荷物だけ攻撃するはず

レーゲン反対するよね。一歩間違えば大怪我だ。
でも信じてみたいんだ。
信じて欲しいなら、俺たちが信じないと
だからぎりぎりまで撃たないで。

みんな異獣を倒したいのでなく元の異獣に戻って欲しい事、娘さんの話を伝え、説得しよう

解決したら異獣と祭りのご飯食べようね



アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
  犯行には事情が有りそうだな…

◆行動
昔異獣に毒を盛った男を付きとめ、その男を懲らしめて謝らせることで人間としてのケジメを異獣に示す
⇒異獣との関係修復を図り、祭の食べ物を共に食べたい
*その際、昔異獣が恋した娘が生きており現場に居たら、2人の再開もお膳立てしたい

◆補足
身なりの良い男の手掛りから付近の名家の情報を集め、妖怪と交流していた娘と付き合ってた男を特定
聞き込みと婚姻届等の資料検索で裏を取り、男に会おう

単刀直入に「貴方が異獣に毒を盛ったせいで他の人間達が被害を受けている」と説明
否定されたら「ならば異獣に会った無実を証明してくれ」と会わせる流れに誘い込む

それとも被害者達に貴方の事を話そうか?(くす



セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  トランスして、鎮守の森に入るぜ。
異獣の事情を正しく知らないと駄目だろ。
妖狐からの又聞きじゃなく本人から話(思っている事)を聞きたいぜ。
祭りで迷惑行為してても、異獣の事情も解らず一方的に止めろとも言えないじゃん。
人そのものへ危害は加えていないから、オレ達も異獣を傷つける事はしない。
先に人間側が悪い事したなら謝るのが筋ってものだしさ。
ても、人を信用していないようだから話は自分が聞くってラキアが言い張るので、直接交渉はラキアに任せる。
携帯電話などで他の皆に事情が判れば手早く知らせたい。
出した携帯蹴飛ばされたら「突然荷物出してゴメンよ」と謝るか。
修理代は痛手だが異獣はもっと痛い目に遭ったんだもんナ。



■違和感
 依頼内容を聞いたウィンクルム達はすぐには動き出せなかった。
「なんでしょうね、不思議な話です」
 ぽつりと『イグニス=アルデバラン』が呟く。それに対し彼の神人である『初瀬=秀』も、そして他のウィンクルム達も神妙な顔になる。
「本当に人が嫌いなら異獣さんの力ならどうとでもできたでしょうに。今も、昔も」
 イグニスの発言に誰も反論しない。皆、異獣の行動に違和感を覚えたからだ。
「毒を盛った人間を恨むというのは分かるが、何故当人の元へ直接行かずに他の人間へ当たり散らす? 人間の区別が付かないのか、それとも……」
『ラセルタ=ブラドッツ』が違和感を具体的に形にすれば、『アキ・セイジ』がそれに続く。
「犯行には事情が有りそうだな……」
 妖狐達からの依頼は異獣の蛮行を止める事。きっと力づくで止めても依頼達成には何も問題はないだろう。けれど。
「異獣の事情を正しく知らないと駄目だろ」
 納得のいかない顔で『セイリュー・グラシア』が言えば、それをきっかけに皆が顔を上げる。為すべき事を考え始める。
「ただ異獣を止めるだけじゃ、きっと遺恨が残るだろうね」
 決心したように『羽瀬川 千代』が言う。
「俺たちの知らない事、異獣も知らないかもしれない事。全部調べて、伝えてみよう」
 ウィンクルム達は頷き、まずは手分けして情報収集に動き出した。


■情報収集 ―妖狐―
 依頼を持ってきた妖狐に、もっと詳しい話を聞いてみようと動き出したのは『信城いつき』と相棒の『レーゲン』だ。
「数十年、人の荷物を遠くにやってたんだよね? 本当に荷物だけだったのかな」
 異獣が荷物ではなく人を襲った事はないのか。いつきはそれが気になっているようだった。
 二人は妖狐の元へと行き尋ねる。
「待ってください、なにしろ数十年の間の事で、被害も多くて……」
 尋ねられた妖狐が過去の苦情を、今までの被害状況をもう一度確認する。
 そして調べた結果に、自身も驚きながら伝える。
「ありません。あいつ、人は襲ってない……!」
 それを聞き、いつきとレーゲンは顔を見合わせる。
 まだ救いがあるかもしれない。そう思いながら、いつきは一つ思いついた。


■情報収集 ―発端―
 異獣の言った『毒を与える人間』を調べようと動き出したのはセイジと相棒の『ヴェルトール・ランス』、そして秀とイグニスだ。
「被害に遭うのが身なりのいい男ばかりなら、多分そういう奴に毒を与えられたんだろう」
 セイジの発言にそれぞれが近くの名家の情報を集めようとする。
「けど、どう聞けばいいんだ? 数十年前の事なんてそうそう話に残って無さそうだけど……」
 ランスが言う。特に悪事ならば隠されがちになる。
「色んな人から話を聞けば、何とかなるんじゃないでしょうか?」
 名家だけでなく、その周辺に住む人々にも。
「そうすればまた違った印象の話も聞けると思うんです。もしかしたらこの辺りの人々には異獣さんは恐怖の対象で、毒を盛った人が英雄になってるかもしれません。あくまで可能性の一つですけど……」
 考えながらのイグニスの提案に皆納得し、セイジ達は名家を、秀達は名家の周辺をあたる事になった。

「数十年前に、妖怪と関わりがあった方はいらっしゃいませんか?」
「この辺りで数十年前に妖怪による事件はありませんでしたか?」
「毛むくじゃらの妖怪です、それを退治した方はいらっしゃいませんか?」
「荷物を運ぶ妖怪なんですが、噂でも何でも聞いたことはありませんか?」

 質問の形を色々と変えて様々な人に尋ねていき、そしてどちらも一つの事件、二人の人物に辿り着く。

「あそこの家が昔妖怪退治をしたって噂があったらしい」
 セイジがすぐ先の豪邸を指差しながら報告すれば、秀も掴んだ情報を話す。
「こっちはあそこの家に嫁いだ娘が妖怪と仲が良かったって話だ」
 そうして詳細をつき合わせていけば、一つの推測が出来る。
 昔、異獣と交流があった娘がいた。その娘と異獣の仲を絶つ為に、夫が異獣を退治、つまり毒を盛ったのだ、と。
「後は単刀直入に『貴方が異獣に毒を盛ったせいで他の人間達が被害を受けている』と説明すれば、何らかの反応が取れるんじゃないか」
 セイジが言って、四人は問題の家へと向かう。
「ごめんください」
 呼び鈴を鳴らし、数十年前の妖怪退治について話が聞きたい、とはっきりと告げれば、暫く時間を置いて重厚な木の門が開く。
「お待たせしました。妖怪退治の話とは、一体どういう事でしょうか」
 現れたのは、不審げに眉を顰めている身なりのいい男だった。


■情報収集 ―人々―
 そもそもこの地において、異獣とはどんな存在だったのか。今は、どんな存在になっているのか。
 それを調べたのは千代とラセルタだ。
「異獣は何故毒を盛られたのか知らないと思う」
 それは千代達にもまだ分からない。だからこそ知らなければならない。異獣に伝える為に。
 千代達は妖狐から以前異獣がよく関わっていた場所を教えてもらい、そこへ老人を中心に聞き込みを始めた。
「ラセルタさん、何か逆に怪しいよ」
 ローブを羽織って角と尻尾を隠したラセルタを見て、千代は思わず笑う。
「会うのは年寄りが中心だろう。妖怪やらオーガに間違われでもしたら面倒だからな」
 仕方ないと短く息を吐く。とはいえその工夫は正解だったようで、辿り着いた場所でラセルタは旅人か何かと思われ、警戒されることはなかった。
「荷物を運ぶ、猿のような妖怪について何かご存じですか?」
 千代達が尋ねてまわると、老人達は快く答える。

「ああ、そりゃ異獣だな。昔はこの辺りにもいたんだよ」
「別に怖い妖怪じゃないよ、食べ物あげなきゃなんないけどね」
「突然現れるからもう怖くて怖くて」
「有難いって思ってる人が多かったと思うよ」
「でもねぇ……今はもう見ないのよねぇ」
「確か、あそこの家が奥さんが付きまとわれてて、それで追っ払ったんだったかなぁ?」
「おかげでスッキリしたわぁ」
「そこまでしなくてもよかったのにって皆言ってたよ」
「元気でやってんのかなぁ」

 老人達は語る。詳しくは知らなくとも、自分の見聞きした事と自分の考えを常識として好き勝手に語る。自由に語る。
 語られる中で分かる事は。
 異獣はかつて、この地域で受け入れられていた。奇妙な隣人として、つかず離れずの距離を保ち、その存在は受け入れられていたのだ。

「もう一度会えるもんなら会ってみたいんだけどなぁ」

 そしてそれは、きっと今も。


■情報収集 ―異獣―
『滅せよ』
 セイリューがインスパイアスペルを唱えて『ラキア・ジェイドバイン』の頬にキスをする。そうしてトランス状態になった二人は鎮守の森に入っていく。
 異獣本人から話を、思っている事を直接聞きたい。そう考えたのはこの二人だ。
「祭りで迷惑行為してても、異獣の事情も解らず一方的に止めろとも言えないじゃん」
「うん、異獣の話をちゃんと聞いた方がいいと思う」
 毒を盛られた事は事実なのだろう。それが故意なのか事故なのか。どんな理由なのか。それは分からないけれど。
 毒を盛られた、だから人を嫌っている。それは判る。
 けれど、それならば何故人を攻撃しないのか。
「人そのものへ危害を加えていないなら、オレ達も異獣を傷つける事はしないでおこうぜ。先に人間側が悪い事したなら謝るのが筋ってものだしさ」
 セイリューが言い、ラキアが頷く。
「人を信用していなくても、ファータの俺なら、少しは話を聞かせてくれないかな?」
 直接交渉は俺がやるよ、と言い張るラキアに、セイリューはニカッと笑い「任せた」と言った。
「着いた、一番高い木」
 上を見上げてみるが、そこに生き物の気配はない。異獣は今はここにいないようだ。
 と、その時。

 ―異獣のところに人が来た。精霊が来た。人が来た。
 ―異獣がまた毒を飲まされる。毒を飲まされる。憐れ憐れ、毒塗れ。

 二人の背後から、げらげらと笑い声が聞こえてくる。
 後ろを振り返れば、木々の上に赤ら顔に赤い毛を纏った生き物が数匹。猩々だ。
「何か知ってるのか?!」
 セイリューが思わず声をあげる。しかし、猩々達はまともに答えない。

 ―ああ怖や。異獣はきっと人を蹴る。今度こそきっと人を蹴る。
 ―二度も毒を飲めばもう無理だ。憐れ憐れ、全てが怖い。

 げらげら笑いながら、猩々達は木々を渡って遠くへ行ってしまった。
「……怖い?」
 セイリューとラキアに小さな引っ掛かりを残して。


■誘いと試し
 セイリューとラキア以外のウィンクルム達が祭り会場に集まる。
 そしてそれぞれが集めた情報を共有し、その結果決めた事は異獣の退治ではなく、異獣との話し合い。説得。
『異獣はこっちにはいないから、多分そっちに向かってるか、もういると思う』
 セイリューからの電話はブツブツと電波が切れてはいたが、何とか内容は伝わった。
「よし、誘い出すぞ」
 妖狐から借りた上品な服を着込み、大きめの鞄を持った秀が皆に言えば、それぞれ秀と離れて他人のフリをし、歩き出した秀の後をつけていく。
 祭り会場を一周練り歩き異獣の気をひいて、そしてこの小さな空き地へ誘き寄せる計画だ。妖狐からの協力も得て、既に人払いは済んでいる。
 あとは、異獣が秀に目をつける事を祈るだけだ。
 祭り会場を歩く。ゆっくりと、目立つように歩き続ける。異獣の姿は誰も確認できない。それでも何処かで見ていることを信じて、歩いて、そしてまたもといた空き地へと戻ってきた。
 そうして秀は、いかにも休憩といった体で、木陰近くの大きな石に腰を下ろす。鞄を、横において。
 精霊達は武器に手を添え、いつでも攻撃に移れるように構えて隠れている。神人達も同じだ。
 いや、いつきは秀に隠れるように潜んでいる。
『あえて囮荷物のすぐ側に立つよ』
 人が襲われた事はない。それが分かった時からいつきは囮ともまた少し違う、試しになろうと考えていた。
『まだ人を嫌いになりきれてないなら、俺をかわし荷物だけ攻撃する筈だよ』
『そんなの、絶対反対だよ!』
 レーゲンが叱るように反応し、他のウィンクルム達も危険だと反対した。
『うん、そうだよね。一歩間違えば大怪我だもんね』
 皆の心配を受け、それでもいつきの決意は揺るがない。
『でも信じてみたいんだ。信じて欲しいなら、俺たちが信じないと』
 自分が荷物の側にいる事で、異獣の躊躇いになれば、そしてそこから話し合える状態になれば。
『だからぎりぎりまで撃たないで』
 大丈夫、レーゲンと皆を信じてるから。
 笑顔でそう言われて、レーゲンを筆頭にウィンクルム達は仕方なく承諾した。
(……本当に駄目と判断したら威嚇射撃しよう。人を襲った経験がなくても現在もそうとは限らないし)
 レーゲンにとっては、異獣などよりいつきの方が大切な存在なのだから。
 緊張の中、ウィンクルム達は待ち構える。
 そしてその時は来た。
 瞬間、風が鳴った。物凄い速さで何かが近づいてきた。
 異獣。
 毛むくじゃらの塊が小さな空き地に現れ、秀の背後に回りこむ
 秀の足元においてある荷物、それを蹴り飛ばそうと風の如く近寄り、足を後ろへ振り上げ。
 そこへ、秀の影から一人姿を現した。
 異獣が荷物を蹴り飛ばそうと思っていたその方向に、いつきが。

 ―――初めて会ったは十五の頃であったか。

 異獣は蹴り飛ばす体勢になっていた自分を無理矢理止める。
 そして警戒するようにバッと飛びのき、秀と、そしていつきと向き合う。
「お前が異獣か? 随分頑張って色んな奴の荷物を運んでくれたらしいじゃねぇか」
 秀が立ち上がりながら言うと、異獣はぎしりと音が聞こえるほど強く歯を噛み締め、そして現れた時と同じように、風を切って逃げ出した。
 鎮守の森へと。


■風よりも速く
『もしもし! 聞こえるか?! 異獣がそっちへ行った!! 気をつけてくれ!!』
 セイリューは携帯電話から秀の声を聞いた直後、ラキアがシャインスパークを発動させた。
 鉄製の杖クォータースタッフが光り輝く。その瞬間をまともに見たセイリューが眩しいと思った直後、少し離れたところでザザッと地面を擦る音がした。異獣が既にここへ来たのだ。
「目晦ましなんて、一瞬だけだよ」
 ラキアが警戒しながら小さな声で言う。
 仲間達はまだ来ない。ならば、二人だけでどうにかしなければ。
「……話がしたいんだ」
 ラキアが手に武器を握ったまま切り出す。少しでも時間を稼げるように。異獣の事をより知る為に。
「人に酷い事をされた、その事情を聞かせて欲しい」
 答えはない。数秒の沈黙の末に出てきたのは、警戒するような唸り声。
「それが人の倫理的にも良くない事なら、罪は罪として、その人に償わせなくてはならない。泣き寝入りする事は無いんだよ」
 ラキアは続ける。異獣は唸り続ける。
「残念だけど、全てが善き人ばかりではない。でも、信頼に値する人間は他にもいると解って欲しいんだ」
 ラキアはなおも続ける。と、ここで唸り声が途切れた。
「…………知っている」
 低く、掠れるような声で異獣が答えた。
「知っている。だからこそ、分からない」
 簡潔すぎて内容を掴みきれない答え。けれど、答えてくれたことで次へ繋げられる。
「分からないって、何が?」
 ラキアが問うが、また答えが途切れる。が、今度は唸り声も出てこない。
 沈黙が続く。そこへ、足音が近づいてくる。
「……よう、探したぞ?」
 言ったのは秀。現れたのは異獣を追いかけてきた者達。ウィンクルム達が全員揃った。セイリューとラキアはほんの少しだけ緊張を解く。
「人が嫌いでも、人を蹴飛ばすほど憎い訳じゃないんだよね」
 もう一度ラキアが問いを、いや、会話を再開させる。そこへイグニスが続く。
「異獣さんが嫌いなのは本当に『人間』なんですか?」
 ぴくり、異獣が肩を弾ませる。それをラセルタは見逃さない。
「お前が嫌いなのは何だ? 人間が嫌いなら荷物ではなく人間を蹴るだろう。だがそうはしなかった。何が嫌で何が不満なんだ。言え、聞いてやる」
「私は、私達は異獣さんの事を信じてます。荷物蹴っ飛ばしても人間蹴っ飛ばしたりしませんでしたから。嫌な思いを、哀しい思いをしたと聞きました。だけどもう一度。チャンスをくれませんか?」
 畳み掛けるラセルタと、手を差し伸べるイグニス。
 異獣はぐるりと十分の周りを囲むウィンクルム達を見て逃げられぬと悟る。

 ―――次に蹴り飛ばすのは、投げ飛ばすのは、荷物ではなく人だと、そう思っていたのに、何故いつまでもそれが出来ぬのか。

「分からない」
 異獣の呟きに、ラキアが先程と同じ問いを重ねる。
「分からないって、何が?」
「何もかもが」
 諦めたように、異獣が言った。
 異獣は思い出す。かつての日々を語りだす。
 優しく美しかった娘。十五で出会い、よく山に遊びに来ては美味しい飯をくれた。
 娘の結納が決まった。住む場所も変わる。娘はこの先、ただ一人の為に生きるのだ。それが人の世の仕組み。娘が『もう来れない』と言った時も、ならばそうなのだろう、と受け入れた。
 それなのに、娘の夫となった男は自分が気に食わなかったのか、娘に頼まれたと言って飯を持ってきた。娘の匂いが欠片もしない、毒入りの飯を。
 娘は愛しい。男は憎い。けれど二人は夫婦となり、幸せそうに寄り添っている。
 そして食事が毎日山へと運ばれる。食事からは娘の匂いも男の匂いもする。
 これは恵みか、それとも毒か。
 分からない。何もかも分からない。
 何故娘はあんな男と寄り添える。何故男は娘にあんなにも優しくなれる。何故食事は此処へと運ばれる。
 分からない。人が分からない。己が分からない。
 この絞られるような苦しさは何だ。
 憎いのに、愛しいのに、苦しめたいのに、笑って欲しいのに、食べたいのに、食べたくないのに。
 分からない。答えの分からぬものなど信用できぬ。人間など、食べ物など、何も、何も信用できぬ。
 中身が見えぬ荷物の中に何があるのかなど、もう考えたくもない。視界に入れたくない。消えればいい。
 消してしまえば、いい。
「怖かった。中が見えぬ荷物が。自分への毒なのか恵みなのか分からない荷物が、ただ怖かった」
 蹴り飛ばし、視界から消したいのは。
 人ではなく、荷物そのものだったのだ。
 語り終えた異獣に、ウィンクルム達は静まり返る。
 セイリューとラキアはそっと納得する。『怖かった』という事に。
「……毎日運ばれてきたご飯には、手をつけてなかったんだな」
 確認するように口を開いたのはセイジだ。
 こくりと頷いた異獣を見てから、セイジが更に口を開く。
「毒は入ってなかった」
 その言葉に、異獣が毛に埋もれて見えない目を見開いた。
「お前の言う娘の嫁いだ家に行った。そこから出てきたのは誰だと思う? 娘と男の孫だ」
 ランスが言う。さっき会った人物の事を。
 そしてその人物から聞いた話を、預かってきた言葉を、セイジが言う。
「男が最初に毒の飯を渡したのは、確かにお前を追い払う為だったらしい。お前と娘の仲が嫌で。けれどそれはすぐに娘にばれたそうだ。二人は大喧嘩の末、分かり合っていこうと歩み寄り、夫婦の絆を深め、そしてお前へ食事を運ぶようになった。娘はただ好意ゆえに、そして男はお前への贖罪ゆえに」

 だからずっと、毒は入ってなかったんだよ。

 ずっと、お前への謝罪と愛情が込められた食事だったんだよ。


「娘さんも男も、もう亡くなっていた。会いに行くなら墓参りだ」
 セイジの話の最後に、異獣は更に目を丸くして全身を粟立たせた。けれど異獣は動かない。呆然としているようだった。
 そんな異獣へレーゲンが口を開く。
「さっきはいつきを襲わないでくれてありがとう」
 異獣はのろのろとレーゲンへと顔を向ける。年若いいつきと娘を重ね合わせた事は言えず、異獣はただ俯く。
「これ以上苦しんでほしくない」
 レーゲンの言葉に千代も続く。
「美味しいものを沢山食べて、また昔のような異獣さんに戻る事は難しいかな」
 人々はきっと元の異獣を受け入れてくれるだろう。それは既に調べて分かっているのだから。
「聞いた話じゃ食べ物の礼に荷物運んでくれるんだろう? 前後になっちまったが……」
 ずっと聞いていた秀が蹴られなかった荷物から包みを取出す。
「うちで出してるフレンチトーストだ。味は保障するぞ。俺も料理人だ、てめえの料理に毒入れるような真似はプライドにかけてやらん」
 言いながら異獣へゆっくりと歩み寄る。そしてサイコロ状に切られたフレンチトーストの一つを口に含んでみせる。毒はないのだと証明する。
「飯、食おうぜ」
 笑顔で異獣にフレンチトーストを差し出した。
 異獣はしばしじっと秀を見て、差し出されたフレンチトーストを見る。
「ね、一緒にご飯にしましょう? 秀様のフレンチトーストおいしいですよ!」
 目を輝かせて語るイグニスにつられるように、ウィンクルム達も異獣へと近づき「祭りのご飯食べようね」「たこ焼きなんかもどうだろう」等と語りかける。
 そうして決心をした異獣が、ウィンクルム達に囲まれながら、フレンチトーストを一欠けら。
「…………美味い」
 食べた欠片の代わりに零れた素直な感情。
 ウィンクルム達がワッと歓声をあげ、自然と笑顔になる。
 異獣はその笑顔に娘の笑顔を思い出す。
 ほんの少し前に見たつもりなのに、もう見る事の叶わなくなってしまった笑顔。記憶の中だけの、大切な。
「……人の時間は、あまりにも速く、短いのだな」
 ぽつり、異獣は呟き、ぽろり、一粒涙を零した。
 そして瞬く間に棲家としている高い木へと登ってしまった。
 姿の見えなくなった異獣を、それでもウィンクルム達は木を見上げて探す。
「もう人の荷は襲わない。恐れない」
 声だけが響く。晴々とした淋しげな声が。
「……久方ぶりの飯は美味かった。感謝する」
 けれど同時に満たされた声がその場に響き。そして大きく風が鳴る音がして。
 もうそこには何もいなかった。


 異獣による被害はなくなった。
 代わりに、昔と同じように、ごく稀に山の中で異獣を見かける者が出るようになる。
 食べ物を与えると荷物を運んでくれ、最後は風のように消える。そういう昔からの異獣を見かける者が出るようになる。
 そうしてある家の墓の前は、いつでも山の幸が置かれるようになる。



依頼結果:大成功
MVP
名前:初瀬=秀
呼び名:秀様
  名前:イグニス=アルデバラン
呼び名:イグニス

 

名前:信城いつき
呼び名:いつき
  名前:レーゲン
呼び名:レーゲン

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 青ネコ
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル イベント
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 08月11日
出発日 08月18日 00:00
予定納品日 08月28日

参加者

会議室

  • [8]信城いつき

    2014/08/17-23:12 

    プラン提出完了。あー文字数苦戦した……

    返事できなかったけど、秀が囮役する前提でプラン書いたよ
    (荷物置く場所の周辺は立ち入り禁止にして人よけもプラン入れてる)
    レーゲンの銃は、異獣が人に危害を加えるまでは撃たない
    (それまでは異獣を刺激しないよう銃はとり出さない)
    撃つ時も威嚇で異獣には当てないスタンスでいくよ

    無事に解決できて、みんなと祭りたのしめたらいいな

  • [7]アキ・セイジ

    2014/08/17-10:32 

    アキ・セイジだ。
    皆宜しくな。

    「結婚予定の娘が妖怪と懇意にしていたから、妖怪の性質を利用して殺してしまおうと考えた男が居た」ということなのかな。
    まあ、妖怪殺しは殺人ではないから心のハードルは低いのかもしれないが。

    ただしPC情報としてはすぐにはそこに辿り着けない。
    なので俺は当時の娘(今は婆さんまたは死んでる)を手掛りに男の方を捜してみよう。

    「同族が犯した罪は、同族として懲らしめて償わせる。」
    その姿勢を異獣に見てもらう事で、ケジメとしたい。

    反抗が荷物を飛ばす程度なのに俺達が激しく攻撃するのは、関係修復のマイナスでしかないから、異獣への危害は加えない。
    蹴られるのが人間の首で、首が物理的に飛ぶような事が有れば仕方ないが(物騒だな

  • [6]初瀬=秀

    2014/08/17-04:54 

    セイリューに、アキもよろしくな。

    【事前】
    んじゃ、娘からは今回は話聞くなりメッセージ預かるなりってとこだな。
    事前の情報収集は手分けして、でいい感じか?

    あと、接触場所。
    祭会場でおびき出してから住処に向かうのでいいんだろうか。
    必要なら俺が囮でうろつこうかと。
    祭会場で目立つように動いて、人ごみから少し離れたところで荷を下ろせば被害も抑えられるかね。
    高そうに見える程度でいいなら荷物も何とかなるだろ。
    荷物を飛ばされても怒らない、誠意を見せて仲良くしたいって姿勢を貫くつもりだ。

    という前提で、なるべく接近して話すつもりでもあるんでギリギリまで攻撃はしないつもりだ。
    説得失敗時は、イグニスが攻撃するっつってる。
    とはいえエンドウィザードは始動が遅いんで他の皆にも手間かけると思うが……

  • セイリュー・グラシアだ。今回もヨロシク。
    ちょっとだけ思った事を。長くてゴメンよ。

    切っ掛けが数十年前っぽいよな。
    数十年前の「娘さん」だろ。
    妖怪と人間は寿命とか全然違うから、
    かつての娘さんが御存命でも会わせるのはどうかな・・・とも思う。
    見た目でどうの、ってのもあまりないかもしれないけれど、
    外見とかかなり変わっているだろうし。
    精神的にも十数年前とは違うだろうし。

    でも、異獣が毒を盛られた事で人間を信用出来ないと考えたとして。
    信用できないだけなら人間と関わらないって行動にならずに、
    仕返し的な事をしているのは
    「信頼できる心根の人間は、彼女以外にも居る」
    と言う事を探しているようにも見える。
    そう考えるのは幻想的過ぎるだろうか。
    異獣の行動が人間を嫌っている・憎んでいるだけの行動には見えない。
    本当に憎んでいる・嫌っているなら、あの速さだろ。
    人間を傷つけてもいいはずなのに荷物の方を対象にしている。
    関係回復の余地があるんじゃないかなぁ。
    つまり異獣は人間全体を信じていたし、
    酷い目に遭ったけど、でも実は信じたいんじゃないかなとか。

    とまあこんな事を考えたんだけれど、
    それで今回の件はどう異獣と関わろうか考え中。
    できれば『人間とは友人付き合いしてやっても良い』
    と異獣に思ってもらえるようにしたい。

  • [4]信城いつき

    2014/08/16-14:05 

    確かに、二人が言うように娘さんについては不確定なところ多いね
    あと、異獣のスピードと攻撃力考えると もし襲ってきたら娘さんが危ないか……
    (今回は攻撃しないスタンスだから、襲いかかるのを完全に止めるのは難しそう)

    娘さんが見つかっても来てもらうのはナシで、話を聞くのと
    もしもらえれば、メッセージもらうぐらいにした方がいいかもね。
    その時に(あればだけど)思い出の品とか預かれれば、異獣も娘さん本人の話と分かってくれるんじゃなかな

  • [3]羽瀬川 千代

    2014/08/16-00:40 

    こんばんは、ご挨拶が遅れてごめんなさい。
    羽瀬川千代とパートナーのラセルタさんです。
    どうぞ宜しくお願いします。

    【過去について】
    俺も異獣を誘き出す前に情報収集を行う方向で賛成です。
    妖狐さんに過去関わりがありそうな人間や場所を尋ね、手分けをして探す。といった感じでしょうか。
    一つ思ったのですが、異獣の被害が出始めたのは数十年前からなのでしたね?
    件の娘さんの年齢は明記されていませんが、既に会場の近くには居ない可能性もあります。
    鎮守の森には連れて行かない前提で話を進めた方が安全…だと思います。

    【異獣について】
    俺もいつきさんたちと同じくガンアサルト装備で行くつもりです。
    撹乱と逃亡防止に貢献出来たら、と。
    また、説得する方向で臨みますが念の為俺は後衛に居ようと考えています。

    もし娘さん、もしくは事情を知っている方と会わせてあげられるのなら、祭り会場での誘き出しに賛成です。
    勿論その場で話が決裂する可能性もありますし、多少の人払いは必要かもしれません。

    全てが無事に終わったときは、皆で祭りを楽しめたらいいですね。

  • [2]初瀬=秀

    2014/08/15-01:25 

    こんばんは。初瀬と相方のイグニスだ。
    千代は前回ぶり、いつきは初めてになるかね?よろしくな。

    【過去について】
    そうだな、ともかくその数十年前の毒を盛られた云々の情報収集か
    毒の件は伏せといて、最初は異獣と娘の関係とかから娘への横恋慕?辺り引っ張り出せたらな、
    と思う。
    娘に関しては博打の面が強いかな……異獣の感情を引き出す効果はありそうだが
    変にこじれるようなら連れて行かないのも手だな。

    【異獣について】
    そうだな、できれば俺らも説得で済ませたい。
    スキルは命中・回避低下の霧の予定だがまあこの辺は相談だな。

    場所は鎮守の森が安全だろうな……
    会場で一旦おびき寄せて、少し話したところで多分逃げるだろうから後を追って森へ、とか?
    それなら娘の方も会場で話ができるかな、と。

    ん、無事に蛮行止めさせられたらちゃんと毒の入ってないもん食わせてやりたいな。

  • [1]信城いつき

    2014/08/14-12:58 

    こんにちは!信城いつきと相棒のレーゲンだよ。どうぞよろしく!

    今回の件はやらなきゃいけないのは
    「数十年前に何があったかを調べること」と「異獣の蛮行を止めること」
    になってくると思うので、今俺たちが考えてること書いてみる

    【過去について】
    「数十年前」「人間に毒を盛られた」という情報はあるから、
    妖狐あたりに、数十年前によく行ってた場所や人間に心当たりがないか尋ねてみたら
    PL情報の娘さんに近づけるんじゃないかと思う
    男の方はともかく、娘さんは異獣を嫌ってはなさそうだから協力してくれそうな気はする
    いざとなれば異獣の説得に連れていけないかなぁ……

    【異獣について】
    俺たちとしては異獣を死なせず蛮行だけ止められたらいいなと思ってる
    スキルも「ガン・アサルト」での威嚇で足止め程度の予定

    場所は、祭り会場より鎮守の森の方が周囲の危険が少ないかな
    (せっかくなので、解決できたらお祭り会場で異獣も一緒にみんなで食べたりできたらいいね)
    ただ、娘さんを連れて行く場合、ウィンクルムしか森には入れないという問題も……

    以上つらつらと書いてみたよ。
    思いつくままに書いたので、がんがんツッコンでね。よろしく。


PAGE TOP