Cross cloth.(杏乃書庫 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

「新しい洋服が欲しい……」

明日も朝からオーガ討伐がある、のだが眠る前のわずかな時間を使ってスマホを眺めていた。最近は戦うばかりでデートらしいデートに行けていない。そろそろ二人の時間を持つのも義務として生じてくる。もちろん、純粋に二人で過ごしたいのだが。

様々な見出しが並ぶ中に『おすすめ♡ファッションデート特集』と銘打たれた記事があった。開いてみるとトレンドのショップの紹介がつらつらと書かれていた。オススメはタブロスにあるショッピングモールらしい。なんでもプチプラからハイブランドまで様々なブランドが入っており、眺めるだけでも楽しい、とのこと。ありがちな記事だったが、参考になることもあるのだと感心した。相手のことを想っているからだろうか。すぐに見終わってしまいスクロールが止まる。記事の最後はこう締めくくられていた。

『お互いをコーディネートするのも楽しいのでオススメです♡』

数秒思考する時間を設けてから、無言で成程と頷く。確かに、いつもと違うあの人が見られるのは新鮮で楽しいかもしれない。自分では絶対に選ばない服を着てもらうことも出来る。この記事はなかなか有益だった。採用しよう。そんなことを思いながら、慣れた手つきでメッセージアプリを開く。

「こんど、ショッピングモールへ、洋服を買、い、に、いきませんか……っと!」
返事が来るのが待ち遠しい。既読がつくまで起きていようかと思ったが、明日が早いことを思い出す。高揚した気持ちを落ち着けながら、布団に潜り込んだ。

解説

首都タブロスにある大きなショッピングモールにてデートをして頂きます。お互いに、あるいは相手を自分好みにコーディネートしてください。どんなファッションでも構いません。想い合う気持ちが交錯する素敵な時間をお過ごしください。
洋服購入代として最低500ジェール頂きます。
購入する服により、ご自身の判断で支払い金額を提示していただけると幸いです。

ゲームマスターより

いつもと雰囲気の違う相手を見てどう出るのか、お互いの距離感はどうなるのか…という純粋な興味から企画致しました。素敵な時間を共有いただけたら幸いです。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

かのん(天藍)

  春に向けてガーデニング道具の手入れを興味深げに覗き込む天藍

一緒に暮らし始めて、天藍家の庭の手入れを手伝ってくれるのですけど、どうしても服が汚れてしまうのですよね…
天藍用の庭仕事のエプロンを買いに行きませんか?

水を弾く生地で、ポケットが多いものが便利なんです
汚れる前提なので、実用性が最優先でしょうか
色々な種類を彼の前に

折角だから手袋も専用の物を揃えましょう?
怪我をしてお仕事に差し障りが出ても大変ですし、軍手は意外と作業しにくくないです?

天藍が選んだエプロンを見て、色違いのお揃い(自分:空色、天藍:紺色)ですね、なんとなく嬉しい
早く雪が解けないでしょうか、こんなに春の庭作りが楽しみなのは初めてです


アラノア(ガルヴァン・ヴァールンガルド)
  な、何か誕生日祝いに服を買ってくれるとかなんとか言ってたけど私に合う服とかあるのかな…?(自信無い
うう周りがオシャレすぎる気が…(気後れ

こちらを観察したかと思ったらどさどさ買い与えられてあわあわ
ちょ、これ、結構高い服じゃ…!?
戸惑う間に会計が済まされ、そのまま精霊宅に連れ込まれ着る流れに持ってかれてしまった

…ガルヴァンさん、選ぶ時結構生き生きしてたな…
着る間別室待機してる精霊を想う
楽しそうだった…
買い物中の精霊の様子を思い出し、じんわりと嬉しい気持ちが広がる
…似合ってると、良いな…喜んでくれたら、いいな

最後に宝石で彩られ、鏡を見た時驚いた
わ…綺麗…可愛い
鏡越しの精霊の嬉しそうな顔に自然と笑顔に


かのん・天藍ペア
●開花の季節
 木の葉が落ち、冬真っ盛りのとある日。『かのん』は朝早くから丹念にガーデニング道具の手入れをしていた。彼女の生業はガーデナー、そして夫であり家族である『天藍』とオーガを討伐することだ。どちらもやりがいのある仕事で、かのんは誇りを持っている。愛着のある道具達を見つめながらとあることについて思案していた。
「まだ寒いのに、もう手入れをしてるんだな」
「!」
 いつの間にかそばに来ていた天藍はかのんの手元を覗き込んでいる。
「鋏にナイフに鋸……。随分いろんな形があるな」
 天藍は共に暮らし始めてから庭仕事を手伝ってくれている。ガーデニング修行の間を除いて、誰かと共に作業することはなかった。やっていることはいつもと変わらないのに自然と笑顔になれるのは、相手が天藍だからなのだろう。
「手伝おうか」
「大丈夫、もう終わります。ありがとう」
 彼の優しさがとても嬉しい。そう思っているからこそ、なにか彼のためにしてあげたい。
「天藍、提案があるんです」
 天藍は愛おしそうにかのんを見つめながら、隣にしゃがみこむ。
「なんだ?」
 かのんは天藍の方へ向き直り真剣な眼差しでこう言った。
「天藍用の庭仕事のエプロンを買いにいきませんか?」

●生業だからこそ
 善は急げということで、軽い朝食を済ませすぐに出かけることにした。かのんからの提案に驚きはしたが、確かに天藍自身も必要かもしれないと感じていた。
「確かに去年は土と水と手際の悪さが相まって確実に俺だけ汚れたからな」
「あれはあれで可愛らしかったのですけどね」
 くすくす笑うかのんにつられ天藍も笑ってしまう。
 最初の頃はかのんに指示されるがまま手伝っていた。不慣れな動作と格闘していたが、最近は作業内容もぼちぼち覚えてきた。だが、水と泥跳ねが気になり自分の作業に集中することで手一杯だった。木々の調子を見つつ、かのんと会話を楽しみながら作業ができれば理想的なのだが。
 かのんに連れられやって来たのはファッショナブルなショッピングモール、ではなくその中にある彼女御用達の園芸ショップだった。
「こんなところに店舗を構えているのも驚きだが、結構広いんだな」
「近年はガーデニング用品もお洒落になっているんです。なかなか侮れませんよ」
 と言いながらかのんは慣れた足取りで店内に入っていく。初心者向けと銘打って展示されている商品は可愛らしい配色や模様が施されたものが多く、通りがかりの目を惹いているようだった。いわゆる作業用のツナギや本格的な道具の印象を強く持っていた天藍にとっては軽いカルチャーショックとなった。思えばかのんのエプロンも実用的かつ可愛らしい空色をしている。
 勢いで買いに来たものの、いざ商品を目の前にすると疑問符ばかりが浮かんでしまう。天藍が思っていたよりも圧倒的に種類が多かった。値段もピンからキリまでだが、予算に困っている訳では無い。しかしあまり高い値段のものを買うのは違う気がする。かといって安物を買うのも……。しばらく商品棚を睨みつけながら唸っていたが、大人しくプロに助言を仰ぐことにした。
「かのん」
 様子を伺うように声をかけると、天藍の様子を見ていたかのんは微笑んだ。
「水を弾く生地で、ポケットが多いものが便利なんです」
「確かに沢山道具があるから、入れられると便利そうだ」
「汚れる前提なので、実用性が最優先でしょうか」
先ほど目にしたような小洒落たエプロンもあったが、天藍はしっくりこなかったらしく、かのんの話を聞きながら静かに頷いた。
「重いものではありませんが、首に負担をかけることには変わりないので天藍に合ったものを見つけるべきですね」
 そうなのか、という天藍の相槌を待たずかのんは矢継ぎ早に
「これでは少し丈が短すぎますね」
「あちらは少し重たく感じるかも……」
「こっちは新素材でしょうか」
「それは──」
 と、続けた。どうやらかのんのスイッチを押してしまったらしい。プロとしての知識、新商品の開拓、そしてなにより天藍を想う気持ちが暴走したようで、彼女の商品解説が一段落するのには少々の時間を要した。

●心で求めるもの
「どれも長所もあれば短所もありますが、きっとよい働きをしてくれると思います」
「とても分かりやすかった。流石だな、ありがとう」
 天藍はかのんにお礼を言い、彼女がじっくり選んでくれたエプロン達を順繰り眺める。解説する姿があまりにも愛らしくどのエプロンにも親しみを感じたが、全て買って帰るわけにもいかない。
「なにか違うんだよな……」
 頭の中に引っかかっていることがある。どのエプロンも良いと思いながらも、いまいちピンと来ないのだ。
「折角だから手袋も専用の物を揃えましょう?」
 と言って天藍の手を引いた。遠慮することなく自分に触れてくれるかのんのことを、天藍はとても愛おしく思った。日常の些細なことで自分たちは本当に夫婦なのだと改めて実感する。これで泣いてしまうほど、まだ涙脆くはないのだが。
 エプロンコーナーから少し横移動したところに、園芸用手袋がずらりと並んでいる。またかのんに解説を頼む必要がありそうだ。
「普段は軍手を着けてるが、やっぱりちゃんとしてる方が使いやすいのか?」
「怪我をしてお仕事に差し障りが出ても大変ですし、軍手は意外と作業しにくくないです?」
「布のもたつきは感じるな。指の感覚が鈍るというか……」
「指を曲げた時に圧迫されてしまうので冬場は辛いですよ」
「血が巡らないから冷えるんだな。あまり感じたことはないが、水に濡れたら凍えそうだ」
「ええ。感覚が鈍るといえば、他には長靴でしょうか。普段の足元とは変わってしまいますしね」
 木々や土の変化を見るためには五感を使う。怪我のないようにガードしつつも、はだで感触が分かる方が良いのだという。
 ぶらつきながら他愛のない話をしていると、天藍は気になるものを見つけた。
「なるほど、そういうことか」
「天藍?どうかしましたか?」
「ああ、いや。買うものが決まった」
 天藍が棚から取った商品にかのんは見覚えがあった。
「これは……私と色違いのお揃いですね」
 彼の手にあるのは紺色だが、形はかのんが使っているものと同じだ。
「さっきかのんと見ていた方にはレディースしかなかったが、こっちにメンズがあったんだ」
「……」
「本職が使っているのだから使いやすいだろうし」
 この位のお揃いはあっても良いだろう、という言葉は気恥しいので胸にしまう。
「かのん?」
 かのんは黙ったままきょとんとした顔で天藍とエプロンを見ている。心配になった天藍が顔を覗き込むとかのんは笑を零した。
「すみません、なんだか嬉しくて」
 かのんが予想以上に喜んでくれたうえ、こんなにも穏やかな笑顔を見せてくれる。それは天藍にとって何よりの幸福だった。
「早く雪が解けないでしょうか、こんなに春の庭作りが楽しみなのは初めてです」
「まだ気温は安定しないが、それでもだいぶ寒さは薄らいだからな。もう少しだろう」
「天藍、新芽を探しながら帰りませんか?きっと愛らしい芽がいると思うんです……!」
 子供のような無邪気な顔のかのんをみて、ずっと隣にいたいと強く願った。庭の木々が朽ちるよりも長く、同じ時を過ごしたい。それこそ、些細なことで涙を流すくらい年老いたとしても。
「ああ、そうしよう」
 昼時だから、食べてから帰ろう。何にしようか、そんなことを話しながら、二人は店をあとにした。

アラノア・ガルヴァンペア
●突然の申し出
 恋人でウィンクルムでもある『ガルヴァン・ヴァールンガルド』から、誕生日祝いに服を買いに行かないかと誘われた『アラノア』は、彼からの唐突なお誘いに動揺していた。というのもアラノアはお洒落をするのが苦手だった。ガルヴァンと恋人になってから、彼に釣り合うためにも可愛くなるべきなのかと散々悩んだが、今の自分のイメージを崩し落胆されるのが何より怖い。
「アラノア、体調が優れないのか?顔色が悪い」
 ガルヴァンが大きい体を曲げて不安そうにこちらを覗き込んでいる。
「あっ、ごめん、ちょっと考え事してた」
 なんでもないから大丈夫だよと笑ってみせるが、正直あまり余裕はない。大手チェーンのネットショップでいつも同じような服をポチポチと通販するアラノアにとって、家族連れがあまり近寄れないお洒落で高級そうなお店は未開の地だった。

●緊張の糸
「ガルヴァン様、ようこそお越しくださいました」
「ご無沙汰しております」
 アラノアは目の前で親しげに話す二人を他人事のように見ていた。なんだか現実味がない。店内はいかにもガルヴァンが好きそうな雰囲気だった。洋服だけでなく小さなオブジェや調度品、果てには絵画まで売られている。あまりの光景に圧倒されて呆然としていると店員が
「奥様でいらっしゃいますか?」
 とガルヴァンに訪ねている声が聞こえた。
「ああ、彼女は」
「ち、違います!!」
 緊張のあまり、声量の選択を誤った。アラノアの声が店内に響く。
「あっ、ご、ごめんなさい……」
 今度は声が小さすぎた。もうだめだ、といたたまれない気持ちでアラノアはどんどん小さくなっていく。俯いているとガルヴァンに肩をそっと抱かれた。
「……彼女は、私の恋人なんです」
 ガルヴァンの優しい声音と体温とで、ほんの少し緊張が解ける。これ以上迷惑をかけたくない。しゃんとしなくては。
「そうでしたか。気を急いてしまって、申し訳ありません。では、まずこちらへ」
「え、な、なにを」
「どうぞお鏡の前でお立ちになってください」
 鏡の前に立ってどうするのか、アラノアには全く見当もつかなかったが言われたとおりにする。鏡もおとぎ話に出てきそうな縁取りで、自分がこの中に映るのは、あまりにも場違いな気がした。店員もガルヴァンも、なんの違和感なく店舗に馴染んでいるというのに。
「ふむ」
 うだうだと思考を巡らせていると、いつの間にかガルヴァンが黙ったままこちらを見ている。この隙に冷静になろう、とアラノアが目を瞑ろうとした瞬間ガルヴァンがいなくなってしまった。
 彼が歩いていった方へそうっと歩みを進めると、ラックにかかった服たちを慣れた手つきで見ているのが目に入った。店員が隣で色々と説明をしているらしい。なんだか一人で取り残されている。二人とも綺麗だし、お似合いだなあと自傷的になってしまう。手首の大切なブレスレットに触れて心を落ち着かせる。この時間だって、私のために割いてくれている。こんなに愛されているのだから、何も不安にならなくていいのに、何故だろう?

●感覚の違い
「こちらでよろしいですか?」
「ええ、お願いします」
 試着もしていないが、もう買う服が決まったらしい。それ以前にアラノアはどんな服だったのかも良く見ていなかった。しかし、店員が抱えている服の量が異様に多いことだけは見て取れる。
 ふと、アラノアのそばにあった洋服のタグを見た。ゼロの数が多い。普段買う服より圧倒的に高い。サッと血の気が引いた。
「ちょ、これ、結構高い服じゃ……!?」
 いつものように切り替えられず、全く冷静になれないアラノアが一人で慌てているうちに会計を済まされてしまった。プレゼントされる、とはいえ、こんな額だとは聞いていない。目をしばたたかせながらガルヴァンを見ると、ふっと微笑まれてしまった。後から店員が袋を持って出てきて、ガルヴァンに手渡す。あれいっぱいに服が入っているかとおもうと気が遠くなる。
「では、これで失礼します」
「是非またお二人でいらしてくださいね」
「あっ、すみません、お邪魔しましたっ」
「またのお越しをお待ちしております」
 アラノア達の姿が見えなくなるまで店員の深いお辞儀は続いていた。

●肌で感じて
 アラノアが一人でてんやわんやしている合間にガルヴァンの家へ連れてこられてしまった。
「着替えやすそうな部屋は寝室しかなくてな」
 ガルヴァンは申し訳なさそうな顔をしていった。
「リビングにいるから、着替え終わったら見せてくれ」
 そう告げると部屋から出て言った。嫌というわけではなかったが、恋人の家で服を着替える……という状況はどうなのだろう。
「寝室、か」
 ようは普段ガルヴァンが寝起きしている部屋なんだと認識した途端、気恥ずかしくなってきた。
「寝転ぶぐらいなら怒られない、よね?」
 そっとベッドに横になる。自分の家とは比べ物にならないくらい大きいベッドなのに、なんだか安心する。ガルヴァンの香りがするからだろうか。
ゴロゴロしながら受け取った紙袋の中身を出してみる。値札は当たり前のように切られていたため、実際の値段は分からなかったが、どれも可愛らしくて袖を通すのを躊躇った。
「ガルヴァンさん、選ぶ時結構生き生きしてたな。楽しそうだった……」
 買い物中の彼の様子を思い出し、じんわりと嬉しい気持ちが広がる。
「似合ってると、良いな。喜んでくれたら、いいな……」


●愛しい人のために
 黒のボリュームスカート、透明感のあるシンプルなトップス、程よく透けたタイツにチェックのケープ。ベレータイプのファー帽子とサイドゴアブーツ。我ながらいい選択をしたとガルヴァンは一人頷いた。以前から、着飾ることを避けるアラノアから苦手意識を取り除いてやれないかと思っていたのだ。自分の趣味を押し付けすぎるのは良くない。最近の流行りものについても店員に聞いて取り入れた。あのコーディネートなら、彼女が普段着慣れているシンプルな服装と遠くないだろう。アラノアは美しい。もっと、自信を持っていいとガルヴァンは常々思っていた。

●彼の笑顔と釣り合うために
「着替え終わったよ」
 おずおずとリビングへ足を運んだアラノアを目にしてガルヴァンの顔が明るくなった。
「こちらへ」
 微笑むガルヴァンにソファへ腰掛けるよう促される。ガルヴァンはアラノアの背後へ周り彼女の髪を編み込み始めた。確かに彼の長髪はいつも手入れされているが……。
「ガルヴァンさんってヘアアレンジできるの?」
「今回のために少し練習した」
「そうなんだ」
「だが、自分の髪を扱うのと人に施すのとではだいぶ差があるな」
 オーガを倒して帰宅したガルヴァンが、一人で自分の髪を三つ編みにしているところを想像して笑ってしまう。彼の可愛い努力に胸が暖かくなった。
「さあ、これで仕上げだ」
 そういうとガルヴァンは小さな箱からネックレスとイヤリング、そしてブローチを取り出した。どれもガルヴァンの髪のように真紅の石がついている。
「原石を見た時から、アラノアに似合うだろうと思ってな」
 ガルヴァンが作ってくれたアクセサリーを身につけ、鏡の前へ立つ。
「わ……綺麗……可愛い」
 鏡の中のアラノアは、自分だと思えないくらい別人になっていた。
「ああ、やはり見立て通り美しい」
 鏡越しにガルヴァンの笑顔を見た。そこには、今まで見た中でもっとも優しい顔のガルヴァンがいた。そうか、この格好ならガルヴァンと釣り合える。アラノアは驚きと共にそう思った。

●自分だけの宝物
 やはり、アラノアは美しい。慣れない場所で緊張させてしまったが、それもまた愛らしかった。そして、飾ればもっと綺麗な女性になると確信した。自らの手で磨き上げた原石を見ているような心地に気分が高揚する。今日一日の行為は、幼い頃からずっと続けてきたことの延長線上にあった。俺が本質的に愛してやまないことだ、エゴにまみれている。しかし……それだけではない。

「お前の本当の魅力を知るのは俺だけでいいと思うのは、我儘だろうか……?」

 少し崩れたベッドに横たわり目を瞑る。独りの夜は静かに過ぎていった。



依頼結果:大成功
MVP
名前:アラノア
呼び名:アラノア
  名前:ガルヴァン・ヴァールンガルド
呼び名:ガルヴァンさん

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 杏乃書庫
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ハートフル
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 2 / 2 ~ 3
報酬 なし
リリース日 02月16日
出発日 02月21日 00:00
予定納品日 03月03日

参加者

会議室


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