こんな記念日はどうでしょう(森静流 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

 首都タブロス。
 グリーンヒル公園の隣には「星薊」という変わった店があります。
 アニバーサリーコーディネーターのフェイが、「素敵な記念日」を何でもコーディネイトしてくれるのです。
 誕生日、結婚記念日、命日、彼との記念日……何でも素敵に演出してくれるフェイですが、今月からあるプランを始めました。

A フィールレイクコース
 人工の島五つを作って橋を渡した湖フィールレイク。
 中央の島には『祈りの泉』という祠があり崇められている。大切な人と訪れると、永遠の愛が誓われるという伝承がある。貸しボートあり。
 食事は和風レストラン「響き」、もしくはイタリアンレストラン「アルビニ」。
 和風レストランを選ぶと、お客様の誕生鮨をメインにしたコース、イタリアンレストランを選ぶと、お客様の誕生花をメインにした花束のサービスが受けられる。
 見学+貸しボート+食事つきで500Jr。

B ショコランドコース
 お菓子の国ショコランドのホテルに一泊二日コース。
 のどかな村で、ラムネの湖と砂糖菓子の花畑が名物。カフェレストランでの食事つきで、どんなお菓子でもバイキングで食べ放題。誕生日のお客様には誕生花がメインの花束がプレゼント。
 一泊二日、二人で2000Jr。

C フリーコース。
 お客様の希望を出来るだけかなえるコース。1000jr~。
 基本的に何でも希望をかなえますが、あまりに高額になった場合などはJrをひいていきます。

 お客様の思い出に残る素敵な記念日を、リーズナブルに販売していきます。 
 

解説

 アニバーサリーコーディネーターのフェイがあなたの特別な一日を500Jr~でお届けします。
※星薊やフェイはプランに登場させてもさせなくてもOKです。利用したのは神人でも精霊でも構いません。
※特別な一日は、誕生日から結婚式、命日まで何でもOKです。また、小さなもの、例えば「精霊から告白を受けて50日目」などでも構いません。
※2月の誕生花(主なもの)フリージア、スイートピー、マーガレット、サクラソウ
誕生鮨は365日、その日ごとに違います。
※誕生石につきましては、お客様のご希望の石にも依りますが、プランに書かれていた場合はJrを引いて反映させます。ですが、コーディネイトアイテムで増える事はありません。
※A、B、Cのいずれかをプランの上部に書いてください。フリープランの場合は「いつ、どこで、何をした」を具体的に書いて頂ければ出来る限り反映します。ABコースの場合はコース内容に沿ってどのような行動をしたか書いて下さい。


ゲームマスターより

誕生日をはじめ、二月ですし告白した日、告白された日、お返事などにもご利用いただけたらと思います。低価でできる限りお客様のプランを生かします! また、ちょっとしたデートなどにもご利用ください!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

桜倉 歌菜(月成 羽純)

  B
利用する方
羽純くんと色んなお菓子を食べたいと思い、申し込みました

ラムネの湖と砂糖菓子の花畑
見た目も可愛い!
ラムネを掬って飲んだり、砂糖菓子のお花の香りを楽しみながら写真を撮りたいな
可能なら砂糖菓子のお花の花輪なんて作れたら素敵♪

カフェレストランのバイキングでは、羽純くんの為に珍しいお菓子を探します
和菓子って見た目も綺麗…!
砂糖と寒天で作られている干菓子が特に可愛い♪
洋風焼き饅頭も可愛い動物の形で美味しそう!
羽純くん、月餅も好きだよね
アイスケーキにチョコレートも外せません♪
二人でシェアして少しずつ、沢山の種類を食べましょう

お腹いっぱいになったらホテルの部屋でゆっくり
羽純くんの笑顔が何より嬉しい


アラノア(ガルヴァン・ヴァールンガルド)
  ショコランド…去年を思い出すね(EP20

誕生日祝いに旅行しようなんて誘われて、びっくりしたけどね…(苦笑

ううん、少し驚いたけど…嬉しい

湖と花畑をゆっくり見て回り
レストラン
食事も美味しいし
お菓子もどれも素敵

ありがとう…夢みたい(花束抱きしめ

夜が近付き
初めてお出掛けではなくデートしてる実感が湧いてきて緊張

ホテル
そ…そういえば男の人と泊まるのって、初めてだなって…思って…

晩酌で、少しふわふわ良い気分に
うん…ありがとう


…寝た、かな…?
様子見
寝てると確信
…ここまでしてくれたのに何も返せないなんて、やだな…
明日…せめてお礼と少し遅れたけどチョコ、贈りたいな…

それから…
…寝てるからいいよね?

…大好き
髪にキス


西島 紫織(新藤 恭一郎)
  Aコース。

●前日まで
「この日は予定を空けておけ」なんて、何をされるか恐怖以外の何でもないよ。
お陰で何日もトイレに駆け込み乗車…。

●当日
あの恭一郎さんが私をデートに連れ出すとか…怖すぎる!
彼の誕生日、私の胃腸炎のせいでお祝い出来なかったから怒ってる?
貸しボートに乗るとか…私、遂に湖に沈められるの…?
寒さと恐怖に震え、しかもこの短時間で船酔い。
祈りの泉に引っ張っていかれるけど、グロッキー状態でもうどうにでもなれ状態。
あの泉、何かあるの?
体調も戻ってきた所で食事に連れてかれて…びっくり。
契約記念日のお祝い!?
料理も私が食べられる物ばかり…嬉しくて泣きそう。
恭一郎さん、これからもよろしくお願いします。


●西島 紫織(新藤 恭一郎)編

 その日、西島 紫織は、精霊の新藤 恭一郎に、フィールレイクへ連れて来られました。紫織はとてもびっくりしました。
 前から、「この日は予定を空けておけ」と言われて、何をされるかと恐怖以外の何でもなかったのです。お陰で、紫織は何日もトイレに駆け込み乗車をしていました。
 そして当日の記念日に、恭一郎が紫織をデートに連れ出すと聞いて……
(怖すぎる!)
 ますます恐怖を感じたのでした。
(彼の誕生日、私の胃腸炎のせいでお祝い出来なかったから怒ってる?)
 その事ばかりが気になるのでした。
 恭一郎は紫織の顔色など気にもとめず、早速フィールレイクの貸しボートを借りて湖の景色を楽しもうとします。
(……私、遂に湖に沈められるの……?)
 紫織は本気でそう思います。寒さと恐怖に震え、短時間であっという間に船酔いになってしまいました。
 それでも祈りの泉へと恭一郎は引っ張っていきます。
(俺の誕生日は契約した日だった。そのときは紫織に何もしてやれなかったからこのプランに申し込んだが……俺の狙いは祈りの泉だ。無理やりでも永遠の愛とやらを誓わせて一生手元に置いてやる。だが病み上がりで連れ出すのはまずかったか?)
 ふらふらの紫織を引っ張りながら、恭一郎はそんなことを考えています。
(まさか紫織がボートで酔うとはさすがの俺も計算外だ。まぁいい、訳が分かってないうちにさっさと祈りの泉で用事を済ませるか)
 グロッキー状態の紫織はもうどうにでもなれという風情。
 その紫織をそこらにしゃがませて休ませておいて、恭一郎はさっさと祈りの泉にある祠に永遠の愛を誓ってしまいます。
 紫織はその事にも気づかず、船酔いのダメージを味わって座り込んでいるのみでした。用事が済むと、恭一郎はそのグロッキー状態の紫織の手首を掴んで強引に連れだしてしまいます。
(あの泉、何かあるの?)
 紫織は恭一郎が祠の前で何かやっていた事だけぼんやり察知。しかし、彼がどれだけ真剣に愛の誓いを行っていたのかは分からないのでした。
 しかし、紫織はしばらく座り込んでいた事でいくらか体調が戻ってきました。
(食事は摂れそうだな)
 恭一郎はそう判断して、紫織をレストランに食事に連れて行きました。
「契約記念日のお祝いだ。遠慮なく食え」
「契約記念日のお祝い!?」
 仰天する紫織。
 しかも、恭一郎は、彼女が乳製品と魚介のアレルギー持ちであることに配慮して、レストランをイタリアンのアルビニにしていました。
 前もって紫織でも食べられるメニューを予約してあったのです。
(料理も私が食べられる物ばかり……嬉しくて泣きそう)
 実際に、紫織は感動して泣き出してしまいました。あの恭一郎が、紫織の事を思いやってくれるなんて。
「恭一郎さん、これからもよろしくお願いします」
 泣きながら頭を下げる紫織。
(なぜ泣く? 毒舌はいつもより控えた筈なのに……)
 この反応は想定していなかった恭一郎はうろたえます。
 ですが、紫織は食事に手をつける事もなく、さめざめと泣いています。
 嬉しくて感動しての涙なのですが、恭一郎が予定していた行動ではありません。恭一郎は花のような笑顔を見たかったはずなのに。
(こうなったら花束で黙らせるか)
 恭一郎はレストランの店員に目配せをして花束を持って来させました。
 紫織の誕生日、八月十七日の誕生花は、ダリアにヒマワリ、クラスペディアにベルガモットになります。他にも色々あるのですが、恭一郎は自分で選んで花束を作らせたのでした。
 花言葉は
 ダリア「感謝」「豊かな愛情」
 ヒマワリ「私の目はあなただけを見つめる」「崇拝」「熱愛」
 クラスペディア「永遠の幸福」「心の扉を叩く」
 ベルガモット「燃え続ける想い」「身を焦がす恋」
 などになります。
 紫織の前に出ると毒舌ドSになってしまう恭一郎は自分の想いをこめたつもりでした。
 その花束を渡されて、一目見た紫織はしばらく呆然としていましたが、やがて声も立てずに大粒の涙をこぼして泣き出してしまいました。
(くっ、余計泣きやがる! 勘弁してくれ……)
 恭一郎は女性に強いはずなのですが紫織には弱いのです(別の意味で強いですが)。どうしていいか分からずに沈黙します。
 紫織の方は、目の前の恭一郎が本当に恭一郎なのかどうかすら疑っています。あの恭一郎が紫織が食べられる場所に連れてきたり、記念日だからと花束を贈ったりするのでしょうか。いえ、恭一郎だとは思いますが。嬉しいけれど、なんだか怖いのです。
「家無しは家無しらしく、俺の所に居ろ」
 そこで恭一郎がそう言いました。
「ああ……本当に恭一郎さんだ」
 紫織は涙声でそう言って、また涙をこぼしました。やっぱり恭一郎は恭一郎です。本物なのです。本物が、自分をいたわって優しくしてくれた契約記念日。だけど、毒舌や酷い態度は変わらなくて……。紫織はこの先、次の記念日もその次の記念日も、恭一郎とどうなっていることかと見えない未来に想いを馳せます。
 早く、恭一郎の気持ちに気がつくといいですね。

●アラノア(ガルヴァン・ヴァールンガルド)編

 アラノアの精霊、ガルヴァン・ヴァールンガルドは二月二十日を心待ちにしていました。
 彼女の誕生日を特別な一日にしたいのです。
 彼が選んだのは、ショコランドへの一泊二日の旅行でした。
「ショコランド……去年を思い出すね」
 アラノアはショコランドのキャンディニアでシュガー・プランツを作った事を思い出しています。
 二人が作ったのは、お菓子で出来た『盲亀の浮木と優曇華の花』でした。
「そうだな」
 ガルヴァンも全く同じ事を思い出して微かな笑みを見せます。
「誕生祝いに旅行しようなんて誘われて、びっくりしたけどね……」
 アラノアは苦笑しています。
「……いや、だったか?」
「ううん、少し驚いたけど……嬉しい」
 そこは素直にアラノアは嬉しさを表現しました。
「……それは良かった」
 ガルヴァンは安心した様子です。
 やがて、二人はショコランドの小さな村に着きました。
 のどかな小さい村です。カフェレストランがくっついている小さなホテルが一軒だけあり、そこが二人の宿になりました。
 二人はラムネの湖と砂糖菓子の花畑に足を運び、ゆっくりと見て回りました。
 澄んだ甘い匂いを放つラムネの湖、穏やかな風に揺れる真っ白な砂糖菓子の花々……久々に何もない柔らかな時間を二人きりで過ごす事が出来ました。
 それから二人はレストランに移動します。
 食事は妖精達が作ってくれる野菜がメインの素朴な味わいのものでした。
 その他にお菓子のバイキングがあります。
「食事も美味しいしお菓子もどれも素敵」
 アラノアは喜んでいるようです。
 ガルヴァンも食事を一緒に楽しみました。
 ディナーの後に、ガルヴァンは妖精に頼んでおいたものを持って来て貰います。
 二月二十日の誕生花です。
 それはアイスランドポピー、ストック、チューリップ、マーガレットの花束でした。
 花言葉は……
 アイスランドポピー「慰め」「忍耐」「思いやり」……。
 ストック「愛の絆」「求愛」「永遠の恋」……。
 チューリップ「理想の恋人」「恋の宣言」「永遠の愛情」……。
 マーガレット「真実の愛」「心に秘めた愛」「誠実な心」……。
 口べたなガルヴァンはここでせめて言葉を表現したいと、精一杯花と花言葉を選んだつもりでした。
「……誕生日、おめでとう」
 アラノアは、花言葉にはそんなに詳しくないようです。ですが、ガルヴァンから花束を渡されて目を大きく見開き、微笑みを見せました。
「ありがとう……夢みたい」
 アラノアはその胸に花束を抱き締め、目を潤ませたのでした。
 夜が近づきます。
 アラノアは、初めて、お出かけではなくデートをしている実感が湧いてきて緊張してきました。
 ガルヴァンは部屋に戻って泊まる準備をしています。
 そして、アラノアが一人でそわそわしている事に気がつきました。
「……どうした?」
「そ……そういえば男の人と泊まるのって、初めてだなって……思って……」
「ああ……そう、だったか……」
 そう言われて、ガルヴァンは困惑しました。アラノアはどういう意味で緊張しているのでしょう。ガルヴァンだって異性である訳ですから。
 旅行に同意したという事は、色々な意味に受け取れます。
 それでガルヴァンは、晩酌をすすめてみました。緊張が解ければと思っての事でした。
 アラノアは宿のワインを少し飲みました。
 ふわふわと良い気分になってきます。
「少しは良くなったか?」
「うん……ありがとう」
「うむ」
 いつもの二人の会話をして、神人と精霊は同じ部屋に宿泊しました。
 消灯します。
「……寝た、かな……?」
 アラノアはガルヴァンの様子をうかがいます。
 ガルヴァンは背後の気配に意識が浮かび上がってきました。
(……?)
 ですが、まだ体が重くてまどろんでいる状態です。
 アラノアは寝ていると確信しました。
「……ここまでしてくれたのに何も返せないなんて、やだな……明日……せめてお礼と少し遅れたけどチョコ、贈りたいな……」
 ガルヴァンは規則的な呼吸を繰り返しています。
 ですが、彼は、まどろみの中で話を聞いていました。
(気にしなくとも……今日は特別なのだから)
 そんな事を考えています。
「それから……寝てるからいいよね? ……大好き」
 そう告げて、アラノアはガルヴァンの葡萄色の髪の毛にキスをしました。
(……!?)
 予想外の言葉と、髪に伝わる感触。
 アラノアの温もりはすぐに離れ、何事もなかったように、彼女が布団に潜った気配が伝わってきます。
(今のは……一体……?)
 ガルヴァンは心臓が高鳴りますが、彼もまた、晩酌をしていたので、その酔いとともに、眠りに落ちていきました。
 翌朝。
(昨夜のアレは……夢だったのだろうか……?)
 ガルヴァンは己の朧気な記憶が恨めしいのです。
 一方、アラノアは去年と全く変わらない調子で、穏やかで、優しくて、どこか自信がなさそうで……。
 結局、ガルヴァンは昨夜の言葉と行為は夢なのかどうか、謎でした。
 帰路に着くアラノアの腕の中ではしっかりと誕生花の花束が抱かれています。その数数の花もまた、昨夜の二人を見届けた事でしょう。見届けて……愛を囁き背中を押している事でしょう。

●桜倉 歌菜(月成 羽純)

 桜倉 歌菜は、精霊の月成 羽純とショコランドへの一泊二日旅行を申し込みました。
 羽純と色々なお菓子を食べたいと思ったのです。
 二人は早速、ショコランドののどかな村に到着しました。村にはラムネの湖と砂糖菓子の花の花畑があり、一軒だけカフェレストラン付きのホテルがあって、そこが二人の宿屋です。
 妖精達に道案内されながら、歌菜と羽純は湖と花畑にやってきました。
「見た目も可愛い!」
 歌菜は大はしゃぎです。
 ラムネを掌に掬って飲んだり、砂糖菓子の花の香りを楽しみながら写真を撮ります。
「可愛い花……! 甘い匂いがして、とても素敵」
 歌菜は真っ白な花畑をはしゃいで歩き回っています。
 よくみると、色は砂糖の白しかないのですが、カーネーションスノードロップ、ナノハナなど、初春から咲く花が咲き乱れているのです。
 歌菜はその花々を見比べているうちに、気持ちが高揚してきて、砂糖菓子の花を手折り、お花で花輪を作り始めました。
「ラムネの香りが好きだ」
 羽純は羽純で楽しんでいます。
 ラムネの香りを胸いっぱいに吸って、幸福感を味わいます。
 誘ってくれた歌菜にも自然に感謝の気持ちが湧きました。
 しばらく、湖の匂いを堪能した後、歌菜を探します。
 歌菜は、真っ白な花畑の中をくるくると踊るように歩いては、花を手折って笑っています。歌菜を微笑ましく思い、写真に収めます。
 しばらくすると、歌菜が花輪を作っているのに気がついて、羽純は近づいて行きました。
「羽純くん?」
 その花輪をポンと彼女の頭に乗せてやりました。それから写真をカシャっ。
 びっくりしていた歌菜ですが、羽純がカメラを操作している事に気がつくと、そちらに向けて明るい笑顔を見せました。
「花冠なんて子どもみたいだけれど、歌菜は小さい頃、花冠を編んでお姫様気分になった事があったろう」
「え……何で分かるの!?」
「歌菜の事だからな」
 夕方になり、二人はカフェレストランに戻りました。
 そこでは既にお菓子のバイキングの準備が出来ています。
 歌菜は羽純のために珍しいお菓子を探します。
「和菓子って見た目も綺麗……!」
「砂糖と寒天で作られている干菓子が特に可愛い♪」
「洋風焼き饅頭も可愛い動物の形で美味しそう!」
「羽純くん、月餅も好きだよね」
「アイスケーキにチョコレートも外せません♪」
 羽純は歌菜が次々に持ってくる珍しいお菓子に舌鼓を打ちます。
「二人でシェアして少しずつ、沢山の種類を食べましょう」
 歌菜の提案通り、二人で分け合って食べる羽純でした。
 色々な種類が楽しめて、感想を言い合える。
 この時間が幸せだと、本心から思えます。
「飲み物は俺が取ってこよう」
 そう言って羽純は席を立ちました。
 緑茶、紅茶、珈琲、ハーブティー、ミルクなど。お菓子に合う飲み物を選んで、一緒に味のハーモニーを楽しみました。
 お腹がいっぱいになったら、ホテルの部屋でゆっくりします。
 部屋でのんびりしながら、窓の外の景色を楽しみます。
 羽純は歌菜の肩を抱き寄せて、窓の外に見える木々や星空を指さしながら、同じ景色を眺めました。
「今日は……本当に、ありがとう……」
「ううんっ。羽純くんの笑顔が何より嬉しい!」
 窓辺に椅子を移動させて、ポットにあった白湯を飲みながら、二人は様々な話をしました。
「ショコランドで一緒にチョコを買いに行った事があったね」
「ああ、歌菜のミルクチョコレート、美味しかった。薔薇一輪も……嬉しかったな」
 やがてショコランドでの思い出話が始まりました。
 二人がショコランドを訪れたのはこれが初めてではありません。
 今までなんども、オーガ事件のためや、他の観光のためなどで訪れているのです。
「マシュマロ一粒握って、愛を語った事なんかもあったな」
「あ、あれは……だって!」
 あのときの照れくささを思い出して、歌菜は身もだえしています。
 夜が遅くなるのに二人は、宿のホテルでショコランドの楽しかった思い出を色々と話し合いました。宿には二人以外泊まっていないので気が抜けていたという事もありました。
 やがて、コンコンとドアがノックされました。
「あ! --」
 二人は慌てて口を噤みました。ひょっとして、うるさすぎたでしょうか。宿の人が注意しに来たのかも。
 羽純が神妙な顔でドアに向かいます。
「ありがとう。ショコランドをいつも楽しんでくれて」
 現れた妖精のおじいさんはそう言って、羽純に砂糖菓子で出来たスノードロップの花束を渡しました。
「どうぞ、また来て下され。ショコランドはあなたたちのような優しい愛に溢れたウィンクルムは大歓迎ですからな」
「あ、ありがとうございます」
 びっくりしていた羽純ですが、妖精からの好意は素直に受け取りました。妖精のおじいさんはふぉふぉふぉふぉ……と笑いながら立ち去りました。
「歌菜。お前が気に入っていた、砂糖菓子の花束だ」
 羽純は歌菜に手渡します。……モノが砂糖菓子だから、すぐに崩れてしまうけれど。ですが、歌菜は幸せいっぱいの笑顔を羽純に向けて、その首に抱きつきました。
 愛に溢れるウィンクルムは、自然と幸福を呼び込むのでしょう。お幸せに!
 



依頼結果:大成功
MVP
名前:アラノア
呼び名:アラノア
  名前:ガルヴァン・ヴァールンガルド
呼び名:ガルヴァンさん

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 森静流
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル ロマンス
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ビギナー
シンパシー 使用可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 3 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 02月14日
出発日 02月25日 00:00
予定納品日 03月07日

参加者

会議室

  • [6]桜倉 歌菜

    2017/02/24-22:14 

  • [5]桜倉 歌菜

    2017/02/24-22:14 

  • [4]桜倉 歌菜

    2017/02/24-22:14 

  • [3]桜倉 歌菜

    2017/02/24-22:13 

    滑り込みの参加、失礼いたします…!

    桜倉 歌菜と申します。パートナーは羽純くんです。
    皆様、よろしくお願いいたします♪
    素敵な誕生日になるといいですねっ!

    私は羽純くんと色んなお菓子を食べたいなと思いまして…
    B ショコランドコースで、デートする予定です!

  • [2]西島 紫織

    2017/02/22-01:59 

    初めまして、西島紫織のパートナーで新藤といいます。
    ご挨拶が遅れて申し訳ありません。
    そうですか、ガルヴァンさんの神人さんはお誕生日を迎えられたんですね、おめでとうございます!
    素敵なお祝いになるといいですね。

    俺たちの方は、ガルヴァンさんたちとは逆で俺の誕生日が今月なんです。もうだいぶ過ぎましたけど。
    誕生日と言うよりは、うちの神人とは俺の誕生日に契約したので、その記念にと思って。
    ……誕生日当日は神人が腹を壊して寝込んで何も出来なかったので……。

  • [1]アラノア

    2017/02/22-00:51 

    アラノアと、パートナーのガルヴァンだ。
    よろしく頼む。

    …相談期間的に少し時がずれるが…折角だ、神人の誕生日を祝いたいと思う。


PAGE TOP