プロローグ
タブロスからやや離れたところにある町。大きさは中規模で住民もそれなりに住んでいる。現在、自然との調和を目指した町づくりを行っている場所で、町の北側を中心に自然公園の設立や緑化計画などを進めている。それと同時に、南側にある工業地帯を徐々に縮小して他地域への移設を行っている。
そんな町に『あなたたち』は観光目的で訪れていた。自然公園で鳥の声を聞き、町の大通りで洋服のお買い物。お洒落なカフェに入って優雅なひと時を過ごし、「たのしかったね」と思い出を振り返る。そんなことを思い描きながら過ごす時間。しかし騒動というものは突然降りかかるものである。
町のいたるところから悲鳴や、慌てて逃げる足音が聞こえる。どこかでなにかが起きている、ということに「あなたたち」がすぐに気付くほどに突然で、異様な状況だった。何も分からないまま行き交う人々から話を聞くと、どうやらオーガが出現したようだ。話だけ聞いていると敵の数は多くないように思える。しかしそれは情報としてはあまりに不確かで、肝心なところは何1つ分かっていない。
どこに何体のオーガがいるのか。それに関する確固たる情報が得られない。それでも「あなたたち」はウィンクルムとして動き出す。
解説
観光目的で行った町で偶発的にオーガたちと遭遇します。
今回は『ウィンクルム1組ずつ』で戦ってください。
戦う場所を「住宅街」「工場群」「自然公園」から選んでください。
選んだ場所が「騒ぎを知った場所から最も近かった」という扱いになります。
参加者が同じ場所を選んでもウィンクルム同士が遭遇することはありません。
・住宅街
メリット:家などの建物が多いので隠れる場所が多い
デメリット:住民の家への被害を考えると、大技は使えない
・工場群
メリット:8割は稼動していないので、それらは壊しても問題ない
デメリット:2割の稼動音は響いているので、その音と振動でオーガの接近に気付きにくい
・自然公園
メリット:視界が広く、オーガを見つけやすい
デメリット:まだ整備中のところが多く、足場が悪い箇所が目立つ。
オーガ及びデミ・オーガの種類は不明。
1組が戦う数は『2体~4体』。オーガとデミ・オーガの割合も不明です。
住民は避難しており、人質もいないのでオーガを倒すことに専念してください。
突発的な事態なので事前に道具を持ってくることはできません。
また現地の人々は混乱しながら必死に避難してるので、
道具を借りるための交渉をする余裕はありません。
そのためロープやライトなど、道具を持って戦いに挑む事ができません。
ゲームマスターより
星織遥です。
今回は単独戦闘です。
道具の使用不可、不正確な敵情報など制約がありますが
戦闘場所を選べるので
自分たちが有利に戦える場所を選んで
戦略を立ててください。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
日向 悠夜(降矢 弓弦)
オーガがこんなところに…何かあったら大変だね 弓弦さん、急ごう! ◆住宅地 敵には物陰に隠れつつ接近 敵視認後トランス 弓弦さんのスキルが発動し、相手がこちらの存在に気が付いたら前に出て盾を構える 攻撃ではデミオーガを優先 敵の数が多い内は無理に攻撃に回らず、弓弦さんの方へ敵が行かないように気を付ける オーガの攻撃が激しい場合は前線を維持せず、弓弦さんの近くで敵との距離をとるように行動 曲がり角などで敵からこちらの行動が見えない時は待ち伏せをして一撃を入れ、 なるべく周囲に被害が出ないように気を付けたい 敵がオーガのみになったらハイトランスを使用 打って変わってオーガを狙う 効果時間も短いと思うので手数を増やし攻める |
ユズリア・アーチェイド(ハルロオ・サラーム)
住宅街 相手が何者か分かりませんが私達の力で人を救えるならば行かねばなりません 誰かの為になるための力なのですから! とはいえまだまだ無力、私はトランス後は物陰に隠れてやり過ごしたり、ハルロオの邪魔にならぬように立ちまわることに注力いたしましょう このようなとき、神人の無力さを痛感いたしますわね 早く私も自ら人を救えるようになりたい いいえ、ハルロオの死角に気を配る・偵察し状況をハルロオに教えるなどできることはあるはず トランスしているのですから、私もいざとなれば武器を振るって対抗いたします デミ位なら何とか でも負傷したら足手まといになりますから無茶はせず 逃げたくはありません でも…ここで死ぬわけにも参りません |
桜倉 歌菜(月成 羽純)
自然公園で戦う 羽純くんのカウンタースキルは、敵に攻撃して貰ってこそ真価を発揮します 見通しの良い場所で敵を誘き寄せ、叩きます! 敵の姿が見えたら、即座にトランス化→ハイトランス・ジェミニ発動 成るべく足場の良い場所を選んで迎撃 羽純くんと背中合わせに 彼の背中は私が守ります! 鞭の射程距離をフルに生かして戦いつつ、懐に入って来られた場合は、鞭の持ち手をスティックのように使って対応 羽純くんのMP温存が必要だったり、敵の攻撃をまともに受けそうになった時は魔守のオーブで力場を展開し、身を守る盾とします 戦いながら敵が踏んだ箇所の足場の悪さをチェック オーガが来たら、足場の悪いそこへ誘い込み、転ばせられたらラッキー! |
エセル・クレッセン(ラウル・ユーイスト)
行き先は『自然公園』。 オーガはどこにいるんだ? ここにも逃げる人とかいるのか?いれば何か知ってることがないか聞いてみよう。 敵の数とか姿形とか、どこら辺で見たとかかな。 …視界が広いのはいいんだけど、向こうも同じだからなあ。 なるべく隠れながら、目と耳を使って距離があるうちに見つけないとな。 ラルはプレストガンナーだから、距離があっても攻撃できるんだし。 私の役目は、トランスと…。 敵との距離が近くなりすぎたら、ラルから離れて囮になるくらいならできるかな? |
シャルティ(グルナ・カリエンテ)
帰ろうとした矢先にこれ、ね…… 引き受けたからにはやるしかないわ ちょっと。わくわくしすぎ。任務なの、分かってる? オーガ、デミが多いなら私、手伝うわよ …そう。ええ、邪魔なんかしないわよ… (手伝いたかったけど声には出さない) ・工場群 ……この辺りで目撃情報があったのよね 機械類は動いてない分は壊しても大丈夫……らしいわね、 動いてる分もあるんだから迷惑のかからない程度に暴れなさい …にしても音が微妙に聞き取りづらいわね あたしは周囲を警戒するわ …周囲を警戒するって言ったの 分かってるわよ(ここでトランス ・オーガがどこから現れるか分からないので常に周囲を警戒 ・倒せたらオーガが残っていないか周囲を見渡す |
タブロスからやや離れたところにある、中規模の町。ここは自然との調和を目指した町づくりを行っている最中で、町の北側では自然公園の設立や緑化計画などを進め、それと同時に南側の工業地帯を徐々に縮小している。
そんな町に観光目的で訪れていたところ、突然聞こえた悲鳴。騒動の元凶はオーガにあるらしい。騒ぎの沈静化を図るべく、ウィンクルムとして動き出す。
●破壊可能領域
自然と都会が持つ空気の融合を目指す町。そこへ遊びにきていた『シャルティ』と『グルナ・カリエンテ』。時間を有意義に過ごし、満足した表情で帰ろうとした矢先に悲鳴が聞こえた。どうやらオーガが現れたようだ。ウィンクルムとして、この事態を無視するわけにはいかない。
「帰ろうとした矢先にこれ、ね……。引き受けたからにはやるしかないわ。ちょっと。わくわくしすぎ。任務なの、分かってる?」
「あぁ?分かってるっつーの」
ため息をこぼすシャルティに対して、これから起こるであろう戦闘に期待を隠せないグルナ。
「ところでお前、邪魔だけはすんなよ」
「オーガ、デミが多いなら私、手伝うわよ」
「俺だけで良い。お前は引っ込んでろ」
「……そう。ええ、邪魔なんかしないわよ……」
「……分かってんならそれで良い」
シャルティは、手伝いたかった、という言葉を飲み込んで騒ぎの元凶を探しに動き出す。
「……この辺りで目撃情報があったのよね」
「待ってりゃその内お見えになられるだろーよ」
そういってグルナはにやりと笑った。そこは町の南側に広がる工場地帯。この区画は他地域への移設が進められていて、稼動している工場はかなり少ない。それでもまだ動いている機械から響く音と振動が2人に伝わる。
「機械類は動いてない分は壊しても大丈夫……らしいわね。動いてる分もあるんだから迷惑のかからない程度に暴れなさい」
「要するに動いてる分を壊さなけりゃあ良いんだろ?それに多少暴れたって壊れりゃしねーだろ。つーか……どんだけ命令口調なんだよッ!」
2人は工場群のなかへと進む。シャルティは周囲を警戒するように耳をそばだてる。しかし機械の稼動音がそれを阻む。
「……にしても音が微妙に聞き取りづらいわね。グルナ、あたしは周囲を警戒するわ」
「ここら辺、機械音とかで周りの音、聞こえにくいな……」
鳴り響く機械の音はシャルティの呼びかけも打ち消していた。改めて声をかけると、後方にいる彼女のほうを振り返るが、内容までは伝わっていないようだ。
「あ?なんつった?聞こえねーっての」
「……周囲を警戒するって言ったの」
「周囲ィ?あーはいはい。おら、トランスだ。さっさとしろ」
「分かってるわよ」
グルナはシャルティにトランスを催促すると、シャルティもそれに応じた。その直後だった。2人の周囲からデミ・ウルフとデミ・ワイルドドッグが2体ずつ現れた。機械の音でまるで気付く事ができなかった。グルナが不意打ちを食らったが、傷はとても浅く戦闘に支障はない。相手の敵意に感化されたのか、グルナも戦闘体制に入る。動いていない工場の壁などを巻き込みながら派手に暴れ倒す。
それを見てシャルティは思った。確かに動いていない部分については壊しても問題ないとは聞いたが、それにしてもやりすぎではないか。しかし結果的にそれらを活用した戦いによってデミ・オーガたちは次々に倒されていく。機械の稼動音とグルナの破壊音が響くなか、ついに襲ってきた敵が全員倒れた。それを確認すると、シャルティは周囲を見渡し他に敵が居ないか目をこらす。どうやらこれで全部のようだ。2人は壊された工場の一部を横目にその場を後にした。
●役割分担
『日向悠夜』と『降矢弓弦』は自然との調和を目指した町で穏やかな時間を過ごしていた。突然の悲鳴を聞くまでは。急に慌しくなる街中。戸惑いながらも状況把握に努めると、どうやらオーガが町のなかに現れたらしい。
「オーガがこんなところに……何かあったら大変だね」
「まさかこんな人の居る近くまで……」
「弓弦さん、急ごう!」
「ああ、早く脅威を取り除こうか」
2人は逃げる人々とは反対側へと駆け出した。オーガがいるであろう方向へと。
辿り着いたのは住宅街。綺麗に立ち並ぶ家々は優雅な雰囲気を持っている。しかし人の姿はまったくなかった。そしてよく見ると、強引に破壊された壁や植木鉢などが見える。この2つの事実がこの辺りにオーガが出現したことを物語っていた。
2人は建物の陰に隠れながらオーガの捜索を開始する。捜索を開始してまもなく、オーガの姿を見つけた。4体の敵がそれぞれ好き勝手に闊歩している。ハイエナの頭部を持つオーガ、ヤックハルスが2体。デミ・ウルフが2体。組織的に動いている様子はない。悠夜と弓弦はトランス状態に移行すると戦闘の構えに入る。
弓弦は物陰に隠れて『スナイピング』で1体のデミ・ウルフに狙いを定める。神経を研ぎ澄まし弓と矢を構えると、敵に向けて放つ。それはまるで意志をもっているかのように敵に迫り、急所を打ち抜いた。何が起こったのかを理解する間もなく、デミ・ウルフはその場に倒れた。この事態に他の3体も気付き、警戒心をむき出しにしている。
そこへ悠夜が飛び出し、盾を構えながら敵のなかへ向かっていく。狙いはもう1体のデミ・ウルフ。また、弓弦の位置から敵を遠ざけるように走り回る。敵も彼女に気付き、攻撃を仕掛けてくる。敵の数は3体。1人で相手をするには分が悪い。デミ・ウルフを倒すことを念頭に置きつつ、逃げることや弓弦の攻撃を邪魔しないように配慮しながら動く。
そしてデミ・ウルフとの距離を一気につめ、戦闘に突入する。牙をむき出し、悠夜を敵対視しているのは一目瞭然だった。彼女はレイピアと盾を構え、その牙と対峙する。攻防は一進一退で、彼女も隙を突いて攻撃するが丈夫な毛皮が致命傷を避けている。さらにそこへヤックハルスが近づいてくる。状況が悪化するのを避けるため建物の死角へと逃げ込む悠夜。デミ・ウルフはその姿を追う。
状況の悪化は弓弦にも分かっていた。デミ・ウルフは悠夜とともに視界から消えてしまったが、ヤックハルスがその後を追いかけようとしているのが見えた。それを阻止するために矢を放つとヤックハルスが方向を変え、弓弦のほうへと向かってくる。彼の戦闘スタイルを考えると、完全に近づかれたら圧倒的に不利になる。そこで『ダブルシューター』で連射攻撃を行い、距離をつめられないように気をつけながら注意をひきつける。
一方、建物と建物の間に逃げ込んだ悠夜は息を潜め、追いかけてきているデミ・ウルフの気配を探っていた。追ってきているのは逃げ込む前に目視しているから、近くにいるのは間違いない。緊張した状態が続く。そしてついにデミ・ウルフがその姿を現した。悠夜はこの瞬間を物陰からずっと待っていた。意識を集中させ、デミ・ウルフから反撃を受ける前にレイピアを確実にその胴体へ突き刺す。毛皮を破って入った一撃は敵を討つには十分だった。デミ・ウルフは小さく悶え、ついに動かなくなった。それを確認すると、悠夜はすぐに弓弦のもとへと駆け出した。
彼女が弓弦のもとへ着いたとき、彼はヤックハルス2体を相手にしていた。距離はとっているものの安全とはいえない。
「君よ、共に歩もうぞ」
悠夜は弓弦に駆け寄り、インスパイア・スペルを唱え所定の動作を行うとハイトランスへと移行した。これにより彼女の攻撃は威力を増し、彼もスキルを放つ余力が増えた。ハイトランスの時間は有限なので、悠夜はその効力が切れる前に手数を増やして攻める。その後ろから『スナイピング』と『ダブルシューター』を駆使して援護する弓弦。2体のヤックハルスも鍵爪をのばして攻撃を仕掛けてくるが、2人の連携に歯が立たなかった。そしてついに2体とも、その場から動かなくなった。
●己の力量
『ユズリア・アーチェイド』と『ハルロオ・サラーム』の過ごす穏やかな休日は突然の悲鳴によって消え去った。オーガの出現によって町全体が混乱している。
「相手が何者か分かりませんが私達の力で人を救えるならば行かねばなりません。誰かの為になるための力なのですから!」
(ちっ、どこにでも現れやがってクソ迷惑なオーガだ。人様のため、だなんてご高説たれやがって……働くのは俺だぞユズ吉め)
2人は騒動の元凶を倒すべく、街路を駆ける。そうしているうちに、ある住宅街へと辿り着く。人が居るはずの地域なのにまるで見当たらない。騒動の発端がこの辺りにいるかもしれない、と予測を立てるには十分だった。敵に見つかる前に2人はトランス状態に移行した。
(誰かの為に……とはいえまだまだ無力。私は物陰に隠れてやり過ごしたり、ハルロオの邪魔にならぬように立ちまわることに注力いたしましょう。……このようなとき、神人の無力さを痛感いたしますわね。早く私も自ら人を救えるようになりたい。いいえ、ハルロオの死角に気を配ったり偵察して状況をハルロオに教えるなど、できることはあるはず……)
(『アルペジオ』の手数で勝負すっけど、ひよっこだからな……2回が限度だぞ。いざって時しか使えないな……使いドコロは考えないと。こんだけ家が密集してると大技は使えねぇだろうな……そもそも使えるかアホ!今の俺には『アルペジオ』がせいぜいなんだよ!無茶ってなったら死ぬ前に逃げるからな!現実見ろ!)
それぞれ色々な考えを巡らせながら周囲の探索を開始する。すると、前方に犬らしき生き物を見つけた。しかし普通の犬ではない。デミ・ウルフとデミ・ワイルドドッグだ。デミ・ウルフは2体。デミ・ワイルドドッグは1体。他に敵は居ないようだが、3体が暴れまわった傷跡が至るところに見受けられる。2人は身構えると3体の様子をうかがう。すると運悪くそのうちの1体と目が合ってしまった。こちらに敵意を持って向かってくる。他の2体もそれに続くように迫ってきた。
予想外の事態だが、まだ敵との距離はある。ハルロオはダガーを構えると、迫り来る敵を注視する。ユズリアは物陰から様子を見ている。いざというときに動けるようにナイフを手にしながら。そして、そのときはやってきた。3体のデミ・オーガがハルロオに襲い掛かる。ハルロオは自分の特性を把握したうえで、敵の攻撃を正面から受け止めることはせず回避を中心に敵の隙をうかがう。しかしデミ・オーガとはいえ3対1では不利。彼が追い込まれる様子を察したユズリアは物陰から飛び出すと、一番近くにいたデミ・ワイルドドッグに切りかかる。攻撃は当たったが、それほどのダメージは与えられていない。
「逃げたくはありません。でも……ここで死ぬわけにも参りません」
デミ・ワイルドドッグは彼女に敵意を向ける。彼女は改めてナイフを強く握った。
ユズリアの行動によって敵対する数が1体減ったハルロオ。たかが1体、されど1体。その差は大きい。迫り来るデミ・ウルフたちをかわしながら隙をうかがう。顔面めがけて噛み付いてきたところを、すんでのところで避ける。
(ここだ……!)
「アルペジオ!」
その至近距離を逆手にとって、加速しながら敵を切りつける。攻撃を無防備な体に受けた敵は力なく倒れた。残る敵は1体。戦いやすさは格段に上がった。この機を逃すまいと彼は回避しつつ確実に仕留めにかかる。そして2度目の『アルペジオ』がデミ・ウルフの体に致命傷を与え、そして動かなくなった。2体の停止を確認するとすぐにユズリアのもとへ向かう。
ユズリアはデミ・ワイルドドッグとつかず離れずの戦いをしていた。
(デミ位なら何とか……でも負傷したら足手まといになりますから無茶はせず……)
踏み込んで切りかかろうとすれば反撃される可能性が高くなるため、敵の攻撃をナイフで追い払っている状況だった。そこにハルロオが加勢する。もう『アルペジオ』を使う気力はなかったが、敵はそれほど強くないうえに2対1という状況。この優位を保ちつつ、ハルロオのダガーが敵に最期のときを与えた。
●それぞれの視点
『エセル・クレッセン』と『ラウル・ユーイスト』は遊びに来ていた町が突然騒然とした空気に包まれたことに危機感を覚えた。逃げる人々からなんとか話を聞き、オーガの出現などを知る。そのなかにあった情報の1つを頼りに自然公園へと向かった。
「オーガはどこにいるんだ?」
自然公園全体を見渡すエセル。花壇には季節の花が咲き、ゆったりとした空気を醸している。しかしこちらに逃げた人は居ないようだ。もしここに逃げた人がいればオーガの情報を手に入れたいと考えていたが、どうやら無理のようだ。一方でラウルは公園全体を眺めながら未整備な部分や身を隠せそうな場所を注視していた。この町は緑化計画など、自然との調和を進めている。しかし、それらは完成するにはまだ時間がかかる。この自然公園もその一環で設立されたが、足場が悪い箇所が目立つ。気をつけないと足をとられかねない。
(整備中か……この地形を上手く活かせるといいんだが……)
2人は公園全体を把握しながらオーガの捜索を進める。
「……視界が広いのはいいんだけど、向こうも同じだからなあ。なるべく隠れながら、目と耳を使って距離があるうちに見つけないとな」
「ああ、そうだな」
(ラルはプレストガンナーだから、距離があっても攻撃できるんだし。私の役目は、トランスと……。敵との距離が近くなりすぎたら、ラルから離れて囮になるくらいならできるかな?)
木で身を隠すなど工夫をしながらさらに歩を進める2人。そのとき、視界の奥でなにかが動いた。2人に緊張が走る。ハイエナの頭部をもつオーガ、ヤックハルス。猪の頭部をもつオーガ、ヤックアドガ。それぞれ1体ずつ居るのが確認できた。まだこちらに気付いた様子はない。先制攻撃を仕掛けるなら今しかない。
エセルはすぐにインスパイア・スペルを唱え、トランス状態へと移行する。そしてラウルは『ファスト・ガン』を発動すると、すぐさま銃を抜きオーガたちに向けて発砲する。不意を突かれたオーガはその弾丸を避けることができず、ダメージを負った。しかしまだ倒れておらず2人のほうに向かってくる。2人は追撃せず一旦逃げる。
ラウルはオーガとの距離を何度も確認しながら、ここに来るまでの地形を思い出す。そして最も足場の悪い場所へと戻ってきた。そして2体のオーガに向けて銃を構える。オーガたちは2人めがけて突撃してくる。ヤックハルスは鍵爪を伸ばして。ヤックアドガはもの凄い突進で。
しかし2体には足場の悪さを冷静に判断することは出来なかった。ヤックハルスは足を取られ、鍵爪が地面に刺さり動けない。ヤックアドガはその勢いゆえに転倒してしまった。ラウルはヤックアドガが再び立ち上がる前に銃弾を撃ちこむ。地面に横たわった状態ではかわすこともままならず、ヤックアドガはそのまま動かなくなった。それに油断することなく、ヤックハルスにもとどめを刺した。
●背中を預ける
自然の豊かな町へと赴き、ゆったりと過ごしていた『桜倉歌菜』と『月成羽純』の耳にどこからか悲鳴が聞こえた。オーガが出現したという話を聞き、ウィンクルムとして動き出す。目撃情報をもとに自然公園へと向かった。
自然公園に到着した2人は全体を見渡した。まだ整備が完了しておらず、ところどころ足場の悪い箇所が目立つ。
「羽純くんのカウンタースキルは、敵に攻撃して貰ってこそ真価を発揮します。見通しの良い場所で敵を誘き寄せ、叩きます!」
歌菜の発言に羽純も同意し、2人はあえて物陰の少ない場所へ移動した。そして敵を捜すと同時に迎撃のしやすいポイントも確保する。また『オ・トーリ・デコイ』も準備しておく。そして時が流れ、ついに敵が姿を現した。ハイエナの頭部を持つヤックハルスが2体、猪の頭部を持つヤックアドガが1体。視界の広さは相手も同じ。すぐにこちらに気付き接近してくる。2人も戦闘体勢に入る。
「茜さす」
歌菜がインスパイア・スペルを唱え、トランス状態へ。さらに『ハイトランス・ジェミニ』を発動しハイトランス状態へ移行する。茜色のオーラを纏った2人は背中合わせになり、敵を迎え撃とうと武器を構える。
「カウンター攻撃だけでは手詰まりとなるだろう。歌菜、お前の力も借りる。二人で……勝つぞ」
「はい!羽純くんの背中は私が守ります!」
敵との距離が徐々に迫り、互いの射程圏内に入った瞬間。戦いが始まった。
ヤックアドガが突進攻撃を仕掛けてくる。とても気迫のこもった攻撃だった。
「シャイニングアロー!」
しかし羽純は冷静にカウンターを展開。逆に敵にダメージを与える事に成功する。一方歌菜はヤックハルスと格闘していた。鞭のリーチを最大限に活かして、敵に近づかれないように気をつけつつ攻撃を続ける。羽純のカウンターと歌菜の鞭。それぞれの特性を活かしながら戦いは続く。しかしやや分が悪い。少しずつ間隔をつめられているのを2人は感じていた。羽純は歌菜に目配せすると、歌菜は頷いた。
「シャインスパーク!」
羽純の杖が光り輝き、周囲を覆った。その光に目が眩んだオーガたちは思わず怯む。その隙を突いて2人は突進攻撃が強力なヤックアドガを集中的に攻撃する。視界を奪われた敵は抵抗する間もなく攻撃を受け続け、その場に倒れた。そして2人は体勢を立て直し、残ったヤックハルス2体と距離を取る。
周囲の足場を確認し『オ・トーリ・デコイ』を足場の悪いところへ。視界を取り戻した2体がふたたび敵意をむき出しにして動き出す。しかし1体は『オ・トーリ・デコイ』に釣られ別方向へ。残る1体が歌菜と羽純に迫る。1体だからと油断せず、鞭とカウンターで応戦し確実に仕留める。そして最後の1体に目を向けると、『オ・トーリ・デコイ』によって誘導された場所で足をとられていた。動きが鈍くなっているのは明らかだった。羽純はその隙を逃さず『シャイニングアロー』を展開しながら敵の懐に飛び込むと、小剣で確実に討ち取った。
依頼結果:成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 星織遥 |
エピソードの種類 | アドベンチャーエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | 戦闘 |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 普通 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 5 / 2 ~ 5 |
報酬 | 通常 |
リリース日 | 09月06日 |
出発日 | 09月13日 00:00 |
予定納品日 | 09月23日 |
参加者
- 日向 悠夜(降矢 弓弦)
- ユズリア・アーチェイド(ハルロオ・サラーム)
- 桜倉 歌菜(月成 羽純)
- エセル・クレッセン(ラウル・ユーイスト)
- シャルティ(グルナ・カリエンテ)
会議室
-
2015/09/12-23:20
-
2015/09/12-23:20
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2015/09/12-23:19
こちらもプラン提出しました!
私達も自然公園で戦いますっ
わわっ、エセルさん達のお役に立てたのなら何よりです!
どうか、上手く行きますように! -
2015/09/12-23:08
プラン提出…。工場群にいるわ。それじゃあ改めてよろしく。
-
2015/09/12-21:15
とりあえず、プランは登録っと。
自然公園に行ってくる。
桜倉さん、お問い合わせ、助かった。
どうも、ありがとう。 -
2015/09/11-00:53
少し迷ったので、お問い合わせをした所、回答が頂けましたので
もし、同じように迷っている方がいれば、お役に立てれば…!
Q.
「ロープやライトなど、道具を持って戦いに挑む事ができません。」「道具の使用不可」と解説とマスターコメントにありますが、『バトルコーディネート以外の持ち込みは出来ない』という認識で合っていますでしょうか?
もしくは、『バトルコーディネートを含め、装備品も一切持ち込めない、武器はなしで戦う』ということになりますでしょうか?
A.
バトルコーディネート以外は持ち込めないという認識でお間違えございません。
コーディネート以外の小道具の持ち込み等が出来ない状態ということになります。 -
2015/09/10-19:32
こんにちは、日向 悠夜です。パートナーはプレストガンナーの降矢 弓弦さん。
初めましての子もよろしくね。
個別戦闘だから、一緒に戦う事はないけれど…お互いに頑張ろうね! -
2015/09/10-00:14
桜倉歌菜と申します。パートナーは羽純くんです。
皆様、宜しくお願い致します!
今回は個別戦闘ということで、上手くやれるかドキドキですが、
私達に出来る事を見極めて行動出来たらなって思います。
がんばりましょうっ! -
2015/09/09-22:22
私はエセル・クレッセン。
どうぞ、よろしく。
色々制約はあるみたいだが、お互い気をつけて頑張ろうな。 -
2015/09/09-09:30
全員初めまして…よね。
シャルティよ。今後ともよろしく。
戦闘って言葉を聞いて、私の隣りの目がギラリと光ったけど、まあ気のせいよね。
いつもの病気だわ。 -
2015/09/09-01:17
ごきげんよう、ユズリアと申しますわ。
個人戦闘ですので相談させていただくことはございませんけれど、同じ状況を戦う者として
ご挨拶させていただきますわね。
皆様のご健闘をお祈り申し上げておりますわ。もちろん、私も頑張りますけれど。
それでは。