【奪還】冗談じゃないわヨッ(寿ゆかり マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

「いやぁああぁ~!何すんのよぉっ!」
 雄々しい悲鳴を聞いて振り返ると、そこにはやや大型のデミゴブリンに担がれて連れ去られる美しい『男』
「なんなのよなんなのよぉっ」
 可愛らしいワンピースを着た180㎝の長身の美男、ケリーこと大鎌健三郎、人生最大のピンチかもしれない。
「つれてけ!」
 水色のふわりとしたボブヘアを揺らし、三本の角を持つ少年は叫んだ。
「ぎぎぃ!」
 ゴブリンが足音を立てて何処かへ走り去っていく。
 どうしよう、その現場を見てしまったあなたは、傍らの精霊が少し離れたところで買い物をしていたのを悔やんだ。傍に居ればすぐ対処できたのに! 丸腰の神人に出来ることなど限られている。どうするべきか……。
 くるり、と少年が振り返った。あなたの姿をつま先から頭のてっぺんまでなめまわすように眺めて、小さく頷く。
「一応、こいつらも、かな?」
「ぎぎぃ?」
「こいつらもつれてっといて!」
「ぎぃ!」
 ゴブリンに指示を出す少年。角の雰囲気からデミ・ギルティとうかがえる彼は、可愛らしく微笑んで手荒な行動に出た。
「死にたくなければ……町の人に危害を加えたくなければ大人しくついてきな」
 何か言いたいのを抑え、町の人々を人質に取られたあなたはグッと唇を噛みしめる。

 精霊は、待っていたはずの神人がいないことに血の気が引いた。
 どうして。
 あたりの人に事情を尋ねる。
「角の生えた男の子がつれてったよ、向かった先は、あっちの廃墟だ」
 足取りを残すドジが相手だったのが不幸中の幸いだった。
 精霊たちは、攫われた神人達を追って走り出す……。

 一方その頃。
「えぇぇ~!? ちょ、似顔絵のに似てないじゃん!?」
 少年が叫ぶ。廃墟にがっかりしたため息と共に叫びがこだました。
「ぎぅ、ぎぎぅ」
 申し訳なさそうにゴブリンが頭を掻く。資料を廃墟に置きっぱなしにしてきたため、攫うターゲットのイメージがあいまいだったらしい。
「この役立たずッ……ボッカ様になんて説明すんのさ」
 ポカ、とゴブリンの頭を叩く少年。そして、小さく舌打ちをする。
 縄で後ろ手に縛られた状態の神人達はゴブリンがちょっとかわいそうだと思った。
 だって、ちらりと見えた人相書きはとてもへたっぴで……それから誰かを特定するなんて到底無理だったから。
「あのぉ、アタシ達……元の場所に帰りたいんですけどォ」
 ケリーがぽそりと呟く。
 ギロリ、と少年の視線が刺さった。
「あ?」
「人違いなんでしょ?じゃあ、もう……」
「そういうわけにはいかないよね、コイツらの餌にちょうどいいし、おまえらには死んでもらうよ」
 にこっと笑う彼に青ざめるケリー。
「じょ、冗談じゃないわよぉ!」
「今気づいたんだけどさ、そいつら……手の甲になんかあるよね」
 神人を顎で示し、少年は鼻で笑った。
「ゴブリン達がさぁ、美味しそうって煩いんだ」
「ままままま待って」
「は?」
「さっき、ボッカ様って言ったわよね!? あのお風呂大好きオシャレオーガさんでしょ?」
 ケリーは必死に思考を巡らせる。
「アタシ、こないだ超良い保湿化粧水と入浴剤を見つけてねェ? き、聞きたくない?」
 少年の瞳がきら、と輝いた気がした。
「なにそれ。ちょっと詳しく」
「えっとね……」
 なんとか、時間稼ぎにはなりそう。
 一同が小さく息を吐いた。
 けれど、これだけじゃ足りないだろう。
 精霊が来るまでの間なんとか時間を稼がなくては!
 

解説

目的:デミ・ゴブリンを討伐し、ケリーと神人を救出せよ。
舞台:イベリン郊外の廃墟。
・皆さんはイベリンの街並みを歩いているところで襲撃されてしまいました。
 攫われるところまでは精霊は知らない情報です。周囲の人に聞き込みして廃墟を目指しましょう。
・ケリーは蒼太(恋人)と一緒に珍しいコスメの仕入れに来ていたようです。
 蒼太も神人と一緒に廃墟に向かいますが、基本的にウィンクルムの指示はしっかり聞きますので、危険の無いようにしてあげてください。

・少年=セン
 ボッカ様親衛隊の一人。デミ・ギルティです。まともに闘って勝てる相手ではありません。精霊が駆け付けた時点で自分が怪我するのが嫌だという理由で配下をけしかけ逃げるでしょう。
 ケリーが話す新作コスメの話に興味津々。
 (ボッカ様に買って行ってあげよっかな?)
 雑談で話を引き延ばして彼の気を逸らし、精霊の到着を待とう!
(ウィンクルムの秘密など、こちらの情報を渡すことはしないでください
 (嘘でも本当でも)機密事項を漏らすと色々と不利ですのでご配慮を)
・デミ・ゴブリン×30体
 一体ボス格の大きいのがいます。うじゃうじゃいます。ボス格だけケリーと同等のサイズですが、あとは150㎝程度。攻撃力はさほどではありませんが、数が多いので気を付けて!

成功条件:ケリー及び蒼太、神人の生存。

*なお、突然襲われて駆けつけますので道具等の申請は出来ません。

ゲームマスターより

とんだとばっちりよね!とのことです。
ケリーはメイクの話でセンの気をひきましたが、
皆様神人はどんな感じで気をひきましょうか。
怒らせないように、興味を持ってもらえるようにうま~く話を引き延ばしましょう。
精霊が早く来てくれるのを祈りましょう!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)

  必ず仲間が助けに来てくれる
落ち着いて時間を稼ごう

ケリーや仲間に質問する形で引き伸ばす
「どんな香りのがあるんだ?」とか
「詳しくなくてさ、教えてくれよ」とかな

デミギル少年の発言に感心する演技
「どんなの使ってるんだ?」とか「髪型も?」とか「好きな人に尽くすタイプなのかぁ」とかな
煽てて色々語らせるよう仕向けて更に時間を稼ぎたい

ランスがチラリと見えたら、精霊達の襲撃が気取られないように
「色々知らないままで殺されるのは嫌だあ!」とか叫んで注意を引くぞ

◆戒めが解けたら
即座にトランス
ケリーを庇う形で鞭を服の下から出し攻撃だ
「コロンより血に彩られた人生だ。だが後悔はしていない!」
セン以外は全滅させる覚悟で戦う!



セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  敵の気をひく話題は他の人に任せる。
話題に詰まってきたら
「美と健康なら、美味しい物も大事じゃね?」
と美味しいスイーツ店の話をするぜ。ジェラートとかさ。皆、そーいうの、好きじゃね?
甘くてもカロリー低くて美味しいんだ。フレーバー沢山あるし?幸せの味だぜ。
グルメレポーター風に美味しいジェラートが浮かぶように話をするぜ。ああ、やっぱもう一回食べたい。

ラキア達が来たら、手の拘束を解く前に先ずトランスだ。敵だらけだし。拘束解けた時チャーチ内に敵がいたら突き飛ばして外へ出す。拘束させれる人の拘束を解くぜ。敵の数が多すぎるからチャーチの壁近くでデミ・ゴブリンと刀で交戦。
ラキアのMPが枯渇する前にディスベンサ。




ハーケイン(シルフェレド)
  ◆行動
化粧品の類は詳しくないが、健康に良い物なら知っている
話をしながらケリーと蒼太の近くへ
シルフェレドが来るまでの時間稼ぎだ

体の調子が整えば自然肌の状態も良くなる
風呂好きなら丁度いい
薬湯、薬膳風呂と言う物を知っているか?
手軽に手に入るシソやヨモギ、もっと簡単に済ませるならハーブティーに使った茶葉の出がらしでもできる
茶葉を入れた袋で肌を直接マッサージするのも有効だ
日々相棒と言う極大ストレスに晒される俺の精神と肌質はそれのおかげで保っている

◆戦闘
シルフェレドと合流してからも俺は蒼太とケリーの近くにいる
武器は弓だから丁度いい。後衛からシルフェレドを援護する



アオイ(一太)
  皆さんが来るまで話で繋ぎます。
スキンケアはケリーさんが詳しいようなので、入浴法などどうでしょう。
事前にホットドリンクを飲むと代謝が良くなるとか。みかんやオレンジを入れると、肌がつるつるになるとか。
食べ物は大豆や鮭がいいと言われますが、オーガの方ってどんな食事をされるんでしょう。煮豆とか焼鮭って食べるんですかね。
必要なら作り方もお教えできますが。

一太が来たらトランスを。
縄をほどいてもらう時間はなさそうなので、できれば蒼太さんにお願いしたいです。それともランスさんが?

後はケリーさんや蒼太さんと一緒にいます。邪魔になると困りますので積極的に戦いはしませんが、敵が来たら対峙するくらいはしたいです。



ショーン(ケイン)
  うーん、面倒なことになった
ここはこのおにーさん?おねーさん?に乗った方が良いね

「メイク」の心得がちょっぴりあるし、僕は一つの話を引き伸ばす方向でいこう
確かにその保湿化粧水っていい評判聞くけど、やっぱ肌質に合うかどうかじゃん?
まずそこ教えてもらわないと
男性用化粧水ならそこらへん曖昧でもいける代わりに、性能イマイチだし
女性用は肌質にぴったりだったらすごく良くなるんだから
ほら、肌理が細かいだとか敏感肌だとか。え、わかんない?
んじゃ日焼けに弱いだとかそういうの教えてよ

精霊が来たら、センを刺激しないように注意
ケリーを庇うように動かないと
精霊が来たらトランス
縄が解けたら、こちらに向かってきた敵の迎撃に専念



「ショーン……?」
 精霊、ケインは自分の神人がいないうえに周囲がざわついている異様さに眉を顰める。近くにいた買い物客に状況を聞くと、角が生えた少年により何名かの男性が連れ去られたということが分かった。
 すぐ傍で、シルフェレドもきょろきょろとあたりを見回し、小さくため息をついた。
(囚われの乙女よろしく誘拐されたか)
 同じ被害に遭っている者と協力するのがいいだろう。ケインに声をかけると、彼もまた神人をさらわれたものと分かったので、同行することに。
「セイジ!? セイジ……!?」
 神人、アキ・セイジを探して声をあげるのはヴェルトール・ランス。いない。ざわりと嫌な予感が胸をよぎる。神人を連れ去られて途方に暮れている二人を見つけ、ランスは声をかけた。
「君たちもか」
 そこへ、ディープブルーの瞳を不安げに揺らしながら長身の男がやってくる。
「あの、もしかして貴方たちも?」
 彼は、蒼太と名乗った。彼もまたパートナーを連れ去られたらしい。
 一か所に集まる被害者たちを見つけ、ラキア・ジェイドバインは走り寄った。
「あのっ……黒髪長身の男の人、見ませんでしたか」
 神人、セイリュー・グラシアを見かけた人がいないか探す。一同は首を横に振った。
 見知った顔のランスが口を開く。
「セイリューだろ? 俺たちと同じだと思うぜ。攫われたんだろう」
 サァッと血の気が引く。未トランスの神人は丸腰だ。もし何かあったら……。
「アオイ……うちの神人も攫われたみたいだ。さっき買い物客に聞いた話だと、廃墟の方へ向かったらしい」
 聞き込みをしながらこちらへ合流したのは兔の耳のテイルス、一太。
 一同は顔を見合わせ頷く。向かった先はわかっている。廃墟の場所を住人から聞きだし、一刻も早く神人の元へ向かわねば。

「へぇ~、花のエキスを使った化粧水ねェ」
 センは神人達を後ろ手に縛り上げ、何をするのかと思いきや雑談でキャッキャしている。
「そうなのよぉ、イベリンの花を使った化粧水がとっても肌に良いの」
 ケリーが説明するのを、メモに取っている。しかしながら、ケリーもだんだんと話題が尽きてきたようでちらり、と他の神人に目で合図した。
(ど、どうしよう……話続けらんないかもぉ)
「確かにその保湿化粧水っていい評判聞くけど、やっぱ肌質に合うかどうかじゃん?」
 ショーンがケリーの話に乗った。
 女装男子の彼はケリーと同じく、化粧水の合う合わないもしっかりと心得ていたのだ。
「あぁ、確かに!」
「肌質?」
 センが身を乗り出した。
「そぉ。肌質によって合うかどうかって結構変わってくるのよ」
「男性用化粧水ならそこらへん曖昧でもいける代わりに、性能イマイチだし」
 やっぱ化粧水は男でも女性物使うと良いよね、とショーンがケリーを見た。うんうん、と頷き合う。
「女性用は肌質にぴったりだったらすごく良くなるんだから」
「よく知ってるわね~」
 ケリーも感心すると、ショーンはにっこりとほほ笑む。
「肌質ってどーいう意味?」
 センの質問に答える。
「ほら、肌理が細かいだとか敏感肌だとか」
 センがうーんと首を傾げる。
(ボッカ様……どうなのかなぁ、色白いけど)
「んじゃ日焼けに弱いだとかそういうの教えてよ」
「あ、日焼けは嫌がってる!」
「美白化粧水とか良いかもね~」
 なんだか女子力の高くなっていく会話。ゴブリン達もなんとなくおとなしく聞き入っている。だが、メイクの話だけだとさすがに限度が。少し間が開いてセンが瞳に退屈の色を浮かべる。そこで、アオイが口を開いた。
「そういえば、ボッカさんはお風呂が好きなんですよね? おすすめの入浴法なんていかがですか?」
「風呂入るのに方法なんかあんの?」
 センが身を乗り出す。ペンを構え、メモの準備万端だ。
「事前にホットドリンクを飲むと代謝がよくなるとか」
「へぇ~代謝」
 スラスラとメモを取るセンの瞳は真剣そのもの。
「みかんやオレンジを入れると、肌がつるつるになるとか」
 センがパッと顔を上げる。
「ほんと!? ボッカ様喜ぶだろうなあ!」
 セイジがフッと微笑んだ。
「好きな人に尽くすタイプなのかぁ」
「もちろん。ボッカ様の喜びが俺の喜びだもの」
 センが愛らしく笑って見せた。
「薬湯、薬膳風呂と言う物を知っているか?」
 膝立ちで動きにくそうにハーケインがケリーの近くに寄る。もちろん、大事の時にすぐに庇えるようにだ。
「薬膳? 何入れるの?」
「手軽に手に入るシソやヨモギ、もっと簡単に済ませるならハーブティーに使った茶葉の出がらしでもできる。茶葉を入れた袋で肌を直接マッサージするのも有効だ」
 センのメモ帳がどんどん埋まっていく。
「ふぅ~ん、そんなに肌に良いのか」
「日々相棒と言う極大ストレスに晒される俺の精神と肌質はそれのおかげで保っている」
 きりっと言ってのけるハーケインに一同から苦笑が漏れる。
「なぁにそれぇ、さりげない惚気~?」
 ケリーが笑うと、センも笑った。
「確かにお前の肌も整ってる、信ぴょう性あるね」
「どんな香りのがあるんだ?」
 興味津々という風を装ってセイジが尋ねる。
「う~ん、薬膳はちょっと渋い香りよね。華やかなのが良いならアロマオイルかな」
 ケリーが答えると、センはうんうんと頷いた。
「なるほど……一日おきにローテするのもいいかもね」
「そうね! 気分転換になって良いわよ」
 いつの間にか女子会のようになってきている。
 アオイがはたと思いつく。
(食べ物は大豆や鮭がいいと言われますが、オーガの方ってどんな食事をされるんでしょう)
 人を喰うとは言っても、通常の食事もするだろう。
「……煮豆とか焼鮭って食べるんですかね」
 ぽつりとつぶやいた言葉にセンが目を輝かせた。
「何? にまめって何?」
「必要なら作り方もお教えできますよ」
 ふわりと微笑み、アオイが覚えているレシピを説明すると、センはメモを取る。
「ゆっくり言って、全部メモしてく」
「はい」

 一方、精霊たちと蒼太は廃墟に向かって懸命に走っていた。
(本当はこの後一緒に美味しいジェラート食べに行く予定だったのに)
 ラキアがグッと悔しげに唇をかむ。
(早く助けなきゃ。お店の営業時間に間に合うように)
 どうか、間に合って欲しい。――営業時間云々じゃなくて、セイリューの“命”のタイムリミットに……!
「あれだ!」
 蒼太が指さす先に見えたのは、もう使われていない倉庫の廃墟だった。
 開きっぱなしのシャッター。こちらに背を向けているセンに気付かれないようランスがこっそりと覗き見る。
「縛られてるな……」
 小声で仲間に状況確認をすると、一同が慎重に動き方を打ち合わせる。

「焼き魚に、豆……っと」
 センがメモを終え、顔を上げた。
「アリガトね。参考になった」
 まさかのデミギルティからの礼に、アオイはどういたしまして、と微笑む。
「美と健康なら、美味しい物も大事じゃね?」
 セイリューがふと切り出す。本当はこの後行く予定だったジェラートの店の事を思い浮かべてしまった。
(ああ、やっぱもう一回食べたい)
 そのためにもここで死ぬわけにはいかない。
「美味しいもの?」
「ジェラート! 甘くてもカロリー低くて美味しいんだ。フレーバー沢山あるし? 幸せの味だぜ」
「へぇ~」
 とろけるような~とか、フレッシュな~と、グルメレポーターばりにセイリューが美味しさを解説する。と、センのおなかがきゅるりと鳴った。
「……おなかすいた」
「ははっ」
「そのお店どこにあるの?」
 センがジェラート屋の場所を聞こうとすると、セイジが急に叫び声を上げた。
「色々知らないままで殺されるのは嫌だあ!」
 ランスたちがそろりと廃墟内へ入ってきたタイミングで、そちらを気取られないよう配慮しての叫び。知らされていなかった仲間たちは驚いて一瞬動きを止める。神人達とケリーも、どうしてしまったのかと驚きを隠せない。
 それがセンの気を逆なでしてしまったようだ。
「……うるさいな」
 ぐい、とセイジの髪の毛をひっつかんで自分の方を向かせる。
「俺さ、ギャアギャア騒ぐ奴って嫌いなんだよね。……俺たち、美味しいジェラートの話してたんだけど?」
 そのまま、髪を掴んでセイジを勢いよく地面へ引き倒す。
「ぅぐっ……」
 愛らしい少年の姿をしているが忘れてはいけない。センはデミ・ギルティなのだ。異常な力の強さにセイジは一瞬息が詰まる。
「お前から殺してやろうか! ゴブリン達も腹を空かせてるみたいだしね……!」
 ガン、とセンのつま先がセイジの腹部を蹴り上げる。強烈な打撃と圧迫感にセイジは咳き込んだ。
「かはっ……ぅ」
 痛みにチカチカする視界に耐えながら、セイジは自分に言い聞かせる。これでいいんだ。これで隙が出来れば……。
 その時、ようやっと詠唱を終えたランスの魔法弾がセンの背後に着弾した。
「!?」
 驚いてセンが飛び退く。頬に擦り傷を作ったセイジがその瞳にパートナーをとらえた。
「ランス!」
 一太が蒼太の手を引き、一気に神人の方へ距離を詰める。同時に、ケインがゴブリン達の前に躍り出て注意をひき付けた。
『ぎぎ!』
「ラキア!」
 一気になだれ込んできた精霊たちにセンが顔をしかめる。
「チッ……めんどくさいなぁ」
 セイジの体を蹴って転がし、精霊たちを一瞥する。攻撃を食らって怪我をするのが嫌なのか、センはひらりと廃材を積み上げた物の上に上った。地上から3メートルほどのところで腕を組んでウィンクルム達を見下ろす。
 ラキアはセイリューに駆け寄り、縄をほどかないままトランスした。
 一太もアオイに駆け寄り、頬を寄せる。
「ほら、はやく」
「……go!」
 小さな声でインスパイアスペルを唱え、アオイは一太に口づけた。初めてのトランス。オーラが二人を包み込む。戸惑いがないわけではないだろう。けれど、もたついていたら周りの足を引っ張ってしまう。それだけはなんとしても避けたかった。
「蒼太ッ、皆の縄、頼む!」
「了解!」
 祈るような目で見つめるアオイを背に、ダン、と地を蹴り一太はゴブリンに向かって行く。
 少しでも多くの敵を引きつけて、神人達を守らなければ。その思いを先行させ、危険を顧みず彼は両手鈍器をふるった。
 縄を解かれたハーケインは、自分とゴブリンとの間に割って入ったシルフェレドにインスパイアスペルを唱えて口づける。
「頼んだぞ」
「雑魚一匹通さん」
 不敵に笑ったシルフェレドは、一太達と同様にゴブリンの群れの中に飛び込み両手武器を勢いよく振り回す。ゴブリンが叫び声を上げながら1体、2体と吹き飛ばされていった。
 セイジの縄を解きながら、ランスが無事を確認し、トランスを済ませる。
「大丈夫か?」
「命に別状は……ない、かな」
 セイジが苦笑すると、ランスは歯を食いしばり、高みの見物をしているセンを睨みつけた。センがふふ、と笑う。
「面白いな、そのゴブリン達、どうやって料理するの?」
 センが離れたのを好都合とばかりに、ラキアがチャーチを展開する。二体ほど紛れ込んだゴブリンを、縄を解いてもらったセイリューが蹴りだした。
『ぎぃっ』
 蒼太、ケリー、神人全員を守るチャーチに、ゴブリンは手出しできずギィギィ鳴いている。セイリューはチャーチから飛び出し、刀を振るってゴブリンを切りつけた。一体、ゴブリンが倒れ伏せる。
 全員がトランスを終えたことを確認し、ケインはショーンの元に走り寄った。チャーチの中に入ってしまっていたショーンは、トランスするため外へと出る。
「個々で在れ」
 スペルを唱えて口づけると、ケインはすぐにまたシルフェレドがゴブリンを引きつけているあたりへ走って行った。チャーチ付近で神人達を狙うゴブリンを、ショーンが迎撃する。致命的な一打を与えることは無い物の、チャーチに近づかせないようけん制は出来ているようだ。
 前線では一太とシルフェレドが鈍器を奮ってゴブリンを次々なぎ倒していっている。
 数がだいぶ減ってきたようだ。チャーチにまとわりついている6体と、ケインがアプローチで引き付けている8体、そして一太達と対峙しているボスを含めた3体。蒼太とケリーはチャーチで守られている。あとは畳み掛けるだけだ。そう思った時だった。
 精霊たちの背後でどん、と轟音が響く。
「きゃああぁぁっ!」
 ケリーの叫び声が聞こえた。
 何があっても守れるようにと彼のすぐ傍に居たアオイ、ハーケインが咄嗟に蒼太と共に彼を囲むように庇った。
 廃材の上から高笑いが聞こえる。
「アッハハ! 怖い? 怖い!?」
 ケリーが震えながらセンをみる。先ほどと同じ一打が来ればひとたまりもないだろう。
 が、センはにたりと笑って宙返り。
「俺はジェラートでも食べに行くよ。そいつらの餌やり。お願いね」
 センが廃墟の窓から姿を消すと同時に、チャーチに群がっていたゴブリンが一気になだれ込んでくる。武器を持たない蒼太は覆いかぶさるようにケリーを抱きしめた。その二人を更に守るようにアオイが『マシュマローン』を抜く。ハーケインは弓を構え、更に向かってこようとするゴブリンに備えた。セイジが服の下から鞭をするりと抜き、叫ぶ。
「コロンより血に彩られた人生だ。だが後悔はしていない!」
 痣になっているだろう腹部を抑えて立ち上がるセイジにゴブリンが飛びかかった。ぴしりと音を立て、ゴブリンを地に叩き付ける。そこをアオイの『マシュマローン』が追撃。次にとびかかってきたゴブリンを、ランスが杖で防ぐ。
 アプローチで引き付けた8体のゴブリンが神人に向かわないよう、ケインは全てのゴブリンの気をひくため順番に攻撃していく。半数に減ったゴブリンを相手に、息を切らしながらもケインは必死に引き止め続けた。
 シルフェレドがトルネードクラッシュⅡで勢いよく3体のゴブリンを殴りつける。吹き飛んだゴブリンの中で、ボス格のゴブリンだけがゆらりと立ち上がり反撃を試みた。
「させるか!」
 一太がフロントアタックを炸裂させる。ゴブリンの脳天目がけて振り下ろされた鈍器は見事命中、トドメとなってゴブリンは動かなくなった。
 4匹のゴブリンがわらわらと神人達とランス、ラキアににじり寄る。かすり傷を負った神人達のため、ラキアはサンクチュアリを展開した。
 詠唱の時間が取れずにいたランスに好機が巡ってきた。他の神人達とセイリューがゴブリンを相手にしている今しかない。カナリアの囀りⅡを放とうか、と思ったが仲間が対峙しているところに打つのは危険すぎるだろうと判断し、ランスは乙女の恋心Ⅱの詠唱を始めた。なおも苦戦し続けるケインへと、声をかける。
「行くぞ!ケイン!」
 その声を聞き、ケインはバックステップでランスの魔法の軌道を避ける。
 直線状に並んだ3体のゴブリンにエナジーが照射される。焼けつくような痛みにゴブリンはそのまま崩れ落ちた。
 残ったゴブリン目がけ、ケインがナイフを振り下ろす。叫び声をあげて倒れたゴブリンを背に、ケインは神人達の元へと向かった。
 ケリーは震えながら蒼太にしがみ付いている。
 ショーンは彼らを庇うようにゴブリンを睨み、ウィンクルムソードを振るった。
「絶対に、守るから」
「うぅ、ありがとぉ、ありがとぉお……」
 ケリーは何もできない自分を歯がゆく思いながら、ウィンクルム達の背中を見守る。

「やったか……」
 ハーケインが弓を一度おろし、あたりを見回した。
 あたりにごろごろ転がっているゴブリンの体。起き上がるものはもういなかった。
 一同、大きく息を吐く。ケリーと蒼太はゆっくりと立ち上がり、ウィンクルム達に頭を下げた。
「ほんとに、ありがと……」
 安堵感からか、次から次へと涙があふれてくるケリーの背を蒼太が擦った。
「無事でよかった」
 アオイはなんとか一般人を守り切れたことに、ほっと胸をなでおろす。
 ハーケインも同じく二人にけががないのを確認し、頷いた。
 相変わらずシルフェレドは自分の神人を護るためだけに動いていたようだが、結果的にケリーと蒼太を護ることになったのだ、これでよかったのだろう。シルフェレドがハーケインに歩み寄る。
「そもそもお前は事ある毎に厄介事に巻き込まれ、わたしが後始末をする事になる」
「……」
 まあ、巻き込まれたのは確かだけど。ハーケインはシルフェレドの物言いに少しむっとして見つめ返した。
「帰ったら汗を流したい。そういえば、薬膳風呂とか言うのに入っていたな。私も入らせてもらうとしよう」
 それはもちろん良いが、と言おうとするとシルフェレドは衝撃の一言を付け足した。
「もちろん一緒にな」
 さらりと言ってのけた精霊に目が点になる。
「……なんで」
 すたすたと廃墟を後にするシルフェレドを追い、ハーケインは深くため息をついた。
「……なるほど、そーいうストレスを癒してるのね」
 ケリーがぽんと手を叩く。
「ラキア!」
「急にいなくなったからびっくりしたよ、大丈夫?」
 セイリューはラキアの言葉に頷く。
「あ! まだお店開いてるかな」
 ジェラート屋の事か。二人で顔を見合わせて笑った。
「走れば、行けるかな」
 ランスがセイジの手を取り、肩を貸してやる。
「……ありがとな」
「ん。……基本的なスキンケアくらいなら教えようか?」
 横にいるメイクアップアーティストを尻目にぽつりと言うランス。
「遠慮しときたい……かも」
 戸惑うセイジにケリーが呼びかける。
「なんだったらアタシの店に来ても良いわよッ」
 つんつんとセイジの頬をつつきながら、ランスは苦笑した。
「えーっと、おにーさん? いや、おねーさん? 怪我はないよね」
 ショーンが問いかけると、ケリーは元気良く頷く。
「ケリーで良いわよ☆ ええ、みんなのおかげでアタシはかすり傷ひとつないわ。ほんとにアリガト!」
「よかった~」
「それにしても、アナタ詳しいのね~、そして、なんというか同じニオイを感じるわ……。今度仕入れたコスメのタッチアップに来ない?」
 キャッキャッと女子会再開。蒼太はケリーが楽しそうにしていることに、目を細めた。
「いち、大丈夫?」
「ん」
 ふう、と大きく息を吐きながら、一太がアオイの元へ戻ってくる。
 本当は、一太を戦いに出すのは辛い。だから、インスパイアスペルは大きな声で言えなかった。……けれど、帰ってきた一太は疲れをにじませながらも、守るべきものを守った達成感を確かに感じていた。その証拠に、うっすらと微笑みさえ浮かべている。
「アオイこそ、大丈夫かよ」
 縛られていた腕についた縄の後を擦る。
「僕は、大丈夫ですよ」
 優しく微笑みかけると、一太が大きく頷いた。
「……よしっ、帰って、なんか美味いもの作ってくれよ」
 アオイの辛い心境を吹き飛ばすように、一太はアオイの手を取り、帰路へ促す。

 町までケリーを送り届け、そこでウィンクルム達は解散した。
 去っていくウィンクルム達を見て、蒼太が呟く。
「俺、戦えなくてごめんね」
「え?」
 ケリーがふっと蒼太を見つめる。そして、ニッと笑って答えた。
「何言ってんの。守ってくれたじゃない」
 もちろん、脅威と戦う力があるのはウィンクルムだけだ。
 より強大な敵に立ち向かうのには、確かに大きな力がいるかもしれない。けれど。
「蒼太だけじゃないわ。神人の人達、危険を顧みず身を挺して私たちを守ってくれた」
 戦うってのは、敵に向かっていくことももちろんそうだけど、きっとそれだけじゃないのね、とケリーは蒼太に笑いかけた。
「……なるほどね」
 守るべきものを守りぬき、大切な人を救う事。それも、『戦う』ということなのだ。
 ウィンクルムからそれを教えられた蒼太の瞳は、以前よりも更に頼もしくなっていた。
 



依頼結果:成功
MVP
名前:アオイ
呼び名:アオイ
  名前:一太
呼び名:一太

 

名前:ショーン
呼び名:ショーン
  名前:ケイン
呼び名:ケイン、露出狂

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 寿ゆかり
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル イベント
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 06月14日
出発日 06月20日 00:00
予定納品日 06月30日

参加者

会議室

  • 発言できなくてごめんよー。
    皆の発言内容に沿ってプランは出せた。
    合流してトランスしたら
    ラキアがチャーチ使うけど
    敵が一杯過ぎて駄目だったら済まない。

    巧くいくといいな!
    相談諸々、皆さんお疲れさまでした。

  • [19]アオイ

    2015/06/19-23:38 

    アキさん、こんばんは。
    僕は縄をほどくのはてっきり蒼太さんにお願いするのだと思っていました……。
    しかしもしランスさんがしてくれるようなら、一太が時間を作れるよう、プランを修正しました。
    どこまでできるかわかりませんが、うまくいけば幸いです。

  • [18]アキ・セイジ

    2015/06/19-22:36 

    プランは一応書けたよ。

    縛られているロープを切る間、誰かが前で魔物と戦ってくれると助かる。
    悪いけど誰か頼めないかな?
    全員がローブにかかりきりだと攻撃してくださいと言ってるようなものだしな。

    分担するとすると、近接攻撃できる人が戦ってる間魔法使いがロープを切るのが良さそうだと思うんだ。

  • [17]ショーン

    2015/06/19-21:04 

    気にしない気にしなーい、そういうこともあるあるー。
    むしろハーケインとアオイが土台作ってくれてたからこっちもさくーってあれこれ言えた訳だし。

    僕もプラン提出してあるよ。
    これまで話したような流れと、あとハーケインと同じように精霊と合流後もケリー達と一緒にいるようにして、こっちに向かってきた連中だけ迎撃する感じ。
    ぎりぎりまで確認はするけど、変更は厳しいかもん。
    まあ、善処するよ。
    んだば、がんばろー、おー!

  • [16]アオイ

    2015/06/19-20:24 

    ハーケインさん、こんばんは。
    どうぞお気になさらず。

    僕もケリーと蒼太の傍にいるつもりです。
    こんなことを言っては軟弱と思われるでしょうが、先輩が近くにいるのだと思うと、心強いですね。

    僕たちはショーンさんと話した流れで、プランを提出してあります。
    また後ほどこちらは覗いてみる予定ですが、大きな変化がなければそのままかな。
    任務が成功することを祈ります。

  • [15]ハーケイン

    2015/06/19-17:33 

    なかなか顔出しできなかった。許せ。
    俺も時間稼ぎの会話に加わりつつ、ケリーと蒼太をフォローできる位置に移動してみよう。
    精霊が到着してからも基本は二人の近くにいる。
    武器が弓なら後方から前衛の援護もできるだろう。

  • [14]アオイ

    2015/06/19-15:54 

    アオイ:
    そうか、僕たちは手を縛られているんでしたね。ほどいてもらわないとどうすることもできないのか……。
    なんとか話でつないで、精霊が来た時に、蒼太にほどいてくれるようお願いしてみましょう。
    その後僕は、ケリーや蒼太達と一緒にいようと思っています。
    何かあったら守れる……かはわかりませんが、一応その心づもりと、あと、下手に戦いに参加して、皆さんの邪魔になってしまっても意味がないので。
    話はとりあえず、センが食いついてくれたものを引きのばす方法でいくのがよさそうですよね。

    一太:
    ショーンさん、アドバイスありがとう。
    そうだな、皆のトランスが終われば精霊は全員戦えるわけだし、それまでは敵の注意を引くことに専念しよう。
    よし、そろそろプランを書いてみる。

  • [13]ショーン

    2015/06/19-12:53 

    >セン
    じゃあ、話を広げるのはアオイとケリーに期待して、僕は一つの話題で引き伸ばしにかかってみる。
    化粧水って、男性用よか女性用の方がいいだとか、肌質に合う合わないあるから教えろだとか、そんな感じでいってみる。

    >戦闘
    デミ・ゴブリンに対してケリーを庇うようにしとくけど…僕ら、手を縛られてるんだよね。
    精霊と合流するまでは反撃できないのがちょっぴりいたいなぁ。
    一応、蒼太には縄を解くのだけは手伝ってもらって、あとはケリーと一緒に神人の後方待機がいいかなぁん。

    いっち、ありがと、お願い。
    んー、MPの心配もあるなら、フロントアタックはボスゴブリンにだけ使うようにしてみたらどうかな。
    全員のトランスが終わるまでは、出来るだけ攻撃当てて気を引く方を優先した方がいいように思うし。

  • [12]アオイ

    2015/06/19-09:15 

    アオイ:
    アキさん、ランスさん、こんにちは。
    お会いできてうれしいです。どうぞよろしくお願いします。
    特別なスキルはありませんが、なんとか知識を総動員して、センの気を引くよう頑張りますね。

    一太:
    そうか、うっかりなあれそれか。わかった。
    じゃあ俺は、蒼太を神人達のところへ連れて行って、トランスしたら、ショーンさん達と交代だな。とりあえず敵を神人達に近づけないように、地味だが近くのものから対処していく。

  • [11]アキ・セイジ

    2015/06/18-22:54 

    アキ・セイジだ。相棒はウイズのランス。よろしくな。

    デミゴブを撃退することについては多少は役に立てるとは思う。
    けど強い奴には歯がたたないので、できるだけ荒事はさけて頑張りたいと思ってる。

    あ、美容系の話は俺はとんと疎いんで、アオイさんをおもいきり頼りにしてしまうと思う。

  • [10]ショーン

    2015/06/18-22:52 

    たまには真面目なこともいう僕です、ふふーんと無駄に自慢してみる。

    >蒼太
    んー、僕はケリーは僕ら神人と。蒼太はいっちー達精霊と一緒にってことだと思ったよ。
    目的が、僕ら神人とケリーの救出ってなってるから。
    僕らは連れ去られてるわけだから、廃墟に向かう訳じゃないし。
    うっかり的なあれそれなんだろう、うん。たまにみるみるー、気にしない気にしなーい。

    んじゃ、ケインはデミ・ゴブリンの足止めしとくって言ってる。
    いっちー達がトランスしたら入れ替わりで僕らもトランスして、ちょっと離れてからアプローチする感じかなー。

  • [9]アオイ

    2015/06/18-22:39 

    一太:
    ショーンさん、武器のこと、悪かったな。ショップで違うものを買ってきたから、さっきよりはいいはずだ。まったく気付いていなかったから感謝する。

    もちろん、俺とアオイはできる限りのことはするぜ。
    ……そうか、トランスしなければ戦えないんだったな。
    ということは、俺は……ん?
    蒼太は神人たちと廃墟に向かうんだよな? ってことはケリーや他の奴らと一緒に連れ去られたと考えていいのか? それとも俺達と一緒にいる……? 文脈的には一緒にいそうな気がする。

    とりあえず、あいつらを守るためにも先に合流する必要はあるのか。
    わかった、そっちに向かう。
    俺はまだ経験が浅いから、スキルはフロントアタックしか使えない。だが命中がどうだろうか……。
    いや、もちろん全力は尽くす。

  • [8]ショーン

    2015/06/18-21:35 

    っと、これは適正ジョブじゃないからかな。
    いっちーもとい一太の命中がやばいことになってる…。
    お金に余裕あるなら、ショップで両手武器か両手鈍器買って切り替えたほうがいいかもかも。
    むーん、レベル3までは金策がきびしいね……

  • [7]ショーン

    2015/06/18-21:26 

    >時間稼ぎ
    んー、言ってもレベル1だけど、メイクスキルとってるから多少は僕も手伝えると思う。
    新作コスメとか、今年の夏の流行色とか、ほんっとに初級のメイクの小技とか?
    感じ的には、センはメイクのこととかあんま知らなさそうだから、そういうのでも通用するんじゃないかなーって。

    >精霊
    ケイン:そうだな、先に神人達を見つけなくてはならない。
    ケリーと蒼太の安全も考える必要があるが、トランスもすぐにできないのがネックか。
    デミ・ゴブリンの足止めをする組と、その隙に蒼太を連れて神人達と合流する組に分かれてはどうかと思う。
    時間があまりないゆえ、さっさと進めてしまうがアオイさえ良ければ協力を頼めないか?
    先に合流してトランスさせた後、足止め組と入れ替わればスムーズだろう。

    俺はトランス後、蒼太とケリーから離れてアプローチを使うつもりだ。
    デミ・ゴブリン達を二人から出来るだけ離してしまいたい。

  • [6]アオイ

    2015/06/18-20:57 

    アオイ:
    ショーンさん、ケインさん、初めまして。どうぞよろしくお願いします。

    えっと、明日の夜出発で時間もあまりありませんし、先に僕たちが考えていることを言わせてもらいますね。
    まず、センの気をひくためには美容関係の話題をしてみようかなと思っています。
    とは言っても僕はお化粧品などは詳しくないので、たぶん入浴法とか食事の方向になる……かな。
    ケリーさんもいらっしゃいますし、盛り上がれる気がするんです。

    一太:
    俺はとりあえず、アオイを探さなくちゃなんねえよな。
    周囲の奴らに聞いて廃墟を見つけたら戦闘となるだろうが、正直に言えば、俺だけじゃどうにもできねえことはわかってる。なにせ戦いは初めてだからな。
    とりあえず、目の前の敵とは真剣に戦うが、先輩ウィンクルムの邪魔になることだけはしないようにしようと思う。
    攫われた奴らを助けることが先決だ。俺がすべきこと、逆にしないほうがいいことがあったら、遠慮なく言ってほしい。

    アオイ:
    皆さんを差し置いて、失礼しました。
    ぜひ先輩たちのお話も聞かせてください。お願いします。

  • [5]ショーン

    2015/06/18-20:42 

    はいはーい。皆のアイドル、ショーンだよーん。
    パートナーはロイヤルナイトのケイン。
    よろしっくねー。

    時間があんまないし、あとでまたちょこちょこいいにくるけど、美容系の方向から攻めるのいいかもー。
    勝算っていうか、可能性は高い気がするし、それならやってみちゃっていいと思うー。

  • [4]アオイ

    2015/06/18-08:52 

    ハーケインさん、シルフェレドさん、初めまして。どうぞよろしくお願いします。
    ボッカはお風呂大好きだそうですから、美容に興味があるのかもしれませんね。
    センは彼を喜ばせるために、目新しい話を聞きたいのでしょう。
    ケリーさんがお化粧品について話されているようですから、僕は美容に良さそうな食べ物とか、そっちからせめてみようかなあと思っています。

  • [3]ハーケイン

    2015/06/17-17:54 

    ハーケインとシルフェレドだ。よろしく頼む。
    とりあえず会話で時間を稼ぎつつ、精霊が来たら殴る。
    美容品の類が食いつきやすいのか?

  • [2]アオイ

    2015/06/17-10:03 

    先輩ウィンクルムのみなさま、はじめまして。アオイといいます。相棒はハードブレイカーの一太です。

    僕たちは戦いに出るのが初めてなので、先輩方にご迷惑をかけてしまわないかと心配しています。
    いろいろとご指導いただければ助かります。
    あ、でも戦闘経験はないですが、説得ならご助力できるのではないかと……。
    せめて足を引っ張らないように頑張ります。
    どうぞよろしくお願いします。


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