リザルトノベル
◆アクション・プラン
菫 離々(蓮)
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×2
ジャグジー&サウナで疲れを癒しましょう
撮影は私は構わないのですが
ハチさんが怯えているようなので。
私、サウナって初めてなんです
個人差はあるでしょうがどれ程中に居れば効果があるのでしょう
無理はしないように……ハチさん?
入ったばかりなのに随分顔が赤いですね
暑いの苦手でしたか?
逆上せてしまった様子のハチさんを涼しい場所へ誘導
水を与え濡れタオルを首元に当てておきます
すみません。はしゃいでいたのか
ちょっと露骨にやりすぎましたね(※上目遣い水着見せの件)
いいえ、何でも
肌?
見慣れていますし怖くありませんよ
むしろ逞しくて頼もしくて素敵です、と
ハチさんの背中へ胸中にのみ。
実際言ったら本当に倒れてしまいそうです
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ムーングロウで散歩した後は、ジャグジー&サウナでのんびりと過ごそう。
菫 離々と蓮は、宿泊するホテルまで戻ってきていた。
「撮影は水着姿でなければ構いませんが……」
ホテルまで付いてきた撮影スタッフを、蓮は申し訳なさそうに見つめる。
「家庭の事情というか……俺が帰らぬ人になる可能性があるんで」
脳裏に浮かぶのは、『お父様』の姿。
二人で水着でイチャイチャする姿がお茶の間に流れでもしたら、確実に首が危ない。
「むしろ俺、水着になって大丈夫ですか?」
「そういう事で、ここからは撮影はなしでお願いします」
蓮の隣で、離々がぺこりと頭を下げる。
(私は構わないのですが、ハチさんが怯えているようですから)
撮影スタッフは快諾し、他のウィンクルム達を撮影すべく去って行った。
その後ろ姿を見送って、蓮はふぅと息を吐き出す。
「お嬢、ありがとうございます。俺の為に頭まで下げてくれて……」
「ふふ、お安い御用ですよ」
ふわりと笑う離々は、紛うことなき天使だ。
「ではハチさん。着替えて来ましょう」
「そうですね」
二人は水着に着替えるべく、一旦別れた。
「私、サウナって初めてなんです」
にっこり微笑む離々を前に、蓮は涙を流した。心の中で。
蓮の前には、眩しい水着姿の離々。
細い手足、白い肌、眩しい胸元。
「お嬢の水着……生きててよかった」
拳を握り締めて、思わず本当に涙が溢れても、それは仕方の無い事なのである。
「ハチさんはサウナ、入った事ありますか?」
「お嬢の実家の方々はこういうとこ好きでしたし、我慢比べに付き合うこともあるんで得意です」
蓮は少し胸を張った。ここは任せて下さい!といった表情だ。
「お嬢、まずはシャワーを浴びましょう」
「シャワーですか?」
「身体に汚れが付いたままだと汗腺が塞がるんで、サウナの発汗効果を最大限に得られないんです」
「なるほど……さすが、センパイですね」
離々と蓮は、サウナに併設されているシャワーブースで、まずは身体を洗う事にした。
「あら……石鹸がないですね。ハチさん、そちら石鹸ありますか?」
「ありますよ、お嬢。どうぞ」
ブース越しに石鹸を貸す。
離々の細い指が石鹸を受け取る様子を眺め、蓮は拳を握り締めた。
これって、ドラマみたいで凄く良い……!
シャワーを浴び終えた二人は、しっかり身体を乾かしてからサウナの中へと入る。
サウナルームの中は、むっとした熱気に包まれていた。他の客はなく、段状の席は選び放題だ。
「熱は上に昇る性質があるんで、最初は下の段をおススメします」
蓮がそう言い、二人は一番下の段に並んで腰を下ろす。
「個人差はあるでしょうが……どれ程中に居れば効果があるのでしょう」
蒸し暑さに吹き出る汗をタオルで拭きながら、離々が首を傾けた。
「一般的には10分程度でしょうか。最初はもっと短め……5分くらいでいいかもしれませんね」
同じく汗を拭きながら蓮が答えると、離々は壁の時計を見る。
「……」
その彼女の横顔を見ながら、蓮はドキドキする胸を押さえた。どうしよう、気付いてしまった!
考えてみれば──いや、考えるまでもないのだけども。
そして、決して意図してそうなった訳でもないのだけども。
(しかしお嬢と密室で汗流してるわけで……)
密室。汗。
その単語に、別にやましい事はない筈なのに、胸は早鐘を打つ。
急にサウナの温度が上がったような気がした。
「無理はしないようにしないといけませんね。きちんと時間を計って……って、ハチさん?」
急に大人しくなった蓮に、離々が首を傾ける。
「入ったばかりなのに、随分顔が赤いですね」
ずいっと離々が顔を覗き込んできて、蓮の心臓が大きく脈打った。
「え、あ、大丈夫です」
(どうしたんですかお嬢、妙に近い気がします……!)
蓮は慌てて身を引くも、直ぐに背中に壁が当たった。しまった、ここ隅っこだ!
「暑いの苦手でしたか?」
更に離々が身を寄せて、上目遣いでこちらを見つめる。
翠の瞳が綺麗で、白い肌をつーっと汗が伝った。
(そんな下から覗きこまれたら胸とか脚とか……)
下から覗き込む彼女の体勢で、強調された胸の谷間。触れる脚。
汗ばむ身体が、何とも言えない色気を醸し出していて──。
(アッこれヤバイかm……)
そう思った瞬間、グラァと視界が揺れた。
頭が沸騰しそうに熱い。
ぐわんぐわんと頭が揺れて、蓮は椅子に倒れ込んだ。確実に逆上せたと悟る。
「ハチさん?」
「す、すみません……お嬢~……」
逆上せたみたいです。
ぐるぐる回る思考の中、蓮は兎に角外に出なければと思う。このままだと確実に逝ける。
蓮は椅子を這い蹲って何とか段差を降り、そのまま扉を開いて外に出た。
「ハチさん、大丈夫ですか?」
直ぐに離々も追い掛けてくる。
「きゅう……」
床に転がる蓮に駆け寄ると、離々は辺りを見渡した。
何処か涼しくて休憩が出来る場所に移動する必要がある。
「ハチさん、あそこまで頑張って下さい」
近くに休憩用のソファーを見つけた。サウナ客用の休憩スペースのようだった。
離々は蓮を誘導し、蓮はずりずりと芋虫のように這いずって移動する。
どさっと自力でソファーに寝転がって、蓮は天上を仰いだ。視界がまだ回っている。
ドクドクドク……妙に速い己の鼓動が聞こえた。
「ハチさん、少し待ってて下さいね」
離々の声。パタパタと走り去る音がする。
ああ、お嬢に迷惑を掛けてしまった。自己嫌悪に瞳を閉ざす。
不意に、首筋にひやっとしたものが押し当てられ、蓮は瞳を開けた。
心配そうにこちらを覗き込む離々の顔がある。
彼女の手には濡れたタオル。首筋を冷やしてくれているようだ。
「ハチさん、これ……飲んで下さい」
口元にペットボトルの飲み口が差し出された。
蓮が頷き口を開くと、冷たい水が注ぎ込まれる。
「……ッ……」
喉を鳴らしてそれを飲み込んで、蓮は深く息を吐き出した。
「申し訳ありません……お嬢に看病させるとか何たる不覚……」
やっとの事で掠れた声でそう言えば、離々は微笑んで首を振る。
「すみません」
謝罪しながら、離々は汗ばんだ蓮の前髪をそっと払った。
「はしゃいでいたのか、ちょっと露骨にやりすぎましたね」
「? 何のこと、ですか?」
不思議そうに蓮が瞬きする。
「いいえ、何でも」
ゆるく首を振って、離々は温くなったタオルを蓮の首筋から離した。
「タオル、温くなりましたから、また濡らしてきます」
「お嬢」
腰を浮かせかけた離々の腕を、熱い蓮の手が掴んだ。
「冷やすのは自分で出来ます」
ゆっくりと身を起こして、蓮は微笑む。
「俺の肌、布越しとはいえ気味悪いもんでしょうし」
そう言って眉を下げた蓮に、今度は離々が不思議そうに瞬きした。
「肌? 見慣れていますし、怖くありませんよ」
はっきりと言い切り、離々は蓮の胸板にそっと触れる。
驚いたような蓮の瞳と目が合えば、にこりと瞳を細めた。
「お嬢……」
ふるふると蓮の肩が震える。
「お嬢お優しい……」
(泣いてませんが、心は号泣してます)
心の中が涙の洪水になるのを感じながら、蓮はソファーから立ち上がった。
少しふらつくが、許容範囲だ。
グラグラする感覚はすっかり無くなっている。
「ハチさん、大丈夫なんですか?」
心配そうな光を瞳に宿し、尋ねてくる離々に微笑んだ。
「もう平気です」
この通り!と軽く屈伸をして見せて、
「お嬢の飲み物も調達してきますね」
蓮は離々に背中を向ける。
その足取りが、彼の言う通り大丈夫そうなのを確認して、離々はソファーに座り直した。
遠ざかる背中に瞳を細める。
(むしろ……逞しくて頼もしくて素敵です)
心の中で、そっと囁いた。
本当は面と向かって言いたかったけども。
(実際言ったら本当に倒れてしまいそうです)
クスッと離々は小さく笑みを浮かべる。
(ハチさんが思うより、私は──)
言葉の続きは、心の中でも呟かないけども。
「お嬢~!」
ペットボトルを抱えて、蓮が小走りに駆けてくる。
(さっきまで逆上せていたのに、無茶ばかり……)
嬉しそうに笑顔を見せる蓮に、離々も笑顔を返したのだった。
依頼結果:大成功
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名前:菫 離々 呼び名:お嬢、お嬢さん |
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名前:蓮 呼び名:ハチさん |