プラン
アクションプラン
瀬谷 瑞希 (フェルン・ミュラー) |
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スポット:1水族館→2夜の水族館 熱帯魚や珍しい魚が見れると聞いたので、水族館へ。 昼間の水族館で色々な魚を見学。 色とりどりの熱帯魚が綺麗ですね。 飼育してる人の話を読むと、いつも感心します。 水質・水温管理をし、魚の体調に気を配り、様子が変だったら治療までするの でしょ。 私には出来ないですもの。 水族館の飼育員ともなれば、もっと大変そうですね。 このふわふわ漂うくらげさん、いつまででも見てられます。 でも飼えるかと言うと(苦笑)。無理かな―って。 にこにこと色々な魚を見て回ります。 ペンギンさんも可愛いですね。ふふ。 夜の水族館は見る機会が無いので、とても楽しみです。 昼間より静かで神秘的な感じしますね。水棲世界の独自性を感じます。 私達とは少し違う世界かなって。 人魚達はこんな世界を眺めているのかしら。 何か水槽の中で漂いながら光っているのがとても綺麗です。 まるで星空のよう、しかもその光に手が届きそうです。素敵。 |
リザルトノベル
入館ゲートを潜ると、そこは海の世界だった。
透明なトンネルの上下左右を海水が満たし、色とりどりの魚が泳いでいる。
それはまるで、海底のトンネル。
一面に広がる青の世界に、瀬谷 瑞希は瞳を輝かせた。
「……綺麗ですね」
ほうと息を吐き出す瑞希の横顔を、フェルン・ミュラーは瞳を細め見つめた。
キラキラとライトアップされた海水が、天然のスポットライトのように瑞希を包み込む。
今の彼女は、さしずめ海底に舞い降りた天使といった所か。
熱帯魚達も彼女に誘われるように、群れで円を描いて優雅な泳ぎを見せている。
「魚達も俺達を歓迎してるみたいだね」
「はい、可愛いです」
瑞希はこくりと頷いて、ガラス越しに魚に手を振った。
魚達はそんな彼女の手の動きに合わせて、くるくる回る。
「図鑑でしか見た事がない魚がいっぱいです」
瑞希は頬を緩め、水槽の説明プレートと魚達を見比べた。
(誘って大正解だったよ)
真剣に楽しそうに説明文に目を走らせる瑞希の傍らで、フェルンは笑みを深める。
(ミズキは知らない事への探求心に溢れているから)
だから、この水族館『カプカプ・オーシャン』を選んだフェルンだったのだが、その目論見は大成功だったと言えるだろう。
海底のトンネルをイメージしたゾーンを抜けると、次に二人を出迎えたのはサンゴ礁の連なる空間だった。
巨大な水槽に、形状と色彩を精巧に再現したサンゴ礁。その中を色鮮やかな魚達がゆったりと泳いでいる。
瑞希は、サンゴ礁の見事さに息を飲みながら、早速説明プレートへと視線を走らせた。
「成程……これは、飼育員の方が、実際の海に潜って見たサンゴ礁の風景を参考にして作られているのですね」
「自然に近い形なんだね」
「ええ、水族館のオープンからずっと成長し続けているサンゴも多く居るんだそうです」
瑞希は感嘆の吐息を吐き出して、水槽の中に目を凝らした。
サンゴの陰に隠れている魚、悠々自適に漂う魚、他の魚達と一糸乱れぬ動きで泳ぐ魚。
一体どれだけの種類の魚が泳いでいるのか。
同じ種類でも個性があって、いつまで見ていても飽きない。
ふと水槽の水面がバシャバシャと軽く叩かれた。飼育員が餌をやる合図らしい。
魚達は水面を見上げ反応すると、それぞれ餌を貰う位置取りに動き出した。
飼育員はそれを確認し、餌を投入していく。
魚達のランチタイムの始まりだった。
「飼育してる人の話を読むと、いつも感心します」
その様子を興味深く眺めながら、瑞希が口を開いた。フェルンはその横顔を見つめる。
「水質・水温の管理をして、魚の体調に気を配り、様子が変だったら治療までするのでしょ」
瑞希は小さく息を吐き出した。
「私には出来ないですもの。水族館の飼育員ともなれば、もっと大変そうですね」
「確かに……これだけの種類と数だから、管理は大変だろうね」
魚の給餌解説を瑞希と一緒に読みながら、フェルンは頷く。
魚達が餌を食べる様子をたっぷり観察してから、二人は次のゾーンへと向かった。
更に控えめになった照明の中、浮かび上がるのは幻想的な水槽。
深海生物やクラゲを展示するコーナーである。
「ミズクラゲにブルージェリー、サムクラゲ、パシフィックシーネットル……フェルンさん、くらげさんがいっぱいです!」
大小様々な形と大きさ、様々な照明に照らされたクラゲに瑞希が華やいだ声を上げた。
「ああ、シーネットルまで……フェルンさん、シーネットルは世界で一番大きなクラゲの一つと言われてるんですよ」
球型水槽の中で優雅に泳ぐクラゲを指差し、瑞希が瞳を輝かせる。
フェルンは思わず無言になって、嬉しそうな瑞希をじっと見つめた。
(クラゲの水槽の前で、そんな油断した表情になるとは……予想外だった)
トロンと蕩けた表情で、瑞希は緩やかに舞うクラゲを観察する。
「このふわふわ漂うくらげさん、いつまででも見てられます……」
フェルンは彼女に寄り添うようにして、腰を屈めて瑞希と同じ視点でクラゲを見た。
ふわふわと漂うクラゲの空間。確かに癒される。
「でも飼えるかと言うと……」
瑞希は一旦言葉を止めて、眉を下げて微笑んだ。
「無理かなーって」
「無理って、どうして?」
「くらげさんは海水生物なので、飼育には海水が必要なんです。定期的に交換しないといけませんし、種類にもよりますが、光も必要です」
瑞希はむぅと眉を寄せる。
「そもそも、くらげさんの飼育に関する情報は、現状圧倒的に不足しているのです。長期飼育については、水族館の飼育員さんであっても未だ試行錯誤していると本で読みました」
「神秘的なのは見た目だけではないんだね」
フェルンは瑞希の解説に感心しながら、気付いた。
(魚を飼った場合の心配が、やけに具体的だね)
瑞希の横顔を見る。
(これは一度、熱帯魚やクラゲを飼うのを本格的に考えたのかな?)
ふむと頷いて、フェルンは口を開いた。
「ミズキ、もしかして……飼ってみる事を検討してたりしてた?」
「えっ?」
瑞希の頬に赤みがさす。
「えっと……少し調べた事があるだけです。それだけです……」
視線を外し、曖昧で切れの悪い口調で言う瑞希に、フェルンはクスッと笑みを零した。
「やっぱり考えたんだね」
「……さ、さあ、そろそろ次のゾーンに行きましょう」
──可愛い猫や兎じゃないところが、彼女らしい。
耳を赤くして歩き出す彼女の後ろに続きながら、フェルンは笑みを濃くしたのだった。
最後のゾーンで二人を待っていたのは、ペンギンの群れだった。
水槽内にはペンギン達の暮らすスペースが忠実に作られている。
陸上そして水中へと順路が続き、ペンギン達の陸上での暮らし、そして水中を泳ぐ様子、どちらも見れる作りとなっていた。
「ジェンツーペンギンにキングペンギン、イワトビペンギン、マカロニペンギン……どのペンギンさんも可愛いですね。ふふ」
可愛らしいペンギンの姿に、瑞希が相好を崩す。
最後に、記念写真撮影コーナーでペンギンと一緒に写真を撮って、二人は昼の水族館を後にした。
空に満天の星々が広がる頃、二人は再び夜の水族館へと足を運んでいた。
「夜の水族館は見る機会が無いので、とても楽しみです」
「入る前から、独特の雰囲気があるね」
ライトアップされた外観を眺め、瑞希とフェルンは顔を見合わせた。
微笑み合い、歩き出す。
足を踏み入れて、まず館内のBGMが変わっている事に二人は気付いた。
リラックス出来る柔らかな調べが、空間を包んでいる。
館内の照明も昼間のそれとガラリと印象を変えていた。
喩えるならば、深く濃く透明な青い海に、光が月明かりのように差し込む空間で、魚達が舞っている。
儚く幻想的な光景だった。
「昼間より静かで神秘的な感じしますね」
声を潜めて瑞希が呟く。
フェルンはそうだねと頷いて、瑞希の声の響きが広がる余韻に浸った。
瑞希の瞳が活き活きと館内を見渡すのに、フェルンは笑みを浮かべる。
(『普段と違う』から好奇心が刺激されているのかな)
昼間観た海底のトンネルもまた、暗い空間の中で浮かび上がるようにライトアップされていた。
寝ている魚や、群れで泳ぐ小魚がキラキラと宝石のように輝く。
「水棲世界の独自性を感じます」
瑞希は真上を泳ぐ優雅なマンボウを見上げた。
海水の中、照らすライトがオーロラのように色を変えて、万華鏡のようで。
「私達とは少し違う世界かなって」
空気の代わりに海水が満ちる世界。
「人魚達はこんな世界を眺めているのかしら」
フェルンは青い光に照らされる瑞希を見つめる。
彼女自身が、人魚のように見えて──遠くに行かないように、そっとその手を握り締めた。
少し驚いたように肩を跳ねる瑞希に、フェルンは囁く。
「光って泳ぐ魚もいるよ」
フェルンが指差す先、淡い光を放つ魚の姿を見つめ、瑞希は微笑んだ。
「とても綺麗です」
瑞希の手がゆっくりとその光へと差し伸べられる。
「まるで星空のよう……しかもその光に手が届きそうです。素敵……」
光をなぞるように指を滑らせる。
そのしなやかな白い指先の、何と美しい事か。
「水の中を星空を模したように表現するあたり、良い着眼点だね」
そう相槌を打ちながらも、フェルンの視線が追うのは何処までも瑞希だった。
彼女の一挙一動から、目が離せない。
「確かに神秘的で幻想的だ」
「……ええ。本当に」
ふわりと、彼女の肩を抱き寄せて距離を詰める。
瑞希は拒まなかった。美しい水槽を眺めるのに夢中で、距離の近さに気付いていないのかもしれない。
少しだけ、こんなにも瑞希の視線を釘付けにする魚達に嫉妬心も浮かぶけれど。
瑞希をこんなに近くで独占する。それはフェルンだけの特権だ。
誰にも譲れない。
「綺麗だね」
フェルンは囁く。瑞希だけに。
瑞希がこの距離と熱に気付くまで、フェルンは彼女を独占した。
透明なトンネルの上下左右を海水が満たし、色とりどりの魚が泳いでいる。
それはまるで、海底のトンネル。
一面に広がる青の世界に、瀬谷 瑞希は瞳を輝かせた。
「……綺麗ですね」
ほうと息を吐き出す瑞希の横顔を、フェルン・ミュラーは瞳を細め見つめた。
キラキラとライトアップされた海水が、天然のスポットライトのように瑞希を包み込む。
今の彼女は、さしずめ海底に舞い降りた天使といった所か。
熱帯魚達も彼女に誘われるように、群れで円を描いて優雅な泳ぎを見せている。
「魚達も俺達を歓迎してるみたいだね」
「はい、可愛いです」
瑞希はこくりと頷いて、ガラス越しに魚に手を振った。
魚達はそんな彼女の手の動きに合わせて、くるくる回る。
「図鑑でしか見た事がない魚がいっぱいです」
瑞希は頬を緩め、水槽の説明プレートと魚達を見比べた。
(誘って大正解だったよ)
真剣に楽しそうに説明文に目を走らせる瑞希の傍らで、フェルンは笑みを深める。
(ミズキは知らない事への探求心に溢れているから)
だから、この水族館『カプカプ・オーシャン』を選んだフェルンだったのだが、その目論見は大成功だったと言えるだろう。
海底のトンネルをイメージしたゾーンを抜けると、次に二人を出迎えたのはサンゴ礁の連なる空間だった。
巨大な水槽に、形状と色彩を精巧に再現したサンゴ礁。その中を色鮮やかな魚達がゆったりと泳いでいる。
瑞希は、サンゴ礁の見事さに息を飲みながら、早速説明プレートへと視線を走らせた。
「成程……これは、飼育員の方が、実際の海に潜って見たサンゴ礁の風景を参考にして作られているのですね」
「自然に近い形なんだね」
「ええ、水族館のオープンからずっと成長し続けているサンゴも多く居るんだそうです」
瑞希は感嘆の吐息を吐き出して、水槽の中に目を凝らした。
サンゴの陰に隠れている魚、悠々自適に漂う魚、他の魚達と一糸乱れぬ動きで泳ぐ魚。
一体どれだけの種類の魚が泳いでいるのか。
同じ種類でも個性があって、いつまで見ていても飽きない。
ふと水槽の水面がバシャバシャと軽く叩かれた。飼育員が餌をやる合図らしい。
魚達は水面を見上げ反応すると、それぞれ餌を貰う位置取りに動き出した。
飼育員はそれを確認し、餌を投入していく。
魚達のランチタイムの始まりだった。
「飼育してる人の話を読むと、いつも感心します」
その様子を興味深く眺めながら、瑞希が口を開いた。フェルンはその横顔を見つめる。
「水質・水温の管理をして、魚の体調に気を配り、様子が変だったら治療までするのでしょ」
瑞希は小さく息を吐き出した。
「私には出来ないですもの。水族館の飼育員ともなれば、もっと大変そうですね」
「確かに……これだけの種類と数だから、管理は大変だろうね」
魚の給餌解説を瑞希と一緒に読みながら、フェルンは頷く。
魚達が餌を食べる様子をたっぷり観察してから、二人は次のゾーンへと向かった。
更に控えめになった照明の中、浮かび上がるのは幻想的な水槽。
深海生物やクラゲを展示するコーナーである。
「ミズクラゲにブルージェリー、サムクラゲ、パシフィックシーネットル……フェルンさん、くらげさんがいっぱいです!」
大小様々な形と大きさ、様々な照明に照らされたクラゲに瑞希が華やいだ声を上げた。
「ああ、シーネットルまで……フェルンさん、シーネットルは世界で一番大きなクラゲの一つと言われてるんですよ」
球型水槽の中で優雅に泳ぐクラゲを指差し、瑞希が瞳を輝かせる。
フェルンは思わず無言になって、嬉しそうな瑞希をじっと見つめた。
(クラゲの水槽の前で、そんな油断した表情になるとは……予想外だった)
トロンと蕩けた表情で、瑞希は緩やかに舞うクラゲを観察する。
「このふわふわ漂うくらげさん、いつまででも見てられます……」
フェルンは彼女に寄り添うようにして、腰を屈めて瑞希と同じ視点でクラゲを見た。
ふわふわと漂うクラゲの空間。確かに癒される。
「でも飼えるかと言うと……」
瑞希は一旦言葉を止めて、眉を下げて微笑んだ。
「無理かなーって」
「無理って、どうして?」
「くらげさんは海水生物なので、飼育には海水が必要なんです。定期的に交換しないといけませんし、種類にもよりますが、光も必要です」
瑞希はむぅと眉を寄せる。
「そもそも、くらげさんの飼育に関する情報は、現状圧倒的に不足しているのです。長期飼育については、水族館の飼育員さんであっても未だ試行錯誤していると本で読みました」
「神秘的なのは見た目だけではないんだね」
フェルンは瑞希の解説に感心しながら、気付いた。
(魚を飼った場合の心配が、やけに具体的だね)
瑞希の横顔を見る。
(これは一度、熱帯魚やクラゲを飼うのを本格的に考えたのかな?)
ふむと頷いて、フェルンは口を開いた。
「ミズキ、もしかして……飼ってみる事を検討してたりしてた?」
「えっ?」
瑞希の頬に赤みがさす。
「えっと……少し調べた事があるだけです。それだけです……」
視線を外し、曖昧で切れの悪い口調で言う瑞希に、フェルンはクスッと笑みを零した。
「やっぱり考えたんだね」
「……さ、さあ、そろそろ次のゾーンに行きましょう」
──可愛い猫や兎じゃないところが、彼女らしい。
耳を赤くして歩き出す彼女の後ろに続きながら、フェルンは笑みを濃くしたのだった。
最後のゾーンで二人を待っていたのは、ペンギンの群れだった。
水槽内にはペンギン達の暮らすスペースが忠実に作られている。
陸上そして水中へと順路が続き、ペンギン達の陸上での暮らし、そして水中を泳ぐ様子、どちらも見れる作りとなっていた。
「ジェンツーペンギンにキングペンギン、イワトビペンギン、マカロニペンギン……どのペンギンさんも可愛いですね。ふふ」
可愛らしいペンギンの姿に、瑞希が相好を崩す。
最後に、記念写真撮影コーナーでペンギンと一緒に写真を撮って、二人は昼の水族館を後にした。
空に満天の星々が広がる頃、二人は再び夜の水族館へと足を運んでいた。
「夜の水族館は見る機会が無いので、とても楽しみです」
「入る前から、独特の雰囲気があるね」
ライトアップされた外観を眺め、瑞希とフェルンは顔を見合わせた。
微笑み合い、歩き出す。
足を踏み入れて、まず館内のBGMが変わっている事に二人は気付いた。
リラックス出来る柔らかな調べが、空間を包んでいる。
館内の照明も昼間のそれとガラリと印象を変えていた。
喩えるならば、深く濃く透明な青い海に、光が月明かりのように差し込む空間で、魚達が舞っている。
儚く幻想的な光景だった。
「昼間より静かで神秘的な感じしますね」
声を潜めて瑞希が呟く。
フェルンはそうだねと頷いて、瑞希の声の響きが広がる余韻に浸った。
瑞希の瞳が活き活きと館内を見渡すのに、フェルンは笑みを浮かべる。
(『普段と違う』から好奇心が刺激されているのかな)
昼間観た海底のトンネルもまた、暗い空間の中で浮かび上がるようにライトアップされていた。
寝ている魚や、群れで泳ぐ小魚がキラキラと宝石のように輝く。
「水棲世界の独自性を感じます」
瑞希は真上を泳ぐ優雅なマンボウを見上げた。
海水の中、照らすライトがオーロラのように色を変えて、万華鏡のようで。
「私達とは少し違う世界かなって」
空気の代わりに海水が満ちる世界。
「人魚達はこんな世界を眺めているのかしら」
フェルンは青い光に照らされる瑞希を見つめる。
彼女自身が、人魚のように見えて──遠くに行かないように、そっとその手を握り締めた。
少し驚いたように肩を跳ねる瑞希に、フェルンは囁く。
「光って泳ぐ魚もいるよ」
フェルンが指差す先、淡い光を放つ魚の姿を見つめ、瑞希は微笑んだ。
「とても綺麗です」
瑞希の手がゆっくりとその光へと差し伸べられる。
「まるで星空のよう……しかもその光に手が届きそうです。素敵……」
光をなぞるように指を滑らせる。
そのしなやかな白い指先の、何と美しい事か。
「水の中を星空を模したように表現するあたり、良い着眼点だね」
そう相槌を打ちながらも、フェルンの視線が追うのは何処までも瑞希だった。
彼女の一挙一動から、目が離せない。
「確かに神秘的で幻想的だ」
「……ええ。本当に」
ふわりと、彼女の肩を抱き寄せて距離を詰める。
瑞希は拒まなかった。美しい水槽を眺めるのに夢中で、距離の近さに気付いていないのかもしれない。
少しだけ、こんなにも瑞希の視線を釘付けにする魚達に嫉妬心も浮かぶけれど。
瑞希をこんなに近くで独占する。それはフェルンだけの特権だ。
誰にも譲れない。
「綺麗だね」
フェルンは囁く。瑞希だけに。
瑞希がこの距離と熱に気付くまで、フェルンは彼女を独占した。
依頼結果:大成功
エピソード情報 | ||||||
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リザルト筆記GM | 雪花菜 凛 GM | 参加者一覧 | ||||
プロローグ筆記GM | なし |
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エピソードの種類 | ハピネスエピソード | ||
対象神人 | 個別 | |||||
ジャンル | イベント | |||||
タイプ | イベント | |||||
難易度 | 特殊 | |||||
報酬 | 特殊 | |||||
出発日 | 2017年5月13日 |