初瀬=秀の『聖なる夜に恋の魔法を!』
巴めろ GM

プラン

アクションプラン

初瀬=秀
(イグニス=アルデバラン)
選択:7
夕食後にお互い浴衣でくつろぎながら

大きな戦いの後なんでしっかり骨休めを、と思って
いい宿とったのはいい
露天風呂も部屋食も良かったしな
……しかしなんなんだろうなあれは(キングサイズのベッドを見つめ)
何を想定してあのサイズなんだ、いや大体わかるけれども!
うんまあその反応も大体予想通りだわ
ほんっとにお前は変わらないというか、ブレねえな
あー、イグニス、ちょっと座れ(ベッドの端に腰かけ隣を叩いて)
手、出せ。……クリスマスプレゼントだ(差し出された手に鍵を載せ)
あんまり散らかすんじゃねえぞ
どこの鍵か?言わせるのかよ……
俺の家の合鍵だよ!
いやそこまでは言って……いやもうどっちでもいいか
ん、お前からも?何をって、!?
(急な展開に固まり)
~~~っ、なんつう顔してるんだよ……!
(予想外の展開と表情に真っ赤になりつつ)
心臓止まるかと思ったわ!つうかお前半分自分のご褒美じゃねえか!
くそ、覚えてろよ王子様!

リザルトノベル

●きんぐさいずのだぶるべっど
「秀様、お風呂いいお湯でしたねえ!」
「……ああ」
「ごはんもとても豪華でしたし!!」
「……そうだな」
 場所は、『白馬岳』の頂上に位置する和風リゾートホテル『そらのにわ』。天然のプラネタリウムが頭上に広がる露天風呂を堪能し、豪勢かつ繊細な夕食を2人で存分に味わい終えて。浴衣姿の初瀬=秀が、ごく寛いだ、ここ暫くの疲れが癒えたような心地で、宿泊している客室の、寝室の扉を開けたのがついさっきのこと。今は呆けたような相槌しか返せない秀と揃いの浴衣の裾を翻しながら、
「そして!」
 秀とは対照的に元気いっぱいのイグニス=アルデバランは、目前に鎮座しているキングサイズのダブルベッドへと、思い切り良くダイブした。
「ベッドが! 大きい!」
 ふかふかのベッドの上を子供がはしゃぐようにして転げ回るイグニスと同じ感想を、秀も抱いている。けれど、心境の方は随分と違っていた。わくわくするどころか頭がズキズキと痛むような気さえして、秀は軽く額を押さえ、深い息を吐く。
(……大きな戦いの後なんでしっかり骨休めを、と思って、いい宿とったのはいい)
 よし、ここまでは問題ない。実際、ゆるりと過ごした贅沢な時間のお陰か、心も身体も、中々に楽になった気がする。
(露天風呂も部屋食も良かったしな)
 露天風呂の疲労を底から溶かすような温もりや、見上げた満天の星空、テーブルの上に並んだ眩しいほどの食事に、イグニスの嬉しそうな笑顔。走馬灯のように頭を巡るのは、幸せ、という言葉がよく似合うような情景や体験ばかりだ。それなのに、である。
(……しかしなんなんだろうなあれは)
 広々としたベッドの上では、相変わらず、イグニスがごろごろと転がっている。秀は、思わず遠い目になった。年甲斐のないようなイグニスの行動のせいではなく、もっと根本的なところ――部屋を陣取るキングサイズのベッド、という圧倒的な存在を前にして。
(何を想定してあのサイズなんだ、いや大体わかるけれども!)
 それはわかる、流石に秀とてわかってしまうのだが、それにしたって、という心持ちになるのは仕方がない。そして、秀の何とも形容し難い、いっそ居心地の悪いような思いには気が付かない様子で、イグニスは依然として、ベッドの広さと肌心地の良さをご機嫌で満喫しているのだ。ごろごろ、ころころ、もふもふ、ふかふか。秀の唇を、ため息が震わせる。寝室に足を踏み入れてより、既に2度目のことである。
「……うんまあ、その反応も大体予想通りだわ」
「秀様? どうかしましたか?」
 思わずぽつりと零せば、イグニスがくるりくるりと転がりながら、秀が立っている側の端っこまで戻ってきた。
「いや……ほんっとにお前は変わらないというか、ブレねえな」
 何とか自分のペースを取り戻そうと心中で奮闘した末に、広すぎるベッドの端に腰掛けて、ぽんぽん、と自身の傍らのスペースを叩いて示す秀。ベッドは、実に完璧な触り心地だった。閑話休題。
「あー、イグニス、ちょっと座れ」
「? なんですかー?」
 問い掛けの形で応じながらも、よいしょ、と起き上がって秀の隣に座り直すイグニス。浴衣の乱れを整えた後、ことり、秀の次の言葉を待つように小首を傾げてこちらを見つめる青の眼差しを前に、秀は三度目の――今度は自分を落ち着かせる為の息を吐いた。忠犬よろしく、イグニスは、秀の次の言葉をじぃとして待っている。

●あなたに贈る、
「手、出せ。……クリスマスプレゼントだ」
 ごくごく簡潔に、秀は言った。手ですか? と最初の台詞に目を丸くしたイグニスが、続く言葉には、ぱあと表情を華やがせる。
「わ、クリスマスプレゼント! なんでしょう」
 そわそわとしながら、素直に両手を広げてプレゼントを受け取る態勢を整えるイグニス。差し出されたその手のひらの上に――チャリ、と、1本の鍵が乗った。
「これは……鍵?」
「あんまり散らかすんじゃねえぞ」
「え、散らかすって……」
 鍵を見て、秀の顔を見て。イグニスの頭の上に、沢山のクエスチョンマークが舞う。その顔が、これは一体どこの鍵かと秀に問うていた。
「言わせるのかよ……」
 面映ゆさに、短い黒髪をぐしゃぐしゃと掻き混ぜる。けれども、イグニスはやはりきょとんとした顔を崩さなかったので、
「ああもう! 俺の家の合鍵だよ!」
 と、秀は半分自棄のように声を上げた。
「……!!」
 ぴこん! とイグニスの尻尾が立つ。手渡された鍵の本当の意味での重みを理解して、自分の中に納得して、青の双眸が、ぴかぴかと煌めいた。その輝きに、先に露天風呂から見えた星々よりも眩いのではないか、なんて、寸の間思う秀である。
「つまりあれですね、自由にお邪魔しても良いと!」
「あー……」
「あわよくば住んでも! いいと!?」
「いやそこまでは言って……いやもうどっちでもいいか」
 なし崩し的にそういうことになった。イグニス、大勝利。
「わー、ありがとうございます! 夢の同棲生活!」
「……おい、あんまりはしゃぐな。ベッドが揺れるだろ」
 きゃっきゃと盛り上がるイグニスを、半ばは、何とも言えない気恥ずかしさを少しでも誤魔化せれば、という気持ちで秀は窘める。瞳も表情もこれ以上ないほどに輝かせてまたそわそわとしながらも、イグニスは、一応は秀の言葉にお利口さんに従った。
「これは私も何かお返しをしなければ……あ」
 言って、ぴん! と何かを思いついた顔になるイグニス。
「それでは秀様、私からプレゼントです」
「ん、お前からも? 何を、って……」
 イグニスの指がベッドの脇にある部屋の照明スイッチへと迷いなく伸びた――と思った時には、寝室は、混じり気のない暗闇の底に落ちていた。秀の狼狽を揺れる空気の中に感じながら、イグニスは愛しい姫君の手に己の手を重ねると、その唇へと、ゆっくりと口付けを零して。
「……!?」
 イグニスの手のひらの下で、秀の手がぴくりと跳ねて、僅かに強張る。互いの温度を分け合っていた唇をゆるりと離せば、闇の中を見通すことに慣れてきた双眸に、彼からしてみればあまりにも急な展開に目を見開いて固まる秀の、イグニス視点ではこの上なく愛らしい表情が映った。そのリアクションを心行くまで堪能し切った後で、イグニスはようやっと秀を解放して――、
「……如何でしたか?」
 と、常とは纏う色の異なる声を以って、秀の耳元に囁き零した。身動ぎした秀の銀の瞳が見留めたのは、いっそ色香さえ帯びた声音と同じく、普段の人懐っこいわんこを思わせるイグニスからは想像もつかないような、秀の息を一瞬詰めさせるのに充分に過ぎるほどの希有な微笑。闇の中に身を置きながらも、フラッシュを焚いたように、そのかんばせを彩る色が秀の目の奥へとこびり付く。
「~~~っ、なんつう顔してるんだよ……!」
 予想外の展開、予想外の表情。頬の火照りに、己の顔が今まさに真っ赤になっているだろうことが嫌でもわかって、秀は手の甲で口元を覆った。
「お前なぁ、心臓止まるかと思ったわ!」
「えっ、それは困ります! 心臓は大事に!!」
「誰のせいだ! つうかお前、半分自分のご褒美じゃねえか!」
 秀の言い分を、イグニスはふにゃりと笑って受け流した。さて、と、何事もなかったかのような清々しさで手を合わせ、一旦立ち上がるイグニス。
「それじゃ寝ましょうか、私のかわいいお姫様?」
「くそ、覚えてろよ王子様!」
 首を仄かに傾けて王子様が甘やかに囁けば、お姫様は捨て台詞めいた返事を寄越してベッドの中へと潜り込んだ。姫君への募る愛しさに、口元に柔らかな笑みを乗せた後で、
「……って、秀様! 私も! 一緒に寝ます!」
 イグニスは、慌てて自分も、ベッドを包むふわっふわの布団を捲る。互いの大切な人を傍らに、特別な夜は、ゆったりとして過ぎていく。




依頼結果:大成功

エピソード情報
リザルト筆記GM 巴めろ GM 参加者一覧
プロローグ筆記GM なし
神人:初瀬=秀
精霊:イグニス=アルデバラン
エピソードの種類 ハピネスエピソード
対象神人 個別
ジャンル イベント
タイプ イベント
難易度 特殊
報酬 特殊
出発日 2016年12月18日

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