【チョコ】VSちゃむリス(こーや マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

●正直すまんかった
「あっ、駄目、そんな!」
「へっへっへ、いいじゃねぇか」
「いや、やめてーー!そんなことしないで、ちゃむうううううう!!」

「ということをお願いしたいんです」
「意味が分らない、まともな説明を頼む」
 精霊のつっこみに「えー、仕方ないですねー」と不満顔で何やらパネルを取り出す受付娘。
彼女が取り出したパネルにはリスの絵が描かれていた。
ただし、それは普通のリスではなくパステルブルーの体に帽子を被り、さらに緑色のリボンをつけている、とても変わったリスだ。
「絵心のある同僚に描いてもらいました。不思議生命体の多いショコランドに生息している、らんちゃむリスというリスです。通称ちゃむリス」
 生命体とかもうちょい言葉のチョイスをなんとかしようよと、君は思いながらも指摘はしない。
任務の説明を聞くのが先だし。
「で、このらんちゃむリスなんですが、この時期になると活発になってちょっと悪さをするようになるそうなんです」
 なんでもチョコミントアイスの沼でちゃむぅちゃむぅと鳴きながら、星形の石を投げつけてくるらしい。
この沼でチョコミントアイスを取っている妖精達は、毎年、自分達と同じくらいのちゃむリス達と激しい戦いを繰り広げどうにか勝利を続けてきた。
ところが、今回の裸族の変態ギルティ騒動の影響か、デミ・オーガ化しているものが混ざっていたように見えたと妖精達が語ったのだ。
「という訳で皆さんの出番です。
このちゃむリスをなんとかして、チョコミントアイスを収穫?えー、汲み上げる?まあ、そういうのをしてきてください」
「なんとかって……デミ化してるのはともかく、他のも倒せということか?」
「討伐してもいいですし、撃退で留めてもいいそうです」
 受付娘はファイルから資料を取り出し、君達へ渡そうとしたところで……――
「ああ、そうでした。大事なこと忘れてました」
「何?」
「このちゃむリス、食 べ ら れ る そうですよ?」

解説

○目標
らんちゃむリス×10の撃退or討伐

デミ化しているというのは見間違えです

○らんちゃむリス
パステルブルーのぼでぇに、ハットと緑のリボンをつけたおしゃれリス
ぼでぇはチョコミントみたいな感じ
大きさは50cmくらいで、5cmくらいの星型の石を投げてきます
痛いけども痛いだけ。悦べる人は悦べるくらいの痛さ
摘み上げてぽーいを、ちゃむリスが根負けするまでやるだけでどうにかできます
「ちゃむぅ」と鳴きます

食 べ れ ま す
味は見た目まんま

○チョコミントの沼
10m四方位のちまい沼
一人バケツ一杯分汲むだけで充分

収穫用のスコップとバケツは自動で支給されますので申請しなくても大丈夫です
というかアイテム申請は通らないと見てください

○その他
ちゃむリス戦がメインなので、チョコミント収穫はさらっと書く位がオススメ

ゲームマスターより

どっかで見た名前?
気のせいだよ、GMの名前と一緒だなんて、そんな馬鹿なことあるわけないじゃないか。
HAHAHAHAHAHAHAH!!

リザルトノベル

◆アクション・プラン

リゼット(アンリ)

  念の為沼付近に着いたらトランス
姿に騙されてはいけないとは思うけど
あんまりひどく傷つけるような事にはならないで欲しいわね
なんだか今回も嫌な予感がするけど…

らんちゃむリス、やっぱりかわいい!
ちゃむぅって言ったわよ!あぁかわいい!
撫でてみたいけど今日はそうもいかないわね

戦闘中はリスが投げつけてきた石を拾って投げ返してやるわ
撃退でいいのであれば少し痛い目にあわせて
向こうから逃げ出してくれるように仕向けたいわ

隙を見て沼のチョコミントをバケツに収穫しておく
そうしておいた方がいいと誰かが言っている気がして

あ。アンリがまた堕ちた

ちょっと、持ってこないでよ…
嫌…そんなのいらない…いらないってば!
いやぁァァーッ!


かのん(天藍)
  他の仲間と挟撃を図る
捕まえて帽子の下含め角がないか確認
なければちゃむリスを両手で持って沼に落とさないように反対側へ勢い付けて放り投げ

再度石を投げてきたら捕まえてぽい-をリスが諦めるまでエンドレス
その間、天藍とちゃむリスを美味しく頂くにはの不毛な会話を
ひいっと固まった所をぽいーと

食べられるそうですけど、美味しいんでしょうか?
調理道具ないですし、生け造り?躍り食い?ですか
(再度捕まえて、にっこりと良い笑い)食べられたいという意思表示と見なして良いですね?
(ちゃむリスに問いかけるように)一気に頭からと、じわじわと尻尾の先からならどちらが良いです?

ちゃむリスがいなくなった所で沼の綺麗な色合いの所を収穫



ハロルド(ディエゴ・ルナ・クィンテロ)
  【トランスタイミング】
開幕トランス
その後にすぐハイトランス

【戦闘?】
威嚇射撃後すぐに仲間に挟み撃ちを指示、自分は右から
ちゃむりすを追い込む、石は受け流す
捕まえたら丸めて砲丸投げのように上空へ力いっぱい放り投げる
その後は沼に落ちないようにバレーの要領でトス

抵抗する体力がなくなっているようなら一体
そのまま食してみる、生食が大丈夫なら。

【使用スキル】
ハイトランス・オーバー

スポーツスキルレベル5

【ちゃむりすを食すこと】
任務なら食べます
というかそれで戦局が楽になるなら構いません

チョコミント味ならチョコソースでもかけて食べてみたいですね

ディエゴさんは何躊躇してるんですか?
…案外、神経細いんですね。




ロア・ディヒラー(クレドリック)
  聞いた話だとものすごく可愛いリスさんみたいね。…デミ化してるかもとはいえなんだか気が引ける…

味方と協力して挟みうちでリスに向かい、持ち上げてどかす。
ごめんねちゃむりすさん。ちょっとどいてね。
かんわいいなーもう!!ぎゅってしたい!

いたっはは、これぐらいなら大丈夫…ってクレちゃんなんで食べようとしてるの!?純真無垢でこんなにかわいらしいリスさんを食べようとするなんて!

た、たべちゃ…く、クレちゃんひどいよー…
味ちょっと気になるけど…。
残すのも可哀想だし少し貰う。
なんかちょっとほろにがい気がする…



菫 離々(蓮)
  可愛らしいリスさんですね
食べてしまいたいくらいです
甘そうな……あ、甘味といえば私は鯛焼きは頭から食べる派です

沼に用心深く近づき
デミ化している個体はハチさんに討伐を依頼
居なければ剣は使いません

沼とリスの位置を見、最終打ち合わせ
できれば挟み撃ちの形で一人一匹目標に捕獲します

結構大きいですが摘めるのでしょうか
重ければ胴体わし掴んでぎゅー、からの放り投げ。ぽーい
沼に落とさないよう気を付けます

ハチさん、庇って頂いてるのはわかるのですが
自ら石に当たりに行っているのは気のせい……ですよね
そんなことするはずありませんものね

あとはひたすら、ぽーい
はい。ちゃむぅ、です

撃退後
沼の水はチョコが均等に混ざるよう掬います


●可愛いは正義
「ちゃむぅ!」
「ちゃむ」
「ちゃむちゃむぅ!」
「ちゃーむ!」


「らんちゃむリス、やっぱりかわいい!ちゃむぅって言ったわよ!あぁ、かわいい!」
 沼から少し離れたところで様子を窺うリゼットの目はめろめろ。めろめろめろん。
ちゃむちゃむ鳴きながらチョコミントアイスプレイじゃなかった、チョコミントアイスを投げ合って戯れるちゃむリスは遠目からみても可愛らしかった。
「すごく可愛いリスさん……デミ化してるかもとはいえなんだか気が引ける……」
 ロア・ディヒラーもリゼットと同じようにちゃむリスを愛でているが、任務内容を思うと気が引ける。
なんと言ったって……彼女のパートナー、クレドリックのことがある。
ちらり、彼の様子を見ればすでに興味津々、危なそうな方向で。
「チョコミント味で食べられるリスか……不思議な生命体だな」
「チョコミント味のリス……おっといけね。よだれが」
 クレドリックだけじゃなかった、アンリも危ない。
独り言が聞こえてしまったリゼットが光の速さでアンリを振り返る。
クレドリックだけに気を配っていたロアも同様。この速さをいつでも出せるようになれば世界最速も夢じゃない。
「可愛らしいリスさんですね。食べてしまいたいくらいです」
 物騒な言葉が聞こえてしまっただけに、ニコニコ笑って言う菫 離々も危なく感じる。
いや、きっと気のせいだと思い込もうとしたロアの耳に追撃の言葉。
「甘そうな……あ、甘味といえば私は鯛焼きは頭から食べる派です」
 ギュン。
出たあああああ!!ロアさんとリゼットさんの素晴らしいまでのシンクロ技、高速振り返りだあああああああ!!
気のせいじゃない、やっぱり離々も危ない(白目)
 まだ慌てる時間じゃない、きっと蓮が止めてくれる、そんな期待を込めてロアが蓮を見る。
後ろでちょーっと、ほんとにちょーっとクレドリックがむっとしたように見えたかもしれないがそれはさて置き。
 蓮はこくりと頷いて見せた。ほっと胸を撫で下ろすリゼット。
「俺は尻尾からですね。たまに餡が入ってなくてあれは悲しい……」
 違う、そこじゃない。
リゼットはなんだか嫌な予感がしていたが、すでにもうヤヴァイ。
早くもリゼットさんの瞳からハイライトが消えかけております、お楽しみ(意味深)はまだまだこれからだぜぇ?


「Semper fidelis」
 二度目の触神の言霊と共にハロルドがディエゴ・ルナ・クィンテロの紋様に口づければ、二人は更なる力を引き出す。
「リズの王子様」
 リゼットとアンリもインスパイア・スペルを唱えてトランスする。
かのんと天藍、ロアとクレドリックの二組は、トランスしないようだ。
離々と蓮はデミの姿を確認したら、その時にトランスするつもりのようだ。それも念の為くらいの心構えだ。
「では、行きましょう」
 全員の準備が終わったことを確認し、かのんが皆に告げる。
その間も沼からはちゃむぅちゃむぅという鳴き声が途切れることは無かった。



●可愛いは作れた
 離々の提案に従い、用心深く沼に近づいてから改めてちゃむリスと沼の位置関係を確認する。
ちゃむリス達は未だ気付く様子もない。
 鳴き声を上げながら沼の上を駆け回っているちゃむリスもいれば、沼の畔でうつらうつらしているちゃむリス。
手に持った星型の石で何やら地面に落書きのようなことをしているちゃむリスまでいる。フリーダム。
「ちゃむリスは沼の上でも大丈夫そうだが……」
「俺達は厳しいだろうな」
 ディエゴと天藍の言葉に全員が頷きを返す。
小さくて軽いだけでなく、重心が低いからこそ沈まずにいられるのだろう。
勿論、沼がアイスで出来ているというのも一つの理由に違いない。
 天藍が視線を投げかけると、察したディエゴが銃を抜いた。
左右の手に握った銃から、別方向へと火が吹く。
「ちゃむぅ!?」
 彼の目論見は外れ、ちゃむリス達は中央に集まってしまったのだ。
ディエゴとしては分断したかったようだが、結果的にはそれでよかった。
群れの中に割り入るのであれば分断は必須だが、挟撃を狙うのであれば分断は逆効果になりかねない。
群れが二つに割れて広がれば挟み込めなくなるからだ。
 ちゃむリスたちは威嚇の声を上げながら一斉に石を投げ出した。
ディエゴは打ち落とすつもりだったのだが、甘かった。
的となる石は移動しているだけでなく、小さいのだ。ラピットファイアで命中精度を上げても限界がある。
何よりも彼自身、先程弾丸を放ったばかりなのだ。
 けれど、幸いにも仲間の行動に影響は無かった。
ハロルドが指示を飛ばすまでも無く、挟撃を心得ていた仲間達は既に飛び出していたのだ。
既に皆が理解している流れを改めて指示する必要はない。
 離々と蓮、ロアとクレドリックが左から。かのんと天藍、リゼットとアンリが右側から回りこむ。
挟み撃ちとは決めていたが、どの組とどの組がどう回り込むかとまでは考えていなかった為、成り行きだ。
 ちゃむリスは変わらず石を投げてくるが蓮は慌てない。いや、誰も慌ててはいないんだけどね?
彼は中腰になり、油断を誘うべく友好的な態度でゆっくり近づく。
「ほーらぺろぺろしてあげ
「ちゃむうううううううううううううううううう!!!!!」
 全力拒否、全力ちゃむリス。
心なしか激化しているように見える石投げ祭。
 このままではいけない、離々には、当てさせない!……という風に見せかけながら蓮は両手を広げ、石を体で受け止める。
全力蓮あれなんか語呂って言うか字面が微妙だなまあいいや。
「石は!こっちに!」
 そんな蓮の姿を離々とロア、クレドリックが見つめる。
心なしか冷たさが混じっている視線は離々さん担当。うわぁ、変態だぁの視線はロアさん、あれはあれで興味深いという視線はクレドリックさん担当。
 視線に気付いている蓮さんの頬は赤い、ええのんかーええのんかーこれがええのんかー?
目覚めた人は今日も気持ち良さ、じゃなかった幸せそうです、まる。

 投げつけられた石を拾い、投げ返すリゼットたんハァハァ。
ごめん、間違えた、一生懸命投げ返すリゼットの様子は微笑ましい。
 つい、かのんも柔らかな笑みを浮かべて眺めてしまう。
ちなみにハァハァの主はかのんではないので安心して欲しい。誰かは秘密だけどね☆
 天藍は投げられる石を叩き落そうとしているが、上手くはいかないようだ。
なんと言っても石は小さいし、ちゃむリスの小さな体から投げられているのだから自然と体の低い場所に当たるのだ。
 投げられる石には最早構わず、かのんはちゃむリスを捕まえた。
ちゃむちゃむと鳴きながら短い手足をじたばたしている姿は愛くるしい。
それを見たリゼットはやっぱりきゅんきゅんしている。
「角は……ないようですね」
 懸命なちゃむリスの抵抗は気にせず、かのんは帽子を取ってデミ・オーガの特徴たる角の有無を確認する。
それらしきものは見当たらないのでちゃんと帽子を返してそのままぽーい。沼へ落ちないようにという優しさプライスレス。
軽いちゃむリスの体では飛距離は出ないが、鳴き声を上げて飛んでいく姿はやっぱり可愛い。
 投げられたちゃむリスはぽとりと地面に落ちても、すぐに起き上がって駆け寄って来た上でやっぱり石を投げてくる。
その様子を眺めつつ、別のちゃむリスを捕まえてぽーいした天藍へかのんは問い掛けた。
「食べられるそうですけど、美味しいんでしょうか?」
「ちゃむ!?」
「と言うより、どうやって喰うかって話が先じゃないか」
「調理道具ないですし、生け造り?躍り食い?ですか」
「ちゃむぅ!?」
「生け造りって、これをどう捌く気だ。躍り食いにはでかいだろ。丸かじりでもする気か、かのん?」
 二人へ仕返ししようとしていた二匹のちゃむリスは身を寄せ合ってガタガタ震えている。
そんなちゃむリスたちをかのんと天藍は持ち上げた。
にっこり笑うかのんさんと天藍さん、怖いです。
「食べられたいという意思表示と見なして良いですね?」
「お望みだって言うなら、喰うことを考えないこともないが」
「ちゃむうううううう!!!???」
 ぷるぷる震えるちゃむリス、マナーモードなう。
かのんはしっかりとちゃむリスに視線を合わせ「一気に頭からと、じわじわと尻尾の先からならどちらが良いです?」。
天藍はちゃむリスの耳元で「なんなら耳の先から食べてやろうか?」。イケボの無駄遣い。
「ちゃむちゃむちゃむちゃむうううううううう!!!」
 じたじた暴れるちゃむリスを再び投げると、今度は戻ってくることなく二匹は逃げていった。

 抱き上げたちゃむリスをまじまじと眺めた末に、ロアの顔には笑みが広がる。
衝動のままにぎゅっと抱きしめる。
「かんわいいなーもう!!」
 可愛いなぁロアさんマジ可愛いごめんなさいクレドリックさんこっち睨まないで怖いから。
抱きしめられたちゃむリスは、何をするといわんばかりに石を投げつけた。
「いたっ!」
 ロアの小さな悲鳴にあわせて膨らむ、なんていうか、うん、あれそれ。
「さて……そんなにも食べられたいかね」
「ちゃむ!?」
 怖い笑顔と雰囲気にロアの腕の中のちゃむリスが硬直する。
ちゃむリスは私の腕の中で寝てるよ(イケボ)とか言える雰囲気ではない。
「た、たべちゃ……く、クレちゃんひどいよー……」
「……何故かばうのだね?……余計に食べなければいけなくなった」
「ちゃむうう!?」
 ロアの腕からクレドリックがちゃむリスを奪おうとすると、ちゃむリス全身全霊の抵抗。
クレドリックは逃すまいとするも、死に物狂い、火事場の馬鹿力をちゃむリスは発揮する。
「ちゃむうううう!!」
 くるんとした愛らしい尻尾が犠牲になったものの、ちゃむリスはどうにかクレドリックの魔の手から逃げ出し、そのまま走り去っていった。
心底残念そうなクレドリックさん、手元に残された尻尾むしゃあ。
「ロアも食べるかね?」
「……残すのも可哀想だし、少し貰う」
 チョコミント味の尻尾は、ミントの清涼感、チョコレートの甘み、そしてなぜかほろ苦さ。
多分、うん、尻尾そのものの味ではなくて後味の悪さ的なあれだ。
 気の進まない様子で尻尾を食べるロアを見つめるクレドリックは、先程の自分の気持ちがなんなのか理解できないまま、彼女が食べ終わるのを待った。

 ちゃむリスとドッジボールならぬドッジストーンを繰り広げるリゼットの横をアンリがするりと抜け出る。
怪しい笑顔と共に髑髏がついた大剣を一舐め。
「さぁ……食われたい奴からこいよ!」
 危ないアンリを警戒しつつも、果敢に石を投げつける一匹のちゃむリス。
石をものともせず、アンリは投げる。
ぽーい、すてててて、ぽーい、すてててて×5セット。
「ちゃむ……ちゃむ……」
 疲労困憊のちゃむリス。根負けして帰ろうとするも、アンリはそれを許さなかった。
どうでもいいけどこの鳴き声なんかエロイね。
「おい、まさか逃げれるなんて思っちゃいないだろうな?」
 にたり、怪しい笑顔のアンリがゆっくりと、ちゃむリスへ近づくと……――
「ちゃむううぅぅぅぅ!!」
 ぽす、てん。アンリの頭に別のちゃむリスが降ってきた。
親方、空からリスが!!
我に返ったアンリが振り向けばそこには申し訳ないといわんばかりに手を上げているディエゴとハロルド。
「すまない。手元が狂った……」
 最初はぽいぽい投げていた二人も、途中からハロルドがトスを上げ、受け取ったディエゴがさらにぽーいという流れ作業になっていたらしい。
その結果、うっかりアンリの頭に当たってしまったのだが、リゼットと書いてる人にとっては絶好のタイミングだった。
 あと少し遅かったらアンリが闇堕ちしてスプラッターなことになっていたのは間違いない。
ジャンル『恐怖』でもすぷらったーはリテイク来るから勘弁してください。
ていうか色んな人に申し訳ないから本当勘弁してください。
「いや、気にするな」
 いつもの笑顔で答えるアンリにリゼットがほっとした……のも束の間。
既に彼の標的が逃げていたことに気付き、再度、スイッチオン。
「もっと……もっとだ!てめぇらのはらわた全部よこせぇぇッ!」
「ちゃむううううううううううううう!!??」

―Warning!―
―Warning!―

 アンリ、暴走!駄目です、暴走を止められません!
大剣を振り回し叫ぶアンリ。しかし、やっぱり救いの神って言うかそういうのはいた。
「アンリのダンナ、危ないっ!!!」
 蓮のタックルがアンリを襲う。
吹っ飛ぶアンリ、吹っ飛ばした蓮、そして蓮の体に当たる石。
 蓮は自ら石に当たりに行っているのではという離々の疑念が確信に変わる。
離々と蓮へ向かってきていたちゃむリス達の相手が終わった途端、次なる石を蓮が求めた結果こうなりました。
「ちゃむぅ!」
「はい。ちゃむぅです」
 ディエゴに投げられ、アンリの頭に直撃したちゃむリスを拾い上げ、離々はぽーいとハロルドへ向かって投げる。
ぽすん。
 ハロルドは足元に落ちてきたちゃむリスを抱え上げる。
疲れた様子のちゃむリスを見て一言。
「任務なら食べます。というかそれで戦局が楽になるなら構いません」
「ちゃむぅ!?」
「お前……食べるのか?」
「ハロルドさん……?」
 待て、落ち着け、話し合うという様子でハロルドを見つめるディエゴとリゼット。
いやーな予感しかしない。
「50cmあるとはいえ、このかわいい動物を、生で?」
「チョコミント味ならチョコソースでもかけて食べてみたいですね。ディエゴさんは何躊躇してるんですか?」
「俺は……いや、空腹じゃないから良い……アンリ」
 ディエゴはアンリへ視線を向ける。
譲ると、目が語っている。
そしてアンリの目が三日月のような弧を描き始めた瞬間――
「ちゃむうううううううううううううううううううう!!!!」
 ちゃむリス、必死の抵抗。
なんとしてでもという強い意志が窺えた。
 最早戦局に関係はない為、ハロルドはその抵抗を受け入れ、手を離してやった。
ぱっと飛び出した反動で帽子を落としてしまったが、ちゃむリスは振り返ることなく逃げていった。
 残された帽子を拾い上げ、暫し眺めた後、ハロルドは迷いなく帽子を口に入れた。
良かったと、心底安堵するリゼットとディエゴ。
チョコミントを食べるのであれば、リスの形をしていないちゃんとした菓子が良いという二人の思いは偶然の一致を遂げた。
 そんな彼らの後ろでまたまた誰かが暴走していたが、放っておくことにした。



●可愛いは残酷
 ロアはものすごく疲れたというか気疲れしているが、それでもまだ任務は残っている。
クレドリックがチョコミントアイスを汲み上げるのを手伝わなくてはいけない。
 離々は暫し考えた末にチョコが均等に混ざるように汲み上げようと蓮に提案した。
彼女自身で汲み上げようとしたのだが、「重たそうですし、お嬢をべたべたにするわけには」という蓮の言い分を受け入れて彼に任せた。
離々を気遣ったというのも勿論あるだろうが、べたべたになりたかったのではと思わずにはいられない。
 色合いの綺麗なところを選び、かのんも汲み上げる。
汲み上げるのは天藍と二人で行ったが、持つのは天藍だ。こういうのと男の役目ということだ。
 リゼットは隙を見て収穫しようとしていたが、まあ、彼女のパートナーがあの状態だったのでそれでどころではんかったのだ。
また変なスイッチが入らないか不安に思い、汲み上げるアンリをちらちら見てしまうのはとても仕方ないことだと思う、うん。
 ハロルドとディエゴも仲間がチョコミントアイスを汲み上げているのを見て、もう一つの目的を思い出し収穫へと加わった。
 汲み上げられたチョコミントアイスはバケツ12個分。
不思議なことに沼から汲み上げるとじわじわ溶け始めているように見えるが、依頼主へ持ち帰るまでの間に溶けきる事はないだろう。
 ずっしりと重みのあるバケツを持って、ウィンクルム達は帰路を辿るのであった。


「人は怖いって思われてたりしてな」
「間違いなく思われてますよ」
「……そうだな」
 黒髪の女と男が沼を振り返れば、どこからかちゃむリスの悲鳴が聞こえた気がした。



依頼結果:成功
MVP
名前:菫 離々
呼び名:お嬢、お嬢さん
  名前:
呼び名:ハチさん

 

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター こーや
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 女性のみ
エピソードジャンル 恐怖
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 ほんの少し
リリース日 01月25日
出発日 01月30日 00:00
予定納品日 02月09日

参加者

会議室

  • [13]かのん

    2015/01/29-23:47 

    昨日までのかのんの発言ベースにプラン提出している
    挟み撃ちにすることはプランの中に含めてみた、後は捕まえては放り投げるを繰り返す感じだ
    ・・・ちゃむリス食うの件に関しては・・・アンリとクレドリックに任せる

  • [12]菫 離々

    2015/01/29-23:03 

    蓮:
    リスは陸上に居る認識でよろしいようで。
    皆さんお答え頂きありがとうございます。

    位置によっては挟み撃ち。
    リス投げる際は沼に落とさないよう注意。
    ……を添えてプラン書いておきました。

    食べる食べないはこう、ふわっと。

  • [11]ロア・ディヒラー

    2015/01/29-22:07 

    クレドリック:

    >食すそぶり
    ふむなるほど、すまない少々読み間違えてしまったかね。
    しかしアンリの言う通り、脅しも効くやもしれない。
    リスに凄んでおこうとは思う。果たして効果はあるかは謎だが、威嚇程度にはなるだろう。

    >挟みうち
    私達も挟みうち案で良いと思う。
    皆の動き似合わせリスを挟みうちし、確実にとらえてどかしていこうと思うのだよ。

    アンリは切って食べるのかね?
    確かに食べやすいサイズにはなりそうだ。
    …?私はいざとなればそのまま頭からいこうと思っていた。

  • [10]リゼット

    2015/01/28-23:40 

    撃退すればいいってことなら食うぞコラァ!でまず脅して腰抜かさせるのもありだわな。

    沼に関してはあんまり水陸両用リスって聞かねぇし
    チョコ取るのを邪魔してくるなら進んで飛び込んでくことはないと思うが
    飛び込まれたら面倒だし、できたら沼からは遠ざけたいとこだな。
    自ら追いチョコミントしてくれるサービス精神があるとしたらなかなかのもんだが。

    なんだディエゴ。食わないのか?
    チョコミント味の生き物なんて考えるだけで鼻血でそうじゃねぇか。
    捌く方法はそうだなぁ…こいつじゃだめかね(両手剣を手入れしつつ)

  • [9]かのん

    2015/01/28-23:34 

    >ちゃむリス
    一応リスですし、沼周辺にいて、沼に近付いたら石を投げてくるんだろうと思っていました
    沼で収穫?しようとしたら石が飛んでくるのかなと
    とりあえず放り投げる時は、沼に落とさないよう方向に注意しておこうかと
    ちゃむリスと私達の位置取りについて、左右から挟み撃ちにするのであれば、皆さんの動きに合わせたいと思います

    >クレドリックさん
    食べる素振りについて
    えっと、もし[5]のことでしたら、実際に有効かどうかはわかりません・・・
    天藍自身が、ちゃむリス相手にする時に、(食べる気は無いけれど)自分が食べる素振りをしてイジワル?的な言動をするのは構わないと言っているというだけなので・・・

  • [8]ハロルド

    2015/01/28-22:26 

    沼であるからには水深はリスの身長より深いだろう
    リスに特殊な力がない限り陸上にいるんだと思う
    いるならいるで銃でなんとか誘導してみるが

    我々の初期位置から向こう岸にいるんだとしたら
    二手に分かれて左右から挟み撃ちするか?
    毎年のように陣取っているのならば沼に執着していて沼からはそこまで離れないだろう…と読んでいる

  • [7]ロア・ディヒラー

    2015/01/28-22:18 

    クレドリック:
    遅くなったかね?よろしく頼む。
    神人のロアとエンドウィザードの私クレドリックだ。よろしく頼む。
    石が飛んでくる…私に当たる分には問題あるまい。…私に当たる分にはな。
    ふむ、食べるそぶりは有効なのかね?ならば掴んでどかしつつたまにそのような演技をしてみようではないか。場合によっては食べるのもやぶさかではない。

    多分ちゃむりすの構造はケーキなどの上にのっている、食べられる装飾のような感じなのではないかね?加熱したら溶けて余計に食べづらい見た目の生物になりそうだ。

  • [6]菫 離々

    2015/01/28-21:28 

    蓮:
    どうも。よろしくお願いいたします。
    スミレ・リリ嬢と、俺はハチスといいます。
    ちょっと石投げられてみtいえ何でもないです。

    沼で、ってことですがリス自体は岸というか陸上に居るんですかね。
    沼に入らせないよう陣取ってる感じでしょうか。

    背後から近づいて首根っこ掴まえるか、
    重そうなら胴体わし掴みーからのぽーいを繰り返しとくつもりです。

    ……食べられるか否かで答えるならまあ食えますが、
    およそ生き物のような構造してないような気も。

  • [5]かのん

    2015/01/28-19:41 

    ・・・えーっと、生け造りにするにしても包丁の持ち込みが無理だろうから、丸かじりじゃないのか?と天藍が言っています
    食べられる(任意)で、食べなきゃいけない(義務)じゃなきゃ良いなーって

    それから、受付嬢の初っ端の3行を勘案して、食べる素振りをすることは構わないらしいです(恐らく期待?には添えないけどなとか何だか言ってます)

    とりあえず1人1匹勘定なので、手近な所のをまずは捕まえてみようかと

  • [4]ハロルド

    2015/01/28-18:53 

    50cm×10
    こう読むと骨が折れそうだが
    一組二匹を相手にすると考えれば気が楽になるな

    データ上では俺の組が最初に行動することになる
    もし固まっているようなら二挺拳銃で威嚇射撃をして分断をしようか?

    >生食用か、加熱用か
    …え?
    すまない、もう一度言ってくれ
    食べるのか、気は確かなのか?
    この…かわいい動物を?

  • [3]リゼット

    2015/01/28-14:25 

    おー、あっちゃこっちゃ大変だがこっちでもよろしくな~。

    50cm級の生き物だが、摘まみ上げられるってことは、重さは大したことないんかね。
    頭の出来はわからんが、10体から集中攻撃で石投げられたらさすがに堪えそうだ。
    ま、基本的には追っ払うような感じでかかるのでいいだろうな。

    ところで懸念している事があるんだが
    こいつらは生食用か、加熱用か、どっちだと思う?
    といってもバケツ以外のものを持っていけないし
    テイクアウトもNGだろうし、とれとれぴちぴち刺身でどうぞ、しか道はないとは思うんだが。
    お子様には見せられない映像をお見せする事になっちまうんだろうか…(悲痛な面持ち)

  • [2]ハロルド

    2015/01/28-07:44 

    よろしく頼む
    俺としてもデミがいないなら撃退したいと思っている
    妖精達でなんとかなるならそこまで力を出すようなことはなさそうだ

  • [1]かのん

    2015/01/28-07:29 

    皆さんお久しぶりです
    ちゃむリス・・・見た感じ可愛らしいですけれど、50cm位って結構大きいですよね
    今の所、デミ化していない子は撃退で良いかしらと思っていますけれど
    どうぞよろしくお願いします


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