プロローグ
椿は読んでいた新聞をテーブルの上に置くと、はあっと深いため息をついた。
「どうしたんですか、椿?」
「ああ、ラウル」
トーストとコーヒーの載ったプレートを運んできたラウルに、椿が寄る。
「そんなことは私がするわ。貴方はゆっくりしていて」
「まだ心配してるんですか? この傷はもう治っていますよ?」
ラウルは、自分の右足を見下ろした。和装の下には、装具をつけている。ぎりぎり、切断を免れた足だ。任務で怪我をしたあのときは、もう使い物にならないと思ったけれど、日常生活ができるほどに回復した。それも、椿の献身的な看護があったお蔭だ。
「ラウル、私の大切な相棒」
椿はラウルの手をとって、彼を椅子へと座らせた。その手の甲には、否、その手の甲から肘上にかけては、消えない傷が残っている。ラウルは服に隠れて見えないその部分を、じっと見つめた。椿がひそやかに微笑む。
「貴方こそ、まだこれを気にしているの?」
「……だって、僕が守り切れなかったせいで、女性の肌にそんな大きな傷を」
「バカね、貴方って」
椿は、ラウルの頬に手を伸ばした。
「確かに私たちは、過去の任務で傷を負ったわ。もう、任務に出ることもできない。でも、生きている。今はそれだけで、十分よ」
椿はそう言って、ラウルの頬に口づけた。しかしその瞳の中にある憂いを、ラウルは見逃さない。どうしたんですか、とまた言って、椿の黒髪に手を這わせる。
椿は息をついた。
「つい先日の任務で、ウィンクルムが怪我をしたんですって。私たちのようなことに、ならなければいいんだけど……」
「そうですね……」
ラウルが呟く。あの怪我をしたときのことは、思い出したくもない。目の前で椿の服が赤く染まっていくのを見ていた。助けたくても足が立たず、腕の力だけで、なんとか地面を這っていった。あのときもし、仲間がいなければ……考えるだけで、ぞっとする。
「でも、ウィンクルムの仕事は命懸け。最悪の状況だって、ありえるのよね……」
最悪の状況。その言葉は、ラウルの胸に刺さった。そうだ、怪我ですんでいるうちは、まだいい。自分達は幸運だった。生きて帰れたのだから。
「……じゃあ椿、僕たちが、指導しましょうか」
「え?」
「シミュレーションですよ。例えば精霊が怪我をしたら、その後神人はどんな動きをすればいいのか。実際ではあってほしくない状況ですが、考えてみることも、必要でしょう。実際に僕たちも、何度も考えた」
「そう、そうね。それはいいわ。ぜひ、やってみましょう。まずはA.R.O.A.に連絡をしなくっちゃ。ああ、その後に怪我の応急処置の方法も教えましょうよ。……ウィンクルムには、絶対に生還してほしいものね」
●ウィンクルムへの課題
【アドベンチャーエピソード(仮)】
あなたたちウィンクルムは、とある山間の村に、オーガ退治の任務で訪れました。
任務が無事完了した後、村人たちの好意で村に一泊。翌日、タブロスに帰る道の途中で、突然ヤックハルス1匹に襲われました。
精霊は神人を庇い、大怪我をしてしまっています。
この状況から、ヤックハルスを退治してください。
【条件】
・戦う時間は昼間です。
・場所は広場。近くに人家はありません。
・精霊の怪我の程度については、PLさまご本人で考えてください。
【敵について】
・ヤックハルスはハイエナの頭部を持つオーガです。
・牙や、伸縮自在の長い鍵爪で攻撃をしてきます。
・相手が強いと逃げ、弱いと襲います。動きは早いです。
上記エピソードに参加するつもりで、参加者同士話し合い、自分のプランを書き上げてください。
先輩ウィンクルム、椿(神人)とラウル(精霊)がアドバイスをします。
解説
講習会参加費として、ウィンクルムにつき300jrいただきます。
●神人のプラン(アクションプラン)に書いてほしいこと
【アドベンチャーエピソード(仮)】に関するプラン。
神人の行動も精霊の行動も、両方書いてください。
当然文字数が足りないと思います。実際に戦うわけではありませんので、箇条書きでも結構です。ただし、大切なことは省かないようにしてください。こちらで補足はしません。
●精霊のプラン(ウィッシュプラン)に書いてほしいこと
シミュレーションの際の精霊の怪我の具合。
苦境からの生還がテーマですので、それなりでお願いします。さすがに瀕死とかはやめてください。
怪我の応急処置の講座について。
骨折の際に添え木を添えたりとかする、あんな感じです。
【アドベンチャーエピソード(仮)】に関する以外のことはこちらにまとめてください。
ゲームマスターより
先輩ウィンクルムの講習会です。
話の流れとしては、
みなさんのプランをもとに、『これがアドベンチャーエピソードだった場合のリザルト』描写。
(実際に戦闘をするわけではありません。また、文字数の都合上、戦いの最初から最後まですべて書かれるとはかぎりません)
↓
先輩ウィンクルムのアドバイス
↓
応急処置講習会
となります。
実際の戦いはありません。
また、アドバイスはあくまで、瀬田が感じるところになります。「こうすれば必ず勝てる」というものではございませんので、ご了承ください。
プランによってはウィンクルムがひどい状況になる事も考えられます。シミュレーション上なので、実際には何もありませんが、苦手な方は参加をご遠慮ください。
親密度については、後半の応急処置講習会の行動をもとに判断します。
たとえ【アドベンチャーエピソード(仮)】で失敗をしたとしても、親密度の上昇には関係ありません。
リザルトノベル
◆アクション・プラン
リチェルカーレ(シリウス)
☆ 戦闘が始まれば即トランス 早口にインスパイアスペルを唱える 香奈さん達を中心にヤックハルスを包囲 シリウスは天藍さんと一緒に かのんさんとタイミングを合わせ膝を攻撃 敵の足を狙い 機動力を削ぐ 動けない精霊への攻撃は できるだけ射線上に立ちふさがり盾に 仲間との連携を心がける 一撃一撃が軽いのは知っている 相手をよく見て 誰を狙っているかや逃走の素振りをみせる等敵の動きがわかれば 声をあげて皆に注意喚起 シリウスは敵が自分たちの方にきたらオブリガードでカウンター そのまま敵が攻撃範囲にいるならスタッカートで連続攻撃 可能な限りダメージを与えるように 敵の動きに注意 神人が危なければ声に出して注意 |
かのん(天藍)
☆ かのん トランス後、ハイトランスジェミニを使用 爪と牙の攻撃防御のため自分の斜め上に宝玉の力場展開 アプローチⅡでヤックハルスの意識が向いている間に(可能であれば背後から)膝関節を狙い攻撃、機動力を削ぐ リチェさんとタイミングを合わせる 両足に相応のダメージ与えた後は鼻面へ攻撃を集中させる 天藍 シリウスに右肩を貸し敵を囲む位置に移動 精霊の孤立を防ぐ 状況を見て止血等応急措置 アプローチⅡが間に合わない又は効果が切れた以降は反撃できないながらも立ち向かう姿勢を見せ、敵の注意をこちらに向け神人の攻撃機会を作る 回避にエトワール使用 最悪の状況下では腕が上がらない左手に剣を持ち、攻撃を行わせユニゾンのカウンターを狙う |
エリー・アッシェン(ラダ・ブッチャー)
心情 備えあれば憂いなしですよ! 先輩ウィンクルムの言葉はしっかりと胸に刻みます……。 仮戦闘 エリーは敵の規模や位置を確認。ラダは自己の負傷程度を含め状況把握に努める。 味方がトランスをする際、エリーは大げさな悲鳴と荷物を投げ、敵の注意を引く。怯える仕草をしつつ、両腕で頸動脈と内臓を保護する。 味方のアプローチⅡの効果が発揮された後、トランス状態へ。 エリーは仲間で敵を囲める位置に広場内を移動。ラダはブラッディローズを発動させ、左手で武器を保持しながらその場で敵を警戒。敵が接近してきた場合、スネイクヘッドで敵の視覚部分を狙い攻撃。 敵の死亡が確定するまで注意を怠らない。自分や仲間の負傷具合に応じて応急処置。 |
出石 香奈(レムレース・エーヴィヒカイト)
神人行動 即トランスし精霊の武器を受け取る 以降常に精霊の傍に控え周囲を警戒 腹に力が入らなそうなのを見て、一緒に盾を支える 敵が他の方向へ行ったりして離れたら、 その隙に自分の服の布を裂いて包帯がわりに精霊の腹部に巻きつけ止血する 精霊行動 陣形中央に位置 仲間には敵を囲むよう動いてもらう 盾を持つ左手が動かないため、トランス後武器を神人に預け盾を右手に持ち替える その場でアプローチⅡとプロテクションで敵引き付けと防御力の上書き 効果が切れたら再度アプローチⅡ 左手で腹部を押さえながら防御に専念 神人に攻撃がいかないよう敵との距離や角度に気を付け、庇えるような位置に 敵に背は向けない 神人に覆い被さり背で庇うのは最終手段 |
●まずはシミュレーション
尖った爪を赤く染め、ヤックハルスが吠える。
敵の突然の攻撃は、精霊たちに大きな傷を与えた。守られた神人は無事ではあるが、ウィンクルムはまだ、トランスすらしていない。
それなのに、敵は一歩を踏み出そうとしている。
そこに、高い声が上がった。エリー・アッシェンだ。
「きゃああああっ!」
いったいどこから出しているのかと思えるほどの悲鳴を上げて、エリーは自らの荷物を、ヤックハルスの前へと放り投げた。これで気を引き、その間に仲間にトランスをしてもらおうと考えたのだ。しかし、ヤックハルスは見向きもしない。おそらくは、精霊たちの体にまとわりついている血の匂いが、そうさせているのだろう。
……これじゃ、誰もトランスできないじゃないですか。
作戦は失敗だ。エリーは唇を噛む。ついにヤックハルスが、ウィンクルムに向けて駆け出した。その距離は、わずか10メートルほど。まずい、まだ来ないで!
とっさに、ヤックハルスの眼前へと駆けこんだ。ここまですれば、皆がトランスをする時間ができるはず。
「エリー!」
ラダ・ブッチャーの声がする。ひねった足を引きずって、裂傷のある腕はそのままに、エリーに走り寄ってくる。
エリー!
と叫ぶ暇はなかった。
出石 香奈は目の前数メートル先での戦いから、相棒レムレース・エーヴィヒカイトへと視線を向けた。早口にインスパイアスペルを唱える。レムレースの傷は深い。さきほど地面に打ち付けた左腕は動かないようだし、腹部には裂傷を負っている。立って歩くことはできても、武器をとって戦えはしないだろう。それでも、行かねばならならない。一緒に、行ってもらわなくてはならない。
「レム……」
「わかっている」
レムレースは苦しそうな声を出しながらも、自らの周りに、気合のオーラを放った。香奈が手を貸し、共に盾を支える。ヤックハルスはレムレースの登場に、意識をそちらへと向けた。ぎらりと輝く目が、エリーとラダから、香奈とレムレースへと向けられる。そして進む足も、また。
……この体で、耐えられるだろうか。
彼女たちの後には、先ほど香奈たちの隣でランスを完了させた、リチェルカーレが続いた。シリウスは右足に大きな傷を負っており、ひとりでは立つこともままならないから、隣にはいない。リチェルカーレの体では、彼を支えられなかったのだ。
シリウスは、他に痛むところはなかったのだろうか。胸を押さえていたようだったけれど……彼はそういうことを、顔に出さないから。
不安は募る。しかし彼を案じてだけは、いられない。リチェルカーレは武器を握った。
その後ろ、一歩遅れて走ってきたのは、かのんだ。頬にキスのトランスをした後に、手の甲にキスのトランスをしたために、少々時間がかかったのだ。が、天藍と分け合った能力は、今かのんに大きな力を与えてくれている。紅いオーブで盾を作り、武器を持って、ヤックハルスに対峙する。
天藍は、左右の腕に傷を負った。武器を持てなければ、テンペペストダンサー本来の力を出すことは難しい。しかし足は動くからと、満足に歩けないシリウスに肩を貸していた。今の状況で、仲間が孤立することは避けなければいけない。万が一にも敵が、神人の包囲を抜けたとき、戦えない仲間が一人でいたら。考えるだけで恐ろしい。
最初に敵の前へと飛び込んだエリー達は、今はその背後で、トランスを完了させていた。もしレムレースの能力の発動がもう少し遅ければ、あるいはラダがエリーを止めようとしなければ、彼女は、どうなっていたかわからない。今ラダは、吸血のバラを模した力で自身を守りつつ、武器を構えている。
全ての人の視線の先で、ヤックハルスがついに、レムレースと香奈に向かって飛び掛かる!
二人は盾を持つ腕に力を込めた。レムレースの裂傷から、血が流れる。しかしそれを、香奈はどうしてやることもできない。
かのんは敵の背後に回りたかったが、そこまでの時間は与えられなかった。リチェルカーレと二人、跳ねた敵の膝を狙う。動く体には、浅くかすっただけ。それでも二人は、敵の向かう軌道を逸らすことはできた。地に足をつく、ヤックハルス。天藍とシリウスの前だ。シリウスは剣をとるが、そもそもひとりで立てないのに攻撃ができるわけもない。踏み出しかけた体が傾ぎ、とっさに天藍が支える。敵は再び、レムレースの方を向く。若干足を引きずってはいるようだが、機動力はそう落ちていない。
※
「危険なシミュレーションはどうかしら?」
A.R.O.A.の一室。椿は、ウィンクルムが考えた陣形が描かれているホワイトボードを見つめた。
「なかなか厳しい状況でしょう? でも今回は、ハイトランスができるウィンクルムがいるから、ヤックハルスにきっちり攻撃が当たれば、たぶん何とかなるわね。威力がある攻撃は、堂々と敵の真ん中を狙った方が良いわよ」
「それと、精霊は無理に戦わないほうがいいと思います。防御系の方の場合は、どんな無茶をしてもスキルを発動させないといけない場合もあるでしょうが、攻撃系の方は、様子を見てもいいと思うんです。あ、でもこれは、体の自由がきかない、この状況でのことですけど」
ラウルの言葉に、椿は「それは一理あるわね」と頷く。
「あなたたちに一番伝えたいのは、命を粗末にしてはいけないということかしら。守るために戦っているのはよくわかるけれど、物事は自分のできる範囲でするものですからね。ってことで、シミュレーションはこれでおしまい。次は応急処置の講習をするわよ」
●あなたの背中はあたしが護る
「左腕の骨折は添え木で固定して、お腹の傷は、止血して布を巻いて……。シミュレーションのプランでは『背中で庇う』なんてことも書いたから、念のため背中も見ておくね」
応急処置の練習であるからと、床に直接座ったレムレースの周りを、香奈はくるくると回った。いや、実際には別に回っているわけではないのだが、それくらいてきぱきと動いていたのだ。添え木とともにがっちり包帯を巻かれて、動かない足を持ち上げ、なかなかのものだとレムレースは感心する。
「その割に、腹の傷に巻いた布が緩いな」
「それは」
背中を確認していた香奈は、頬を染めた。レムの正面にいる時じゃなくてよかったと、顔に手を当て、熱のある場所を冷やすように努める。
「それは、なんだ?」
「レムの体、大きいから巻きにくかったの!」
本当のことに少しばかりの嘘を混ぜて言えば、レムレースは、あっさり納得したようだった。
「そうか。しかしこの巻き方では止血にはならないぞ」
そんなことわかってるけど……そんな裸の肌に腕を回すなんて。そう思ってしまった直後、香奈はぶんぶんと頭を振る。
ううん、やっぱり練習はちゃんとしないと。
「じゃ、もう一回やってみるね」
巻いた布に手をかけて、それをするりとほどく。
今までに何度も戦闘不能に陥ったことがあるレムレース。彼は自分自身の力不足だと言ったし、香奈は自分こそいたらないところがあったと考えた。そういう万が一のときに役立つこの講習……照れているばかりでは、学ぶ意味がないというもの。
香奈はレムレースの背後に立つと、布を持って腹に手を回した。患部にしっかり傷が当たるように注意しながら、力を込めて布を引く。それを何周も巻きつける。
「止血して、ある程度落ち着いたら布を巻いて……これだけのことをやるとなると、戦闘中に応急処置とかは難しいかも」
「たしかにな。結構手間がかかっている」
香奈が布の端をきゅっと結ぶ。レムレースは怪我をしていない右手で、傷口を押さえた。
「よし……と。これでいいかな。足には添え木で、お腹は傷を圧迫……」
香奈は教わったことを反芻した。今勉強して満足しておしまい、となっては困る。万が一の実践のときに使う知識を、身につけに来ているのだから。
「うん、大丈夫。これは次の任務に生かそうね」
「そうだな」
レムレースは短く答えた。が、すぐにその顔を曇らせる。
「本当は、誰も傷つかないのが一番いいんだがな……」
「それはそうだけど……」
香奈は、足と腹に白い布を巻いた、レムレースを見た。今は講習だから、この布の下に傷はない。でももし本当にこの処置が必要なほどの重傷を負っていたら、脚は腫れ、腹には血がにじんでいるだろう。考えるだけでも、恐ろしい。しかし可能性がないわけでもないことは、当然わかっている。
香奈はあえて、明るい声を出した。
「備えあれば憂いなしって言うじゃない。それに貴方は皆を守ってくれる。だから、貴方の背中はあたしが守るし、処置だってあたしがする」
「それは頼もしいな」
レムレースは目を瞬かせると、薄く笑った。
●最期まで、後悔することがないように
「依頼がない日も講習会に参加するなんて、エリーらしい過ごし方だよねえ」
「備えあれば憂いなしですよ」
ラダにしてみれば、感心しているのでも、呆れているのでもないただの感想だった。エリーはそんな彼のつぶやきに、いかにも真面目な返事をする。
「まあ、いつも有利な状況で戦えるわけじゃないし、戦いに身を置く以上、こういうのも必要かなあ」
「そうですよ。ではラダさん、さっそく処置の練習です」
エリーはラダの正面に立った。今回の怪我は、右腕の裂傷と、足の捻挫……と、先ほどのシミュレーションで使用した設定を、ぼそぼそと呟く。
「ウヒャァ……聞くだけで痛そう」
ラダは顔をしかめた。確かにそうですね、と言いつつ、エリーはラダの右腕をとる。
「止血には直接圧迫法と、止血帯法があるそうです。ちょっとラダさんの上腕動脈の脈をとってみても良いでしょうか?」
「えっと、それはどこ?」
「ここです」
エリーは、ラダの二の腕の内側、肘の少し上に指を当てた。脈動に合わせて数を数える。
「エリー、すごい、様になってるよ」
「そうですか? 止血法はさっき椿さんが言っていたことですし、脈のとり方は見よう見まねですよ」
傷を手で直接押さえる、直接圧迫法の方が簡単で確実、と椿は説明した。止血帯法は、たとえば、腕を切断してしまったりという大怪我の時には有用らしい。でも血管を潰してしまったりすることがあるから、素人には難しい、とのことだ。
「専門の知識を持つ人に任せるか、すぐに回復をしてもらわないと」
そんな経験があるのか、ないのか。悲しそうだった椿の様子を思い出し、エリーはラダの腕をじっと見入る。この太く逞しい腕が切り落とされるとしたら、どんな状況だろう。よほど強いオーガと、戦うときだろうか。
幻想を振り払うために、首を振る。長い髪がぱさりと舞って、少し邪魔だ。それを耳にかけてから、エリーはラダの足元にしゃがみ込んだ。今は、いらないことは考えない。せっかく先輩ウィンクルムがいるのだから、その教えをしっかり胸に刻むのだ。
「足首を固定する方法も習得したいですね」
「捻挫の? そんなの、ほっといても大丈夫だよぉ」
「だめですよ、ラダさん。きちんとしないと、後々長引くといいますし」
そう話す二人の隣で、そのとおりですよ、と低い声がした。ラウルだ。
「放置して捻挫がくせになっても困りますからね。えっと、足首を固定する方法は……」
ラウルは、エリーの横へと膝をついた。ラダの大きな足をもち、そこに包帯の端を当てる。
「まずは、なにより冷却です。その後包帯を巻く時は、先っぽは土踏まずへ。それから足の甲の方へと回してください」
ラウルの手元を、エリーは真剣な眼差しで見つめている。それを見、ラダは思う。
エリーがオーガ退治をするならば、ウィンクルムとして当然支えるけれど。もっとのんびりする時間も必要なんじゃないかな、なんて。
そんなことを言ったら、エリーは怒るだろうか。
講習の後、エリーは言った。
「遅かれ早かれ、生き物には死が訪れます。誰一人として、死から逃れた者はいません。その時が来るまでは、後悔しないように毎日を生きたいものですよね」
そうだねぇ、と返しながら、エリーの後悔ってなんだろうと、ラダはぼんやり考えた。
●あなたの傷は、私の痛み
「とりあえず、脚の傷の方を何とかしなくちゃ」
リチェルカーレは、シリウスの脚に手を添えた。シミュレーションの設定では、肋骨にもひびが入っていることになっている。そちらも大怪我ではあるが、さすがに、素人ではどうにもすることができない。そもそも医師だって、ひびでは湿布と痛み止めの薬を出すだけのことが多い。あとはせいぜい、動かないようにとか、サポーターをつけるとか。それよりも、流血する部分の方が厄介だ。
失血すれば、体力が消耗する。それに、血の匂いをかいで、敵が寄ってくる可能性もある。
椿が最初に教えてくれた止血法を試すため、リチェルカーレは、患部と決めた場所を手で押さえた。しかし実際に血が出ているわけではないから、どの程度力を入れれば、血が止まるのか、または逆に、どのくらい力を入れてしまうとひどい痛みが走るのか、わからない。力加減を調節して、脚と格闘すること、十数分。
シリウスは、自分の足元に座りこみ、ああでもない、こうでもないと肌に触れているリチェルカーレを見下ろしていた。正直、こうしていると、治療をされているというよりは、実験台にされているかのようだ。
「……お前がやりづらいなら、俺が自分で押さえればいいんじゃないのか」
ふと思いつき、シリウスはその言葉を口にした。床に座った背を曲げて、患部とおぼしきところに手を当てる。押さえるだけなら簡単だ。しかしリチェルカーレは「そんなのだめよ」と首を振った。
「シリウスは今、胸も怪我してるんだもの。無理をしたらそちらが痛むわ」
リチェルカーレは、まっすぐにシリウスの顔を見た。少しばかり目つきがきつく、怒っているような表情。ふっと、彼女が息を漏らす。
「……私に『無茶をするな』っていつも言うけれど、あなただって無茶ばかり。大事な人が傷ついたら、自分が無傷でも痛いんだから」
シリウスは、一瞬息を止めた。だから今、リチェルカーレはこんなに真面目に、傷のない脚をなんとかしようとしてくれているのか。
海のようにさざめいて見える、リチェルカーレの瞳。その色に、シリウスは目を見張る。
――俺を、こんなにもはっきりと、大事な人といい、悲しそうな顔までしてくれるのか。
二人の視線が絡みあい、沈黙が流れた。そのしばらく後、リチェルカーレの白い頬は、薄桃色に染まる。
「わ、私ったら……これは練習、練習よね」
羞恥を隠すように、リチェルカーレは再び足元の怪我に集中した。視線を下げて、慌てて包帯をとる姿を、シリウスは見下ろす。その唇には、かすかな笑みが浮かんでいた。
この優しい少女を、悲しませるようなことはあってはならない。絶対に。
手を伸ばし、包帯を握る小さな手に触れる。
柔らかな甲に手のひらを重ねると、リチェルカーレははっと顔を上げた。
「……それでも、お前が護れてよかった」
シリウスが、囁くように告げる。
「……あなたが、無事でよかった」
本当の戦いに出たわけではない。……それでも。
リチェルカーレの唇が綻ぶ。シリウスは彼女の横髪に触れ、柔らかくそれを撫でた。
●大切だから、守りたい
「右腕と左肩に、敵の鉤爪による負傷……ですね。止血が大事でしょうが、両方一緒だと、手が足りませんね」
かのんは、天藍の患部に両手を置いている。右腕をぎゅっと握り、左肩は上から押さえる形だ。天藍は座っているから左右同時に手を置くことは不可能ではない。しかし片手では、圧迫する力が足りないだろうことも事実である。
「俺は自分では、押さえられないしな」
「当たり前です。天藍は静かにしていてください」
さてどうしたものかと、かのんは周囲を見回した。いっそ両方一緒ではなくて、深い傷を優先させるべきだろうか。ああそれとも、他の仲間に手を借りるとか。今回のシミュレーションでは精霊は皆、一様に怪我をしてしまったが、実際の戦いの場ではさすがに、そうなることはまれである。
「もしひとりで大変なときは、助け合うのよ。わからないことは、今は私とラウルに、実践のときは仲間に聞いてね。自分には知らない知識を持っている人が、きっといるから」
ウィンクルムを指導しながら部屋を歩く椿が、一同に言った。それを聞き、天藍はかのんの顔を見る。
「かのん、なんでもひとりでやろうとしなくてもいいんだ」
「はい、実際の時は、誰かに協力を仰ぎます。その方が治療もスムーズに進むでしょうし……」
そこでかのんは言葉を切った。傷のない腕と肩から手を離し、事前に渡された包帯をとる。止血は完了、今度はこれを巻くということだろうか。
しかしかのんは、包帯を手にしたまま動かない。どうした、と問えば、ため息とともに、言葉が吐き出された。
「本当は……天藍に、怪我をして欲しくないんです。私は戦う手段がある以上、天藍の背中を守りたいと思っています」
「それは……」
天藍は、開けたままの唇を、動かすことができなかった。彼女の気持ちは、言われるまでもなく気付いている。第一、それはインスパイアスペルにもあらわれているではないか。『共に最善を尽くしましょう』とは、そのまま、一緒に戦うということだ。
しかしそれでも、俺は――。
天藍の返事を待ちきれなかったのか、そもそも主張だけで、待つつもりはなかったのか。かのんは、彼の傷である腕に、包帯を巻き始めた。何の怪我もしていないはずの腕が、いっきに怪我人らしくなっていく。
そう、俺は、こんな怪我をかのんにはさせたくない。
共に戦うという気持ちは嬉しい。敵が強くなれば、助力があるのは助かりもするだろう。だが、負傷の確率が上がる前線に、かのんを出したいとは、どうしても思えないのだ。
しかしこれをそのまま告げれば、かのんは残念に思うだろう。自分だって戦えるのだと、またさっきと同じことを口にするに決まっている。ただ、言わないでいることは、天藍にはできなかった。彼女が伝えてくれたまっすぐな気持ちに、こちらも真正面から答えたい。
天藍は、包帯を巻くかのんの指先に、そっと左手を伸ばした。白い甲を包み込むように、手を添える。
「俺は……お前が大切だから、傷つけたくない」
「……天藍」
かのんは額を、天藍の肩に寄せた。
二人が、長く一緒にいられますように。できれば、遠い未来、戦いの中にではなく、寿命が訪れるその日まで。
天藍に、そして自分に向けて。かのんはそう祈った。
依頼結果:成功
MVP:
エピソード情報 |
|
---|---|
マスター | 瀬田一稀 |
エピソードの種類 | ハピネスエピソード |
男性用or女性用 | 女性のみ |
エピソードジャンル | シリアス |
エピソードタイプ | ショート |
エピソードモード | ノーマル |
シンパシー | 使用不可 |
難易度 | 普通 |
参加費 | 1,000ハートコイン |
参加人数 | 4 / 2 ~ 4 |
報酬 | なし |
リリース日 | 01月13日 |
出発日 | 01月21日 00:00 |
予定納品日 | 01月31日 |
参加者
会議室
-
2015/01/20-23:31
-
2015/01/20-22:20
エリーはトランス時の対策ありがとう。
こちらは即トランスとしか書けなかったけど、プランを提出してきたわ。
アプローチⅡは二回まで使えるから、
倒すのに少々手間取っても引き付け役はそのまま続行できると思うわ。
それじゃ皆、改めてよろしくね。 -
2015/01/20-20:02
>エリーさん
確かに、奇襲を受けた後でトランスを確実に行うための手段は必要ですよね
シミュレーションとは言え、危険な役割になりますが・・・どうぞよろしくお願いします
・・・どうか無茶はなさらないでくださいね
こちらは主にハイトランス後、リチェさんとタイミングを合わせ、ヤックハルスの膝を狙って攻撃する事
天藍がシリウスさんに肩を貸し敵を囲む位置に移動する事
万が一攻撃が向かってきた時の対策としてユニゾンの使用を軸に、プランを作成しています -
2015/01/20-19:05
>香奈さん
香奈さんたちを囲む形で、ですね。わかりました。よろしくお願いします。
>エリーさん
ありがとうございます。お怪我のないよう、気を付けてくださいね。
かのんさんとタイミングを合わせて攻撃
動けない精霊への攻撃はできる限り盾になって庇う
連携して攻撃
をプランに書き込む予定です。
-
2015/01/19-22:58
>位置や陣形について
香奈さんとレムレースさんが中央ですね。わかりました。
ああ、あと、それと……。
状況的に奇襲をしてきた敵の前で、これからトランスすることになるんですよね?
杞憂かもしれませんが素早い敵ということですし、トランス中の隙を狙って攻撃してきたり、トランスの妨害をしてくるかもしれません。
特に、ロイヤルナイトのレムレースさんのアプローチⅡをどれだけ早い段階で発動できるかどうかは、仲間全体の生存率を大きく左右すると思います。トランスの妨害でこのジョブスキルが使えなくなるというアクシデントは避けたいですよね。
敵の前でのトランスを成功させるために、一時的に私が敵の注意をひこうと考えています。
大げさな悲鳴を上げたり、手持ちの荷物などを投げつけるなどして、敵の注意をトランス中のウィンクルムから逸らせないか試してみます。
仲間のトランスが完了してアプローチⅡの効果発揮後に、私のペアはトランスをおこなおうかと。
特に反対意見がなければ、仲間たちのトランス前に敵の注意を引く旨を私のプランに記載しておきます。 -
2015/01/19-22:39
それならこちらのプランに
「陣形中央に位置し、仲間には敵を囲むように動いてもらう」
と書いておくわね。
とりあえず仮プランは出来たけど、まだあと一日あるし
何か変更とかあったら対応するわね。 -
2015/01/19-22:07
>リチェルカーレさん
では、こちらのプランで天藍がシリウスさんに右肩を貸し、敵を囲む位置に移動する事を記載しておきますね
>香奈さん
配置は、香奈さん達を中心にヤックハルスを囲む形ですね
・・・えっと、配置はこの案で構わないのですが、こちらのプランにはその辺りは書き込めなさそうな気配です
かろうじて敵を囲む事は盛り込んでいますけれども・・・ -
2015/01/19-20:59
皆、移動に難がある以上は、
こちらの方で出来るだけ長く敵を引き付けておかないといけないわね…
ヤックハルスが誰から狙うか分からないから
発見後できるだけすぐにアプローチⅡ、その後プロテクションを重ねて使用して
防御力の上書きをしてみるわね。
それと配置について、アプローチ後に皆で敵を囲めるように
あたし達は中央に居ようと思うのだけど、構わないかしら? -
2015/01/19-19:43
<かのんさん
天藍さんが移動を手伝ってくれるととても助かる、とシリウスが。
…私の手伝いは「逆に怖い」んだそうです。
アビリティ一つ目は「オブリガード」として、二つ目はスタッカート(連続突き)にしたいと思います。踏み込みができない以上威力があるのかどうかわかりませんが…。
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2015/01/18-22:53
こんばんは
天藍もカウンターあるのを忘れていました(苦笑)
右手は武器が持てそうに無いですし、左も腕が上がらないので剣を持つだけになることから効果の程は未知数ですが、攻撃を受けた際にはユニゾンで対応する事も検討しておこうかと
>リチェルカーレさん
シリウスさんが支えが無いと立てない状況と伺いましたので、戦闘時の位置取りの移動に天藍が自分の右肩を貸すと言ってますけど、どうしましょう?
攻撃に関しては、私達精霊並みの威力は無いですから、ばらばらで行うよりもタイミング合わせて集中した方が良いように思います -
2015/01/18-21:44
香奈さんとエリーさんが引きつけてくださるのなら、私は攻撃の方にまわりたいと思います。
かのんさんとタイミングを合わせて反対方向から攻撃したら、多少なりと効果がないかしら。
シリウスは足が使えないので、テンペストダンサーのアビリティ(ステップや機動力がいるもの)は使えないと思いますが、カウンタースキルのオブリガードなら少しはダメージが与えられるのではないかと。 -
2015/01/18-20:40
アプローチⅡ、ありがたいです!
私は、ヤックハルスの逃亡阻止として、仲間たちで敵を囲む形になるように移動しようと思っています。
完璧な包囲網を作るのは人数的に難しそうですが、敵の逃げ道を減らすぐらいにはなるかと。
ラダさんは武器攻撃ができず、素早く移動することもできない状態です。この状況では、カウンター技のブラッディローズが一番役に立ちそうです。 -
2015/01/18-00:53
そうですね、香奈さんとレムさんでヤックハルスを引き付けて頂けるのなら、私はその隙を狙って足(できれば膝関節)を狙っての攻撃を行いたい所ですね
まずは、ヤックハルスの足を止めたいなと
武器も普段の依頼に使用している魔守のオーブで防除しつつ、ジェンマで叩きに行く感じだと思います
天藍については、想定の状況だと攻撃に関しては参加出来ない状況かと
足は動きますので、動けない他の精霊さんが孤立しない様に移動の補助を行う形かなと思っています
その際にエトワール使っておけば、狙われても多少の回避はできるのかなと -
2015/01/18-00:24
あたしは武器はジェンマしか持ってないから必然的にこれになるわ。
とはいえ、レムが攻撃できるかっていうと無理そうだから、特殊効果は期待できないけれど。
ヤックハルスを引き付けるなら、
トランス後、レムは武器を手放してまだ動く右手に盾を持ち替えてアプローチⅡを使う予定よ。
あたしはレムのすぐ後ろにいて武器を受け取って、必要そうなら一緒に盾を支えるわ。
これなら少なくともあたしの所は精霊が孤立せず、且つ敵を引き付けておけるから。 -
2015/01/17-23:33
>かのんさん
ハイトランスができる方がいらっしゃると心強いですね!
ヤックハルスの習性に
・相手が強いと逃げ、弱いと襲います。動きは早いです。
とあるので、重症の精霊が孤立していると、ヤックハルスに狙われそうですね……。
皆で集まって守りを固めるのも安全だと思いますし、リスクが伴いますが弱い者を狙う敵の習性を利用して反撃の計画を立てることもできるかもしれませんね。 -
2015/01/17-23:31
オーガ相手なのでトランスは忘れないようにしないとダメですね。
どう対応するのが良いかしら。
・敵の機動力(足元とか目?)狙う
・敵を神人たちで囲む形に持っていく
とか…?思いつきを上げてみました。
精霊さんたちは基本的に戦線に立てない、と考えると彼らの前に盾になる必要があるのかしら?
私は手持ちの武器で一番攻撃力が高いのが「護身刀・紅月」なので近接攻撃になるかと。……が、がんばります。 -
2015/01/17-21:42
こんばんは、お話しお伺いすると精霊の皆さん重傷ですね・・・
この状況では、精霊さん達は安全な所に退いて頂いて、ヤックハルスは神人だけで何とかする事を考える感じでしょうか?
とりあえずこちらはハイトランス・ジェミニまで行って、私が前面に立つつもりでいますけれども、正直どこまで通用するのか・・・
※神人の攻撃を考えれば、ハイトランス・オーバーなのだと思いますが、普段の依頼では主にジェミニをセットしているのでその状況で想定したいと思っています -
2015/01/17-20:37
ヤックハルスは、Dスケールオーガの仲間でしたっけ。
オーガにはトランス状態のウィンクルムの攻撃でなければ、一切ダメージを与えらない……。
神人が戦うにしろ、重症状態の精霊が何か行動するにしろ、まずはトランス状態になる必要がありそうですね。 -
2015/01/17-19:24
リチェルカーレです。皆さん、どうぞよろしくお願いします。
パートナーが動けないほどの怪我…怖いですけれど、実戦ではありえないことではないですものね。
椿さんたちにアドバイスをもらって、私も精霊さんたちの役に立てるようになりたいです。
シリウスの怪我は右脚の裂傷と肋骨にヒビ(支えがないと立てない+出血多量)の前提で考えようと思っています。 -
2015/01/17-09:15
出石香奈よ、皆お久しぶり。
シミュレーションとはいえ、気を引き締めて行かなきゃね。
レムの怪我は、盾を持つ左手の打撲・骨折(衝撃を受け止めきれず)と
腹部に攻撃をくらった裂傷といったところね。
盾と武器の両方を構えるのも立っているのもつらい状況かしら。
こちら側は全員、近接攻撃のジョブだから
敵を逃がさないようにするには工夫が必要そうね… -
2015/01/17-01:19
皆さんお久しぶりです、どうぞよろしくお願いしますね
シミュレーションとはいえ、精霊が怪我をした状態からのオーガ戦悩ましいですね・・・
実際に起こる事が無いとも言えませんし・・・この様な考える場を作って頂いた椿さんとラウルさんに感謝を
皆さんとご相談して最善の手段を考える事ができればと思っています
天藍の怪我の状況ですが、利き手の右腕と左肩付近に鉤爪由来の怪我(オーガと神人の間に割り込んだものの、双剣で受けきれずざっくり鉤爪が入ったイメージ=武器を持っての攻撃が困難な状態)を前提にしてみようかと思っています -
2015/01/17-00:35
うふふ、エリー・アッシェンです。
皆様、どうぞよろしくお願いします。
苦境からの生還がテーマですか。シミュレーションとはいえ、これは気が抜けませんね。
一応、精霊の負傷程度は、右腕の深い裂傷(両手武器をまともに持てない)および足の捻挫(機動力の著しい低下)を想定しております。