薔薇垣をたどる(紺一詠 マスター) 【難易度:普通】

プロローグ

 地方領主の何某が郊外に所有するカントリー・ハウスの敷地には、生垣を組み合わせて造られた、巨大な迷路がある。
 迷路の形はおおむね正方形。縦100メートル、横100メートル、総延長600メートルほど。正式な入り口は、正方形の角にひとつ、出口は向かい合う対角にひとつ。その他、庭師などが手入れのために利用する裏口が、正方形の4辺のまんなかほどにそれぞれひとつずつ、目立たぬよう設置されている。計算すると、2+4の合わせて6つの出入り口があるわけだ。
 この迷路の内部へ、デミ・ボアー(デミ・オーガ化した猪)が3体ほど迷い込んだので、倒して欲しい。それが、今回のA.R.O.A.からの依頼の概要だ。
 デミ・ボアーの特徴は、強力な突貫攻撃にある。白昼の只中だだっぴろい土地で相対するならば、突撃も大して恐ろしくはないが、なにせ今回、デミ・ボアー等のいる場は、迷路。道幅の狭い、デミ・ボアーの標的にとっては逃げ場のない、ある程度の直線距離が、何カ所も伸びている。その逆、デミ・ボアーの突進から身を守る役に立つかもしれない、直角の曲がり角、丁字路、十字路なども、何カ所もあるわけだが。
 ちなみに、迷路の道幅は約2.5メートルぐらいだから、人が2人横になるのがぎりぎりといったところか。生垣の高さは2メートル、幅は30センチメートル。ほんの一瞬ならば生垣の上に直立も可能かもしれないが、低木を中心に構成された生垣の耐久性からいって、安定して立ち詰めるのは無理だろう。
「迷路を壊してもかまわないと、所有者の方から、言付かってはいるんですけどね。でも、意地になってそう言ってるだけらしく、本心は違うみたいですよ。一般の人々に迷路を解放して入場料をもらっているそうだから、大事な収入源なんでしょう」
 A.R.O.A.の職員は、参考資料として、迷路の地図をウィンクルムに手渡した。
 迷路の内部に、十数の×印が付けられている。そこは一見すると行き止まりやただの生垣にみえるが、見付からぬよう細工された、緊急用のショートカットが設置されているそうだ。
 要するに、生垣を傷付けず、簡単な手続きだけで隣の道筋に移動できるポイントが、10数カ所ほど迷路のなかに点在する。小さな抜け道のようなものだから、デミ・ボアーからの発見は難しいだろうし、万が一見付けたとしても、体付きの問題からしてデミ・ボアーが潜り抜けるのは無理だ。これは、使えるかもしれない。
「迷路の生垣は、主に薔薇や蔓薔薇で出来ているそうです。花の盛りは今ですから、きれいでしょうね。こんな状況ですから他にお客さんもいませんし、無事にデミ・オーガを退治できたなら、静かな迷路探索を愉しむのもいいかもしれません」
 そのためにもできるかぎり迷路を傷付けたくないですよね……と、職員の話は〆られる。

解説

薔薇垣は薔薇の傍題で夏の季語。ダンジョンマップは、私には荷が重すぎました。


・そんなわけで、今回の成功条件は「デミ・ボアーを3体とも退治する」です。迷路の破損状況は問いません。

・迷路は上からみたらこんなかんじでしょうか。
A―B―・
|   |
C   D
|   |
・―E―F
(長方形に見えるのは、ひとえに私のAA作成能力が低いためです。正方形です。プロポーショナルフォントを使わなきゃ、まだマシかも)
AからFまでのアルファベットは出入り口です。Aが正式な入口、Fが正式な出口、残りが裏口。ついでにいうと、上が北。必要ならばプランにおいて、アルファベットをご利用ください。現在、全ての出入り口は封鎖されています。

・ショートカットの詳細はプランにお任せします。あまり無茶なものでなければ、そんなふうに描写します。よろしければ作戦にお役立てください。

・迷路のなかに、曲線の道はありません。直線や直角で構成されてます。重層構造ではないので、2階みたいな部分もないです。

・花泥棒は罪にはならぬ。というわけで、薔薇は少しならお持ち帰りしていいそうです(アイテム発行はしません)。色も種類も沢山です。シチュエーションで御指定くださってもいいです、付け焼き刃となるでしょうが、力の及ぶかぎり御希望に添わせていただきます。


●デミ・ボアー(3体)
突進が得意な猪。角あります。
3体はバラバラに(薔薇だけに←やかましい)迷路の内部を放浪してます。行動パターンはランダムで、3体は近付いたり、遠ざかったり。戦闘の気配を察して近付いてくることはありますが、はじめから一緒に行動することは、まずありません。

ゲームマスターより

御拝読ありがとうございます。紺一詠です。
「おまえが薔薇に掠われるかと思った(ギュッ」をしたいが為に書いたプロローグですが、私にやらせると、そういう場合にかぎってデミ・ボアーがどーんと来るので、そのまえにデミ・ボアー退治をしといたほうがいいと思います。
でも、デミ・ボアーを退治してもその他の邪魔が入る可能性もあるので、お笑い補正を望まれない方は、その旨プランにお書きくださったほうが無難ですよ。いやもう本気で。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

信城いつき(レーゲン)

  迷路に入る前に、みんなで地図を見てどのルートから入るか、ショートカット(以下SC)の位置、罠のセット場所を確認。
俺たちはEから西方向へ探索。
トランス…する?やっぱり(照れるけど頑張る)

他の組と挟撃ちできるよう探索
気配を感じたら声出して合図。逆に他から合図あればすぐ駆け付ける。
最悪SCがなければ、ごめんレーゲン足場にして垣根飛び越えよう(彼は自力で飛越えられるだろうし)
レーゲンができる限りダメージを与えて、俺は他の人たちと一緒に近距離で攻撃

退治終了して薔薇の鑑賞……と思ったら
レーゲン、折れた薔薇気にしてるみたいだ。
しょうがないなぁ、応急処置やろうよ(笑顔で)
やりながらでも綺麗な花は見られるから



アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
  「迷路の構造とショートカット(SC)を利用しない手は無いだろ」
「ランス、一寸手伝って貰えるか?」

◆罠を設置⇒猪を誘導⇒退治
ホームセンターで金属網を買い、先端が緩く窄まる台形の箱にワイヤーで繋ぎ成型
猪に気付かれないようにSCに隠して設置

東側から入りトランス
ランスと手分けして追い立てたり逃げたりし誘導
罠有りSCの手前で、薔薇垣に登る・左右に避ける等して箱に誘い込む
*窄まってるため入り込んだ猪は方向転換が出来ない
*網ごとの前進も枝に引っかかるから不可

俺は剣で攻撃だ
「悪く思うなよ!」

積極的に協力し、怪我も薔薇垣の被害も無い達成を目指す

◆猪が死んだら金網箱ごと持ち運び、何所か適地に運び埋葬
「ごめんな…」



柊崎 直香(ゼク=ファル)
  地図があるなら迷うはずがないじゃない

東西に担当区域を定めて、僕たちは西を担当
あらかじめ各々が進むルートを決めて地図に書き込み。
ショートカットにも番号振って、
敵に遭遇したら位置を教えるためにそれら記号を叫ぼうか

迷路に入る前にトランス。入口Aから迷路内へ
敵に遭遇した時点でゼクとは別方向に動き、
ゼクにはショートカット使って隣の道行って貰おう
僕が囮役でそっちへ敵を誘導する
他の人からの合図あればそちらへ合流。
猪の突進には注意して、目の前で急停止など
近づける隙あれば着てたコート被せて視界奪ってみる

薔薇は作戦時に散らしてしまったものがあればお持ち帰り。
そして家に帰るまでがお仕事です。ゼク先生早く引率したまえ


セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
  東側から入る。
他の人達と巧く協力して、デミ猪を挟み撃ちにしたい。
猪を見付けたら囮になろう。
精霊達の魔法詠唱時間を稼ぐぜ。
猪突猛進を正面からはリスク高い。
走ってくる猪を挑発して生垣のショートカットを使って巧く避けつつ攻撃する。
剣を槍のように使ってすれ違いざまに突き刺す。
それとラキアの魔法だな。今回やけにヤル気になってる様子。普段温和な奴はこういう時怖い(苦笑)。

皆で猪3匹駆逐したらラキアと薔薇を楽しむ。
薔薇の香りが凄いな。薔薇の事色々ラキアが嬉しそうに話すのを聞きつつ眺めるぜ。
こんなに色が多いとか花の形色々とか知らなかった。白や黄色はあまり見ないし。
棘の無い物もあるとは知らなかったな。と感心。



ヴァレリアーノ・アレンスキー(アレクサンドル)
  依頼遂行は絶対
強くなる為の糧となるならば幾らでも

事前に地図を見て入口や抜け道、罠の位置を把握
髪に蔓が絡まないようフードを被る

西側からのAから探索
東側から探る者と何かあれば合流出来るよう行動
敵に気付かれず不意を突く形で此方が先手を取る
敵に挟み撃ちにされないよう注意
サーシャと先頭を歩く

敵がいつ出てきてもいいよう注意深く周囲を見渡す
敵発見後、トランス状態になり警戒態勢
自分の体躯を活かして小回りしながら接近戦
頭部から鼻筋当たりを狙い小刀で振り下ろす
敵の攻撃を食らいそうになったら抜け道を利用
なるべく生垣は破壊しないよう短期決戦目指す

台詞
敵の得意とする攻撃パターンが分かれば対策が練りやすい
殺られる前に殺れ



●入口
「本来、猪はわりと臆病な生き物なんだがな」
 アキ・セイジの荷運びを手伝いながら、ヴェルトール・ランスが告げる。荷とは罠に使う予定の鉄条だ。園芸作業用の道具一式とともに、カントリーハウスから借り出した。
「だけど、害獣となったら相当厄介だ。自動車並みのスピードで暴走するからな」
「それがデミ・オーガ化したとなると……」
 ランスの言い分も尤もだと思いながら、セイジ、なんともいえぬ気分になる。猪とて別段好きでそうなったわけではなかろうに。かといってこのまま放置しては、無辜の民に犠牲が出る。セイジ、軍手に覆ったウィンクルムの文様を、我知らず押さえる。
 東西の二手に分かれて、猪を攻囲。それがウィンクルム達の作戦だ。
 迷路の東から入るのは、セイリュー ・グラシアとラキア・ジェイドバイン、セイジとランス。
 西からは、柊崎 直香とゼク=ファル、ヴァレリアーノ・アレンスキーとアレクサンドル、信城いつきとレーゲン。
「トランス……する?」
 何気ないふうを装っていつきがレーゲンに尋ねると、
「トランスしないとスキルが使えないからね」
  懐っこい表情をいっそう柔らかにする、レーゲン。いつきの頬がぽっちり熱くなる。ああ、いけない。レーゲンはきっと自分が考えすぎないよう、気を遣ってくれたのに、逆に心配掛けてしまう。いつきは何度も首を横に振る。
「じゃ、2時間以内ですまさないと」
 直香の云うように、トランスには時間制限がある。ちょっとしたタイムアタックか。直香、ショートカット毎に記号をわりふって数学のテキストじみた迷路の地図を一瞥すると、ゼクのほうへ押し付ける。
「そんなわけで、ゼク。順路を把握しておくように」
「お前が覚えろ」
「箸より重いものをもったことのない僕に、地図を任せるっていうの?」
「いや、持ったことあるだろ」
「夜のゼクとか?」
「待て」
「俺は、いい」
 アレクサンドルの同意を求めず、ヴァレリアーノは決める。デミ・オーガを発見してからのトランスとなると先手を逃すおそれはあるものの、より確実にスキルで迎えることが可能だろう。アレクサンドルは特に意を唱えない。
「アーノがタイミングを誤るわけがなかろう」
 意思あるナイフの如く、ヴァレリアーノ、高いところにあるアレクサンドルの面差しを鋭く見遣る。受け流すようなアレクサンドルの空笑い、そのくせ剣の柄に添えた手はそのままに、いつ何時でも引き抜ける仕種で。
 食えないヤツだ、と、ヴァレリアーノは思う。
 ――……思惑がなんであれ、依頼遂行は、絶対。強くなる為の糧ならば、劇毒入りの砂糖菓子ですら、喰らってみせよう。
「先に行く」
 返事を待たず、上着のフードを目深に下ろしながら、ヴァレリアーノはとば口へ向かう。アレクサンドルは黙って彼に従った。
「あ、俺も」
 ヴァレリアーノたちを追おうとして、いつき、はたと止まる。
 そうだ、トランスするんだった。
 レーゲンのところへ一足飛びに駆け戻り、彼の頬に飛び付く。遊びをねだる仔犬のよう。ふっくらした反動、一瞬、唇に。
『解放!』
「はやくっ」
 レーゲンの腕を取り、駆け出す。かっかしそうな身体に、初夏の向かい風が心地よい。


●東
 ラキア、ときめく薔薇よりあでやかに笑みつつ、流麗な足取り。折節、小さな輪を描いて、止まる。猫のおとがいをくすぐる要領で、薔薇の花びらを撫であげれば、ようやくセイリューが追い付いた。
「薔薇をゆっくり堪能するためにも、邪魔な猪は手早く退治しちゃおうね」
 既にトランスを済ませた二人としては、急いだほうがいいのは確かだけれど、それだけが理由ではないだろう。普段、温和なヤツはこういうとき怖い。セイリュー、彼にしてはシニカルな感慨をいだく。
「進みすぎんなよ。迷っても助けてやれねえぞ」
「分かってるよ。セイリューこそきちんと地図を見てて」
「小難しいことはラキアに任せるつってんだろ……」
 薔薇に夢中のラキアが道順まで追えるわけもなく、あべこべの頭脳労働。
「多分、ここらへん」
「たぶん?」
「いや、こっち、じゃなくて……」
「しようがないなあ。俺にも見せて」
 結局は二人で地図を覗き込みながら、ああだこうだ、頭を捻らせることになるわけだが。ま、いっか。ラキアが楽しそうだし。
 薔薇の香りが、濃い。しかし、寄り添う相方からはそれ以上に甘い香りが揺蕩うようで、セイリュー、まるでいっしょに行楽の計画を練っているような気分になる。
 セイリューの指さしたショートカットの一つでは、セイジの仕掛けが完成間近であった。
「迷路の構造とショートカットを利用しない手はないだろ」
 大掛かりな罠籠とでもいおうか。片側のゆるく窄まった箱と鉄条を組み合わせた工作を、ショートカットの掩蔽を利用して、設置する。手数のかかる作業であったが、ランスの助力もあって、無事に仕掛けを終えた。
「ランス、助かった」
「なんのなんの。ウィンクルムなんだから他人行儀はなしだろ」
 ランスの明るく気持ちのいい笑みが、次の瞬間、セイジだけに向けて悪辣にひずむ。
「ウィンクルムなんだから、わかってるよな?」
 ランス、自身の頬を人差し指で小突く。相棒だから、と、セイジ、毎度のように己に発破を掛けつつ、しかしその言い回しにも浅い違和感をおぼえつつ、ランスの頬に唇を寄せる。
『コンタクト』
「じゃあ、とっとと行くか」
 何故か担がれたような心持ちがするセイジだ。


●西
 なにかに似ている。
 直香、ゼクの背を眺めて考える。無駄に身の丈の大きい(ちょっとこっちに寄越せ)髪も長い(「そっちはいらないや」「……(少し傷付いた)」)ゼクを薔薇に引っかけてはいけないから、と、頭をすっぽりフードで蔽わせてみたら、どうもなにかを連想させる。
 けれど、その、なにかの正体がすぐには分からなかった。前から覗いたり、横から睨んだり、そうこうしているうちに、はたと思い付く。
「時季外れのまっくろスノーマン」
 うしろあたまに目鼻を付けたら、きっと、そのものだ。ペンを持ってこなかったので落書きできないのを惜しんでいると、ゼク、突如立ち止まった直香を訝しむ。
「どうした、直香」
「ううん、別に。それよりさくさく進むよー、ほら案内する」
「邪魔したのはお前だろ」
「じゃあ、今、僕たちは何処にいるの」
 突っ込むかの如きいきおいで、ゼク、地図と首っ引きになる。1分後。仏頂面がやけに真面目くさって口を開く前に、直香、釘を刺した。
「ゼク。先に断っておくけど『スペクルム連邦内部』は、なしだからね?」
「……み」
「『ミッドランドの何処か』も、なし」
 重たい沈黙が、見合う二人へ、等分にのしかかる。
「もう。ちゃんと現在位置を把握しておいてっていったのに」
「地図があるなら迷うはずがないじゃないと云ってたのも、お前だろ」
「迷ったのは僕じゃないです。ゼクでーす」
 純粋な押し問答ならば、直香に分がある。ゼクに明らかな白旗が立つ直前、薔薇の園に似つかわしくない響動き、剣戟か、薔薇の香にまじって吹き付けられる。
 近い。おそらくは同じ門口を選んだ、ヴァレリアーノ達だ。二人はそろって駆け出す。
「よかったね、ゼク。迷わなくてすみそうだよ」
 ゼク、相槌は打たない。エンドウィザードの彼が真価を発揮するまでには時間がかかるから、直香、ひとりで続ける。
「『乙女の恋心II』の詠唱って、もしかしてエア恋人への告白だったりしない?」
 いろいろな理由から、ゼクは答えないし、答えられない。
 ――……直線の向こう側から地鳴りと共に寄せ来る、粗暴なもの。
『委ねよ、夜の帳に紛れし契約の名の元に』
 触れて離れる、ただそれだけを、そつなくこなす。ヴァレリアーノは小刀を霞の構えにとった。殺られるまえに、殺れ。囁く、得物へ。
「敵の得意とする攻撃パターンが分かれば、対策が練りやすい」
「その対策とやらに乗るとしようかね」
 アレクサンドル、胸落ちにつつんでいたブロードソード「ハウンド」を解けば、その名を表して朗々哮る。タイガークローII。肉食獣の顎門と化した大剣、低く備える。そして、デミ・ボアーの突進に合わせ、軽く押し出した。
 牙は、牙へ、還れ、と。
 ブロードソードはデミ・ボアーの口角を奥の側へ裂く。悲鳴まじりの鼻息が、四辺へ崩れた。ヴァレリアーノが跳ねる。右の踵を一度、アレクサンドルの剣の峰に置き、二度目の跳躍は高く、羽のなき身で天を目指し、やにわの墜落、刀を握るほうの腕から。デミ・ボアーの鼻面を、落下の加速で叩く。痺れるような衝撃が小刀を通じ、身体の芯を揺るがす。ヴァレリアーノ、縦の回転で、再び地上に佇立する。
「うわあ……」
「いつき?」
「あ、ごめん」
 いつきのすぐ目と鼻の先で、なんなれば、彼等の抜けようとしたショートカットの真ん前で戦いは始まったから。ヴァレリアーノ達の一連の動作は詩劇のように流れゆく。
「それとも、私が先に行こうか?」
「そのほうがいいかも」
 いつき、ショートカットを蔽う蔓薔薇を抜けようとしたけれど、デミ・ボアーに轢かれそうで、それ以上一歩も進めないでいる。下が駄目なら上か、レーゲンの足場を借りて生垣を飛び越そうかとも思ったが、それはそれで危険の只中に着地するおそれがある。
 もぞもぞと位置を入れ替える、いつきとレーゲン。腕と顔だけを出したレーゲン、伏撃ちを試みた。32口径の2挺拳銃で狙うには、却って近すぎる距離。方向がずれれば、彼処の薔薇に銃弾を食わせかねない。
 照星が震える。1秒でもいい、動きが止まってくれたなら。しかし、ヴァレリアーノ達に翻弄されるデミ・ボアーは、それ自体はありがたいことだけど、一瞬たりとてじっとしておらず、レーゲン、なかなか発射に踏み切れない。
 焦慮を堪え、待つ。そして、凸凹な見掛けをして、来たれる好機。
「ほうら、いないいなーい!」
 辿り着いた直香がコートを投げ掛け、デミ・ボアーの視界を奪う。
「ゼク。デミ・ボアーに告白ゴー!」
 告白じゃねえ、という反駁をせず、できるわけなく、ゼクは詠唱を終了する。闇に染め抜かれた気流が、デミ・ボアーの心臓を射貫く。間髪おかず、レーゲンのダブルシューターが命を削ぐ。
 もう二度と動かぬデミ・ボアーを前に、アレクサンドル、淡く嗤った。
「我達に見つかったのが汝らの不運なのだよ」
 法悦の彼に構いつけず、ヴァレリアーノ、アレクサンドルの剣を得手勝手に借りると、デミ・ボアーの遺骸へ突き立てる。日を反射し、十字架状に光る、剣。
「まずは、1匹」


●再び、東
 デミ・ボアーの突撃の威力は、セイジ等の予想を超えていた。
 ランスと手分けし、罠を置いたショートカットへ追い込んだのは、いい。はまったのも、計算通り。だが、そこで身動きとれぬようになるかと思われたデミ・ボアーは、身を入れた罠毎、再度突進を始めようとしたのだ。枝の引っ掛かりで一時は停止したが、我武者羅に前を目指した結果、枝を折っていくらか進む。セイジは呆れる。
「粘り強いな」
「猪突猛進だからな」
 ランスの返答に納得しかけたセイジだが、いや待て、なにか違わないか? が、疑問を徹底することは不可能だった。デミ・ボアーはまだ生きている。
 罠がまったくの無意味だったわけではない。セイジとランスが軽口叩く程度の時間は稼ぐことができたのだから。そして、ランスは既に乙女の恋心を一度発動させていた。それを受けながら、我執の衰える様子のないデミ・ボアーに、セイジ、学術的関心と、生への畏敬をおぼえる。
「悪く思うなよ」
 本当に『悪く』思っているのは、どちらであったか。せめてランスの次なる詠唱までは、セイジ、改めて剣を取る。一人では、まして精霊ならぬ神人たる身では、幾分荷が重い役目だ。あと一人助けがあれば、と、願えば、
「おりゃー!」
 竹を割ったように一直線な喝、気合い。
 それは思いも掛けぬ方角から、来た。
 垣根越し、セイリューの剣。刺突。デミ・ボアーの胴に必中する。ちょうど2度目の呪法が完成し、デミ・ボアーの心臓をくべる。垣根のあちら、高く挙げられた腕の先だけがひらひらする。セイリューだ。
「よく見えないけど、間に合ったよな?」
「ああ、助かった」
「よかった。猪突猛進を正面から相手にするのは、リスク高いもんな」
 また猪突猛進か、と、セイジ。今、ここに読本でもあったなら、猪突猛進を余すところなく調べたいところだ。と、セイリューといっしょにいるらしいラキアが、パートナーを急かす声がする。
「さあ、セイリュー。早くしないと、薔薇を楽しむ時間が減っちゃう」
「ラキア。オマエ細っこいくせに案外タフだよな」
 ばたばたと向こう側が忙しい。走って移動しているのだろう。
「俺たちも行くか」
「っと、ちょっとだけ」
 ランスが何事か地図に書き付けているあいだ、しばらく待っててくれ、と、セイジはデミ・ボアーのうえに言葉を落とす。


●薔薇
 3匹めの突進を、ラキアのシャイニングアローⅡの光輪が食い止める。横様にどうと倒れるのを見届け、ラキア、己の肩の埃を落とし、同じ所作で手近の薔薇の葉を指で梳いた。
「うるさくしてごめん。でも君達はとても綺麗に咲いているね、素敵だよ」
「それはオレにも云ってくれよ」
 あー疲れた、と、セイリューは道端にへたりこむ。が、今日のラキアはとことん容赦ない。
「まだまだ。セイリュー、折れた薔薇を拾って」
「どうすんだ?」
「貰ってかえるんだよ。薔薇って挿し木できるんだ、きっと根付くよ」
 ラキアの言葉は素敵だと思うけれども。セイリュー、通路に腰を落とした姿勢のまま、周囲を見回した。赤、白、黄、それも一様でなく、濃いも薄いも取り取りで。棘のないのもあるよ、と、ラキアはわざわざセイリューに見せる。
「いいかいセイリュー、植物も褒めてあげるとより綺麗に花開くからね。女性と同じ」
 セイリュー、いいこと聞いた、と、にっかり唇を上向きに。
「ラキア、さっきの魔法、かっこよかったぜ」
「急にどうしたの」
「だって、褒めた方がいいんだろ?」
「俺は女性じゃないよ」
「男女の区別なんて大した問題じゃねえだろ」
 ラキアは答えない。薔薇の束をセイリューの頭から被せて、落とす。
「わっ?!」
「セイリュー、持って」
「だからって、落とすなよ!」
 しかし、セイリューは念入りに落とされた薔薇を拾い上げる。ラキア、綺麗に笑っていたから。やっぱり褒めたほうがいいんだ。セイリューはラキアと自身の言葉を信じることにした。



 ラキアの手によって止めが刺されたことを知ったヴァレリアーノは、その場を離れる。任務を遂行したならもう迷路なんぞに用はない。剣を打ち振り、刃の汚れを落とした。アレクサンドルはただヴァレリアーノを見守るのみ。
「アーノ。出口は分かるかね?」
「地図がある」
「地図を実際に所有しているのは、我だ。順路は暗記したといっていたが、それも随分怪しくなってきただろう。短期記憶が長く持つはずがないからね」
 云われて、気が付く。そのとおりだ、デミ・ボアーと戦っているうちに、細かい道筋は忘却の彼方に消えてしまった。置き去りにされた児童のごとくあちこちをさまよい、途方に暮れることになるのだ、アレクサンドルに見られながら……最も嫌悪すべきは、最後の事項。
 凛冽した表情の底、確実に動揺したヴァレリアーノは我知らず頬の傷に触れた。アレクサンドルは満足したように喉を鳴らす。
「案内しよう」
 それまではずっとヴァレリアーノの後ろに従っていたアレクサンドル、その日初めて、彼の前に立つ。弱いところをさらけだすよりはマシか、と、ヴァレリアーノはアレクサンドルに付くことにした。なによりも、うしろにいれば、彼に表情をみられなくてすむ。
 が、ヴァレリアーノの最小の意地すら見透かしたように、アレクサンドルは振り返る。アレクサンドル、ヴァレリアーノのこめかみをついと撫で上げる。人差し指が紅く濡れた。
「血が出ている」
「治らない傷じゃない」
「周りが心配するのだよ。これで隠したまえ」
 ラキアの云っていた棘なしの、深紅の薔薇1本。ヴァレリアーノの耳へ飾る。
「この薔薇の花言葉は存知かね」
「……どうでもいい」
「贈る薔薇の数にも意味はある。1本ならば『一目惚れ』『あなたしかいない』だ」
 ヴァレリアーノはなにか答えようとする。だが、むせるような薔薇の香りが彼の気道へ入り込むので、とうとう反論の機会を失った。永久に。



「まにあわなかったみたいだね」
 3匹めがヴァレリアーノ達によって倒されたので、出番のなくなった、直香、ゼク。
「じゃ、帰ろ」
「ああ」
「ゼク先生早く引率したまえ。あとおやつ代、頂戴」
「帰るというか、今から遠足する気満々じゃねえか」
 といっても、ずっとここに立ち尽くすわけにもいかないから、ゼクは再び地図へ首を突っ込む。長期戦の迷子を覚悟した直香だったが、もたれようとした垣根の先、デミ・ボアー以外の気配がする。
「誰かいる?」
「俺-!」
 垣根を越えるか越えないかのところで、幼いと幼くないぐらいの中間の指、見えたり見えなかったり。いつきとレーゲンだ。
「ここさ、すっごい傷んでるんだよ。デミ・ボアーが嵌まったのかもしれない」
「じゃあ、僕もそっちに行く」
 手伝うよ、と、直香は優しく答えて、くるりとゼクを見上げる目は優しくて、目だけは。声は無情に告げる。
「ゼク、踏み台になるんだ」
「え、」
「あちらを待たせちゃ失礼でしょ」
 常識を盾に取られては、ゼクとしてはお手上げだ。直香に云われるがまま、掌に、肩に、垣根の向こうに、ゼクは直香を昇らせて、飛び越えさせて、ふと気付く。
「……俺は?」
 ゼクの体格では一人で越えるのは不可能だろう。ゼクを除いて、垣根の向こうではウィンクルム等の親交があたためられている。
「僕にもやらせて」
「ありがとう、レーゲンが折れた薔薇を気にしてるみたいだから」
「ごめんね付き合わせて。あとで庭師が手当てすると思うんだけど、応急処置した方が速いだろうし」
 3人は協力して折れた枝を繋げる。そのとき、風が吹いた。甘く強い風だ。花びらが額や頬を銘々をかすめる、言葉なき花が礼を述べるように。しばし、目を閉じうっとりする。
「あ、見て!」
 と、いつき。風に吹かれて捲れ上がったショートカットの一つを見付ける。そこに咲く、まだらの七色の薔薇。
「不思議な薔薇、もしかして薔薇からの感謝のしるしだったりして」
「すごーい。(ゼクを置いてきちゃったけど)こっちに来てよかったー!」
 しかし、垣根のこちら、ゼクは聞くだけしかできないでいたのだが。




 ランスとセイジ、二人はデミ・オーガの3体の骸を迷路の外へ運び出した。庭の土の下に埋葬する。砕けた薔薇ですまないが、と、セイジ、手向けに供える。
「ごめんな……」
「生まれ変わってきたら、美味しく食ってやろうな」
「おい」
 彼等のすることは他にもある。ランスのメモを元にもう一度迷路を回って再確認し、持ち主に迷路の痛んだ箇所を報告するのだ。辛い仕事ではない、むしろ楽しい調査になるだろう、しかし休めないことには変わりない。セイジがつい溜息をつけば、肺をなだめるよう、他人の手が彼の胸元に入り込む。我に返ると、紅い薔薇がセイジの胸のポケットにおさまっていた。
「俺に?」
「そ。セイジ、今日はおつかれー」
 おどけたような口ぶり。思わず笑い返して、気付く。ランスだって疲れてるのはおなじな筈、と。
「じゃあ俺からはこれだ」
 だからセイジ、鏡合わせのような仕種で、白い薔薇を返す。
 紅い薔薇は、愛情・情熱。
 白い薔薇は、心からの尊敬。花言葉なんて、どちらからも、言い出さない。
「ようっし、次のお仕事開始。いざ迷路へ!」
「おい、待て。ランス、俺にもメモを見せろ」
「じゃあ、掴まえてみろよ。俺は難しいぞ」
 薔薇で遊ぶ蝶のように、二人はじゃれあいながら再び、迷路の中へ消える。



依頼結果:成功
MVP
名前:柊崎 直香
呼び名:直香
  名前:ゼク=ファル
呼び名:ゼク

 

メモリアルピンナップ


( イラストレーター: ち4  )


エピソード情報

マスター 紺一詠
エピソードの種類 アドベンチャーエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル 戦闘
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 普通
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 通常
リリース日 06月08日
出発日 06月15日 00:00
予定納品日 06月25日

参加者

会議室

  • プラン出せた。
    色々と上手くいくように祈っているよ。

    相談など色々とお疲れさまでした。

  • [10]アキ・セイジ

    2014/06/14-23:37 

    提出してきたよ。上手くいくと良いな。
    トランスするっての書くの忘れそうになってて焦ったのは内緒だ。

    それじゃ、リザルトで会おう。

  • [9]信城いつき

    2014/06/14-22:43 

    じゃあ、俺たちはEから入って西へ向かうルートで行くよ。
    左下(Eの左)は裏口がないから、もし直接行けなくてもショートカットはあると
    思うんで

    ぎりぎりの書き込みでごめん。
    みんな怪我しないよう頑張ろうね

  • [8]柊崎 直香

    2014/06/14-20:03 

    ジョブ分かれた方がいいかなー。
    僕たちは西側からの組に加わらせてくださいな。

    担当区域はわかったけど、具体的にどの入口から入るか決めてる?
    いちおう僕はAと書いておくから変更あったら言ってね。

    精霊に魔法使わせるつもりなので、
    僕は時間稼ぎというか追い込みの方向で動くかたちになるかな。

  • セイリュー・グラシアだ。ヨロシク。
    じゃあ俺達は東の方から行ってみようかな。

    薔薇をあまり痛めたくないんだよな。
    猪って頑丈だからな。
    走っている車と衝突しても軽く気絶程度で逃げてくし。
    シャイニングアローⅡで何とかする・・かな。
    皆、怪我のないように気をつけようぜ。

  • [6]信城いつき

    2014/06/14-18:32 

    え!?猪って急停止できるの?
    猪突猛進って言葉もあるのに……って、ホントだ。
    ひとつ勉強になった、ありがとセイジ。
    方向転換も考えて攻撃するよ。

    迷路に入る前に、みんなで一度地図見て
    各自が通るルートと、しかける罠の場所を確認しておく感じかな?
    探索は西・東ときたから、じゃあ戻って俺達は西で。
    ヴァレリアーノと他の西探索になる人、よろしくね。

    ぎりぎりまで会議室確認してるので、何か追加あれば対応するよ。

  • [5]アキ・セイジ

    2014/06/14-15:32 

    では俺達は東側から行くよ。

    しかしその前に、ショートカットに幾つか罠をしかける予定だ。
    ホームセンターで買える物で作るから、まあ足止め用、だな。
    そこに追い込むように動けたらと思ってる。
    猪は直前で止まったり方向転換する事も可能な、俊敏で走力の高い動物だ。
    牙は鋭く、突進力も高い。人間が激突されたら大人でも大怪我を負いかねない相手なので、
    それを防ぐためにも、あと、猪に方向転換されて逃げられないためにも…ってな。

    気をつけて臨みたいと思う。

  • 無事人数が揃ったようだな。皆宜しく。
    それぞれのジョブを確認すると、

    プレストガンナー×1
    エンドウィザード×2
    ライフビショップ×1
    シンクロサモナー×1

    こうなるか。若干後衛寄りだな。
    俺もいつきが言うように二手に分かれる案を推しておく。
    あまり時間もないので、この案で話を進めさせてもらう。すまない。

    なら俺達は西側から探索するか。
    別の入り口から入った組と挟み撃ちになるよう動きたいと思う。

  • [3]柊崎 直香

    2014/06/13-02:20 

    クキザキ・タダカですー、よろしく!

    精霊がエンドウィザードだから、詠唱に手間取る勢です。
    自分たちだけで対処する場合、生垣傷つけちゃう可能性大かも。
    なので連携取れるとありがたいー。

    ショートカットはうちの精霊にはちょっと辛いような気がしてるけど。
    フード付きのコートとか着せて引っ掛かりそうな部分減らすか……。

    地図があるならあらかじめルート決めて入った方がいいよね。
    別の出入り口から入った組と挟み撃ちのかたちで進んで。

  • [2]信城いつき

    2014/06/12-22:10 

    信城いつきだよ、よろしく!5組そろったみたいだね

    >ヴァレリアーノ
    どこの入口から入るかはまだ考え中

    動くのは、完全にばらばらで動くよりは(二手ぐらいにわかれて)ある程度近くにいる方がいいかもね
    たとえば、二組でショットーカットをはさんで、片方が東側もう片方が西側で探索すれば、同じ場所にいるよりは動きやすいだろうし、気配を感じたら呼べばすぐ合流できると思う
    (大きさについては、緊急に使用するんだし少々背が高い人でもちょっとかがめば行けるんじゃないかな。ただ、髪の毛の長い人は注意しないと引っかけるかも)

    あとデミ・ボアーは戦闘の気配を察して近付いてくるってあるから、あまり手間取ってるとまずいかもね。
    ……あ、逆に剣の音とかたてたりしたらおびき寄せられるかな?

    俺たちはデミ・ボアーを見つけたら、レーゲンが遠距離から銃でできるだけダメージを与えて動きをおさえて、その後俺は近距離で攻撃しようと思ってる
    ヴァレリアーノの言うように小回り利きそうにないから、あまり勢い付けすぎると
    そのまま突き当たりの生垣にぶつかっていきそうだから、なんとか走らせたくないようにしたいと思ってる

  • いつきとは初めて依頼で会う事になるな。
    ヴァレリアーノ・アレンスキーだ。宜しく。

    今のところは四人か。
    ボアーは3体バラバラに動いているとのことだから、
    いつきとは一緒に行動した方がいいだろうか。
    一体相手ならまだ何とかやりあえるかもしれないが、万が一複数に遭遇してしまっては困る。
    人数が増えてきたら二手に分かれるなどした方がいいだろうが。

    それか、いっそこちらもバラバラに動き、敵を見つけた時に合図して、
    手があいている者がそちらへ行き応戦、の方が効率が良いだろうか。
    もしその場合は目印等を決めておく必要があるな(笛を吹くなど)

    迷路内は狭い故、身動きが取りづらいのが難点だな。
    因みにいつきはどの入口(裏口)から中へ入ろうと考えている?

    10数か所ほど隣の道筋にすぐ移動できるポイントがあるとのことだが、
    俺といつきなら見つけたら簡単に通れる可能性が高いな。
    サーシャやレーゲンも通れるかは分からないが。

    敵は突進は得意そうだが、小回りが苦手そうだな。あくまで予測だが。
    俺は自分の体躯を活かして、サーシャと近距離で戦う予定だ。
    迷路は出来るだけ破壊せず行きたいところだな。


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