恋の濃縮還元ジュース♥(木乃 マスター) 【難易度:とても簡単】

プロローグ

◆健康第一!
「う~んむ、なんだか風邪っぽいなぁ。ちょっとダルいかも……」
春先の暖かくなってきたこの時期、季節の変わり目ということもあり体調を崩している者が増えていた。

A.R.O.A.本部の職員であるモリーも例外ではなく、倦怠感を感じており休憩中の今はラウンジで突っ伏していた。
「モリー、元気がないじゃないか?」
心配そうに顔を覗き込んできたのは同じ職員のルーイ。
「ルーイ、なんか風邪でも引いたのか怠いんだよぉ……なんかいい健康法ない?」

「なんだ、そういうことか……乾布摩擦とかは?」
「寒いのヤダ」
「ジョギングとか」
「疲れるのヤダ」
「半身浴とか」
「汗かくのヤダ」

(めんどくせーなコイツ、しょうがねぇなぁ)
ルーイは駄々をこねるモリーに内心ウザがりながらも最終手段を講じる。

「だったら、野菜ジュースでも作ってみたらどうだ?」
「野菜ジュース?」
「手軽に食物繊維やビタミン群だって摂取できるし、作る手間があるけど寒くないし、疲れないし、汗もかかないだろ?」
「そっか!じゃあ帰ったら野菜とか果物買ってやってみるわ」


そんなモリーとルーイのやりとりを聞いていた貴方。
(そういえば、アイツも調子が悪いって言ってたなぁ……)

美味しい野菜ジュースを作って飲ませてみるのもアリかな?

そう思った貴方はスーパーに足を運ぼうと席を立ち上がった。

解説

目的:
ミックスジュースを作ってパートナーに飲んでもらおう

素材料として500Jr消費します
主に野菜、果物が中心で、使う素材はプラン内に明記して下さい。
味付けに砂糖や蜂蜜、牛乳などを使っても良いかもしれません。

有効スキル:
大補正・濃 縮 還 元 ジ ュ ー ス
中補正・コーヒー・紅茶、調理、栄養バランス知識
小補正・山菜知識、薬学、植物学、ガーデニング

補正が高いほど狙ったモノが出来やすいかも?
(栄養は素材によりけりです)

その他:
・一緒に作っても、個人で用意して渡してもOKです
 ただしパートナーに飲んでもらおうね。《ココ重要》
・激ウマデリシャス狙いでもゲロマズ狙いでもOKです
 だってコメディなんだもん☆
・目的は間違えないでね!


・肉 の1文字を文頭に入れるとアドリブを頑張ります。

ゲームマスターより

ドーモ、ウィンクルム=サン。ゲーマススレイヤーデス。
木乃です、コメディでとても簡単なことでお察しください。

勝手に【コレどこで使うねんスキル特化エピソード祭り】です。
第1弾は『濃縮還元ジュース』スキルに特化したエピソード!

スキル特化祭りは男女関係なく不定期に開催する予定です。
それでは皆様のご参加お待ちしております。

リザルトノベル

◆アクション・プラン

初瀬=秀(イグニス=アルデバラン)

  そういやあいつくしゃみしてたな……
風邪か?花粉か?
ま、折角だし何か作ってやるか

えーと、野菜ジュース……野菜か……
あいつ味覚が子供寄りだからな、
あんまり青臭いのは嫌がりそうだ
となると果物入れた方がいいな、
人参とリンゴに、みかん?
ビタミンCも入れとくか(レモン追加)
あ、苺余ってたんだった……
(なんか冷蔵庫の整理になりつつある気が)
ミキサーに突っ込んで、と。よし完成!
さて、気に入ってくれりゃいいんだが

イグニス、できたぞって……寝てんのか?
おうおはよう、んー、顔赤いな(額に触れ)
あ、やっぱ熱あるじゃねえかお前、風邪だな?
ほら、これ。(ジュース差し出し)
ビタミンとって、しっかり寝て早く治すんだぞ


アキ・セイジ(ヴェルトール・ランス)
  ◆気持ちと目指す所
大学の受験は長い戦いだ
ランスが受験勉強を始めて数ヶ月、学力は志望大学にはまだ遠い
無理はしないでという気持ちと、頑張ってほしい気持ちが俺の中でせめぎあう
せめて俺に出来る事で勉強の手伝い以外に何か…

新鮮ジュースで頭スッキリして活力を得て貰うのはどうだろう
元気がなくちゃ戦えないもんな

◆行動
上記の想いから買い物は1人で行い以下を作る
・ジュースは、人参、ブロッコリー、パセリ、リンゴ、レモン、蜂蜜
・厚トーストにブルーベリージャムを薄く塗ったもの

ランスが仕事から帰った深夜、ランスの部屋をノック
「捗ってるかい?」
返事が無いのでそっと開け…
机にトレイを置き、カーディガンをそっとかけて静かに出る



セイリュー・グラシア(ラキア・ジェイドバイン)
 

オレ、食べ物で好き嫌いは無いよ。
でも肉と野菜なら普通全力で肉から食うよな。
野菜は後回し!
となると、肉摂取量の方が多くなるのは仕方ねーじゃん?サラダも全部食べてるぜ。
でも「野菜やフルーツもっと食べて」とラキアに言われちゃうんだ。
よろしい、全部平らげてやろうじゃねーの!
と意気込んだら、え? ジュース?
(大木箱一杯のりんごを見て)
これはジュースにしないと大変だな。

林檎以外の何が入っているか?ってクイズ形式かよ!
挑戦は受けるぜ。
人参やトマトは色で大体判る。
このポタージュな感じのはジャガイモペースト?
意外と大根がイケル。
入っていそうな物を挙げ、面白がって色々飲む。
何でも美味しく飲める。ウマー。



蒼崎 海十(フィン・ブラーシュ)
 

フィンの為にミックスジュースを作る

三食お世話になってるし
ここ数日、何だか分からないが締め切りが…とか言って、顔色悪かった気がするからな
日頃の感謝を込めて

フィンは良く林檎を買ってくるから、きっと好きなんだと思う

栄養が取れるよう、野菜も入れよう

林檎
檸檬
バナナ
小松菜
人参
大葉

甘さをプラスする為、蜂蜜も少量
材料を適当な大きさに切り、水を入れて、ミキサーで混ぜよう
…材料は普通だよな?
美味く出来たらいい

冷蔵庫で冷やしてから、持って行こう

フィン、ちょっと良いか?
部屋の扉をノックして、中へ(同居中

良かったら…これ
美味しいかはしらない
初めて作ったから

何やってるか知らないけど、ちゃんと栄養とって寝ろよ
…偶にはな



瑪瑙 瑠璃(瑪瑙 珊瑚)
 

「珊瑚、買いすぎだ……」
尋ねると、珊瑚は目先の変わったジュースを作るらしい。
「わかった、手伝う。最近、喉の調子がおかしかったんだ。
折角作ってくれるなら飲んでみたい」


以下の色を作る為、各野菜と果物をミキサーにかけた後、
電子レンジで30秒温める。この時、種や蔕は取り除く。

緑:ライム、セロリと大根の葉
青:ブルーベリー
藍:ブルーベリーに海苔適量
黒:黒蜜、牛蒡

各々完成した後、コップに黒→藍→青→緑と順番に注ぐ。


「……」
(流石にこれは駄目だ、何が駄目かはわからないが、
台所に吐き出したい)
そう思いつつも、半分飲んだ所で珊瑚に渡した。

落ち込む珊瑚の肩に静かに手をおく。
味はアレだっが、その、ありがとうな。



◆頑張る貴方へ
(大学受験は長い戦いだ)
アキ・セイジはスーパーで人参の品定めをしながら物思いに耽けていた。
満足のいく質だった人参を数本、カゴに入れるとブロッコリーとパセリの置かれている葉の物があるブースへと足を向ける。
(ランスが受験勉強を始めて数ヶ月……頑張って欲しいが、無理をしないで欲しいのも本音だ)
パートナーであるヴェルトール・ランスは動物学の知識は豊富であるものの、その知識を持て余していた。
有効活用できるようにすべく彼は大学受験を決意したのだ、しかし彼の障害になっていたのは『時間』
夜はホストとして明け方まで女性をエスコートせねばならず、睡眠時間は確保しているものの起きたらすぐ勉学に励んでいる状態だ。
身体能力に優れた精霊とは言え、風邪も引くし体調を崩してしまうこともある……
故に、セイジはランスが体調を崩してしまわないようにする為にもなにかしたいと考えていた。
そんな折に耳にしたのが『野菜ジュース』の話だ。
「元気がなくちゃ戦えないもんな、俺が少しでも力にならないと」
これは色ツヤがいいか?中身は詰まっているか?いつも以上に野菜や果物の鮮度や質感を確かめるセイジ。
……青果売り場を巡って購入したのは人参、ブロッコリー、パセリ、林檎にレモン。
「蜂蜜は、棚の中にあったな……早く帰らなければランスの出勤時間になってしまう」
アキは買い物袋に詰め終えると、急いで家路についた。

***
一方、その頃。
「ふわぁぁ」
ランスは寝ぼけ眼で問題集とにらめっこしているが、昨晩の疲れが抜けきらず大アクビを漏らしていた。
「セイジの為にも一発合格しねぇとな」
気合を入れ直したランスはペンを持ち直し再び意識を集中し始める。

***
セイジは皮剥きや水洗いなどの下ごしらえを終えてミキサーを調理台に置く。
まずはスッキリした甘味にすべく細かく刻んだ林檎を多めに入れて、アクセントにレモンを一欠片。
ベータカロチンにビタミン群の豊富な人参やブロッコリーも刻んで投入、栄養価の高いパセリもパラパラと入れる。
味を整えるために蜂蜜も少々。
「これでよし」
ミキサーに蓋をしてアキはスイッチをポチリ。
ギュインギュインと荒々しい駆動音をたてながらミキサーは詰め込まれた野菜達をさらに細かく砕いていく。

「おーい、セイジ……」
数学の参考書を手にランスが解説を聞こうとキッチンを覗くと、そこには真剣な表情で何かを作っているセイジ。
(手伝った方がいいか?……でも邪魔しちゃいけない気がするし、後で聞くか)
ランスは密かに淋しげな眼差しを向けると踵を返して自室へと戻っていく。

ミキサーの中に詰め込まれた野菜は徐々に薄い黄緑色の液体に変わっていく。
野菜ジュースが出来上がる頃にはトーストも焼きあがり香ばしい薫りが漂う。
「よし、出来た」
セイジはトレイに用意を済ませるとランスの部屋へと向かう。
「捗っているか?……ランス?」
ノックしても部屋の主の返事はなく、気になったセイジはドアを少し開いて様子を伺う。
ランスは机に突っ伏して規則正しい寝息を立てていた。
「世話が焼けるな」
セイジは小さく笑みを浮かべると静かに部屋に入る。

***
ランスはハッと目を覚ました、時計の針は30分ほど進んでいる。
そして机の上も30分前と様子が変わっており。
「もしかして、これを作ってたのか?」
ランスは机の端に置かれていたトレイを見つけ、のっていた野菜ジュースの入ったコップを取り一口。
林檎と人参の甘味の中にレモンの酸味が効いており、蜂蜜のコクが程よく調和させていた。
ほんのりと残る苦味が眠気覚ましに丁度良い。
「有難うセイジ……よし、もうひと頑張りするか!」
肩にかけられていた少し小さめのカーディガンを羽織り、ランスは参考書を開いた。

◆デッドマンズレインボー
「珊瑚、買いすぎだ……」
瑪瑙 瑠璃は瓜二つの精霊、瑪瑙 珊瑚に渋い表情を向ける。
海苔に牛蒡、紅生姜に練乳と全く関連が無さそうな食材の山がテーブルの上にあるのだから、瑠璃の態度も仕方あるまい。
「瑠璃、食材買ったからジュース作ろうぜ!その名も虹色ジュースやさ!」
しかし、怪訝な様子で見られていることを意に介さず珊瑚は目を輝かせていた。
……練乳と牛蒡、紅生姜のチョイスですら地獄しか見えてないよ!

(食材がどう見てもジュースの原料じゃねーべ)
瑠璃は僅かに青褪めながらテーブルの食材達を見つめている。
「怖い?なんくるないさ!」
『そんなチョイスで大丈夫か?』と言いたげな瑠璃に珊瑚は『大丈夫だ、問題ない』と謎の自信に満ち溢れた表情で瑠璃の肩に手を置き、サムズアップからのテヘペロ。
その妙に自信アリの態度が瑠璃に安心感を与えてしまった、今のところ安心できる要素が何もないのだけどマジで。

「解った、手伝う。最近、喉の調子がおかしかったんだ」
半信半疑ではあるが気を遣ってくれた事実は嬉しい事に変わりなく、瑠璃も協力して作ることにした。
「じゃあ瑠璃はコレを下ごしらえしておいて!」
珊瑚が渡したのは黒蜜と牛蒡、ブルーベリー、海苔、セロリ、ライム、大根の葉っぱだった。
(なしてこの組み合わせなんだべさ……)
瑠璃はブルーベリーに負けず劣らずの青褪めっぷりで珊瑚から食材をいくつか受け取ると下ごしらえを始める。

***

ミキサーで液状化させたジュースに類似したナニかをレンジで軽く温めてからグラスへ順々に注いでいく。
下から黒(黒蜜牛蒡)、藍(ブルーベリー海苔)、青(代わりのブルーベリー)、緑(セロリと大根の葉のライム添え)、黄(玉ねぎバナナ)、
橙(オレンジ人参)、赤(ストロベリー紅生姜)、白(練乳大根)と見事に七色の液状物質を重ねて見事に完成した。
……しかし、軽く温めたせいでほんのりと芳しい危険な香りが周囲に漂う。
「自分は、とんでもない物を錬成したんじゃないだろうか……」
瑠璃はゴクリと固唾を飲んで完成した虹色ジュースという名の液状物質を見つめる。勿論、美味しそうだから喉を鳴らしたわけではない。
というより、もはや調理じゃなくて錬成っていう表現に変わってる時点で色々察しているよね?
「こいで仕上げ!」
練乳大根にコーヒーミルクを注いで珊瑚は完成したと両手をあげる。
見た目はとても綺麗なんだ……味の保証は当局は一切関知しません。

「瑠璃、さぁぐいっと!ぐいっと!!」
グラスを差し向けて期待に満ちあふれている珊瑚の視線が居た堪れない瑠璃。
(えぇい、南無三!)
意を決して瑠璃は虹色ジュースのグラスを受け取り、一気に口に運ぶ!
……瞬間、瑠璃の腔内が地獄と化す。
大根の鼻にツンとくる辛味に練乳の濃厚な甘みが絡み合い、苺の甘酸っぱさが追討ちをかけて紅生姜の独特の風味が鼻腔をくすぐる。
オレンジと人参のまろやかな甘味が癒しとなって、後続のどろりとしたバナナとシャキシャキな歯ごたえを醸す玉ねぎの凶悪さがより一層増した。
「……」
瑠璃の顔はやや紫がかった青色……まさに『瑠璃色』になっていた、むしろそこまで頑張った彼に敬意を評したい。
無言で飲みかけのグラスを珊瑚に渡すと、瑠璃は静かに廊下へと足を運びだす。
「? そんなに美味かったのか」
珊瑚も飲みかけの虹色ジュースを一気にあおる。
「……ぶふぅっ!!」
自ら作り出したバイオ兵器に珊瑚も悶絶しながら慌てて蛇口から水を出して口の中を濯ぐ。
……数分後、生還した瑠璃から「気遣ってくれてありがとう」と言われたことが珊瑚の救いである。

◆ラキアの林檎活用法
「セイリュー、小言になっちゃうけど」
ラキア・ジェイドバインはセイリュー・グラシアに一言断りを入れて注目を向ける。
「なんだよラキア」
「お昼、肉ばっかり食べてたらバランス悪いよ?ちゃんと野菜と果物も摂らないと」
昼食でセイリューは用意したトンカツばかり食べており、サラダは申し訳程度しか食べていなかったのだ。
見かねたラキアとしては健康にも良くないのでもう少しバランスを考えて食事をした方がいいのでは?と言うことを進言していた。
「メニューに肉と野菜があったら、肉を取っちゃうに決まってるだろ!」
「なにが決まってるのさ、しょうがないな」
セイリューの力説にラキアはガックリと肩を落とすと、奥からダンボール箱を取り出す。
箱の中身は大量の林檎が入っており形が崩れたものも混ざっているものの、瑞々しい色合いに鮮度の良さが伺える。
「実は先日実家から訳あり林檎を沢山送ってもらったんだけど、この量だと毎日剥いて食べてたら林檎ダイエット状態になっちゃうしジュースにしようと思ってるんだ」
「……でも林檎ってフルーツだよな?さっきの野菜の話は?」
野菜は木の下に実る物で、林檎は果物……木の上に実るものだ。
セイリューの疑問は至極当然であるが、ラキアは甘いとばかりに人差し指を振る。
「これからジュースにするから、その時によく解るよ」
ラキアはダンボールを引き摺ってキッチンへと向かっていく。

***

「お待たせ」
数十分後、ラキアはトレイにグラスをいくつか載せて戻ってきた。
「はい、林檎ジュース」
「サンキュ!」
セイリューは林檎ジュースを手渡されて一気に飲み干す。
シャリシャリの食感が残りつつも濃厚な林檎の甘味が口一杯に広がる。
「くぅ~、美味い!……他のも林檎ジュースなのか?」
「実は林檎以外に野菜もいくつか混ぜてみたんだ、他に何が入っているか判る?」
残っていたグラス林檎ジュース?には確かに薄い緑やオレンジ、赤みがかった色をしている。
「クイズ形式かよ!?」
「大丈夫だよ、ちゃんと飲めるものしか入れてないから」

訝しげな表情でセイリューが手を伸ばしたのは、オレンジ色がかったジュース。
ゴクリと一口飲み込むと林檎の甘さとは別の甘さを感じられた。
「これは人参かな?見た目で分かり易いし、こっちはなんだろ」
次にセイリューが手を伸ばしたのは元の色と変わりないジュース、ラキアが間違えて入れなかったのか?と思いつつ口に運ぶ。
「なんだろ、シャリシャリしてスッキリした飲み口だ」
「ヒントは焼き魚にも付け合せで出されるモノだよ?」
ラキアのヒントにセイリューは首を傾げた、思いつくものが合っている気はするのだが……
「まさか、大根?」
「正解!実はお腹の調子を良くするのに大根おろしのりんごジュースはいいんだよ」
へー、とセイリューはラキアの解説に感心しつつゴクリと飲みきった。
生活の知恵もあるだろうが、一番大きいのはラキアの植物学による食べ合わせの発想もありそうだ。
「意外と大根はイケるな、こっちの緑がかってるのはなんだろ」
さすがはラキアと思いつつセイリューは通算4杯目のジュースを手に取る。
薄く緑がかっている事から察するに葉の物である可能性が高い。
「……?意外と甘い、これ一番難しいかも」
セイリューが眉間にシワを寄せて思考を巡らせる。
葉の物で、多少甘みがある野菜……そしてラキアが選びそうな食材。
セイリューはふと、昨日の昼食に出されたトンカツを思い出した……そこにある付け合せ。
「解った、キャベツ!」
「よく解ったね?」
「昨日の昼飯にも出してだろ、キャベツの千切り」
ニヒヒと笑みを浮かべるセイリューにラキアも感心したように笑顔になる。
「ジュースにすれば毎日野菜も摂れるかも、明日も作ってくれよな!」
セイリューは最後の一口を飲みきると、次のグラスに手を伸ばした。

◆無理は禁物
蒼崎 海十はスーパーで買ってきた青果物をテーブルの上に置くと一息吐く。
「何をしているんだか」
海斗はフィン・ブラーシュの部屋に目線を向ける。
固く閉ざされたドアの向こうへフィンはほとんどの時間を閉じこもったきりで、最近は食事もレトルトが増えた。
(でも、顔色が悪いように見えた……いつも世話になってるし、たまには俺もなにか作ろう)
海十は気持ちを新たに、収納棚から必要な調理器具を取り出し始める。

***
「はぁー……もう少しだぞー」
フィンはデスクの上に資料と原稿を散らかしているにも関わらず、突っ伏して大きく溜め息をついた。
散らばる資料には初夏を連想させる渓流や高原の写真が写っており春先の肌寒い時期には不似合いだ。
「フリーランスとしては急案件も嬉しいけど……納期1週間って」
フィンは旅雑誌に掲載する記事を現場調査から入稿まで1週間で済ませよと依頼され、この1週間は多忙を極めていた。
目の下には薄らクマが出来始め、肌も荒れてカサついている。
(最近は料理も手抜きばかり……ごめんよ、海十)
心の中で悔し涙を流しつつ気を取り直して原稿作成を再開すべくフィンはキーボードを打ち始め……数十分後。

「納品完了、終わったぁ」
フィンは入稿データを出版社にメールで送信すると大仕事を終えて全身が脱力する。
(これで当分の生活費も問題ない、奮発して何か美味しいものを作ろうかな)
フィンは呻き声を漏らしながら背筋を伸ばして凝り固まった体中の筋肉をほぐしていると、コンコンと控えめにノックされた後にドアが開く。
「フィン、ちょっと良いか?」
様子を伺うように顔を覗かせる海十をフィンは笑顔で迎え入れる。
「どうしたんだい?」
「よかったら、これ……初めて作ったからうまいかは知らない」
海十が差し出したグラスにはほんのりとシソの香りが漂う薄緑色の飲み物。
「有難う、頂くよ」
フィンはグラスを受け取り口の中へと流し込む。
林檎とバナナ、蜂蜜の甘味にレモンの酸味と大葉独特の酸味が不思議な味わいを醸し出す。
小松菜の軽い苦味と人参の風味が野菜の存在感を維持していた。
「うん、美味い。大葉は独特の香りがあるから風味付けくらいがスッキリして良いね」
(……入れ過ぎなくて良かった)
満足げに味わうフィンは気付いていないが、海十は内心安堵の息を吐いていた。
実は大葉を刻んでいる時に独特の香りが辺りに漂うものだから、入れ過ぎたら大葉の味しかしないのでは?と予想し一摘みに留めていたのだ。

「海十も飲んでみる?」
「いや、俺はいい。何をやっているか知らないけど、ちゃんと栄養とって寝ろよ」
グラスを海十に向けてフィンが勧めると海十はやんわり断りつつ、食事はちゃんと摂るようにと小言を漏らす。
それを聞いたフィンはキョトンと呆気にとられた。
(海十に心配されるとは……いつもと逆だな)
「もう大丈夫だよ、オニーサンのお仕事は終わりました」
フィンはデスクに散らばっていた資料を軽くまとめて海十に見せるように写真をひとつ手に取る。
写真は森林の中の風景で木漏れ日と渓流が写った自然色豊かな一枚だった。
「言ってなかったけど、俺、ルポライターやってるんだ。フリーランスの」
「ルポ?」
「ルポルタージュだよ、現地報告を行うジャーナリストみたいな感じ」
フィンの説明に解ったのかどうなのか、海十は要領を得ない返事を返した。
「細かいことはまた今度、ね?今日は奮発して豪華な夕飯にするから楽しみにしてね、今日は何にしようかな~♪」
「……大葉、余ったから使ってもらえると助かる」
気まずそうに目を逸らしながら海十は小声で要望を出す、しかしフィンは聞き逃さなかったようで。
「じゃあ、ぶつ切りの魚と混ぜたりお肉に巻こうか?結構美味しいんだよ」
フィンは空になったグラスを手に上機嫌でリビングに向かう。
海十はフィンの様子に小さく笑みをこぼしながら後に付いて行った。

◆体は大事に
「くしゅんっ!へくちっ!……チーン」
イグニス=アルデバランはムズムズと痒みを感じて鼻を擦ればズルズルと鼻水がこぼれ落ち、箱ティッシュで鼻をかんで取り除く。
目も軽く充血させており宝石のような青い瞳を潤ませていた。
「これはもしやあれでしょうか、私も花粉症デビュー?」
イグニスが擦りすぎて赤らんできた鼻をさすっていると初瀬=秀が買い出しから戻ってきた。
「あ、秀様お帰りなさ、はっくし!」
「手で口元を押さえろ!?……というか風邪か?花粉症か?」
秀は一歩後ずさりつつイグニスの様子を伺う、いつもより元気がないように見えるのは確かだ。
(風邪だとしたら引き始めの対処が肝心だな……そういえば、どっかで野菜ジュースがどうとか言ってたな)
「ちょっと待ってろ」
逡巡した後、秀は買ってきた品物の整理を兼ねて厨房へと足を向ける。
「秀様っくしゅ!私もお手伝いしまっくしゅん!」
「……温かくして待ってろ」
くしゃみを連発するイグニスに秀は遠まわしに手伝わなくて良いと諭してその場を後にした。

「あいつは味覚が子供寄りだからな、青臭いものは避けて果物中心で作るか」
秀はミキサーの用意を済ませ、人参とデザート用に買った林檎とミカンを買い物袋から取り出した。
しかしこれだけではまだ物足りないような気がする。
「ビタミンCも欲しいな、レモンを入れるか。そういえば苺も余ってたような」
冷蔵庫の中にも使えそうなものはないか、秀は野菜室にしまっていたレモンと苺に手を伸ばす。
(なんか冷蔵庫の整理になりつつある気が……いや、気にしたらダメだ)
細かいことは気にするなと自分に言い聞かせつつ、秀は果物たっぷりの甘い野菜ジュースを作るべくミキサーにかけて仕上げていく。

***
「よし完成!さて、気に入ってくれりゃいいんだが」
秀は赤みのあるオレンジ色の野菜ジュースをグラスに移して一息ついた。
甘い果汁の爽やかな香りがふわりと感じられ、これならイグニスでも飲めるだろうとストローを付けて持っていく。
「イグニス、できたぞ」
「……くぅ」
厨房から秀が顔を出すと、イグニスはテーブルに突っ伏して寝息を立てていた。
心なしか先ほどよりも顔色が赤らんでいるようにも見える。
「って……寝てんのか?おい」
「……ん?」
秀に軽く肩を揺すられてイグニスがうっすらと瞼を開く、顔をあげるとそこには秀の姿が。
「あわわわすみません秀様ついうとうと……!」
「おうおはよう、んーやっぱ顔赤いな」
慌てふためいて1人でわたわたしているイグニスを余所に秀はイグニスの額に手を充てがう。
平熱よりも明らかに高い体温になっていることが容易に解った。
「やっぱ熱あるじゃねえかお前、風邪だな?」
「風邪ですかー……?」
秀の手がひんやりと冷たくて心地よく、イグニスが目を細めていると秀は野菜ジュースを差し出す。
「ほら、これ。ビタミンとって、しっかり寝て早く治すんだぞ」
「ジュース……私にですか……!?」
秀が自分の為に用意してくれた、それだけでイグニスは胸が一杯になり満面の笑みを浮かべる。
「ありがとうございます、頑張って早く治すのでお礼させてくださいね!」
「おう、温くなっちまうから早く飲めよ」
秀は僅かに口角をあげながらイグニスに飲むように勧める。
「それでは、いただきます!」
イグニスは勧められるままストローで野菜ジュースを吸い上げる。
ミカンと苺の甘酸っぱさに林檎の優しい甘さ、レモンの爽やかな酸味で口当たりが良い。
人参の甘味も果物と調和しており飲みやすい1杯になっていた。
「美味しいです!私の為に作ってくれたジュース……感激です」
イグニスは赤ら顔で無邪気に笑みを浮かべてチューチューとジュースを飲んでいく。
秀はイグニスが気に入ってくれた事に安堵しつつ、氷のうを作りにもう一度厨房へと向かった。



依頼結果:大成功
MVP

メモリアルピンナップ


エピソード情報

マスター 木乃
エピソードの種類 ハピネスエピソード
男性用or女性用 男性のみ
エピソードジャンル コメディ
エピソードタイプ ショート
エピソードモード ノーマル
シンパシー 使用不可
難易度 とても簡単
参加費 1,000ハートコイン
参加人数 5 / 2 ~ 5
報酬 なし
リリース日 03月15日
出発日 03月21日 00:00
予定納品日 03月31日

参加者

会議室

  • [5]蒼崎 海十

    2015/03/20-23:54 

  • セイリュー・グラシアと精霊ラキアだ。
    今回もヨロシクー!
    プランは提出済みさ。
    どんなジュースが生み出されるか、楽しみにしてるぜ。

  • [3]瑪瑙 瑠璃

    2015/03/20-22:10 

    瑪瑙瑠璃と相方の珊瑚です、よろしくお願いします。

    自分は今年、珍しく喉をやられました。
    薬は飲んでいますが、治っているかどうかあまり自覚がないこの頃です。

  • [2]アキ・セイジ

    2015/03/20-00:08 

  • [1]蒼崎 海十

    2015/03/19-21:50 


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