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クリスマスイベント(前編) ―ダークネスナイト― 関連エピソード情報


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◆関連エピソードプロローグ◆


●スノーウッドの森の異変
 秋の季節が薄らぎ少しずつ冬に近付いてくる季節。
 タブロスの街中はイルミネーション等を飾る人々で賑わっている。
 街の人々の顔には和やかな笑みが見える。
「今年はどうやって過ごそうかね」
「うんとね……」
 飾り付けをしながら親子は楽しそうに話している。
 店を飾っているのはクリスマスによく見るリースやツリーのオーナメントである。
「そういえば、サンタさんにはお手紙は書いた?」
 母親がそう尋ねると娘は困ったように顔をして答える。
「書いたんだけど……お手紙がなくならないの」
「あら、いつもならサンタさんとっくにお手紙持っていってくれるのにね……どうしたのかしら」
 少し泣き出しそうな娘をなだめるようにように母親は頭を撫ぜる。
「今年はくれないのかな?私悲しい……」
 娘は飾り付けの手を止めると瞳から涙を流した。

 タブロスより北方に位置するノースガルドの北の森「スノーウッドの森」の最深部付近ではウィンクルムが調査に来ていた。
「すごい瘴気じゃのう……のぉ春風」
 80歳ぐらいの老人の精霊、北海=サム=優は町の中の瘴気に驚いたように見回している。
「A.R.O.A.に依頼されて瘴気を調べに来たけれど、凄いね」
 それに答えるように神人の春風は瘴気にも負けず気楽に答えた。
「あと、この唸り声は……すごいのぉ……意外と近いようじゃ、用心せねばのぉ」
 唸り声のする北西の方向に2人は同時に目をやった。
「森の動物達に聞いたけど、この瘴気が現れてからあの声がするようになったみたい」
 鹿耳帽子を被った春風が、そう言い放つ。
「しかし、その帽子は便利じゃのう、ノースガルドの商工ギルドに感謝じゃのう」
「効果はあまり持続しないようだけど、動物とおしゃべりなんて夢のようね」
「うむ、ワシも着けてくればよかったかのう。そして春風よ、この気配は炎龍王で間違いないかの?」
「うん、以前炎龍王が出現したときの気配と同じだわ」
 春風の答えに何度か納得したように頷くサム。

すると突然そこに大きな黒い影が大量の瘴気を纏い、2人を横切る。

「あれは……炎龍王なの……?」
「春風よ、前に見た炎龍王とはまったく違う姿で……額に角もあったぞ……」
 二人がその禍々しい姿に呆けていると、
「おい!春風にサムじゃないか!!」
 話をしている2人に突如長身で金髪の青年が話し掛けてきた。
 青年の顔を見てもパッとしないのか不思議そうに見ている。
「久しぶりだな……おい、オレだよ、レッドニスだよ!!」
 名前を名乗られてもどうもピンとこないのか2人はレッドニスを見つめる。
「さて、どなたじゃったかな?」
「わからない……」
 その返答にレッドニスは落胆するが話しを続ける。
「この瘴気はスノーウッドの森の中央に位置する……クリスマスの願いを叶える「メリーツリー」辺りから多くの瘴気が発生していて、
 さらにその周りには「メリーツリー」を守るように障壁と大量のオーガ達がいるみたいなんだ」
「なんと!それはまずい状況じゃのう」
「その瘴気に誘われたのか龍が出現するようになったというわけさ」
「オレはあれから弟のダークニスが持っていったサンタの袋を見つけて、サンタをしているんだけど、
 メリーツリーが龍に占拠されてどうやらエネルギーを吸収してるみたいで、
 手紙の回収や、このままだとプレゼントを配るのも厳しい状態なんだよな」
「なるほど、これで、タブロスが大騒ぎしている原因もなんとなくわかったわね」
「皆には申し訳なく思っているが、偶然にもこの森の瘴気からダークニスの波長を感じて追っているわけなのさ」
 事情を聞いた春風とサムは原因を突き止めたと顔を見合わせた。
「サム、A.R.O.A.へ報告に戻りましょう」
「そうじゃの、レッドニスはどうするのかね?」
「ダークニスが心配だからな、このままスノーウッドの森を探してみるぜ」
「そうか、オーガ共にはくれぐれも気をつけるのじゃぞ」
 レッドニスに別れを告げ2人はスノーウッドの森を後にした。

●A.R,O.A.本部にて会議
 A.R,O.A.本部の1室では会議が開かれていた。
「次の報告ですが、街からサンタに向けた手紙をどうやらサンタが受け取れていないようだ、
 この件については、サムと春風から調査報告がきている」
 
 「ノースガルドの北の森「スノーウッドの森」の最深部「古代の森」にある「メリーツリー」を囲うようにして、
 障壁が張られ、その周りには多数のオーガやデミ・オーガ、炎龍王の手下と見られる妖怪、どこから沸いたか定かではないが
 悪魔の姿を模った生物も出現しているようだ」
 続けて秘書風の女性職員が資料を見ながら言う。
 「過去の文献によると、この悪魔を模った生物はおそらくクラックという異世界の生物と想定出来ます。
  攻撃的であり総じて闇属性ということがわかっています。しかし異世界とは次元の揺らぎが無いと繋がらない筈なのですが……」

「そして、これが厄介なんだが……」
 男性職員が怪訝そうな顔で話し始める。
「サムと春風が古代の森で炎龍王に出くわしたそうだ。  さらにはメリーツリーからエネルギーを吸収しているらしい。一刻を争うわけだ。」
 職員の話にその場にいた数人の職員が黙り込んだ。
「まぁ、出くわしたといっても2人の前を横切っただけなのだが、
 黒い楔が刺さっていたことからして、まず間違いないだろう」
「さらに、炎龍王はデミ・オーガ化が進行して姿は一変し、より攻撃的になっているとのことだ」
「炎龍王の塒は飛んでいった方向から障壁の中だろう、ウィンクルム達に討伐をしてもらおうにも、
 障壁と取り巻きのオーガ達が厄介というわけだ……」
 頭を抱え悩む男性職員、静まり返っている部屋の中に威勢の良い声が響く。
「すぐにでも調査し、ウィンクルム達を集め指令を出しましょう!」
 勢いよく立ち上がったのはまだ10代ぐらいの青年だった。
「まずは障壁を破壊して、それから炎龍王を叩くんです!ウィンクルムを集めます!」
 その勢いのまま青年は飛び出していった。
「ライラットは相変わらずクリスマスとなると元気だな。
 ノースガルド地方やメリーツリーに詳しいのは確かだ、あいつに任せてみるか」
「しかしレッドニスは何故生きて……セイント……まさかな」
 

●クリスマスを成功させる為に!
 それから数日後ウィンクルム達はA.R.O.A.の大きな講堂に集められた。
「皆さん集まっていただきありがとうございます!クリスマスまでもう少しとなりました!
 しかし、緊急事態が発生です、本日は宜しくお願いします!」
 ライラットは一礼して、事情を話し始める。
「――と、言う訳なんです!」
 ライラットは手振り身振りで会議の内容を一生懸命に伝える。
 「そして、ウィンクルムの皆様にお願いしたいことが、2つあります!
 まず1つ目です。障壁は今のままでは破壊に困難を極めます。
 そこで、障壁を弱める為、スノーウッドの森周辺の狂気を取り払って頂きたいのです!」
「危険な場所は障壁のある古代の森だけですが、スノーウッドの全体が狂気に満ちてしまっています。
 この狂気を取り払うには近隣の街や、森の動物達と楽しんで下さい!
 狂気を取り払うことで障壁は脆くなるはずです!
 ノースガルドの商工ギルドより動物と話せるようになる帽子を特別にお借りしています。
 こちらウィンクルムに1つお渡ししますので、上手く活用して下さいね!」
 職員が帽子を配っている中2つ目の指令が言い放たれる。
「そして2つ目ですが、ズバリ障壁の破壊です。どうやら障壁は封印石によって形成されているようです。
 この封印石の破壊が目的になるのですが、先ほどもお伝えした通り、
 障壁付近にはオーガ達が待ち構えています。しっかりと戦闘準備をして下さい!以上です!」

 指令について全てを話し終えると、ライラットは深呼吸をして真っ直ぐ前を向く。
「クリスマスを台無しになんて絶対にさせません!炎龍王とオーガを倒しましょう!皆さん僕に力を貸して下さい!」

今回ウィンクルムに告げられた、指令は2つ。
『封印石の破壊』 『障壁の力の減退』
この2点になります。
障壁を打ち破り、いざ、炎龍王を討伐です。


◆関連エピソードエピローグ◆

●結界を越えて

 スノーウッドの奥にある古代の森のさらに奥、そこに張られた強固な結界。
 その前に多くのウィンクルムたちが集まっていた。

 森に充満してた瘴気は彼らの力で祓われ、見た目には平静を取り戻しているかのように見えた。
 しかし、残る問題は二つ。
 この結界の破壊と、その先にあるメリーツリーが存在する聖域の奪取である。

 待機しているウィンクルムに通信が入った。
 結界の基点である封印石。
 その最後のひとつを破壊したという連絡だ。
 それ受けるとほぼ同じタイミングで、結界がぱぎり、と薄氷が砕け散るような音を発した。
 その音を皮切りに、ウィンクルムたちを阻んでいた壁、その全てが儚くも崩れ去っていく。
 
 粉雪のような結界の残滓を見やりながら、彼らは各々の武器を構えなおした。
 気を引き締めなおし、その奥へと進んでいく。

 目指すはメリーツリーが鎮座する聖域。
 炎龍王がいるであろう決戦の地だ。

●災禍の龍

 結界が破られるまでまだ時はある、敵方はそう考えていたのだろう。
 ウィンクルムたちは相手の不意をつくことに成功していた。
 たいした交戦もなく、敵を打ち倒し、無力化し、捕らえていく。

 全ては上手くいっている。
 全てが上手くいき過ぎている。
 このまま何事もなければいい。
 このまま何事もないはずがない。
 反する思いを抱えながら、ウィンクルムたちはメリーツリーを目指す。

 彼らがその場にたどり着いた時、二つの巨躯を見上げた。
 一つは大樹、天をも突かんばかりに伸びる聖なる巨木、メリーツリー。
 一つは龍、世界を巡りかつての姿すら失った堕ちた龍神、炎龍王。
 ウィンクルムたちは自分たちと異なるそのスケールに、その単純な違いに息を呑んだ。

「意外と、はやかったね」

 聞こえた声に視線を下ろすと、炎龍王の傍らに佇む男がいた。
 サンタから伝えられた情報と合致する彼は、ダークニス・サンクロース。
 炎龍王もダークニスの言葉に反応し、自身の背後に居並ぶウィンクルムたちへと顔を向ける。
 龍は彼らの姿を見るや忌々しげに唸り声をあげると、ダークニスをその手で包みその翼を広げた。

 このままでは逃げられてしまう。

 圧倒されていたウィンクルムたちはそこで意識を取り戻し、逃亡を阻止しようと駆け出した。
 炎龍王の放つ熱が辺りの雪面を溶かし乾かしていたのか、彼らの足はしっかりと地面を捉えていた。
 滑る危険性のある雪原とは違い、躊躇なく全速力で駆けるウィンクルムたち。
 迎え撃つ炎龍王は、がぱり、とその口を開いた。
 その奥に見えるは不気味に明滅する黒く暗い紅蓮。

 下がれと叫んだのは誰だったか、後ろで見ていた神人たち全員かもしれない。
 どちらにせよ、その声を聞いた前衛たちは咄嗟に炎龍王から距離をとった。

 次の瞬間、刹那の煌きの後、ウィンクルムたちに衝撃と熱風が襲いかかる。

 線引くように放たれたその炎は、射線上の一切合財を灰燼に帰す黒紅の火炎。
 無残に抉られた地の亀裂から火柱が吹き上がる。
 ちらちらと、まるで雪のように黒炎の粉が舞い踊り、移り、広がっていく。
 たったの一撃で、聖域は煉獄へと姿を変えた。

 厚い熱い炎壁は、ウィンクルムたちの行く手を阻む。
 ウィンクルムたちは、ただ龍を見上げることしかできなかった。

●報告書より抜粋

 事件発生現場
 『ノースガルド北部森林「スノーウッド」』

 任務内容
 『瘴気の浄化』
 『古代の森に張られた結界の破壊』
 『炎龍王の討伐』
 『メリーツリーの奪還』

 任務詳細
 『瘴気の浄化』
  近隣の町や村にて、ウィンクルムたちにデートを楽しんでいただきました。
  また、動物たちと直接ふれあい、恐怖や心配を取り除くことにも注力。
  結果、愛や喜び、希望といった感情が溢れ、反属性である瘴気を祓うことに成功。

 『古代の森に張られた結界の破壊』
  炎龍王の分身や、炎龍王配下の妖怪たち。デミ・オーガやオーガの妨害を受けるも、
  それらを見事退け結界の基点である全ての封印石を破壊することに成功。

 『炎龍王の討伐』
  現地森林聖域にて戦闘部隊が対峙するも討伐対象の攻撃に動きを阻まれ、逃亡を許してしまった。
  その後は森林の消火活動に追われ、追跡することもできなかった。
  対象は「メリーツリー」からそのほとんどのエネルギーを吸収し更に成長していたとのこと。
  哨戒からの報告によれば、対象はまだノースガルドに潜伏していると思われる。

 『メリーツリーの奪還』
  もう少しで全てのエネルギーを吸い尽くされ、枯れてしまう寸前だったが辛くも奪還に成功。
  聖域周辺の被害は甚大だが「メリーツリー」には焦げ痕一つなかったのは奇跡としか言いようがない。
  現在は世界で一番「メリーツリー」に詳しいであろうサンタさん本人が異常がないか調査中。


「こんなものでしょうか」

 ノースガルドより帰還したライラットは、事の顛末を報告するための書類を作成していた。
 しかし、それも今しがた書き終えたところだ。
 ん~、と一伸びする彼の背中が小気味良い音を奏でる。
 そんな人心地ついている彼の元へ、とある人物が訪ねてきた。

「何度も悪いんだが……お前さんたちの力、また頼らせてもらえるか?」

 赤い衣を身に纏いやってきた人物を見て、ライラットは気分が高揚するのを感じていた。

 クリスマスはまだ、始まってすらいない。


◆NPC情報◆


●A.R.O.A.の関係者、ウィンクルムたち

ライラット
クリスマスの時期になると、人一倍活発になる。
クリスマスに縁のある土地や情報に詳しく、
イベント関連や、それ等を滞りなく進行させることに尽力する。
レッドニス・サンクロース
ダークニスを弟とし、突如消えてしまったダークニスの行方を追い続けている。
やっとの事で手がかりを得たものの、そこはオーガと炎龍王の巣窟だった。
ダークニスの行方を捜す傍ら、サンタとしての活動も続けている。

※公式オフイベント「ゆるふぇす」の オフラインセッションに登場したキャラクター
ダークニス・サンクロース
レッドニスを兄とし、家族思いの良き弟であったが、
オーガ「ナイトメア=フェイクギフト」に唆され疑心暗鬼になってしまう。

※公式オフイベント「ゆるふぇす」の オフラインセッションに登場したキャラクター
春風
自由気ままなお気楽娘。
アヒル特攻……ではなく、アヒル特務隊「オ・トーリ・デコイ」を使いこなす。

※公式オフイベント「ゆるふぇす」のキャラクターメイキングで誕生、その後 オフラインセッションに登場したキャラクター
北海=サム=優
まだまだ現役!最年長の80歳!
デートコーディネイトのゴージャスマントは本人一押し。

※公式オフイベント「ゆるふぇす」のキャラクターメイキングで誕生、その後 オフラインセッションに登場したキャラクター


●炎龍王

炎龍王(変異体)
負の感情によってデミ・オーガ化し、変異してしまった炎龍王。

紅月ノ神社や月の都市ラビットエデンなど
各地を巡るうちに凶暴性が増し、 古来から言い伝えられた神々しい東洋の龍な姿は見る影もなく、西洋的な邪悪なドラゴンへと変貌している。
また、本来のものとは異なる額の一本角はデミ・オーガ化の影響により発生したものとされている。

スノーウッドの森中心部「古代の森」にあるメリーツリーからエネルギーを吸収し、 さらに力を増していると思われる。

( イラスト R-E )


◆クリスマスイベント関連情報◆


■ノースガルド
 タブロス市のあるミットランドの北にある雪深い地域の地域名称です。
 ノースガルドの大半はスノーウッドの森と呼ばれる大森林地帯に覆われています。
 中心都市はホワイト・ヒル町で、冬の観光地として有名です。


■スノーウッドの森、地理情報
 森林地帯の総称で、大小の森、山丘陵、村々を含みます。
 森のちょうど中央には「古代の森」があり、さらに中心には「メリーツリー」がそびえています。


■封印石
 炎龍王とその部下が設置した、古代の森に結界を作っている魔法の石です。
 現在数十個が設置され、オーガや妖怪によって守られています。
 これを破壊することで、結界を破壊することができます。

 また、A.R.O.A.の調査では、この石は聖なる力を逆転させる力があることがわかりました。
 もしすると、メリーツリーの聖なる力を逆転させて、炎龍王のパワーにする働きがあるのかもしれません。
 そうだとすると、一刻も早く封印石を破壊することが、炎龍王にこれ以上エネルギー充填をさせないために重要なことでしょう。



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